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アイアンレーベル「RGIX6DLB」
Ibanez(アイバニーズ)「アイアン・レーベル」は、「ただメタル・ミュージックのために。」の合言葉のもと、常に現代のメタルと共にあるアイバニーズが、メタルシーンのミュージシャンたちと作り上げる「メタル専用機」のシリーズです。「メタルは得意だけど、他のジャンルもいけるよ」といういつものアイバニーズではなく「メタルこそすべて!」とそっち方向に振り切った製品群は、メタルの現場で求められるルックスやスペックをまとい、また先取ってもいます。今回は、このアイアン・レーベルに注目していきましょう。
Ibanez Iron Label RGIX Electric Guitar featuring Baku Maruyama (a crowd of rebellion)
初見なら思わず二度見する斬新なルックス、現代のメタルにフィットしたサウンド。メタルの「今」と共にあるアイバニーズが提唱するメタル専用機が、アイアン・レーベルです。
当サイト記事「メタル・ミュージック志向のギター特集」で考察していますが、現代のメタルミュージックを想定したギターには、
といった特徴があります。アイバニーズのソリッドギターは、国内レギュラーモデルに変形ギターこそありませんが、グレードが上がるにつれて硬い構造が採用されていくネックに、ハイポジションの良好な演奏性があり、ほとんどのモデルでジャンボフレットが採用され、ペグとブリッジはゴツく、スイッチ類はそれほど多くなく、パワフルなハムバッカーを載せています。そういう意味では「アイバニーズのソリッドギターは、ほとんどのモデルがメタル志向」と言いきってしまうこともできるでしょう。
しかしながらどのギターも高性能で、ロックやポップス、ジャズ/フュージョンなど他のジャンルに対応できる柔軟性を持っていますから、鋼鉄の精神を持ったギタリストからは「ヌルい」というお叱りを受けてしまうかもしれません。アイアン・レーベルは、ただでさえメタルに向いている高性能ギターを更にメタルに特化させるべく、機能とサウンド、そしてルックスをブラッシュアップした「完全メタル志向」のギターなのです。
英語では「Metal To The Core」が合言葉のアイアン・レーベルですが、アイバニーズが提唱する「メタル専用」とは、どんなものなのでしょうか。その特徴を追ってみましょう。
RGIX6DLB:ボディ/ネック/ヘッドを枠取ったバインディング
アイバニーズのギターは総じてキリっとしたスタイルを持っていますが、アイアン・レーベルではRGDを除く全モデルでボディ/ネック/ヘッドにビシっとバインディングを施しており、フォーマルな高級感を演出しています。かつてメタルと言えばツヤッツヤのブラックが定番でしたが、アイアン・レーベルではバール材やフィギュアドメイプルの模様を活かした、個性的なカラーリングが主流となっています。ヘッドロゴにも特徴があり、「Ibanez」の文字のみ、というシンプルな力強いデザインが採用されています。
指板インレイが控え目なデザインに落ち着いているのもポイントです。SとFRでは、ドットインレイもないスッキリとしたデザインになっています。指板材は主にエボニーで、ローズウッド指板の「木のぬくもり感」とは異なる、血も涙もないクールな印象を帯びています。
RGIX6DLB:3層構造「ナイトロ・ウィザード3P」ネック
アイアン・レーベル共通仕様のネックが、メイプル+パープルハート+メイプルという3層構造の「ナイトロ・ウィザード3P」ネックです。収縮率の異なる木材を貼り合わせることによって、メイプル一本でも充分に強かったネックがより強靭になります。またヘッドに角度の付いた設計ながら、ヘッドの先からジョイント部の根元までを一本の木材で作ることでネック全体を一体化させ、美しい「しなり」を作るとともに、弦振動を効率よく伝達させます。
アイバニーズにはかねてよりネックジョイントのこだわりがあり、たまにスルーネックモデルをリリースするにしても、社運をかけて勝負するギターには必ずボルトオンジョイントを採用しています。ボルトオンジョイントにはアタックに優れる音響特性がありますが、製造段階で「音響的にマッチングの良いボディとネックの組み合わせを探しやすい」というメリットもあり、この可能性を重視しているようです。事実、RGの開発に寄与したスティーヴ・ヴァイ氏は「ネック材とボディ材の音がオクターブユニゾンする組み合わせが最高」というコメントを残しています。
ピックアップは「HH配列をボディにダイレクトマウント(直付け)」が共通仕様です。「2ハムならメタル」とは言い切れませんが、「メタルならば2ハム」が現代の王道です。エスカッション(枠)やピックガードに設置する方法に比べ、ダイレクトマウントでは低音がキュっと引き締まった硬質なサウンドになります。ピックアップにはディマジオ社と共同開発した「フュージョン・エッジ」もしくはEMGが取り付けられます。「フュージョン・エッジ」はハイパワー気味の適度な出力に、シングルコイルかと見まごうような豊かな高音の響きを持ったピックアップで、現代のメタルに求められるキレの良いサウンドが得られます。
セレクタースイッチは「全機種3Way」となっています。激しいこととストレートであることが重要視されるメタルミュージックにおいて、演奏に集中するためには操作のシンプルさが重要なのです。サウンドバリエーションのために、多くのモデルではコイルタップ用のミニスイッチが増設されています。
基本的にトーンポットを持たないのも大きな特徴です。トーン回路を取っ払ってしまう「トーンカット」は、エドワード・ヴァン・ヘイレン氏に端を発したハード/ヘヴィ系の定番の設計です。トーン操作を手放すのと引き換えに、倍音や高音域の響きが大幅に増して音抜けが良くなります。
金属部品は総じてブラックとなっています。ペグは全モデル、ゴトー(GOTOH)社製のロック式ペグが採用されます。チューニングの安定度が高く、ダウンチューニングでも安心して演奏することができます。FRT(フロイドローズ)搭載機にも採用されているのは、それ以外の利点、
この二つを狙ってのものです。
アイアン・レーベルでは固定式ブリッジのモデルが主流派で、弦の本数に寄らず「ジブラルタル・スタンダードII」が採用されます。ベースプレートを極限まで下げることにより「ボディからの弦高」が下がり、快適な演奏性を達成しています。また、四方からがっちり固定することで優れた音響効果を発揮します。
トレモロ搭載機はRGの1機種のみですが、アイバニーズ伝統の「エッジ・ゼロII」が取り付けられます。アイバニーズが独自開発したトレモロユニット「エッジ」シリーズは、スタッドとの接点をナイフのように尖らせ、アーミングのスムーズさと、しっかりと元の位置に戻る安定性とを両立させています。なお、 アーミングの操作性とクリケット奏法の可能性を重視し、「ゼロポイント・システム」は非採用です。
では、それぞれのモデルについて見ていきましょう。ネックとピックアップをほぼ同じくするアイアン・レーベルですが、ボディ形状、ルックス以外にもさまざまなポイントで、それぞれの個性が作られています。
アイバニーズの定番機種「RG」は、ストラトキャスター同様のサイズ感で、鋭角なイメージとパワーのあるくっきりとしたサウンドを持ち味とした、スーパーストラトの世界代表でもあります。さまざまな新しい設計を受け入れる柔軟性があるためRGA/RGDといった派生モデルも生まれ、新発想のスペックはまず第一にRGに採用されます。
《徹底検証》ストラトとRGって、どう違うの?
アイアン・レーベルのRGは、FRT搭載機6弦、固定式ブリッジ6弦、固定式ブリッジ7弦の3タイプがリリースされており、妖艶な新色「スーパーノヴァ・バースト」とバインディング&ピックアップのホワイトが、エレガントな雰囲気を醸し出しています。
バスウッドやマホガニーが多く使用されるRGですが、本機のボディ材はアッシュで、より鋭いキレと立ち上がりを重視しています。コイルタップ用のミニスイッチが付いており、HH配列のギターとしても、SS配列のギターとしても使用することができます。
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New 2018 Ibanez RGIX7FDLB-NLB RG Iron Label 7 String Guitar Demo!
カタログ写真を見て「こんな大胆なカラーリングのギター、俺なんかが持ってステージに上がっても大丈夫なんだろうか?」と思うことはありませんか?でもこうして動画で観てみると、意外と受け入れやすいと感じられるのではないでしょうか。
5弦ベースの音域まで浸食する驚異的な音域を持つ9弦ギターは、発表したアイバニーズ開発陣ですら「どうやって使うのかは分からなかった」と伝えられる挑発的な楽器です。新たにアイアン・レーベルからリリースされた本機は、メイプル&ウォルナットの5pネック、フレイムメイプルトップ、ナトーボディで、指板にジャトバが使用されています。「ジャトバ」はそろそろ聴き慣れつつあるくらいの木材ですが、アンティークな雰囲気の高級フローリング材として重用される南米産マメ科植物で、カタさで知られるエボニーよりも硬いウェンジよりもパンガパンガよりも硬いところに特徴があります。
採用されているピックアップEMG909は、キラッキラなクリーンからギッシャギシャのディストーションまでいける、懐の深さを持っています。トーン回路も実装しているので、アイディアさえあればメタルにとどまらずさまざまなジャンルで活躍できる可能性を持っています。
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RGのボディトップにアーチ状の曲面加工を施したRGAは、抱えやすさと軽さ、そしてスリムなスタイルが特徴です。アイアン・レーベルの上位機種「AXION LABEL(アクシオン・レーベル)」ではこのRGAが代表機種になっています。
アイアン・レーベル版のRGAは、固定式ブリッジの6弦モデルが1機種リリースされています。フレイムメイプルトップ&ナトーボディで、黒を基調にまとめた表側と褐色系の裏側が好対照を成しています。ナトーボディのキャラクターが活きた、中高域が豊かに主張する重すぎないサウンドが持ち味です。
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Ibanez RGA Iron Label Guitars Demo – RGAIX6FM – Metal to the Core!
動画のラストで「ボディはマホガニー」と表示されていますが、2016年当時の仕様と思われます。
RGを出発点に、ダウンチューニングを想定して弦長を1インチ延長した「26.5インチ」に設定、ボディエッジにベベル加工(斜めにカット)を施したのがRGDです。多ジャンルに横断的な対応ができるアイバニーズの製品群にあって、RGDはそもそもの存在自体がメタル志向であり、全モデルでHH配列、トーン回路&コイルタップ無しを貫いています。またこのRGDのみ、全グレードでバインディングが施されることがない、縛られることのない開放的な面構えとなっています。
ダークな方向にアレンジされたアイアン・レーベルの中で、RGDは明るい色調をまとうことで異彩を放っています。固定式ブリッジ6弦/7弦の2機種がリリースされており、ナトー製ボディ、指板にバーズアイメイプルが使用されています。延長された弦長に合わせ、1弦「D」からの「全弦1音下げチューニング」でセットアップされます。
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Ibanez/Iron Label RGDIX7MPB
日本国内では廃盤となったアッシュボディのRGDですが、USAモデルとして海外では存続しています。日本での流通が無い海外モデルはいくつかありますから、海外旅行のついでに日本に流通していないアイバニーズのギターを調達する、というのもアリかもしれません。
RGに並ぶアイバニーズ定番機種Sは、そのままでは電気回路が収まらないほど限界を越えた薄さのボディ設計、それに由来する軽さとサウンドが最大の特徴です。意外に感じられますが、ボディが薄いからこそ、サウンドは太くなります。
《薄いボディに太いサウンド》アイバニーズ・Sシリーズ
アイアン・レーベル版のSは、固定式ブリッジ6弦の1機種がリリースされています。コイルタップのミニスイッチがボリュームポットのすぐ近くにあるのは「ボディがあまりにも薄いから、ココじゃないと設置できない」という大人の事情があってのものですが、だからこそ頻繁にコイルタップを操作したいギタリストには嬉しい設計になっています。
美しい曲面を描いたフレイムメイプルトップにナトーボディという構成はRGAと共通していますが、中高域が主張するRGAに対し、Sは中低域が豊かな甘く太いサウンドを持っています。同じネック、同じピックアップ、同じボディ材でボディ形状が違うだけなのですが、ここまでキャラクターに違いが出るわけです。
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Ibanez S-Series IRON LABEL SIX
旧仕様の動画ですが、サウンドイメージとそのボディの薄さはしっかり伝わることでしょう。メタル専用機ですが、クリーントーンも美しく響きます。
ここ数年の傾向で、テレキャスター・タイプのメタル専用ギターが市民権を得ています。シングルカッタウェイのギターには、弦振動に特有のハリツヤを持つ、独特の魅力があります。テレキャスタースタイルをアイバニーズ流に料理したFRは、ボディにエルボーカットとコンター加工を施してフィット感を向上させ、大胆なヒールカットでハイポジションの演奏性も充分です。さらに24フレットあってHH配列ですから、シングルカッタウェイという以外にはどこにもテレキャスターの面影が残っていません。
また12フレットにストラップピンの位置を合わせている他のモデルに対し、FRは18フレットに合わせており、ストラップのフィット感が増してステージで暴れやすい、というメリットを持っています。
アイアン・レーベルのFRは固定式ブリッジ6弦で2機種、固定式ブリッジ7弦で1機種がリリースされています。3機ともナトーボディでブラックを基本とした色調ですが、トップ材と電気系でキャラクターを設定しています。
キルテッドメイプルトップのグラデーションが美しい「FRIX6FDQM」は、ピックアップにディマジオ製フュージョン・エッジを採用、コイルタップスイッチを備えて多彩なサウンドを持っています。
Ibanez Iron Label FRIX6FDQM Black Mirage Gradation – PMT Exclusive
動画の中でタグを見てモデル名を確認する場面が何度か見られます。この人はいろいろなギターを次々と紹介していますから無理はないですが、それでなくても覚えにくいモデル名であることには違いありませんね。見たところ滑りやすいナイロンストラップを使っているようですが、左手を離す場面でもヘッド落ちするようには見えません。ボディバランスがしっかり取られているようです。
鈍く光るシックな印象のFRIX6FEAH(6弦)およびFRIX7FEAH(7弦)は、大柄な木目が主張するアッシュをトップに配し、キルスイッチとEMGピックアップを備えています。FRIX6FEAHでは際立ったトレブルで音抜けに優れるEMG60(フロント)、がっつり歪ませても芯を残せるメタル定番EMG81(リア)という組み合わせで、「メタル専用とは、まさにこのこと」と言わんばかりの凶暴性を持っています。いっぽうFRIX7FEAHのEMG707は、十分なパワーを持ちながら暖かみのある、それでいてクリアに響く優秀なピックアップですから、メタルに限らず幅広いジャンルで使用できます。
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以上、ただでさえメタルに強いアイバニーズが真剣にメタルミュージックを追求した「アイアン・レーベル」に注目していきました。アイアン・レーベルのラインナップが黒いギターばかりだった時代を覚えている人は、どれくらいいらっしゃるでしょうか。今と当時では、シーンに求められるギターの姿が変化してきているのです。メタルシーンは常に進化と変化を繰り返していますが、アイアン・レーベルではそれを反映し、またその先を行くモデルを提案しています。みなさんもメタルの「今」に、触れてみてください。
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