SAYTONEピックアップ

[記事公開日]2016/8/2 [最終更新日]2018/1/15
[編集者]神崎聡

SAYTONEピックアップ

SAITO GUITARSのギターには、同社ブランド「SAYTONE」のピックアップが搭載されます。SAYTONEは「手巻き」製法を売りにしていますが、ヴィンテージギターのトーンを復刻することが第一の目的ではなく、ピックアップの性能を突き詰めていった結果、機械化によって省かれてしまった「手巻き」こそがベストの製法であることに行きついたのだといいます。

現在ではギターアンプも多様化し、伝統的な真空管アンプから最新のデジタルモデリングアンプまでさまざまなものが使われています。ギターをPCに直接挿しこむこともあり、テクノロジーの進歩と共にエレキギターの演奏環境は多岐に及んでいます。SAYTONEはこうした時代に、原点に回帰した手巻きのピックアップこそがベストなトーンをもたらすのだと提唱しています。

SAYTONEピックアップのラインナップ

SAYTONEのラインナップは、基本となるシングルコイルとハムバッカーで構成される大変シンプルなものです。しかしそれはピックアップの性能を「納得いくまで上げきった結果」であって、性能の上下にバリエーションは関係ないという考えのようです。

しかし標準ハムバッカー「Sledge α」はアーチトップ用、ソリッドギターのフロントおよびリア用それぞれに適切な寸法のものが用意され、シングルコイルも配置されるポジションを想定した作りになっているなど、モデル内のバリエーションはしっかり準備されています。

標準ハムバッカー「Sledge α」

「Sledge α」はアーチトップの「M」シリーズ、ソリッドモデルの「S」シリーズ共に標準仕様となっているハムバッカーで、手巻きならではの分離感や切れ味の良さを発揮しています。必要なポイントごとにコイルの巻き方を調整して製造されるため、ハムバッカーでよく見られる「高音域が物足りない」という不満を解消した美しい高音域を持っています。コイルに使用するエナメル線は、本家ギブソンのヴィンテージPAFと同等のものを使用するこだわりぶりです。

強化型ハムバッカー「Bore Up」

「Bore Up」は、リアにもっとパワーが欲しいギタリストを対象に、Sledge αの出力を上げたリア用ハムバッカーです。中音域を中心にパワーが増した分、オーバードライブからハイゲインまで、歪みが使いやすくなっています。現代的な使い方にフィットしながら、ヴィンテージライクな分離感と切れ味はそのまま得られるという新感覚のハムバッカーです。


Sledge α、Bore Upともに、白、黒、ゼブラ、逆ゼブラのカラーバリエーションがあります。

標準シングルコイル「Scream」

saytone-pickup2

「Scream」は「S」シリーズの標準シングルコイルで、手巻き特有の分離感と切れ味のある、高性能ピックアップです。1964年後半から1968年前半のフェンダー・ストラトキャスターに搭載されていた「グレーボビン」ピックアップと同じプレーンエナメルをコイルに使用しており、低域から高域まで幅広いレンジと充分な出力を持っています。

高出力シングルコイル「Growl」

「Growl」は出力を上げたシングルコイルですが、標準シングルコイル「Scream」とは違うピックアップとして改めて開発されています。1959年から1964年ころのストラトキャスターに搭載されていた「ブラックボビン」ピックアップと同じ「へヴィーフォームバー」をコイルに使用しており、当時のストラトが持っていた「野心的な強さ」を感じさせるトーンを持っています。中低域に主張のある力強いトーンはドライブサウンドとうまくマッチしますが、手巻きのメリットもそのまま残されています。


「Sledge α」と「Scream」が標準的な出力、「Bore Up」と「Growl」が高出力でバランスがとられているため、ハムバッカーとシングルコイルを併用する場合、

  • 標準的な出力:Sledge α+Scream
  • 高出力:Bore Up+Growl

という組み合わせが理想的です。

このほか、ジャズマスタータイプ「S-622JMC」専用ピックアップ「Flat Head」、テレキャスター向け「Stax(ランダムポールピース)」及び「Baird(フラットポールピース)」、また7弦ギター専用ピックアップなど、ポイントを絞ったさまざまな高性能ピックアップが開発されています。

SAYTONEのサウンド


BOSS BD-2 vs BD-2W WAZA Craft 【Supernice!エフェクター】
リアに強化型ハムバッカー「Bore Up」、センターとフロントに標準シングルコイル「Scream」を搭載したストラトキャスターでの演奏。
現在、SAYTONEピックアップは単体での販売は行っていません。


以上、ヴィンテージピックアップを研究し尽した成果だけあって、歴史に根差した作り方をしていますね。しかし「何年の何っぽい」というところではなく、あくまでも「現代の道具」として使えるピックアップの性能を追い求めた開発をしています。ロック、ブルース、ジャズから凶悪なハイゲインサウンドまで、SAYTONEピックアップは幅広く使用できます。

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