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サドウスキーの歴史は1979年、フィラデルフィアでリペアマンとして働いていたロジャー・サドウスキーが独立、リペアショップを立ち上げる所から始まります。すでに「名工」として知られていた彼の元には次々と改造/調整の注文が入るようになります。
1980年代初頭にはロジャー自身の手による楽器製造を開始、N.Y.のスタジオミュージシャンを中心に支持を集めます。現在では日本で生産する「メトロライン」とのタッグで高品位な楽器をリリースしています。ベースが主力ですが、ギターの評価も極めて高いブランドです。
NYC Guitars:Walter Becker Model:引用元 http://www.sadowsky.com/
2014年現在、サドウスキーのギターはマンハッタンでセットアップしているフェンダースタイルを基調とした「NYC」、ジャズプレイヤーに向けたセミアコ/フルアコのシリーズ「アーチトップ」が生産されており、東京に事務所のある「メトロライン(=かつてのサドウスキートーキョー、サドウスキーTYO)」ではストラトタイプのギターとレスポ−ルタイプのギターが作られています。
雑誌などでよく見かける「コンポーネント」ギターとは、いろいろなメーカーのパーツを組み合わせてセットアップしたギターのことで、サドウスキーはこの「コンポーネント」の代表として知られています。
サドウスキーはリペアショップからスタートした歴史をふまえ、ブランド創立当初から楽器のセットアップと改造を重視しています。そのため木工、木材加工などの製造は信頼のおけるメーカーに外注、塗装は別の楽器塗装専門会社に依頼しています。ピックアップもディマジオに特注しており、既製品の寄せ集めとは全くちがう、特注の高品位なパーツばかりを集めてセットアップし、きっちりバランスをとる、というこだわりぬいた大変ぜいたくな仕様です。
「ソリッドギターにもアコースティックな響きが必要」という信念に基づいてこだわり抜いて作られたギターは、当然の結果として鳴りがよく、どんなアンプやエフェクタでも良好なサウンドを得る事が出来ます。また伝統的なスタイルを継承した外観が基本ですが、さらに弾きやすくなるような大小数々のアイディアが設計に反映されています。
ストラトタイプでは、ボディサイズに本家フェンダーと同じサイズのものと、やや小さめにしたものの二つを用意しており、【ちょっと小さい方が弾きやすい】というユーザーのニーズを反映させています。また、指板のRを大きめに取るのとジャンボフレットを採用することで、特にハイポジションでのチョーキングが詰まる事なくキレイにキまるようにしています。
Sadowsky Guitars Bass Preamp Kit VTC
ソリッドギターは全てアクティブサーキット(=プリアンプを軸とした、電池駆動の回路)が搭載されており、ノイズが少なく、エフェクタのかかりが良い、アクティブらしいくっきりとした音像が特徴です。またミッドブースト/ゲインブーストができるので、楽器だけでサウンドのバリエーションをかなり確保する事が出来ます。
サドウスキーの名を世界的に知らしめたのはこのプリアンプであり、サドウスキーの楽器には非常に重要なアイデンティティーでもあるのですが、スイッチを切ってパッシブ(=電池のいらない回路)として使用する事も出来ます。パッシブとして使用してもパッシブらしいサウンドが得られる大変優れた楽器として使用できますから、楽器本体が非常に良く作られている事が、ここからも解ります。
日本のサドウスキーは輸入代理店「オカダインターナショナル」が展開しています。本家N.Y.のサドウスキーの従業員だった菊池嘉幸氏が帰国後チーフルシアーとして就任することで、「サドウスキー」の名を冠することが許されているコピーブランドです。コピーブランドといっても、初期の製品はあまりにクオリティが高く、N.Y.からクレームが出たそうです。サドウスキートーキョーの「二桁シリアル」は本家をしのぐ、「三桁シリアル」は本家に迫るクオリティがあるといわれる貴重品です。
現在「サドウスキー・メトロライン」として長野県の楽器メーカー「Red House」と「T’s Guitars Factory」に木材加工を依頼、東京の工房でセットアップするという作り方をしています。オカダインターナショナルが取り扱っている「Shur(=サー)」や「EMG」のピックアップを採用するなどで低価格化を実現しています。現在ではアメリカ国内向けの「メトロベース」の監修もしています。
Sadowskyから受け継がれた遺伝子:菊地嘉幸氏が語るMetrolineシリーズの魅力
Red House レッドハウスギター – Supernice!ギター修理
T’s Guitars Factory – Supernice!ギター修理
#5677 Vintage S-Style:引用元 http://www.sadowsky.com/
フェンダースタイルを踏襲した、極めてグレードの高いギターです。ロジャー・サドウスキーが「スタイリッシュだと思う」と評価するやや小さめボディの「S-Style」、フルサイズの「Vintage S-Style」、テレキャスタータイプの「T-Style」があり、
が基本スペックです。また、軽い木材こそ音響特性に優れているという考え方のもと、ボディ材に使われるアルダーやスワンプアッシュは軽量なものがセレクトされています。新品では50万円を超える高額なものなので、多くのギタリストの「憧れの楽器」です。
Sadowsky NYCシリーズを…
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Metroline R1
NYCに比べれば手に入りやすい価格帯のメトロラインですが、決して廉価版には収まらない品質の高さが魅力のシリーズです。
などが共通しています。
3シングル、クルーソンスタイルペグの伝統的なスタイルながら、マイケル・ランドゥが監修したSuhrの「ML Classic」ピックアップをセレクトした温故知新のギター。
サドウスキーブランドのピックアップをSSH配列し、チューニングの安定に定評のあるシュパーゼルを搭載させた現代的なスタイル。
シュパーゼルペグ、EMGピックアップをSSH配列でマウント、1V1Tのコントロール、ピックガードを排したディンキースタイルのモデル。
ギター博士が使っているのはメトロラインR1シリーズの、ピックアップが SSH 配列になっている「Sadowsky Guitars Metroline R1 Classic SSH」。リアのみハムバッカー・ピックアップを搭載したことで、より自由度の高い演奏が可能になったモデル。いくつかの演奏動画で使用しているのがわかります。
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ドナルド・フェイゲンと並ぶ「スティーリー・ダン(Steely Dan)」の中心人物で、サドウスキーからシグネチャーモデルを発表しています。ロック/ポップスを基調としながらジャズ風の凝ったコード進行、緻密なアレンジ、一流のスタジオミュージシャンを多く起用し、それでなおラリー・カールトンのテイクすら没にすることもある、こだわり抜いた音楽を発表し続けています。
日本のフュージョンバンド「ディメンション(DIMENSION)」のギタリスト。ロジャー自身が組んだテレキャススタイルのギターを愛用。テレキャスターの鋭いサウンドもジャズギターのウォームなサウンドも出せる事から、本人はこの楽器を「ジャズキャスター」と呼んでいます。
B’z の松本といえばギブソンのイメージが強いですが、ストラトタイプを3本ほど所有し、レコーディングだけでなくツアーにも携行することがあります。「フェンダーのネックが太すぎるから、細いネックを注文した」とのことですが、現在愛用しているギブソンの太いネックについては「昔使っていた細いネックを握ると、その時の人生の薄っぺらさを感じる」というコメントを残しています。
漫画「疾風伝説 特攻の拓」の登場人物で、「ルビーヴァーミリオンのサドウスキー」がトレードマーク。ジョー・サトリアーニの「Friends」の演奏を主人公に贈ったライブの後、事故で重傷を負い、主人公にギターを託して死んでしまうシーンに涙した人も多かった事でしょう。この漫画に触発されてサドウスキーを買ったという人も多かったようです。
Sadowsky Guitars Metrolineシリーズ
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