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《ギター博士流》カッティング練習のコツ

大衆音楽において、ギターは「伴奏用の楽器」として発展してきました。ですからボーカリストのいる一般的なバンドの場合、ギターの主な役割はバッキング(伴奏、リズムギター)です。バッキングにはさまざまな手法がありますが、「カッティング」はその中でも最も鋭く、また歯切れよくリズムを打ち出す手法です。

  • カッティングに興味があって、やってみたい。
  • カッティングを練習してみても、なかなかうまくいかない。

そんな人たちのために、今回はギター博士流の「カッティングのコツ」を紹介します。

では、さっそく動画をチェックしてみましょう。

この動画で博士は、

  • ブラッシングの位置まで、リズムをしっかり意識する
  • 力加減を意識する
  • ピッキングの手は開く?握る?
  • ブラッシング時の指の浮かせ方

という4つのポイントに注目しています。
さてここから先は、この動画の内容を文章化してまとめています。自分のペースで読んだり、あるいは確認したいポイントだけを読んだりできますので、ぜひ参考にしてください。

今回のフレーズはコチラ

カッティング練習フレーズ:Tab譜

「F]を押さえられる人ならチャレンジできます。(博士の模範演奏は、0:50からです)
「F」の押さえ方を確認しましょう。2弦はちゃんと鳴りますか?これをそのまま5フレットまで移動させれば、今回使用する「A」になります。
Fコードの押さえ方・コツ

譜面を読むポイント

譜例では、「A」のコードの「基本形」を押さえて演奏するように指定されています。しかし、博士の模範演奏では5、6弦の音が鳴り響いているようには聞こえませんね。これは博士がズルをしてるから、ではありません。

「Aのコードを弾こう」として基本形を押さえつつ、「歯切れのよいファンキーな演奏がしたい」と思った博士は、ピックが1~3弦に重点的に当たるよう、狙って演奏しているのです。これが「力強いカッティングがしたい」と思えば、左手はそのままでピックがすべての弦に当たるように狙うわけです。

バンドスコアなどの譜面ではこの逆で、ギタリストが狙って演奏した結果が記されます。ですから実際に鳴っている、あるいは聞こえている音だけが書かれることがほとんどです。その場合、たとえ弦が三本しか鳴っていないように書かれていても、コード進行を把握するために基本形を押さえて演奏した方が良いかもしれませんし、あるいは必要な弦だけ押さえて他は鳴らないようにミュートした方が良いかもしれません。あらかじめ多くのコードフォームを知っておくことで、こうした譜面に対してどう対処するべきかも考えられるようになります。

ギター博士がカッティングの時に意識していること

リズムをしっかり意識する

カッティング練習のコツ:Tab譜

博士は

「チャッ、チャッ、チャッ、チャッ、チャッ」

のように和音が鳴っているところだけを意識するのではなく、

「チャクツチャクツチャクツクチャクツチャクツ」

のように、ブラッシングの位置までしっかり意識しています。こうすることで、コードを鳴らすタイミングが正確になり、強弱やキレが安定します。

Check!(1)

博士のように(2:04~)、手拍子を打ちながら、
チャクツチャツチャククチャクチャクツ」
とリズムを歌ってみましょう(太字の部分が手拍子と一致します)。

「1、2、3、4、」のカウントを意識する

もちろん細かいタイミングばかりでなく、「1、2、3、4、」という「4拍子」のカウントをしっかり意識することも重要です。4拍子が意識できれば、バンドメンバーの演奏に合わせることもカンタンです。カッティングの細かいリズムと「1、2、3、4、」のカウントを同時に意識することで、聞く人が4拍子を感じられる、ノれるリズムを打ち出すことができます。

博士の右手の動きを見てみましょう(2:55~)。とても速いですが、基本に忠実な、ダウンアップを交互に繰り返すストローク(オルタネイト・ストローク、ダウンアップ・ストローク)です。正確なダウンアップ・ストロークを身につけるのにも、ある程度の練習が必要です。このためにはコードを押さえない「ブラッシングだけの練習」が有効です。これについても、「タタタタタタタタ」と単なる連打になるのではなく、
タタタタタタタタタタタタ(太字部分はアクセント)」
といったアクセントを付け、リズムがしっかり出るように(正確なだけでなく、4拍子が伝えられるように)意識します。

ドラムフレーズを意識する

カッティングは、いわばギターを打楽器のように扱う演奏です。ですからドラムとしっかり合わせることで、カッティングのノりをより強固にすることができます。

ドラムを聞く時は「ブラッシングへの意識」と同様、細かいタイミングまで意識しましょう。

「ドッドタッドッ、ドッタドッ、」

のようにバスドラムとスネアだけ感じるのではなく、

クツドクドククドクドツク」

というように、間で鳴っているハイハット、鳴っていなくてもそこに収まるべき16分音符の存在を、4拍子と合わせて意識するわけです。

Check!(2)

博士のように(2:34~)、歩くペースに合わせて
クツドクドククドクドツク」
とドラムのビートを声に出してみましょう(太字の部分が歩みと一致します)。

リズムへの意識のまとめ

  • ブラッシングの位置まで意識
  • 4拍子を意識
  • ドラムへの意識
  • ブラッシングと4拍子とドラムをミックスして意識

細かいリズム(ブラッシングやハイハット)、大きなリズム(4拍子)、合わせる相手(ドラム)といったように、リズムのいろいろな側面をミックスして意識することで、ノれる、説得力のあるカッティングを手に入れることができます。

こうした意識はギターを持っていないときでも、例えば歩きながら歩くペースに合わせて「ドクツドタクドク・・・」と歌ってみるなど、いろいろな状況下でトレーニングすることができます。練習する機会はアイディア次第です。

力加減を意識する(脱力する)

力加減への意識も重要です。たとえば

  • 1曲なら約5分
  • 普通のライブなら30~40分
  • ワンマンなど大きなイベントなら60~90分

リズムを弾き続けると言ってもいいでしょう。それに耐えられるだけの持久力、すなわち筋肉が必要!と博士は言っていません。素早い往復運動や強いアクセントが必要だからと言って右手が力んでしまうと、すぐに「ぱぉ!」となって弾けなくなってしまいます。しっかり脱力し、必要最小限の力で安定して弾き切るつもりで練習しましょう。

ピッキングの手は開く?握る?

右手は開くのか握るのか、どちらが良いのか分からないという人も多いことでしょう。プロミュージシャンの演奏を見ても、開いて演奏するプロもいれば、握って演奏するプロもいます。博士は「どちらでも自分に合ったスタイルでやればいいかな。自分の好みを見つけてほしい」と語っています。

右手は開いても握っても良い

手を握ると「上下にストロークする動き」に加え、「手首をひねる動作」も可能で、勢いのあるソリッドなサウンドになる傾向にあります。非常に動きやすいので技巧的にハイレベルなカッティングに挑戦しやすい半面、必要以上に小回りが利きすぎて制御しにくいかもしれません。

博士は開いて演奏していますね。博士はスロー~ミディアムテンポあたりの曲でカッティングすることが多いそうで、このあたりのテンポでなら動きやすさを重視する必要はなく、「ピックの当たる角度の変化で音色を操作しやすい」というサウンド面でのメリットを重視しています。

ただし、こちらも力加減が重要です。指を「ピン!」と伸ばしたり、「ぎゅーっ」と握ったりすると手首の筋肉が締まりますから、動きが硬くなって正確な動作がしにくく、また疲れやすくなります。

ブラッシング時の指の浮かせ方

博士の左手の動きを見てみましょう(4:59~)。指を浮かせてブラッシングをしている間も、コードのフォームを維持したままだと言うのが分かりますね。ON(コードを鳴らす)とOFF(ブラッシングをする)を切り替える動きは最小限です。

ブラッシング時には指を浮かせますが、浮かせすぎてしまうと指は弦から離れ、ブラッシングになりません。逆に浮かせ方が足りないと弦が押さえられたままになってしまい、押さえる圧力が下がっただけでずーっとコードが鳴り響く、ということになってしまいます。

バレーする人差し指の根元付近の浮かせ方は、特に意識しにくいところなので注意しましょう。

慣れてくれば「いつ指を浮かせるか(どれだけ長く押さえるか)」を操作することで、和音の鳴り方を普通の長さやスタッカート(短く)、あるいはテヌート(目一杯長く)まで操作し、好みに応じてカッティングの雰囲気を変えていくことも可能です。

自分で工夫してみる

  • リズムに対して複合的な意識を持ち、
  • しっかり脱力し、
  • 目的に合ったフォームを選び、
  • ブラッシング時の浮かせ方を見極める。

以上の4つが、ギター博士流の「カッティング練習のコツ」です。これを参考に練習して、ぜひサックサクのカッティングを手に入れてください。

たとえばリズムを声に出す練習は非常に効果的ですが、他にはどんな練習法が効果的なのか、あるいは何を意識したら脱力できるか、どういうフォームが自分にとって適切か、などは教えてもらうだけではなかなか答えに結びつかないのが普通です。「まだ経験が足りないから、自分の判断に自信が持てない」という人も多いことでしょう。しかしそれは承知の上で、自分なりに工夫してみましょう。

自分で工夫したり考えたりする習慣があればこそ、他の人のアイディアを深く理解したり、取捨選択したりができるようになります。

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ギター博士から一言

どうじゃ?しっかりカッティングできたかな?

最初は速いストローク(右手)や繊細なフィンガリング(左手)に意識を取られがちになるかもしれん。じゃが、わしがいっつも大切にしているのは、

「自分の中にあるリズムの意識や表現力」と

「アンサンブルに対する意識」じゃ。

みんなにも、手の動きよりもぜひこっちを大事にして欲しいと思っておるんじゃ。楽器に触っていない生活の中でもこうしたことはトレーニングできるので、ぜひ参考にしておくれ。

「テクニックは自分の音楽力があってこそ」なんじゃ。

以上、ギター博士流、カッティングのコツでした。カッティングは「機械的な反復運動」が基本ですから、反復練習を重ねていけば必ず上達できます。それでも「やっぱり難しいなぁ」と思ったら、ひとまずそれは置いておいて他の練習をしてみたり、あるいはギター教室の講師に質問したりしてみてください。

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