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《幅広く、いろんなことを面白く》KAMINARI GUITARS訪問インタビュー

KAMINARI SHOWROOM

KAMINARI GUITARS(神鳴ギターズ)」は株式会社音響商会がプロデュースするブランドで、「旧き良き時代の優れたモノを現代に供給する」というコンセプトのもと、ギターやケーブルを中心に、革ストラップやギター用金属パーツなど幅広くリリースしてます。ギター博士取材班は横浜中華街を訪れ、2016年にオープンしたショールーム「KAMINARI YOKOHAMA」にお邪魔して、代表の橋本勝男さん、製品ディレクターの片野さんにお話をうかがいました。

橋本勝男氏 橋本勝男(はしもと・かつお)
愛知県名古屋市出身。株式会社音響商会代表取締役であり、同社がプロデュースするKAMINARI GUITARS代表。同社は横浜を代表するライブハウス「F.A.D」の運営も手掛けている。

KAMINARI SHOWROOM内 ショールームにはKAMINARI GUITARSの製品がずらりと並びますが、オリジナルの革製品やTシャツ、トートバッグなど様々なグッズも置かれています。付近に楽器店がないとのことで、2階の音楽教室に通う生徒さんのためのグッズも置いています。まずは、店内のギターを何本か試奏させていただきました。

※今回は代表の橋本さん、ギタースタッフの片野さん、店頭スタッフさんや職人さんまでいろいろな方からコメントをいただいていますが、とくに区別する必要があると判断した場合を除き、「KAMINARI」さんのコメントに統一しています。

まずはKAMINARI GUITARSのエレキギター!

Swinger ’69

──よろしくお願いします。
まずこのSwinger(スウィンガー)を試奏します。非常にコンパクトなギターですね。

KAMINARI KAMINARI GUITARSはモデルごとに発注する工場が違いまして、これはアメリカ在住の日本人ルシアー(須貝邦夫氏/Performance Guitar)が作っています。

Swinger 69

Swinger 69:ボディバック

KAMINARI いろいろな工場にオーダーしますが、その工場が得意としているギターを作ってもらうのではなく、あくまで「こちらの意向」で施工してもらっています。出来上がったものはこちらで再度調節しますし、どこの工場だから良い悪いという考え方は、弊社にはありません。

──確かに!楽器に製造技術が大事なのはもちろんですが、ギターの個性は企画と設計によって作られますからね。独特なボディ形状ですが抱えやすく、すんなりと受け入れられるギターです。低音弦から高音弦まで、シャリーンとキレイに鳴ってくれます。

KAMINARI 60年代後半に作られたフェンダー製「エナメルコイル」と「セラミックコンデンサー」のデッドストック(売れ残り)、そして70年代に作られた「ニトロセルロースラッカー」が幸運にも手に入りまして、「これを使って何かをやろう」というところから開発が始まりました。
フェンダーのオリジナル「Swinger」はピックアップ1基、ショートスケールなんですが、さすがにチューニングの安定度などいろいろ厄介なので、こちらはミディアムスケールを採用しています。また2ピックアップ化しており、デュオソニックと同様に、センターポジションで両シングルコイルが直列の「疑似ハムバッカー」となります。
発注先は日本人とはいえ、ギター作りに関する考え方はアメリカナイズされています。そのため「日本の感覚で欲しい状態」とのすり合わせをしたり、納品されたものをこちらで改めて調整したり、納得のいくギターに仕上がるまでなかなか大変だったんです。現在ではアーティストさんにも使っていただきまして、苦労が報われた気がします。

Swinger 69:ボディ

KAMINARI ブリッジの金属パーツは、このモデルのために日本で作って、アメリカに送っています。

──金属パーツを作るのは、木工と違ってかなりハードルの高さを感じるんですが?

KAMINARI だからこそなんです。弊社がギターを開発するときは、いつも「金属パーツを作りたい」と考えるんです(笑。
こうした弦長の短いギターでは、フェンダースタイルのピックアップ単体の音はバンドで使いにくい「コシのない」ものになりやすく、ムスタングを愛用する人でもピックアップを片方だけ鳴らすという使い方は少数派です。しかしこのSwinger ’69は、ピックアップ単体でもしっかりした音になるように作っています。
フロントピックアップは甘ったるすぎない張りのある音ですが、ピックアップの設計については、デッドストックの材料を使用している以外に特別なことはしていません。このくっきりとしたサウンドの要は、「トラスロッド」なんです。
この個体のトラスロッドは、航空機で使用されるものと同じ材料でできています。同じ鉄でも日本とアメリカでは性質が違い、日本のものは塩分量が多いためか比較的さびやすい傾向にあります。またこちらで使われているトラスロッドは日本の一般的なものより太くなっています。こうしたことによる影響がとても大きいんです。

──トラスロッドですか!これは意外です。しかしこうした情報は公開されていないように思いますが?

KAMINARI(片野) こういう細かな仕様は私の個人的なこだわりなんですが、こうした情報は店頭でお話ししたいんです。公開してしまうと価値が落ちてしまう、初めから仕様をアピールするのはダサい、と考えています。また、そうしたこだわりはあえて語らず、一本のギターとしてお客様に判断してほしいとも思っています。
このSwinger ’69に限らず、弊社のギターには細かくこだわっているところがいっぱいあるんです。しかしそれをいちいち公開していたら、公式サイトがその記述で埋まってしまいます。
買っていただいたお客様が、回路の調子を見るために空けてた時に「おっ☆」と思ってもらえるような工夫も仕込まれています。例えばピックアップを吊るすスプリングをやめてゴムのチューブにするとか、またはそのゴムを天日干しして変色させるとか(笑)、細っっかいところにこだわりがいっぱい詰まっています。

──何というディープな世界。しかしそれを敢えて公開しないからこそ、とっつきやすさを感じますね。また、ショールームに足を運ぶお客さんとのギター談義にも、花が咲きそうです。

50年代製フェンダーアンプ 試奏で使用したのは、かなり使い込んでいる感のある、50年代に作られたフェンダー製ギターアンプです。片野さん曰く「フェンダーで鳴らすのが、ギターの個性が一番わかりやすい」とのことです。

RAIKIRI

KAMINARI RAIKIRI

──サウンドメッセ2017でもお見かけしましたが、何度見ても思い切ったデザインです!よくコレを具現化しようと思いましたね!木部で丸いところはネックグリップしかありませんが、全く弾きにくさを感じません。そしてクッキリとした硬質な、また重みのあるサウンドで、サスティンがえらい伸びます。

KAMINARI 基本的にはレスポールで、バータイプのブリッジを採用している以外、位置関係は同じになっています。これでTOMブリッジにしてしまうとレスポールそのまんまになってしまうというのと、ジェフ・ベック氏の使っていたレスポール「オックスブラッド」が個人的に好きなので(笑)、近い感じのブリッジにしました。

RAIKIRI:ブリッジ

──ダダリオの弦を張っているのが一目でわかるブリッジですね(笑)。弦交換がしやすそうです。(注:ダダリオでは、弦ごとにボールエンドの色を変えています。)

KAMINARI これはGOTOHで出しているかなり優秀なものなんですが、採用例が見つからない、非常に珍しいブリッジです。見慣れないものではありますが、むしろこのギターにはぴったりです。ヘッド角を60年代のギブソンと同じ14°にしているんですが、それに合わせようと思ったらこのブリッジが最適なんです。

KH-CYGNET

KH-CYGNET

Kz One Standard Solid
  • KH-CYGNET
  • KH-CYGNET:ボディ
  • KH-CYGNET:ボディバック
  • ナチュラルカラーの部分は一段低い仕上げで、クリップチューナーが使いやすい。

──これはHistory(島村楽器)とのコラボレーションモデルですね?このギターのテールピースは独特な印象です。

KAMINARI このテールピースは弊社オリジナルの設計なんですが、アルミ製のブロックが、ボディに刺さっています。TOMブリッジのテールピースはアンカーボルトでボディから浮いていますが、このモデルでは直付けにしたかったんです。
エリック・クラプトン氏のストラトキャスターは、シンクロナイズドトレモロが動かないように、ボディとイナーシャブロックとの間に木片を挟んでいます。これは音響上たいへん面白いものなので、こちらのスタイルに落とし込んだらどうなるか、ということをやってみました。結果は狙い通りで、ギブソンでもフェンダーでもない、しかしちゃんと個性のあるサウンドを持つギターを作ることができました。

──音の伸びがすごいですね!これが「ボディ直付けアルミテールピース」の威力なんですね。軽やかな鳴り方ですが、くっきりとした前に出てくるサウンドです。ファイアーバードタイプですが、ヘッド落ちの恐れのない、良好なボディバランスです。

KAMINARI こういうルックスのギターですが、ボディバランスはストラトとほぼ同じです。ミニハムバッカーを採用しているところも、大きなポイントです。普通サイズのハムバッカーですと、音が重すぎる印象でした。音が前に出てくるという感触は、ミニハムバッカーの恩恵が大きいでしょうね。
金属部分が大きいと、サウンドはカキンカキンと言ってしまいます。しかし面積の広いブリッジのパーツは「テールピースのカバー」として付けられており、テールピース本体とは接していませんから、弦振動に影響する金属は見た目よりも少ないんです。

KH-CYGNET3機種 5種類のカラーリングは、人気投票で決めたのだとか。

「KAMINARI式」製品開発とは…?

ライブハウス「F.A.D」 ショールームからしばらく歩くと、ライブハウス「F.A.D」に到着します。「F.A.D」は「Flower & Dragon(花と竜)」の略です。「花と竜」という任侠物の小説があって、映画化もされています。入り口からホール内から、いたるところに貼られたバンドのステッカーやバックステージパスが残されており、歴史あるライブハウスの貫録を感じさせます。

KAMINARI 弊社はKAMINARI GUITARSを立ち上げる前からライブハウス(F.A.D/神奈川県横浜市)を経営しています。弊社にとってギターとは「ライブステージありき」なんです。そのため、ギターを企画するときには「ライブでぶっ壊れない」頑丈さがあることを根本に据えています。演奏中に音が途切れちゃいかんのです。

KAMINARI Liquid 「ギターボーカルが持つエレキギター」というイメージで作られたという人気モデル「Liquid」

KAMINARI(橋本) ギターの開発は私と片野の二人でやっています。サウンドの方向づけやパーツの選定は片野がやって、カラーリングやデザインを私が担当しています。オリジナルギターについてはこれからも考えていくつもりなんですが、今のところ弊社の主力商品は「ケーブル」です。最近はアメリカ以外に中国、台湾、シンガポールなどアジア諸国でも流通しています。ケーブルは高額な素材を使用していて原価率がかなり高い(あまり儲からない)、というところにもこだわりが込められておりまして、そのぶん現場のローディーさんら耳の良い人たちに品質を認めていただいて広まっていった、という経緯があります。

KAMINARI CABLE KAMINARI GUITARS自慢の楽器用ケーブル。ギター、ベース、エレアコ、ウクレレそれぞれにむけて開発されています。微妙な色合いに個性がありますが、衣装によっては色付きのケーブルを使用できないミュージシャンに向けて、ブラックも限定生産されています。

KAMINARI 最初から「ギターもケーブルも開発していこう」というコンセプトでした。製品第一号は「カールコード」です。「カールコードは壊れやすい、断線しやすい」というのが業界の常識でした。しかしミュージシャンには好きな人が多いんです。故障しないカールコードが欲しい、という声がありましたから、それなら作るか、ということで開発に取りかかりました。

KAMINARI CABLE:オフホワイト・カラー

KAMINARI 開発していく中で、カールの部分が60cmを超えると信号が劣化するということを研究で突き止めました。カールコードはまっすぐなケーブルに熱を加えて丸めて作るんですが、その過程でハイ(高音域)が削れていきます。10cm単位でも音は変わっていくんですが、そのハイ落ちがどこまでならギターサウンドに影響がないかを探っていったわけです。

KAMINARI(橋本) 弊社のカールコードは、「オフホワイト」一色しかありません。黒がいいという意見を跳ねのけました(笑)。真っ白のものが汚れると残念な感じになりますが、オフホワイトだと汚れてもかっこいいんです。また、このような色のカールコードは他にありません。よそにはない微妙なカラーリング、和のテイストがある色調、そういうかっこよさを出していこうとしています。

KAMINARI(片野) ただし完全に分業というわけでもなく、お互いに影響を受けています。「汚れてもかっこいいカールコード」のコンセプトがギター開発のヒントにもなり、ギターについてもキズがついたり汚れたりしてもかっこいいものを目指しています。ヴィンテージギターなんかまさにそうで、キズだらけでもかっこいいじゃないですか。

KAMINARI カールコードの次に作ったのが「Swinger ’69」ですが、これもデッドストックのパーツがあったから有効活用しよう、ということで開発しました。私たちは「どうしてもギターが作りたくてたまらない」というモチベーションでギターを作っているわけではありません。「こういうのが、あったらかっこいいよね」というアイディアや要求があって、初めてスタートします。

KAMINARI Liquid-2 人気機種「Liquid」の2H版「Liquid-2」。取材時点での最新モデル。微妙な色調はセンスの見せ場。

全面「漆(うるし)塗り」のベースなんてのも作りました。「木曾塗(きそぬり)」です。漆の塗膜はとても薄く、非常に強くて、キズが付きにくいんです。木材の肌がわかるくらいに薄いのに、真っ黒に塗られていて、なおかつ硬質な印象です。実際に触ってみると、普通の塗装と質感が違うということが実感できます。不思議なことに漆には独特の温かみがあって、触っても「ひんやり」しません。
また漆は「木が呼吸する」と言われています。そういうわけで、面白そうだからやってみました。実際に気が呼吸できているかどうかは知ることができないんですが(笑)、普通のラッカー塗装を施すよりもはるかに手間がかかります。時間がすごくかかるのと、コストの折り合いがつかないので、受注生産とさせていただいております。

ディスプレイ用ギター

KAMINARI Tシャツ

KAMINARI キーケース

KAMINARI バッグ

KAMINARI ベルト 店内はいろいろなグッズがひしめき合い、ギターショップというよりブティックのような雰囲気。それぞれのグッズはロック的な派手さと中間色の柔らかさの共存した、独特の雰囲気を帯びています。

KAMINARI 買い物袋 お買い物袋も、シンプルながら「和」と「中間色」を効果的に使ったデザイン。これを持っておうちに帰るのは、ちょっと嬉しい。

音楽の状況全体を盛り上げていきたい

──機材に対するこだわりは片野さんが、デザインに関するこだわりは橋本さんがそれぞれ担当していたんですね!どうりでで職人的なこだわりとファッションのセンスが共存しているわけです。Tシャツやスニーカー、ベルトなど小物についてもセンスを感じさせます。ギターメーカーというより、カルチャーの中にギターが入っているという感覚ですね!

ショールーム2階 ショールームの2階は広間になっており、小規模なライブなどができるイベントスペースとして使われます。

KAMINARI ギターに限定しないで、音楽の状況全体を盛り上げていくのが「音響商会の仕事」だと考えています。そういう総合的な観点もあって、「YOKOHAMA MUSIC STYLE(ヨコハマ・ミュージックスタイル)」というイベントを企画しています。ライブはもちろんありますが、それに加えて楽器やアパレルブランドの展示、そしてさらに、いろいろなイベンター、メジャー/インディーズのレーベル、プロダクションに直接「持ち込み」ができるコーナーを設けます。
かつては「いくら才能があっても、若くないとデビューできない」という風潮がありましたが、例えば「クレイジーケンバンド」さんは40代でメジャーデビューして、成功しています。「60代くらいまでデビューのチャンスがある」なんてイベントがあったらとても面白いじゃないか、と思って企画しています。
このイベントにはクレイジーケンバンドさんの出演が決定していますが、「いんぐりもんぐり」の再結成ライブなんかも企画しています。若手アーティストではすっごく新しくて尖った人に出てもらおうとしています。業界大手の参入も決まっていますから、絶対に面白いイベントになりますよ。

──本当に総合的に音楽文化を考えているんですね。

ヴィンテージギター ヴィンテージギターも取り扱っています。小一時間ほどベタベタ触りたい・・・

KAMINARI代表:橋本氏 イベントについて熱く語ってくださる橋本さん。ビシっとキめた身なりにはセンスがあふれますが、気迫とエネルギーを感じます。

KAMINARI(橋本) 「フジロックフェスティバル」が先駆者となって、日本中にロックフェスが波及しました。いろいろな人が手を変え品を変えてイベントを企画していけば、日本の音楽状況は好転していくと思います。今回の「YOKOHAMA MUSIC STYLE」もいろんな人のヒントになって、同じようなイベントが日本中で立ち上げられていくのが私の望みです。
これが続いていくことで音楽全体が盛り上がっていくし、音楽全体が盛り上がれば、ライブハウス「F.A.D」やKAMINARI GUITARSにもさらに良い流れが来ると思っているし、それでなくてもいろいろなことをもっと面白くしていきたいと思っています。

KAMINARI(片野) 「レコードライブ」も企画しているんですが、これは面白いですよ。通常のレコードプレイヤーは、レコード盤の35%ほどしか再生できないんですが、これをレーザーで読み取ると今まで聞こえなかった音が聞こえるんです。ボーカリストの息遣いまで生々しく聞こえますし、バンドの音が本当はこういう音だったんだ、というのが驚くほどわかります。
この企画には音にとことんこだわるスタッフが就いているんですが、橋本さんのように旗を振る人間のもとに、「これは面白そうだ」といって各分野のスペシャリストが集まってくるんです。

ここには、こだわりを持つ者が集まる。

KAMINARI(橋本) Tシャツのプリントも、弊社でやっています。スタッフたちはデータ入力からサイズ選定から、仕事にこだわってすっごく丁寧にやってくれます。いっぽうケーブルの生産には、有能なスペシャリストが一人います。ハンダにとてもこだわりが強くて、専門業者のハンダ付けにも平気でNGを出すほどです。ギターには片野がおります。各分野に、このように「尖ったこだわりを持つ人間」を置いているわけです。いつもこだわりを突き詰める人を探していますが、面白い人がいたら「面白いな」と感じるようにしてるし、そういう人がいたら積極的に会いに行っています。

KAMINARI:エレキギター 本当にカクカクのボディ。トップに写っている照明の像からも、それがうかがえます。こんなに尖ったデザインでイイのか、という考えもありますが、かつてない斬新なデザインであることは事実。これを「面白い」といってアーティストが二本買っていったという話も。

──「人と会う」というのが社長の仕事なんですね!橋本さんのもとに、各分野に深くこだわるスペシャリストが集まってくる感じです。KAMINARI GUITARSで求人を出すなら、どんな人に来てほしいですか?

KAMINARI(橋本) ギターやベースにとことん詳しい人です。得意分野が片野と微妙に違う二人が話し合うことによって、また違う何かができる。そのデザインに対して私が意見を言う、そういう意見のぶつかり合いが面白いんです。私たちとは違う趣味を持っていて、なおかつ楽器に詳しい人材がいたら面白いな、ということを話し合っていたところなんです。

KAMINARI(片野) 世代もあると思います。私はギブソン、フェンダー、マーチンにどっぷりとハマり込んだ世代です。しかし、今の若い人はそこまでフェンダーとギブソンだけを追っかけているわけではありません。そういうところで私と違った考えの人がいてくれたら、KAMINARI GUITARSは新しい考え方を取り入れることができるんです。

──ギターの企画をする新しいブレインが欲しい、ということですね!この「横浜」という”国柄”を感じさせる考え方です。ショールームを中華街に建てたのにも、意味があるんでしょうか。

KAMINARI:エレキギター2 「和」のテイスト溢れる一本。こういうセンスも、KAMINARIならでは。

KAMINARI このショールームは、立ち上げてからもうすぐ2年になります。ライブハウス「F.A.D」が近い、という立地条件はもちろんあるんですが、横浜は「人種も文化も何もかも受け入れる」という風潮があり、ここ中華街はそれが最も顕著に感じられます。ここでは本当にいろんな国籍の人が日本人同様に暮らしていて、「枠」のようなものがありません。そういうところが面白いと思っています。
この建物も洋館のようであり、和のテイストも中華のテイストも混ぜた感じにしています。ミュージシャンとの関わりもロック系やポップス系に限らず、Hip-Hopやレゲエのアーティストともお付き合いしています。

──いろんな人のこだわりを「面白い」と認めて、みんなで一緒に盛り上げているんですね!今回はありがとうございました!


以上、ショールームにて、KAMINARI GUITARS代表の橋本さんとギタースタッフの片野さんにお話をうかがいました。取材中は一貫して、物にこだわること、それを面白いと認めること、この二つがキーワードでした。KAMINARI GUITARSのギターやケーブルは、ライブステージと共にあり、高性能であり、かつ尖った個性を持っています。みなさんもぜひ中華街のショールームに行ってみてください。

インタビューはこれで完了しましたが、歩いてしばらくのところにある作業場を見学させていただきました。