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「フェンダー・テレキャスター」は、「現代エレキギターの元祖」です。「エスクワイア(1949年)」、「ブロードキャスター(1950年)」、そして「テレキャスター(1951年以降)」へと名前は変わっても今なお生産が続けられ、移り変わる音楽シーンに伴ってテレキャスターも変身を続け、現在さまざまなテレキャスターがリリースされています。今回はこのフェンダー・テレキャスターに注目し、その魅力、そして種類や特徴をチェックしていきましょう。テレキャスターの購入を検討しているという人は、ぜひ参考にして下さいね。
The Rolling Stones – Start Me Up (Sweet Summer Sun – Hyde Park)
ローリング・ストーンズ所属、キース・リチャーズ氏の愛機「ミカウバー(Micawber)」は、世界でもっとも著名なテレキャスターの一つです。1953年製テレキャスターのフロントにギブソンのヴィンテージPAFを載せ、6弦を外して「オープンG」チューニングで使用します。
テレキャスターは、「エレキギターの元祖」なのでしょうか。残念ながら、それは違います。ソリッドボディのエレキギターとしては、1931年にロー・パット・イン・コーポレーション(後のリッケンバッカー)が開発したラップスチール(=膝や台に仰向けに寝かせて演奏するギター)「フライングパン」が世界初です。スパニッシュスタイル(=横に構えて弾く)でソリッドボディのエレキギターとしては、同じくリッケンバッカーが1935年に発表した「エレクトロ・スパニッシュ」が大きく先行しています。しかしながらテレキャスターは、
など、これまでの常識から逸脱した斬新な設計で、また弾きやすくサウンドも良かったため、商業的に大成功を納めました。このテレキャスターが後に続く他のギター、また後発ギターメーカーの生まれるきっかけとなりました。テレキャスターは、いわば「現代エレキギターの元祖」なのです。
テレキャスターが「サイドギターやギターボーカルが使用する楽器」として多くのプレイヤーに愛用されているのには、理由が二つあります。テレキャスター特有のサウンドと、同じく特有のボディバランスです。
クリーン/クランチで「ジャキッ」と気持ち良く鳴ってくれるサウンドは「トゥワンギー」とも言われ、コード弾きに大変良好です。シングルカッタウェイ、ハードテイル(固定式ブリッジ、裏通し)という構造は芯のある弦振動を生みます。
立って弾こうとすると、テレキャスターは水平になろうとします。このバランスが好きな人も多くいますが、リード奏者の多くが苦手とするバランスでもあります。しかしこれがコードストロークを行なう上では非常に良好で、とくにアコギに慣れているプレイヤーにとっては大変弾きやすく感じます。
ゲット・アップ・ルーシー / THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
惜しくも早世した名手、アベフトシ氏。リードも取りこそすれ、ひたすらかき鳴らすギタリストに最も似合うのは、やはりテレキャスターではないでしょうか。
テレキャスターが「コードを演奏する楽器」として大変に優れているのは、疑いようがありません。しかしながら、テレキャスターによるリードプレイは、またことのほか魅力的です。以下に紹介するロイ・ブキャナン氏のように、テレキャスターでのリードプレイを得意とするプレイヤーは実にたくさんいます。ジェフ・ベック氏の名演「悲しみの恋人たち」でテレキャスターが使用されたのは、このブキャナン氏に捧げるためだったと伝えられています。
Roy Buchanan – In the Beginning (Live)
若くして不遇の死を遂げたテレキャスターの名手、ロイ・ブキャナン氏の名演。突き抜ける高音域が、テレキャスターサウンドの魅力です。ロイ氏のプレイに衝撃を受けたエリック・クラプトン氏やジェフ・ベック氏らがこぞってテレキャスターを買い、血相を変えてそのプレイをコピーしたという逸話があります。
テレキャスターには無骨なイメージがあり、演奏性を最優先に設計されたいわゆる「テクニカル志向」のギターとは真逆の存在です。そのためか、テレキャスターメインでウマいプレイヤーは「テレマスター」と称され、他のギターでウマいプレイヤーよりも尊敬される傾向にあります。そういった名手の中でも、現代のプレイヤーでもなかなか超えられないと言われるのが、故ダニー・ガットン氏です。
氏は、「世界最高の無名ギタリスト」の名をロイ・ブキャナン氏と二分する達人プレイヤーです。それを象徴するかのように、氏については日本語版のウィキペディア記事が存在しない(2022年5月現在)ばかりか、このサイトで紹介できる公式の動画すらない状況です(非公式の動画は、たくさん見ることができます)。
氏についてはフェンダー・カスタムショップからシグネイチャーモデルがリリースされています。また、教則DVD、ハンドメイドのシグネイチャーピックアップなど関連グッズがいくつかリリースされているほか、手塩にかけて育てたというジョー・ボナマッサ氏の活躍もあって、ドキュメンタリー映画が公開される(日本では非公開)など、再評価が進んでいます。
テレキャスターには、様々なバリエーションがあります。ですからちょっとしたアレンジから抜本的な仕様変更まで、網羅しようにもキリがありません。細かく見ていく前に、ここではそのバリエーションをざっくり3種類に分類し、その特徴を見ていきましょう。
American Original ’50s Telecaster
単に「テレキャスター」と言われたら、まず真っ先にイメージするであろう標準機です。ソリッドボディに大小2基のシングルコイル・ピックアップ、3WAYセレクタ、1基ずつのボリューム、トーンを備えるのが基本的なスタイルですが、ピックアップはハムバッカーに換装されるなどカスタマイズによって「プラス」や「スペシャル」の名が付けられることもあります。
Player Plus Nashville Telecaster
年式やコンセプトによってバリエーションは多岐に及びます。その中でもセンターピックアップを追加して3シングル仕様にしたものを「ナッシュビル・テレキャスター」と呼びます。また1959年に誕生した、「アルダーボディ、ローズウッド指板、ボディバインディングあり」のテレキャスターは「テレキャスター・カスタム」と呼ばれます。
ギター博士がフェンダー・ジャパン・テレキャスターを弾いてみた!
ギター博士が弾いているのはFender Japan Exclusive「Classic 60s Tele Custom」
American Original 60s Telecaster Thinline
「シンライン」は、ボディ内部をくり抜いてホロウ化させたテレキャスターです。ボディの中心部分はソリッドのまま残されますから、セミアコ(セミホロウ)に分類されます。このシンラインには、標準的なテレキャスターをホロウ化させた「1969年式(’69シンライン)」と、両ピックアップを「ワイドレンジ・ハムバッカー」に変更した「1972年式(’72シンライン、70sシンライン)」の2タイプがあります。
Made in Japan Traditional 70s Telecaster Thinline
ボディ構造から生音が大きく、サウンドに柔和なニュアンスが若干加わりますが、そのためなのかどちらかと言えばギターボーカルに使用される機会が多いようです。
フロント・ピックアップのみワイドレンジ・ハムバッカーのテレキャスター・カスタム「Classic 70s Tele Custom」
フロント・リアどちらもワイドレンジ・ハムバッカーのテレキャスター・デラックス「Classic Series ’72 Telecaster Deluxe」
低音弦側にトグルスイッチを配し、ピックアップそれぞれにボリュームとトーンを備えるという電気系は、ギブソンを意識し、また対抗したのだと言われています。フロント・ピックアップをワイドレンジ・ハムバッカーに換装したものを「テレキャスター・カスタム」、リア・ピックアップもワイドレンジ・ハムバッカーに換装したものを「テレキャスター・デラックス」と言います。テレキャスター・デラックスには、この時代に見られるストラトキャスターと同じ「ラージヘッド」が採用され、またボディ裏にはコンター加工が施されます。ピックアップの出力が増強されたことから、こちらは特にロック系のアーティストに多く使用されているようです。
3つの主要カテゴリー以外にも、これまでなかったピックアップ配列を採用した新しいテレキャスターが作られています。
American Performer Telecaster HUM
フロントにP.A.F.スタイルのハムバッカーを配置。
BOXER Series Telecaster HH
P.A.F.スタイルのHH配列。
Paranormal Cabronita Telecaster Thinline
シンラインのボディに、ジャズマスター用ピックアップを2基搭載。
Paranormal Cabronita Telecaster
P-90タイプを2基搭載。
1)’72シンラインとテレキャスター・デラックス
ワイドレンジ・ハムバッカー2基を備える「’72シンライン」と「テレキャスター・デラックス」はピックアップとブリッジが共通であることから、かなりキャラクターが近いギターです。かなり紛らわしいですが、
で区別がつけられます。
2)ふたつの「テレキャスター・カスタム」
異なる仕様に「テレキャスター・カスタム」という同じ名前が使われていて、大変紛らわしくなっています。これについては誕生した年代から、
などと呼んで区別されます。
テレキャスターはフェンダーの主軸と言えるギターで、フェンダー・カスタムショップ(FCS)/USA製/メキシコ製(MEX)/日本製(MIJ)/スクワイア、以上「フェンダー5分類」全てからそれぞれのテレキャスターがリリースされています。
「フェンダー5分類」それぞれについては「フェンダー・ストラトキャスターの選び方」で述べていますので、こちらを参照してください。
フェンダー5分類の価格分布を見てみましょう。、スクワイア、MEX、USA、FCSの価格はキレイに住み分けられており、MEXに収まるような形でMIJが展開しています。3万円台から100万円オーバーまでの幅がありますが、だいたいの予算が決まっていれば、どこから選べばよいのかが決まってくるわけです。
フェンダーからは現在60種を越えるテレキャスターがリリースされていますが、これだけあると予算で絞り込んでもなかなか選びきれないかもしれません。判断材料を得るため、テレキャスター各部の特徴をチェックしてみましょう。
ここからは、重箱の隅をつつくような細かなところをチェックしていきましょう。フェンダーのギターは長い歴史の中で様々な仕様を採用してきましたが、それらは多くの場合、「ヴィンテージ・スタイル(伝統的)」と「モダン・スタイル(現代的)」とに大別できます。
この考えは、パーツそれぞれについても、また楽器のトータル的なコンセプトについても使われます。100%ヴィンテージ・スタイル、あるいは100%モダン・スタイルというギターは、実はそれほど多くありません。「ココだけモダン」「ココだけヴィンテージ・スタイル」というように、新旧の配合を調節したテレキャスターも多くリリースされています。
テレキャスター自体がエレキギター全体の中では「古風」なスタイルなので、モダンなスタイルのギターであっても随所に伝統的な仕様が採用されるわけです。それぞれの箇所にどういった特徴があってギターを形成しているのか、と考えていくと、気になるテレキャスターがどんなギターなのかをある程度推察することができます。
それでは、「ボディ」「ネック」「ピックアップ」「各部金属パーツ」それぞれについて、新旧の違いを見ていきましょう。
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