
エレキギターのサウンドを一気に「ロックっぽく」「パワフル」に変えてくれるのが、歪み系エフェクター。
その中でもディストーションエフェクターは、強く歪んだ迫力のある音を作るための代表的なエフェクターです。
真空管アンプがなくても深い歪みを手に入れたい時、ゲインブースターとして歪みを足したい時など、ポップスやロックはもちろん、ハードロック・ヘヴィメタル・パンク・オルタナティブロックなど、ロックから派生した様々なジャンルで使用されます。
このページではディストーション・ペダルについて詳しく見ていきましょう。
- ディストーションはどんなエフェクター?
- ディストーションペダルの選び方ガイド
- カテゴリ別:ディストーション・ペダルのおすすめモデル
ディストーションはどんなエフェクター?
ディストーション(Distortion)は、英語で「ゆがみ」「ねじれ」を意味します。
エレキギターにおいては、音をあえてひずませて、太く・力強く・攻撃的なサウンドに変えるためのエフェクターです。
アンプの音を無理に大きくしたときに発生する自然なひずみを再現する、またはそれ以上に過激に加工することで、ロックやメタルでよく耳にする“ギュイーン”という音を作り出します。
六弦かなで「かなでも“ギュイーン”てしてみたかったんだ!ディストーションを選べばいいんだね☆」
エレキギター博士「リハーサルスタジオなんかに置いてある大きなアンプでも“ギュイーン”とできるんじゃが、ペダルで用意しておくといつでもどこでも“ギュイーン”、できるゾ♪」
ディストーションの主な特徴:
– 歪みが強く、音が太くなる
– 音がつぶれるような圧縮感がある
– ロングトーンやパワーコードに迫力を与える
– ノイズやサステイン(音の伸び)も増える傾向がある
ディストーション・ペダルはどういう時に使う?
ギターの「歪んだ音(ひずみサウンド)」を作るうえで、多くのギタリストが憧れるのは「真空管アンプを大きな音で鳴らして歪ませる」ことです。
マーシャルやメサブギー、ソルダーノなどの有名な大きなアンプを全開で鳴らしたときに出る、厚みのある音やキラキラした倍音(ばいおん)、そして弾き方にしっかり反応する自然な歪みは、まさに「理想のサウンド」と言えるでしょう。
でも、実際にはそうした環境をいつも使えるとは限りません。
家では大きな音が出せませんし、スタジオやライブハウスでも自分の好きなアンプがあるとは限らないのが現実です。
そこで役に立つのが「ディストーション・ペダル」です。
ただの代わりではなく、最近のペダルはとても高性能で、「小さなアンプのようにしっかり歪みを作れる」ものもたくさんあります。
はじめてのディストーション・エフェクター【ギター博士】 / Blackstar LT-Dist
オーバードライブとの違いは?
初心者がよく迷うのが、「オーバードライブ」との違いです。
どちらも“歪み系エフェクター”ですが、サウンドのキャラクターや使い方に違いがあります。
項目 |
オーバードライブ |
ディストーション |
歪みの強さ |
やや弱め〜中程度の歪み |
中〜強めの歪み(より激しい) |
音の印象 |
柔らかくてナチュラル、温かみのある |
攻撃的で硬く、迫力がある |
サウンドの透明感 |
原音に近く、ピッキングのニュアンスが残りやすい |
圧縮感が強く、音がまとまる(粒がそろう) |
使い方 |
軽い歪み用、アンプのブースト、ブルースなど様々なジャンルで |
メインの歪みとして単体で使う、メタルやパンクのリフ/ソロ |
どちらが良いかは出したい音の方向性によりますが、最近のエフェクターは歪みの幅が広く、1台でオーバードライブ〜ディストーションの中間のような音まで作れるものも増えています。最初の1台としては、あまり極端すぎないモデルを選ぶと失敗しにくいですよ。
オーバードライブとディストーションを比べてみた【ギター博士】
JC-120(ジャズコ)で歪みを作りたい時に活躍する!
JC-120のようなクリーン専用アンプを使用する場合、歪みペダルの存在はほぼ必須と言えるでしょう。
全国のリハーサルスタジオやライブハウスに常設されている「ローランドJC-120」は、きらびやかで澄み切ったクリーントーンに特化しており、アンプ自体に歪みの回路を持たないため、外部の歪みペダルでサウンドを作り込む必要があります。しかし、単体の歪みペダルをONにするだけでは、どこか物足りなさを感じることもあります。
そこでおすすめしたいのが、歪みを“レイヤー”して重ねるアプローチです。
たとえば、クリーンブースターやアンプライクなプリアンプ、基本となる歪みを作るオーバードライブ、さらに主役となるディストーションペダルという3段構成。これにより、ゲインの階層を段階的に積み重ねつつ、倍音成分を豊かに含んだ立体的な歪みを構築することができます。
特にJC-120のフラットで素直な出音は、このような多段歪みによる音作りをしっかりと受け止めてくれるため、ペダルによる音色設計の自由度が非常に高まります。
六弦かなで「確かに、スタジオでジャズコ使ったことあるけど、音作り難しいなーと思ったよぉ…」
エレキギター博士「そんなときに試してほしいのが、『歪みを重ねる』というアプローチじゃ!“歪みの層”を作っていくと、ぐっと奥行きのある歪みサウンドになるんじゃよ☆」
ディストーション・ペダルの接続順

ディストーションは「ギターの直後」に、ワウペダルやコンプレッサーを使用するならそれらの後に接続するのがセオリーです。ですがエフェクターの接続順に正解は無いので、色々と試してみてもよいでしょう。
エフェクターのつなぎ方 – Supernice!エフェクター
ディストーションペダルの選び方ガイド
〜初心者は「メタル用か、それ以外か」で考えてOK!〜
当サイトでは、初心者向けにディストーションペダルを「メタル用」と「それ以外」でざっくりと分類する方法を採用しています。
この分類は、本来であれば音のキャラクター・歪みの質感・EQの特性などでもっと細かく分けられるのですが、初心者が迷わず選べるシンプルな指針にしています。
分類はざっくりでOK!ただし歪みの量や質にも「レイヤー」がある
もちろん、「メタル用/非メタル用」という分け方には語弊があります。
実際には、歪みの強さや質感はグラデーションのように連続しており、1つのペダルでもセッティング次第でメタルもロックも対応できる場合があります。
ただ、最初の1台を選ぶ段階では、
- 重厚で激しい音=メタル用
- それ以外=クラシックなロックやグランジ、パンクなどに向くタイプ
と分けることで、ぐっと選びやすくなります。
将来的には「RAT系の粗い歪みが好き」とか「TS系のミッド強調が気持ちいい」といった細かな好みの違いに気づけるようになるので、安心してください。
カテゴリ別:ディストーション・ペダルのおすすめモデル
人気/定番のディストーション・ペダル
まずはディストーション・ペダル創世記の1970〜1980年代に登場した定番機種、近年登場した人気機種など、おすすめモデルを紹介していきます。
向いているジャンル:
– クラシックロック、グランジ、パンク、オルタナティブ
– ギター本来の音を活かしたいプレイヤーにおすすめ
メタル・ディストーションのおすすめモデル
続いては、強い歪み(ハイゲイン)を持ち、重低音がタイトにまとまっている、音の輪郭がはっきりしており、速弾きやパームミュートにも対応できる、を紹介していきます。
向いているジャンル:
– モダンメタル、デスコア、ハードコア、ラウド系
– 現代的な激しいロックサウンドを求めるプレイヤーに最適
以上、本記事では初心者でも迷わず選べるよう「メタル用」と「それ以外」という実用的な分類をベースに解説しましたが、実際にはさらに細かな“歪みのレイヤー”が存在し、選択肢はとても奥深い世界です。
まずは1台、自分の好みに近いペダルを選び、音作りの楽しさを体験してみてください。
そして、慣れてきたらぜひ他のタイプにもチャレンジして、あなただけの“歪みサウンド”を見つけていきましょう!
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