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2018年に50周年を迎えた老舗のエフェクターブランド「Electro-Harmonix」
Electro-Harmonix(エレクトロ・ハーモニックス)社は1968年、キーボードプレイヤー、マイク・マシューズによって、ニューヨークに設立されました。1969年には最初期の製品として、「AXIS」という名を冠したファズペダル、そして「LPB-1(Linear Power Booster)」という名のブースターを開発します。そしてAXISをベースとした新たなファズペダル「Big Muff(ビッグマフ)」のプロトタイプが程なくして完成。このBig Muffのプロトタイプはジミ・ヘンドリックス氏に使用されるという幸運に預かると、2年後にはついに製品化します。Big Muffは当時のファズペダルとしては、ディストーションに近い音色を持ち、革新的なコンパクトエフェクターでした。数多くのギタリストに愛されたこのBig Muffを皮切りに、70年代には後に定番となる数多くのエフェクターを開発していきます(後述)。
80年代半ばには様々な問題が絡み合い、社は倒産。しかしマイク・マシューズはこれにめげず、ソビエト連邦に拠点を移し、SOVTEKという別ブランドでBig Muffを始めとするエフェクターの開発を続けていきます。この時期のBig Muffについても、クオリティは下がることがなく、むしろこの時期のものにしかない音色を持っているということで、現在ではカルト的な人気を誇っています。ちなみに、交換用真空管の開発を手がけ始めたのもこの時期で、こちらも現在のElectro-Harmonix社の主力商品のひとつとなっています。
90年代に入ると再びElectro-Harmonixブランドを取り戻すことに成功し、ニューヨークに舞い戻ります。現在でも蘇ったブランドの元に、エフェクターを中心とした幅広い開発が行われています。
現在のElectro-Harmonixエフェクターには、既存の価値観で推し量れないような個性的な製品、そしてエレキギターの王道を行く製品の二つの方向性があります。個性的な製品の中にはギターの音をオルガンやシンセサウンドに変えてしまうものなど、他の機種では真似のできない、斜め上をいく機能を持ったものもあり、演奏を楽しくさせてくれるようなものが多い印象です。
一昔前には「エレハモのエフェクターはでかい」というのが定説であり、実際にどのモデルもオリジナルは一般的なエフェクターの3倍ほどもあり、恐ろしく大きいです。オリジナルのBig Muffなどはそのルックスゆえに「弁当箱」などと揶揄されていましたが、現在ではほとんどの製品がバージョンアップの末に小型化されたり、Microシリーズ、Nanoシリーズなどの発売により小さくなる傾向にあり、手軽にペダルボードに設置できるようになりました。ただ、この大きさゆえの音が愛されていたのも事実で、小型版が発売されてなお、あえて巨大な方を選ぶ向きも多く、一言に”小さいペダルのほうが良い”と言い切れないところも面白いところです。
Electro-Harmonixといえば真っ先に名前の挙がるのが「Big Muff Pi」でしょう。71年に商品化されたこのペダルは、当時のファズペダルでも特に人気を博し、カルロス・サンタナ氏やピンクフロイドのデイヴ・ギルモア氏を始めとする多数のギタリストに愛されました。Big Muffは90年代に入ってもカート・コバーン氏などの愛用者がおり、時代に埋もれていかなかった希有なペダルとして、現在でも生産が続けられています。
Big Muffの知名度は群を抜いていますが、空間系のエフェクターにも定評のあるものが多く、
など、現在にも通ずる多彩な製品をすでに70年代に数多くリリースしており、当時世界で最も知られたエフェクターメーカーだったと言われています。復刻版は現在でも簡単に手に入りますので、まずはこの辺りから手に取ってみると、定番たるゆえんが理解できるでしょう。
同社の歴史を語る上で外すことのできないファズペダル。これは80年代中期まで製作された「Big Muff 3rd version」と呼ばれる巨大な外装をベースとし、オリジナルの音色を目指した現行品。ファズの中では音がつぶれすぎないディストーション寄りのクリーミーな音色は唯一無二のもので、発売当時、有名なギタリストがこぞって使い出したのもわかる魅力があります。
派生品が非常に多く、筐体が小さくなったNano Big Muff、70年代に生まれた同名の製品を蘇らせたLittle Big Muff、ロシア時代のものの復刻であるGreen Russian Big Muff、コントロール類を大幅に増やし、音色の幅を広げたDeluxe Big Muffなどがあります。
electro harmonix BIG MUFF Pi – Supernice!エフェクター
カート・コバーン氏の愛用で人気を博したSmall Cloneを小型に作り直した一品で、深みがあるウォームなサウンドが特徴。スイッチひとつにつまみ一つというシンプル設計で、非常に微細なコーラスから、フランジャーに近い大揺れのコーラスまでをカバーします。特にDepthスイッチをオンにしてしっかり目に掛ける強い揺れは、そのままカート・コバーンを連想させる奥行きのあるもので、この機種でしか出せない個性的な音色です。
Electro Harmonix Neo Clone – Supernice!エフェクター
1978年に発売されたフランジャーの定番Electric Mistressの現行品にして、シリーズのハイエンドモデル。音質は強烈というより、コーラスの延長に近い爽やかなもので、最大の特徴としてフィルター・マトリックス・モードという独特の機能を備えています。これはモジュレーションの波形をフランジさせずに原音に混ぜることができる機能で、いわば「動かないフランジャー」と言える特殊なもの。この機能で発せられる音色はチャイムのようとも形容され、このモデルを使う上での要ともなる機能です。小型機のNeo Mistressも展開されています。
Electro Harmonix Deluxe Electric Mistress XO – Supernice!エフェクター
ブランド創世記に作られたトレブルブースターをそのままの回路で復刻したもの。歪みエフェクターなどの後ろに置いてオンにすることで、抜群にヌケの良い音に生まれ変わります。ソロの時にオンにするような用途がまず考えられるペダルですが、全編にわたってクリアな音が得たいときにも利用できます。値段が非常に安く、簡単に導入できるのも嬉しいところ。
ELECTRO HARMONIX Screaming Bird – Supernice!エフェクター
ディレイの定番Memory Manのシリーズ最高峰を務めるペダル。クオリティの高いステレオデジタルディレイをベースとし、マルチタップディレイやリバース、ルーパーなどの機能を内包したもの。非常にユニークな機能を多く持っており、リピートの回数を指定したり、ピッキングのアタックを解析しての正確なリバースディレイなどは、うまく使うことができればアイデア次第でかなり面白いサウンドが得られます。ハイカット、ローカットフィルターや、テンポチェンジ機能、リバースモードを持ったルーパーも、通常の単なるルーパーに比べて多彩な表現が可能で、一台で使いどころを色々と考えられます。個性が強く、使いこなすにはアイデアが必要ですが、これでしか得られない表現にとりつかれると病みつきになるでしょう。
ELECTRO HARMONIX STEREO MEMORY MAN WITH HAZARAI – Supernice!エフェクター
ミニスイッチとつまみがひとつずつという、極めてシンプルなリバーブペダル。スイッチで切り替えるモードにはSPRING、HALL、FLERBという三つがあり、リバーブつまみで深さを調整します。Springではペチペチとした、オールドアンプに搭載されるスプリングリバーブの雰囲気がよく再現されており、Hallは単一機ならではの上質なホールリバーブを得ることができます。Flerbはこの機種独特の変わったモードですが、リバーブ要素にフランジャーのようなモジュレーションが掛かったもの。シンプルな分、単純なセッティングで良い音が得られ、良質なリバーブを手頃に得たいときには絶対のおすすめです。
ELECTRO HARMONIX Holy Grail – Supernice!エフェクター
Klonケンタウルス系オーバードライブの代表的機種。ケンタウルス系は数多いオーバードライブブースターの中でも定番の存在ですが、このSoul Foodはその使い勝手の良さや優れた音質、手軽に取り入れられる安価な値段もあり、このカテゴリにおいて定番の地位を揺るぎないものにしています。中域に特徴があるTS系に比べ、比較的全帯域を素直にブーストし、音色にツヤが出るのが特徴。ゲインは低めでブースターに向く設計ですが、軽めのブルースロック程度であれば単体でこなすことも可能でしょう。同社のエフェクターでも最も売れている製品の一つで、モディファイ品なども多く出ています。
Electro Harmonix Soul Food – Supernice!エフェクター
往年のヴィンテージオルガンの音色をギターで出せるようにするペダル。伝説的なハモンドB3の音色を始めとして、メロトロン・フルートやヴィンテージ・シンセの音色までをカバー。扱いこなすのには少し弾き方にコツがいるものの、うまく出せるようになってくると、全く違和感のない見事なオルガンの音が得られます。一見すると色物に見えてしまうものの、60年代などのロックのカバーの他、ギター以外の音をアクセント的に使いたい場合など、楽曲を彩るという点においては、実用性の高い一品だとも言えるでしょう。
Electro Harmonix C9 Organ Machine – Supernice!エフェクター
全域を綺麗にドライブさせる、俗にトランスペアレント系オーバードライブと言われるタイプのペダル。味付けは少なく、ギターとアンプの個性をそのまま出してくれるような音質です。フルレンジでのドライブは相対的に高域が増したように聞こえ、それがヌケの良さやジャキジャキ感に繋がるので、シングルコイルとの相性は特に優れています。味付けが少ない分、ブースターとしても優秀で、アンプや後段のエフェクターをプッシュさせるのにも最適。高価なものが多いトランスペアレント系オーバードライブの中、手に取りやすい価格なのも嬉しいところです。ちなみに69と76はデザインが違うだけで、中身は同じものです。
Electro Harmonix Crayon – Supernice!エフェクター
オクターバーペダル「POG」を小型にし、再登場させたのがこのNano POG。オクターブ下に重ねるSUB OCTAVE、上に重ねるOCTAVE UPに加え、ドライ音の出力をコントロールできるように3つのつまみを装備。それだけのシンプルコントロールですが、特筆すべきはその美しい音質で、特にオクターブ上の音は12弦ギターの副弦のような自然でまろやかな響きをもっています。速弾きやコード演奏時にもストレスなくしっかりと追従し、かつ自然な響きを提供してくれるでしょう。単なるオクターバーではあるものの、その高音質に高い追従性能で12弦ギターやオルガン的なサウンドのシミュレートの他、リードギターに厚みを持たせるためにも積極的に使っていける利用用途の広いペダルです。
Electro Harmonix Nano POG – Supernice!エフェクター
アメリカを代表するエフェクター・メーカーであるElectro-Harmonix。製品数が非常に多いことも特徴ですが、それだけ多くのギタリストに愛されているからだとも言えます。個性的で玄人向けの製品も少なからずありますが、老舗ならではの安定感のある品質と、無理のない値段設定で、エフェクターにあまり詳しくない人にこそ試してほしいブランドです。
エフェクターの売れ筋を…
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