エレキギターの総合情報サイト
先日エピフォン・カジノをネットで買ったのですが、5弦、6弦がビビります。楽器屋に売っていたのもビビっていましたが、値段がまったく違ったのでネットで買いました。しかし、それもビビりやすいのです。これはエピフォン自体がビビりやすいのでしょうか?それとも、いわゆる『ハズレ』というものなのでしょうか? – (2011/12/19)SHINさん 20~29歳 男性(高校生・中学生・小学生)
弦を交換したらビビり音が出ました。どうすれば改善できるでしょうか。ネックの反りは有りません。交換した弦はextra light gauge .009~.042です。緩すぎてテンション不足でしょうか。ギターの表面を下向けると止まります。 – (2016/3/14)朝倉さん 71歳 男性
国内某メーカーのレスポールタイプ(定価14万円)を購入したところ、6弦5弦の生音でのビビリが気になりました。特に6弦は解放で普通の強さでピッキングしてもビビる(アンプを通すと大丈夫だけど神経質なので気になる)ので自分でブリッジを調整して6弦側を高くしました(1弦側に比べて6弦側がかなり高めにブリッジが傾いた状態ですが、弦高は気にならない)。
今は6弦の解放のビビリはなく、つよめにピッキングすると4~8フレットの5,6弦が生音に限りビビります(アンプでは大丈夫)。
この程度のビビリやブリッジの傾きは気にしなくてよいのでしょうか? – (2016/10/7)梅本さん 男性
アンプから出る音に問題がないにしても、弦がビビるのは気持ちが良いものではありませんね。極端にサスティンがなくなってしまったりビビる音が耳障りだったりしているのでなければ、自分が気持ち悪くてもバンドメンバーやリスナーに迷惑をかけているわけではないので、確かに「絶対に解決しなければならない問題」ではありません。ブリッジがボディと並行でなくても、その状態が自分の欲する調整であれば問題ありません。
またいわゆる楽器の「アタリ、ハズレ」は、一般的には「鳴り」や「音抜け」といった音質的なところで判断しますから、現在ビビっている状態のものでも、何らかの問題があるにせよ「ハズレ」とは言いません。特定のブランドだからビビりやすい、ということもないですよ。
弦がビビるのは、振動する弦がフレットなどと衝突するためです。あまりにビビるようだとフレットが弦振動の邪魔をしてしまっているため自然な音にならなかったり、音が伸びなかったりといった不具合が発生します。このビビりを出さないためには、弦を押さえている時でも押さえていない時でも、弦の振動を邪魔しないようにある程度の弦高が確保されていることが第一です。
弦高を調整する
しかし「弦高を上げたのにビビるじゃないか!」という「謎のビビり」が起きることもあります。なぜでしょうか。その原因を考えてみましょう。「強く弾くとビビる」ということならピッキングの力加減にも原因があるかもしれませんし、弦が古いままだと弦振動が不安定になりがちになりますが、ここでは楽器本体のビビりやすいポイントを探ってみましょう。注目すべきは「弦のどの地点でビビるか」です。
ギターで最も美しく響くはずの開放弦がビビる場合、「ナットの溝が深すぎて1フレットでビビる」ことが考えられます。1フレットを押さえた時にはビビらない、という症状ならばほぼナットが原因とみて間違いありません。
「ナットの溝に瞬間接着剤を流し込んで底上げする」という技もありますが、ナットはギターのチューニングを決定づける重要すぎるパーツですから、いちどプロのリペアマンに診断してもらうといいでしょう。
ナットの材質の種類と特徴
これについては楽器の調整ではなく、「演奏者の指の位置」を修正すると解決することがあります。
オープンコード「C」を押さえているところですが、左図のように指がフレットのバーから離れていると、フレットへの弦の固定が甘くなって、ビビりが発生しやすくなります。
一方、右図のようにフレットぎりぎりを押さえると、弦はフレットにキッチリ固定されるので、ビビりが発生しません。ここまでキッチリと押さえているのにビビるようであれば、楽器の調整が必要になります。
頻繁に使用するポジションのフレットは、他のポジションよりも速く摩耗していきます。そのため特定のフレットだけが他より低くなってしまい、押さえた時の弦高が落ちてしまうのです。
逆に、特定のフレットが温度や湿度の影響で指板に押され、僅かに高くなってしまうこともあります。この場合はそのフレットより低い音がビビり、そのフレットからはビビらなくなります。三人目の質問者さんは「5、6弦の4~8フレットがビビる」とのことでしたが、9フレットの低音側が高くなっているのかもしれません。
こうしたフレットの不具合は、飛び出ているフレットを叩いて押しこんだり、「すり合わせ」で全体の高さを揃えたりといった専門的な作業が必要になります。
フレットの種類と特徴
ハイポジションではビビらないのにローポジションでビビる、という場合は「ネックが逆ぞりしている」ことが原因かもしれません。逆ぞりは弦の張力に勝ちすぎたネックが「山なり」になっている状態で、ブリッジ側から見たらローポジションが「山の向こう側」になるからです。
逆反りネックの調整(ヘッド側で調節する場合)
ビビる様子がよくわかる
トラスロッドはギターによって順ぞりのみを修正するものと順ぞりでも逆ぞりでも修正できるものとに分かれます。トラスロッドを緩めても逆ぞりが治らない場合は、弦を太くするなど張力を上げるか、プロの技に頼りましょう。
ネックの反りを確認・調節する
ネックジョイント地点で大きく順ぞりする「ハイハネ(ハイ起き)」が発生しているネックでは、特にハイポジションでの弦高が不足しがちになります。ネックがまっすぐか、全体的にわずかな順ぞりになるように調整する必要がありますが、この状態のネックはトラスロッドで調整しきれないこともあり、プロの技に頼らなければならなくなるかもしれません。
「どこを押さえても、この弦だけがいつもビビる」という場合、ブリッジでビビりが発生しているかもしれません。一人目の質問者さんはエピフォン・カジノをお使いとのことでしたが、カジノのようにボディエンドにテールピースを配置するギターの場合、トップ面の盛り上がり方次第でブリッジのサドルに向かう弦の角度が不足がちになることがあります。角度が不足すると弦がブリッジに押しつけられる力が不足しますから、弦振動を受けてガタつくことがあるのです。特に5弦や6弦は振幅が大きいので、「低音弦だけビビる」という症状にもなりやすいです。
などの対策で弦の張力が上がると、弦がサドルに押し付けられる力も増しますから、こうしたビビりに対する予防効果が高まります。
ブリッジの場合、弦のビビりだけでなくブリッジのパーツが弦振動に共振することも考えられます。この場合でも、弦の張力を上げることで共振するパーツを押さえつけることができ、ビビりの予防効果が高まります。
これまで紹介したいろいろな原因のせいかもしれませんが、「高音弦のビビりが聞こえていない」だけかもしれません。特に1弦や2弦は指を切ってしまいそうなほどに細く、音もチリチリしています。耳が慣れていないと、ビビっていない1弦の音と、ビビっている1弦の音の区別がつけられないかもしれません。鳴らした時の音や指に伝わる感触を、あらためて感じてみましょう。
以上、いろいろな角度から弦がビビる原因を考えてみました。楽器本体が原因でビビる場合、弾いている間にギターのコンディションが変化していくことが第一の要因で、これはギターを弾いている以上必ずと言っていいほど発生することです。一方で、新品の状態からビビりが発生していることもあります。調整の初期不良についてはメーカー保証の対象に据えているところが多いので、新品なのにビビる、という時には販売店に問い合わせましょう。
※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています。
guitar-hakase.com
guitar-hakase.com
guitar-hakase.com
guitar-hakase.com
guitar-hakase.com
guitar-hakase.com
guitar-hakase.com