エレキギターの総合情報サイト
長野県松本市を拠点とする「ディバイザー」は、前身となるヘッドウェイ株式会社を含めると1970年代の発足以来、長きにわたって日本のギター業界を支えてきた企業です。
現在は、
という3社体制で、
など、さまざまなブランドを展開しています。
また、James Tyler、Providence、Crews Maniac Sound といったハイエンドブランドのOEM製造を多く手掛けており、製品の良さが業界内で認められています。
今回は、WEB事業部の相澤森(あいざわ・しん)さんとお会いする機会を頂きまして、製品について、木材についてなど、さまざまなお話を伺いました。
ディバイザー・ショールームの様子
──宜しくお願いします。ディバイザーにはいくつものブランドがありますが、それぞれどういうコンセプトになっているのでしょうか?
相澤: 「ヘッドウェイ」のブランド名は、「株式会社ヘッドウェイ」として以前は社名でもあり、1977年の創業当初から「HeadwayGuitars」としてアコースティックギターを作り続けております。また90年代にエレキギターのブランドとして「Bacchus Guitars(バッカス)」を立ち上げました。
ヘッドウェイとバッカスが、販売台数で言うと現在の主軸になっています。この二つのブランドでは中国やインドネシアで生産する低価格な製品に始まり、国産生産の10万20万を超えてくるようなモデル、さらにその上まで、広いラインナップを展開しています。
求めやすい価格帯のモデルはこの二つのブランドに任せ、残るブランドは国産生産によるグレードの高いモデルに絞ってラインナップを展開しています。どのブランドでもハイエンドモデルは飛鳥工場で生産し、廉価版は弊社の社員が現地で監督しているフィリピンの自社工場、または中国とインドネシアの工場にて生産しています。
「Seventy Seven Guitars」は、アーチトップ/ホロウボディ主体、「Momose Custom Craft Guitars」はフェンダー/ギブソンのトラッドなスタイルをスタート地点にしているスタンダードなモデルです。
「STR Guitars」は飛鳥工場のハイエンドブランドとして、2006年にスタートしました。厳選された素材をもとに、経験豊富な職人がつくり上げる「ワンオフ」モデルです。ブランド名は、飛鳥の工場長(八塚悟氏)に由来しています。
海外のハイエンドベース人気にも見られるように、ギターに比べてベースの方がオリジナルシェイプや現代的なデザインが受け入れられやすいように感じています。STRはトラディショナルなジャズベースの設計を汲み、ピックアップの位置やセットアップなど各所に反映させています。サウンドや機能面について、「ベース」という楽器の歴史に裏打ちされた良い部分を踏襲しながら、現代の演奏スタイルにフィットするよう製作しています。
──オーダーメイドを請ける場合は「ディバイザー」名義ですか?
相澤: 以前は「ディバイザー」名義でオーダーを受け付けていましたが、現在ディバイザーは社名として、またアクセサリー関係の小物のブランド名に使っており、竿もの(ギター、ベース類)には使用していません。
基本的にはSTRブランドにてカスタムオーダーをご案内しておりますが、例えばストラトをお求めならばMomose名義でお受けするというように、よりフィットするブランドをご提案することもございます。しかしゼロから開発するようなオーダーは、場合によって製作しかねることがございます。
ショールーム内
またバッカス、Momose他各ブランドで、一部の仕様を変更して製作する「セミオーダー」もお請けしております。こちらはなんでもオーダーできるというものではなく、それぞれのブランドポリシーに則った弊社基準の範囲内でのオーダーに限らせていただいております。
──良質な材料や優秀なパーツを活かして楽器に命を吹き込むためには、セットアップが重要だと言われていますね。製品をセットアップして、調整バッチリで出荷するためのポイントは何でしょうか?
相澤: 飛鳥工場でのエレキ製作は加工、研磨、塗装、組み立てという4つの部門に別れていて、各部門で4~5名の職人が作業しています。各部門の作業に対してスタッフの分担は異なりますが、作業内容によっては工場内で「その職人しかできない仕事・工程」が要所要所に生まれ、その一つが組み立て工程にも見られます。最終的に弦を張り、ナットを削って、ピックアップの高さをチェックして、という最終セットアップを担当する職人は、「1名」と決まっています。
ショールームには、ちゃんと左仕様も置いてある
「バッチリ」の定義はさておき製品としてバッチリなのか、個体としてバッチリなのかも含めて「バッチリ」には幅があるのではないでしょうか。弾き方に個人差がある以上、最適なセッティングも弾き方によるところがあります。そういった意味で製品として問題がないというセットアップならば、ある程度数値化した上で何人かで手分けして行なっても良いと思います。しかしその中で「このギターはこのような鳴り方をするから、ピックアップの高さをこうしよう」というような細かな「気配り」の部分については、多少なりとも職人の意向が現れてしまいます。そのため複数人ではなく、一人の職人がセットアップを行います。
──これは見るからに豪華なベースですね!ディスプレイ用の台座までしつらえてあります。これは特別なモデルなのでしょうか。
相澤: 「STR」は2006年のブランドスタートから今年で10年の節目を迎えました。コレは弊社サイトでも紹介しております、STR通算400本目のアニバーサリーモデルです。ボディトップやピックガードなど、各所に「スネークウッド」という希少な木材を使用しているので、指板やボディバックには蛇をモチーフとした大胆なインレイを入れています。
備考:スネークウッドは「木材の宝石」と言われるたいへん貴重な木材です。大変硬い木材なので、ビリヤードのキューやナイフのハンドル、ステッキなど頑丈さが求められる箇所に使われる希少材です。たとえばスネークウッドを使用したステッキには、100万円以上のプライスが付きます。
相澤: 中央の紫色の部分は「パープルハート」という木材です。珍しいですが、これで木材そのままの色です。ホンジュラスマホガニーネックのサウンドを得ながら、ネック全体の剛性を上げるという意図で、パープルハートとの5ピースネック仕様となりました。
──ソリッドもセミアコもボディラインだけでは見分けがつかない、かなり珍しいタイプのラインナップですね。しかしボディが薄くて、構えた時のバランスやフィット感がいいです。しかもハムバッカーの甘さの中にきらめきのある、美しいサウンドですね。
相澤: SBにはソリッドやセミホロウなどの構造、ウッドマテリアルなどいろいろなバリエーションがありますが、これはボディ&ネックがマホガニー、指板はエボニーで、レスポール・カスタムのような仕様になっています。モデルによってはこの個体のように木でピックガードを作ります。STRのヘッドは、基本的に全モデル共通してこのシェイプになっています。
コントロールノブはアルミ削り出しの、弊社オリジナルです。軸受けに一工夫あり、一度固定したらぐらつきにくくなっています。このパーツは単体でも販売していますよ。
このほかSTRでは、2015年に発表した「Sierra(シエラ)シリーズ」というコストパフォーマンスモデルもラインナップしています。上位機種(Custom Shop)とは異なり、ある程度仕様を絞りまとまった数を生産することで、品質を維持しながらコストを下げることができました。生産序盤の工程をフィリピンで行い、塗装や組み立てを日本で行っています。
──かわいらしい楽器ですが、意匠が凝っていて、かっこよさもありますね。出音が明瞭で、聞きやすいサウンドです。
相澤: 「SH Guitars」は弊社ブランドSTRとHeadwayのコラボレーションというイメージで立ち上げたブランドです。「ウクレレギター」はギターの5フレットにカポタストを装着したものと同じチューニングなので、ウクレレ奏者だけでなくギタリストにとっても扱いやすいと思いますよ。ボディにはマンゴーを使い、パリっとした良い音を目指しています。また、ヘッドデザインはSTRのスタイルを踏襲しています。
Englishman in New York 6弦ウクレレ・STR x HEADWAY UGのアンサンブル T.T.cafe(中村たかし&かねだたつこ)
2台のウクレレギターによるアンサンブルです。ボディの右肩を持って親指で演奏するのはウクレレ特有の奏法ですが、かねだたつこさん(左)はギターの手つきでコードを演奏しています。ギターの弾き方もウクレレの弾き方もできる楽器だ、ということがわかりますね。
──これはとても印象的なギターですね!ナチュラルだと若い方に制服を着て持ってもらってもかわいい印象ですが、このカラーだとなまめかしい、妖艶なオトナの女性に持ってほしい感じにもなります。和のイメージを持つビジュアル系バンドにもフィットするでしょう。
ピックで弾くとキラキラ感が加えられた美しい音、指で弾くとやさしい丸いトーンですが、張りがしっかり残る頼もしい楽器ですね。澄んでなお力強く、総じてバランスの良いサウンドです。
相澤: サクラ材を使用したアコースティックギターは、最近のイチオシです。発表以来反応がとても良く、ヒットと呼んでいいと感じています。桜の花びらをモチーフにしたピックガードはシンプルなデザインですが、サクラをイメージさせる演出としてうまく機能したのではないでしょうか。
相澤: コレは「夜桜」です。周りの明るさで色の見え方が変化し、暗いと黒く、明るいと赤く感じますよ。ドレッドノート、ラウンドショルダー、000タイプなどバリエーションがあります。
サイド&バックが国産のサクラで、ピックガードと指板、ブリッジはパープルハートです。木材としてのサクラは、マホガニーより堅めだけど堅過ぎない感じです。
HEADWAY Guitars Aska Team Build Series HJ-SAKURA 試奏動画
SAKURAシリーズはサイド&バックに日本の桜を用いた話題作です。桜をモチーフとした意匠が可愛らしいギターですが、このモデルはギブソンJ-45のイメージに近いギラギラ感のあるしっかりした音色です。
──バランスの良い、とても素直なサウンドですね!高速アルペジオでもスッキリ響きますが、ローが絶妙に整理されており、ストロークも気持ちが良いです。思い切り弾いてもソフトに弾いてもとてもいい、ずっと弾いていたい、聞いていたいトーンです。
相澤: 最近話題になっているのは「キューバンマホガニー」と言って、キューバで採取されるマホガニーです。マホガニーは「世界三大銘木」のような扱いで以前は家具などいろいろなところに使われていましたが、まさにその一つとして言われているマホガニーとは「キューバンマホガニー」を指しているのではないか、と言われています。キューバで採取されるマホガニーは、最も目が細かくて色もよくて、また頑丈で、使っているうちにツヤが出てくるなど質感の良さから最も価値が高いと目されています。
しかし乱獲により現在では入手が絶望的で、ワシントン条約の対象にもなっており輸出入ができません。しかしその中で奇跡的にごく少数入荷しました。コレがそうなんですが、サイド&バックにキューバンマホガニーを使用しています。
──ダウンチューニング仕様のギターにはトンガったシェイプのものが多くて、どうしてもメタル方向へと用途が限定されてしまいますよね。しかしこのボディシェイプならそこから解放されて、ポップスでも、オルタナでも、ベンチャーズでも、いろんなジャンルに挑戦できますね!
相澤: 近年一定の存在感を発揮している「ダウンチューニング向けギター」を、バッカスにて製作しました。全弦1音下げで出荷していますが、ノーマルチューニングでも演奏できます。スケールが長いメリットを活かして、オープンGチューニングなどの変則チューニングでもお試し頂きたいです。ジャズマスターの非対称ボディは、座って弾くと弾きやすさが分かります。ボディシェイプを活かして、ロングネックに違和感のない弾き心地になっています。
このギターには「Mojotone」という最近弊社で取扱を始めたアメリカのブランドのハイパワーなピックアップを選んでいます。MojotoneピックアップはMomoseブランドでも一部採用しており、またクラプトンのギターテックをしているリー・ディクソン氏の監修のもと名機のサウンドをイメージしたという「BLACK-E」、「BROWN-E」など、さまざまなタイプのモデルを単体で販売しています。
──ディバイザーはよく日本の木を採用しますよね。これにはどんなところにメリットがあるのでしょうか?
相澤: ヴィンテージギターのような名機への憧れからは、なかなか自由になれないものですよね。そういったこともあってギター業界ではボディ材は何、ネック材は何、のような「定番機のスペックこそ重要だ」という既成の価値観がいまだに一般的なように感じています。しかしここで積極的に珍しい木材を使った製品を市場に投入し、少しずつ新しい価値観を提案していくことに、私たちの存在意義があると感じています。和材は単に楽器として珍しいというだけでなく、美しい音色も持っているんですよ。
近年は材木ファンをうならせるような希少材を製品に投入していますが、弊社はこのような希少材を製品に反映しやすい状況にあります。珍しい木はギター100本ぶんも無い、わずかに何本かを作るだけの量があるけど、「1本分だけ」のような小分けでは売りたくない、と木材屋さんは考えるものです。このような希少材は大きな工場では少なすぎて仕入れることができませんが、6本とか12本を1ロットとしている小ロット生産の弊社なら、仕入れることができるのです。このように弊社と材木屋さんとの絶妙なマッチングがあって、Momose、STR、バッカスでは希少材をぜいたくに使用することができます。
このギターには「神代タモ」という木材が使われています。火山灰に埋もれて1000年以上経過したことで、木そのものがこのような灰色をしています。弊社は「神代ケヤキ」も保有しています。これは岩なだれで埋まったまま2500年ほど経過したもので、ニュースにもなりました。
横たわっているのはトチの木ですね。杢が入ったメイプルのような、フレイムトチです。実を加工して栃餅に使ったり、一枚板のテーブルにしたりと、日本人には大変ポピュラーな木材だと思います。右側にはバーニングローズウッドがあります。途中でくっきり色が変わっていますね。この境界線をいかにうまく使うかが勝負です。
──このような珍しい木材は、どうやって調達するんでしょうか?
相澤: 飛鳥の社長(八塚悟氏)が工場を管理しながら仕入れにも携わっているんですが、普通の木材屋さんとのコミュニケーションではなかなか仕入れられないような珍しい材木をなぜか仕入れてくることが多くて、いつも驚かされます。
一言で木材屋さんと言ってもいろいろなジャンルがあって、ギター用にある程度カットして売ってくれるなど、ギターメーカーが取引しやすい木材屋さんというものがあるんです。しかし社長は、そのような業者さんからでは入手困難な、できるにしても値段がかなり上がってしまうような木材を、足で稼いでいます。木材屋さんと積極的にコミュニケーションをとりながら、出向く市場を選ぶなどして見つけてくるんです。ある程度カットしたものでなく、丸太で仕入れてくることもありますよ。これから切らなきゃならない状態ですが、ショールームにもいくつか置いてありますね。
──ここまで珍しい木材を仕入れることができるパワフルな社長がいながら、社長自ら広告塔になるようなマーケティングはしていませんね。これはむしろ狙っているのでしょうか。
相澤: そうですね。ディバイザーが企画と卸売で、社員は30名前後、飛鳥工場も同様の規模です。このくらいのサイズだと、ブランドがたくさんあるということもありますし「一人を立てる」ということが逆にデメリットになりやすいと考えています。
もっと小さな生産規模で「社長の意向が、楽器にストレートに反映されている」という形であれば、本人の顔を出してこの人が作ったこういう楽器、という話になりやすいと思います。しかし弊社は確かに熟練工のハンドメイドを売りにはしていますが、ひとりの個性を打ち出すようなマニアック路線には行こうとしていません。あくまでも幅広い層の方々に弾いていただける、どなたにでも手に取っていただける、親しみやすいところを狙っています。
ただ、ヘッドウェイについては創業から楽器生産を支えてきた百瀬(百瀬恭夫氏)をプッシュしていました。しかしこのままずっと百瀬に頼り切りでもいけないということで、若い職人の名前を出して行こうというマーケティングを模索し始めています。
備考:百瀬恭夫(ももせやすお)
家具職人からギター職人に転身し、以来50年以上にわたって何千本ものギター製造に携わってきた伝説的なクラフトマンです。この長年のギター作りに対する功績が認められたことから、「信州の名工(卓越技能者知事表彰)」の称号を得ました。ディバイザーの歴史は百瀬氏あってのもので、エレキギター/ベースブランド「Momose」のブランド名にもなっています。ちなみにディバイザーの本拠地長野県松本市は「百瀬」という苗字が多いようで、町中そこかしこの看板で百瀬の名を発見することができました。
──木材の乾燥のさせ方やネックの加工に特徴があるそうですが?
相澤: 人工乾燥機を使って、仕入れた木材をもう一押し乾燥させています。木材には細胞レベルで乾燥しやすい場所としにくい場所があり、ムラができてしまいます。そこで、木材の状態で一度蒸して加湿します。80度くらいになるまで加熱してから徐々に乾燥させることで、均一に含水率を下げることができるんです。
生産予定が決まるとずネックから作りはじめます。仕入れた段階ではある程度の厚みや幅がある角材ですが、そこからネックを切り出して細く加工するときに、ねじれたりフシが出てきたり、改めていろいろなやっかいごとが起きる事があります。弊社では「狂い出し」といって、完成したネックを一定期間寝かせて狂いの出方をチェックしています。この間に動きが安定しているものは、完成してから不具合が出る可能性もぐっと下がります。合せてギターを6本作るときにネックは7本作る、というように生産予定に対して少し多めにネックを作ることで安定した生産を維持しています。
──相澤さんは、日頃どのような仕事をしていますか?
相澤: 「WEB事業部」という部署名で、数名のチームで公式サイトの管理運営をしたり、動画サイトにアップする動画を作成したり、チラシやカタログを作ったり、ライブやイベント出展の準備などをしたり、いろいろな仕事をしています。サイト管理では、通販サイトの構築など勉強することが多くて頑張っています。
ディバイザーのカタログは、全て内製です。ショールームの一角に撮影用のスペースがあり、写真撮影も自分達で行っています。スタジオ内部はバックが白でも黒でも撮れるように、また間接照明を利用するなど工夫をしています。ライブハウスでの公演を企画して実施する一方で、そのリハーサルの合間にカタログ用のロケ撮影をすることもありますよ。こうしたものの内製はここ10年くらいですが、素人同然で始めたところから、だんだんスピードや品質が上がってきていると思います。
また会社とお客様、会社と職人をつなぐ窓口となり、職人とのやり取りも行ないます。この「窓口」という役割から、こうして取材に応じるのも私の仕事になりました。
──思い出に残る苦労話などはありますか?
相澤: 5〜6年ほど前になりますが、当時はウェブサイトを一人で担当しておりました。ある日、有給休暇を取って島根に住む友人の結婚式に向かう途中、社長から「ホームページが真っ白で何も映らないけどどういうこと?」との電話が。慌ててPCを開いてサーバーを再起動し、無事にホームページが表示される、という事がありました。
その時はこの仕事の知識自体も相当に浅く、加えて「自分が会社のインフラの一端を担っている」という責任感も少なかったように思います。とにかくかなり焦りまして、その後はウェブサイトについてもっと調べましたし、複数人が同じ仕事をできるようにできるだけ仕事の共有をして、「問題が起きた時に解決しやすい環境作り」に考えが向くようになりました。
最近は商品の売り上げが少し伸びてきて、以前にもましてウェブサイトや広告、カタログ等の重要性が増しています。より面白い企画や表現で製品の魅力をお伝えすることと同時に、お客様が知りたいときに正確な情報をスムーズに取得できるようなウェブサイト作りを進めたいと思います。
山桜を使用したギターが地元の新聞に取り上げられたこともあって、社全体としてここのところ活気が増しているように感じます。この活気のある雰囲気を日本全国のギタリスト、ベーシストの方々までお伝えできる様、さらに力を入れていきたいです。
──職場に新人を迎え入れるとしたら、どんな人材に来て欲しいですか?
相澤: 自分で考えて動ける人でしょうか。指示待ちではなく、自分の考えを持った上で行動できる意思や意欲を持った人が向いていると思います。芯が通っているもの同士なので、時には喧嘩になることもありますよ。刻々と状況がダイナミックに変化する中で生きることができる、そんなしなやかさも必要です。
私がここに就職するときに弊社会長に告げられた言葉が、今でも印象に残っています。「何を指してギターを作ると言っているのか。手を動かして木を削ることだけじゃなくて、企画もそうだし、営業もそうだし、ギターに携わるという意味では一緒だ」と言われまして、これに納得して今の仕事をしています。
はじめは職人になりたかったんですが、四年制大学卒で専門的な知識が全くないのに、専門的な課程を修了してきた職人たちの中に入るわけにもいきません。ここで働く中で工場の人や営業の人など色々な人を見ていると、いろいろなことをやるとはいえ、やはり向いている業務を自然と選んでやっているんです。自分もそうであって、自分は選んで職人にはならなかったんだと感じています。
──ディバイザーは、これから何を目指していきますか?
相澤: 一歩一歩着実にできることを増やしながら、より多くのミュージシャンにファンになってもらえるように頑張ります。常に新しいことにチャレンジして、「ディバイザーがまた何か面白そうな事やってるな」と皆様に楽しんでもらえるような存在になりたいと思っていいます。こうして堅実に積み上げた上で、海外へも進出したいです。
ヘッドウェイ新シリーズ製品のプロトモデル
かつてのヘッドデザインが、最新モデルで復活予定
「おさむらいさん」というソロギタリストがヘッドウェイを使っているんですが、若者を中心に日本はもちろん海外でも人気のソロギタリストとなっています。今後おもしろい企画も計画中です。
ASIAN KUNG-FU GENERATION “Rewrite” “Re:Re:” by Osamuraisan アジカン「リライト」「Re:Re:」アコギでロックしてー!
この右手のキレ。強弱表現を完全に自分のものにした、達人の演奏。そしてロックのサウンドをアコギに落とし込むアレンジ力やルーパーの使い方、さすがですね。
相澤: 無期限の貸与や譲渡と言ったエンドースメントは基本的に行っていません。プロ/アマを問わず皆様にご購入頂いております。いわゆるエンドースメントには「契約」がついてまわります。楽器は弾く方本人のモチベーションに沿う形で扱われるべきもので、契約などで私たちメーカーが影響を与えるべきものではないと思います。そういった意味で弊社製品を好きで使ってくれるミュージシャンを、心より応援しています。
──ありがとうございました。
続いて、ディバイザーの社屋を囲むように建てられた「飛鳥工場」を案内して頂きました。
※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています。
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