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「ブロッケン」シリーズは、
この二つを兼ね備えたギターです。
「27」という数字はロック的には非常に意味があり、ジミ・ヘンドリクス氏、ロバート・ジョンソン氏、ブライアン・ジョーンズ氏(元ローリング・ストーンズ)、ジャニス・ジョプリン氏、ジム・モリスン氏(ドアーズ)、カート・コバーン氏(ニルヴァーナ)など名だたるミュージシャンが27歳で亡くなっています。一流のミュージシャンはこの年齢で死にやすいという考えまで生まれ、「27クラブ」と称する「27歳で亡くなったアーティスト一覧表」が存在するほどです。
弦長が長くなること、また太いゲージの弦により強い張力がかかることから、ネック本体はメイプル&ウォルナットの5ピースに、さらに内部にチタン・バーを仕込んで補強することで、ネックの安定性が確保されています。GOTOH社製のロッキングチューナーとグラフテック社製ナットとのコンビネーションが加わることで、チューニングの安定度は理想的な水準まで高められています。
先述した「WM」ボディ構造は高域から低域まで幅広いレンジを持ち、またダークなサウンドが得られます。ネックが長くなることから、重量調整のためボディ厚は5mmほど縮小、約40mmとなり重すぎず抱えやすいバランスになっています。
Brocken:5Wayセレクタの動作
2基のハムバッカーは、5Wayセレクタスイッチの操作で内側同士、外側同士のハーフトーンまで得られ、サウンドバリエーションも充分です。
左から:BROCKEN FX-WM(Natural Matt)、BROCKEN FX-WM(Trans.Black Matt)、BROCKEN 7 FX-WM(Natural Matt)、BROCKEN 7 FX-WM(Trans.Black Matt)
ブロッケンの6弦モデルと7弦モデルは、高出力なオリジナルピックアップと独自開発のGOTOH社製ブリッジが特徴的な仕様です。ブリッジのベースプレートは堅牢かつ軽量なジュラルミを、サドルにはブラスを選択し、弦振動をしっかりボディに伝達し、ダウンチューニングでも音程感をしっかりアウトプットします。サドルはネジで固定することができ、余計な共振を抑えることができるほか、可調範囲を広く取っているのでさまざまなゲージの弦やチューニングに対応することができます。
出荷時のチューニングは
6弦モデル:1弦からA,E,C,G,D,A(3音半下げ)
7弦モデル:1弦からD,A,E,C,G,D,A(6弦モデルにゼロ弦を追加)
というマニアックな設定で、買ったその日からズムズム言わせることができます。
Caparison Guitars Brocken FX-WM Electric Guitar
かなりのダウンチューニングですが、低いポジションでの音程感もクリアに聞こえ、かつコードも美しく響く、非常にクールなギターですね。
ブロッケンの8弦モデルは下記「アップルホーン8」のブロッケン版で、アップルホーン8と共通のヘッド&ボディシェイプとなっています。ピックアップも同仕様のディマジオ製が選択されていますが、こちらはブロッケンのフォーマットにのっとり5Wayセレクタスイッチによるサウンドバリエーションが確保されています。
ブリッジはヒップショット社製のものが選択されていますが、ブラス製のサドルには短いサイズのものを採用しており、オクターブ調整の可調範囲を既製品よりも拡大しています。出荷時のチューニングは、1弦からE,B,G,D,A,E,B,F#という8弦としては比較的標準的な設定になっています。
CAPARISON Guitars Brocken 8 String – The Gear Gods Review | GEAR GODS
序盤でたっぷりとデモ演奏を聞かせてくれます。どのポジションでもしっかり前に飛んでくる音ですね。ボディサイドにつけられたアウトプットジャックが上を向いており、ストラップにシールドをかけやすくなっているのもうれしいポイントです。
「アップルホーン8」は、ロックバンド「フリーク・キッチン」を率いるマティアス・イア・イクルンド氏のシグネイチャーモデルで、ヘヴィ系に固執しない柔軟な音楽性、櫛で高速ピッキングを行うなど柔らかい頭を持つマティアス氏を感嘆させ「1台の楽器で室内楽のオーケストラに匹敵する」と言わしめた逸品です。演奏性と重量バランスは特に考え抜かれており、演奏にストレスを感じさせません。
まず目を引くというか、目を疑うのがグニャグニャに配置されたフレットでしょう。これは「トゥルー・テンパラメント・フレット」と言い、マティアス氏の故郷スウェーデンの会社が開発した、各ポジションの音程のずれを矯正した配置です。スティーヴ・ヴァイ氏やジョン・マクラフリン氏など有名アーティストも使用していますが、今なお実際に目にする機会はなかなかない仕様ですね。
操作系は大変シンプルで、ボリュームノブを押し込むごとにピックアップが切り替わるマティアス氏お気に入りの仕掛けです。
Mattias IA Eklundh – Amphibians Night Out
可愛らしいサウンドと人をおちょくっているかのようなフレージングは、この人の頭の柔らかさを如実に物語っていますね。FRTを装備した8弦ギターをここまで弾きこなせる人も、そうそういません。それにしても、かなり大きなギターのはずですが普通に見えるあたり、マティアス氏もかなりデカいですね。
キャパリソンの最高グレードである「TAT」は「Through and Through」の略称で、スルーネック構造と一貫するキャパリソンのコンセプトの双方を示唆しています。デビュー当時はジャクソンのソロイストを思わせる左右対称形のボディシェイプでしたが、27フレット仕様の「スペシャル」へとモデルチェンジする際、最終フレットへのアクセスを容易にすべく高音側のカッタウェイを深くし、かつバランスをとるために低音側のホーンを延長し、非対称形の新しいボディシェイプへと生まれ変わりました。このボディシェイプは27フレット機の完成形として、他のモデルにも影響を及ぼしています。
TAT Special FM:4カラー(Natural Matt、Trans.Black Berry Matt)、Trans.Blue Berry Matt、Trans.Stain Black Matt
TAT Special 7 FM:4カラー
TAT Specialのボディ表面は緩やかなカーブを描いていますが、この曲面は本来ボディと平行にジョイントされているネックに、疑似的に仕込み角度を付ける効果を狙っています。これによってネックが弾き手に近く感じられ、特にハイポジションにおいて自然な姿勢で演奏することができます。
ネックは頑丈なメイプル&ウォルナットの5ピース、ボディ両側はフレイムメイプルトップ&マホガニーバックという構成です。ボディ材はスルーネックモデルの両側を務める素材として、幅広い音域と豊かなサスティンを実現するためのセレクトで、トップのメイプルにも充分な厚みが確保されています。
TAT Special FMのスイッチング
ロータリースイッチを使用した特殊配線が秀逸で、3Wayセレクタスイッチを中央にセットした際、
というサウンドバリエーションが手に入ります。多くのバリエーションを駆使してもいいし、好きなセッティングで固定しておいてシンプルに3Wayセレクタのみ使用するという使い方もできます。
TAT Specialに搭載されているリアピックアップ「PH-R」はキャパリソンにおける主力ハムバッカーですが、本来このTAT Specialに搭載することを想定して開発されたものだと言われています。TAT Specialはキャパリソンのラインナップでは比較的新しいモデルですが、デザイナー菅野氏にはブランド立ち上げ当初からこのモデルの構想があったそうです。数々のシミュレーションやフィールドテストを経て、満を持してTAT Specialはデビューしましたが、キャパリソンにはそれにいたるまでの一貫したコンセプトがあったのです。
Killswitch Engage – Cut Me Loose [OFFICIAL VIDEO]
メタルコアバンドの草分けとして知られる「キルスイッチ・エンゲージ」はフェスで幾度か来日し、2014年にはジャパンツアーを行っています。上手側のアダム・デュトキエヴィッチ氏がTAT Specialを、下手側のジョエル・ストレッツェル氏がDelingerをベースとしたシグネイチャーモデルを使用しています。演奏技術と音楽的センスが素晴らしいことで非常に高く評価されているバンドですが、「聖書のようだ」と表現される個性的な歌詞や感情を爆発させるようなボーカルにも人気が集まっています。
「ホルス(Horus)」は、日本人ギタリストCHACHAMARU氏とのコラボレーションでキャパリソンが最初に完成させたギターです。
という組み合わせとなったホルスのデビューは、衝撃的と言うべきものでした。
誕生から20年以上を経たホルスのヘッドにはモデル名に代わって、エジプト神話に登場する天空と太陽の神「ホルス」の左目である「ウアジェトの目」が記されています。ウアジェトの目は満ち欠けする月の象徴であり、全てを見通す知恵や癒し、修復、再生、完全なるものなどの意味を持ちます。
ホルスの非対称ボディには、数多のブラッシュアップを経てTAT Specialで完成に至ったシェイプが活かされ、27フレットへのアクセスが容易になるなど演奏性が向上しています。
Trans.Spectrum Black、Aqua Blue、Solar Flareの3カラー。指板は、エボニー/メイプルから選択
2011年よりホルスはM3構造を取り入れ、「ホルスM3」へとモデルチェンジしました。ネックとほぼ同じ幅のメイプルを芯材とし、両側にマホガニーを配置する独特な構造によって、スルーネック構造に近い豊かなサスティンとボルトオンジョイントによる素早い立ち上がりを併せ持つ、バランスの取れたサウンドが得られます。
操作系はシンプルかつ必要最小限の3Wayセレクタとボリュームポットのみで、細かいことを考えずにプレイに専念できます。
2カラー(Natural Matt、Charcoal Black Matt)
「ホルスFX-AM」は、ホルスをアタック重視のシンプルかつストレートな方向へアレンジしたモデルです。強いアタック感のためにアッシュとメイプルの二層構造である「AM」ボディを採用、ヘヴィ系のサウンドにマッチするようにサドルを鉄製にして響きのバランスを整えています。多くのモデルでオイルフィニッシュを選択しているネック裏は、ネック自体の振動を制御してアタック感を際立たせるべく、ウレタン艶消し塗装が選択されています。
シンプルかつストレートというコンセプトからバインディングや指板インレイなど装飾を排していますが、サイドポジションには暗くてもよく見えるルミナス・サイドポジションが採用されています。
Caparison Guitars Horus FXAM
当サイトではすっかりおなじみとなった感のあるこのプレイヤーさんですが、いつにも増してバリバリ弾いていますね。このギターは、ご本人がコメントしている通りの「シュレッド・マシーン」です。
キャパリソンの「デリンジャー」は、
という仕様で、ディンキータイプど真ん中のギターです。現在のデリンジャーは、これまでキャパリソンが積み上げてきたノウハウによりブラッシュアップされ、ただのディンキーにとどまらない大幅な進化を遂げています。
「デリンジャー・プロミネンス」は、TAT Specialで完成されたボディトップの曲面をデリンジャーに応用し、さらなる演奏性の向上を目指したモデルです。ボディには「M3」構造が選択され、音の立ち上がり、バランス、サスティンに優れています。ボディカラーにこのモデルだけの特徴があり、M3ボディの継ぎ目を視認できるシースルーカラーでありながら、見る角度によって色調が変化します。
DELLINGER PROMINENCEのスイッチング
ピックアップにも大きな特徴があります。フロントピックアップ位置にシングルコイル・サイズのハムバッカーと普通のシングルコイルが隣合わせでマウントされており、一見2ハムバッカーに見える配置ですが実質はHSH配列、それもシングルコイルはフロント、という珍しい配置になっています。音にこだわった場合、コイルタップで作ったシングルコイルの音では満足いかない場合がありますが、この方式ならばまぎれもないシングルコイルのフロントの音が手に入るわけです。この3つのピックアップを5Wayセレクタで切り替えるわけですが、各ピックアップ単体、両ハムをコイルタップした内側同士、外側同士のミックスというサウンドバリエーションが得られます。
「デリンジャーFX-AM」は先述「ホルスFZ-AM」同様のコンセプトで、シンプルかつストレートな方向にデリンジャーをアレンジしたモデルです。強いアタック感のため「AM」ボディを採用、またヘヴィ系のサウンドにマッチするように鉄製サドルを選択し、ネック裏にはウレタン艶消し塗装が施されています。バインディングや指板インレイなど装飾を排していますが、サイドポジションには暗くてもよく見えるルミナス・サイドポジションが採用されています。
プログレッシブ・メタルバンド「シンフォニーX」所属のマイケル・ロメオ氏シグネイチャーのデリンジャーは、非常にパワーの強いディマジオ社製ピックアップの出力に負けない、リアルかつ立ち上がりの早いサウンドを目指して「M3」構造が採用されています。ボディのグロス塗装もボディ構造とのマッチングを検討した結果です。またロメオ氏のプレイスタイルに合わせて専用のネックグリップを採用し、氏の高速プレイを確実にサポートしています。
SYMPHONY X – Set The World On Fire
1990年代に一世を風靡したネオクラシカル系の第二世代として登場したシンフォニーXはまず日本で受け入れられ、欧米で実績を上げていきました。この時代は特にヘヴィ・ミュージックにおいて、海外アーティストが日本で最初に実績を上げる例が多くみられました。ギタリストのマイケル・ロメオ氏は高速プレイが名高く(体格が近いことからも)王者イングヴェイ・マルムスティーン氏と比較されることが多いですが、「王者より速いのでは」と評価されています。
非対称のVシェイプを持った「オービット」は、ステージ映えするギターとして強烈なインパクトを持っています。ランディVに準拠した非対称のシェイプにも理由があり、左右対称のVシェイプは中音域の存在感がぼやけるという考えに基づいています。
現在のオービットは
など、TAT Specialで完成に至ったというスルーネックモデルのコンセプトを受け継いで、弾きやすく音が良いVシェイプのギターとして完成しました。
ボディの大胆なカットにより、27フレットへのアクセスも楽勝です。また現在のラインナップでは唯一となるTOMブリッジとボディ裏通しの組み合わせは、豊かなサスティンとレンジの広い音域を得ることができます。
NOCTURNAL BLOODLUST – BREAK THIS FAKE(PV FULL)
ヴィジュアル系デスコア/メタルコアバンド「ノクターナル・ブラッドラスト」は、8種類のシャウトを使い分けるボーカルや終末的な世界観を特徴としていますが、やたらとウマい演奏も見どころです。長らくデリンジャーを愛用していたというギタリストCazuqui氏は現在スペシャルメイドのオービットに持ち替えていますが、この7弦仕様も今後製品化されるかもしれませんね。
以上、キャパリソンのギターについて見ていきました。キャパリソンのコンセプトであるサウンドと演奏性に対する追求が、ボディ構造やピックアップだけでなくボディシェイプや塗装にいたるまで、まさに総合的なものであることが分かります。国内での取扱店は多くありませんが、ショップで見かける機会があったらぜひ手に取ってみてください。
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