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コード進行を理解するにはまずダイアトニック・コードについて知ることからです。
このページではメジャー・ダイアトニック・コードを取り上げて、ダイアトニック・コードへの理解を深めていきます(マイナー・キーについては別ページで。キーについて詳しくは「曲のKeyって何? – Keyの種類」を参照ください)。
ところで、ダイアトニックってなんでしょう?
キーにはメジャー・キーとマイナー・キーがあります。
メジャー/マイナー各キーで中心となるメジャースケール(マイナーではナチュラル・マイナー)
をダイアトニック・スケールと言います。
ダイアトニック・スケール上の音だけでできているコードをダイアトニック・コードと呼びます。
Cメジャー・キーならば、Cメジャースケール上の音だけでできているコードはすべてダイアトニック・コードになります。
いくつかのキーでダイアトニック・コードを押さえるためのルート音の配置を見てみましょう。
Aメジャー・キーでのダイアトニック・コードのルート音
Dメジャー・キーでのダイアトニック・コードのルート音
AメジャーやDメジャーといったキーではダイアトニック・コードのいくつかをローコードで押さえる事ができます。
ローコードのみでなくバレーフォームも覚えておくとキーを変える時に便利です。
コードのフォームに関しては「コードの構成音と成り立ち」を参照してください。
ナチュラル・マイナースケールは短3度上の音を主音とするメジャースケールと構成音が同じになります。
メジャー・キーにおけるダイアトニック・コードは、コードの形で
と4つに分類できます。
(1) 3度堆積のトライアド、(2) 3度堆積の4声和音と、上記に紹介した譜例画像の
下部に書いてある英数字がキーにおけるコードの階です。
階とは、キーの主音を「Ⅰ」として、メジャー・スケール上の音をそれぞれ「Ⅱ」「Ⅲ」「Ⅳ」「Ⅴ」「Ⅵ」「Ⅶ」とローマ数字で表記したものをコードのルートにして表したものです。
曲中のコードは階という形で考える事で移調しやすくなったり、コード進行を覚えたりする場合にも役立ちます。
ここで気をつけて欲しい事は、
・ルート音に付いているシャープ、フラットは階のシャープ、フラットと一致しない
・階にシャープ、フラットが付いている音は、その音がメジャー・スケール上にはない
ということです。
この辺りは音程とほぼ同じ考え方をすれば理解し易いと思います。
音程について
Cメジャー・キーで「Ⅶ」の音はBですが、Gメジャー・キーではF#(Ⅶ=長7度の音)
Cメジャー・キーでbⅢ音(短3度の音)はEbですが、DメジャーキーではF
となります。
音程の知識が重要になりますのでしっかりと覚えてください。
ダイアトニック・コードには3度堆積ではないコードもあります。
3度堆積コードと関連付けて覚えるといいでしょう。
6thコードのダイアトニックコード
SUS4コードのダイアトニックコード
SUS4コードは元々メジャー・コードであるもの和音の長3度の音の代わりに完全4度が入ってできたものであるため(長3度と完全4度は半音になるので同時には使えません)、Cメジャー・キーのダイアトニック・コードとして次のようなコードもできますが、これは正確にはSUS4コードとは言いません。
分数コードの多くは上側が和音、下側はベース音を意味します。
最も多い形はコードの3度音や5度音がベースになったものです。
この場合は元のコードと変わりありません。
コードトーンではない音がベースになる場合もあります。
この場合は別のコードの省略形になっています。
上側の和音と下側のベース音のどちらかがダイアトニック・スケール上にない場合はダイアトニック・コードではありません。
曲中のコード一つ一つには働きがあります。
これをコード機能と呼びます。
セッション風バッキング、ギターソロ【Tab譜】「ギター研究室 #1」
コードの持つ働きでわかりやすいのは「Ⅰ」のコードです。
「Ⅰ」はコーラスの最後や曲の最後など、コードが落ち着く部分に使われるコードです。
このコードをキーの「トニック・コード(主和音)」といいます。
Cメジャー・キーでのトニック・コード一覧(Csus4を除く)
「Ⅰ」のコードに音が足された「ⅠM7」や「Ⅰ6」になってもトニックには変わりありませんが「Ⅰsus4」は3度音の代わりに完全4度が入ったコードなのでトニックとは考えません。
トニックの次に重要なコードは第5音をルートとする「Ⅴ7」です。
Cメジャー・キーの第5音をルートとする「Ⅴ7」 = G7
7thコードは3度音と7度音とで減5度という音程ができます。
「Ⅴ7」にも含まれる減5度の音程はとても重要です
この音程がこのコードの響きを不安定にさせています。
減5度音程がそれぞれ半音づつ反対のほうに変化すると不安定な響きが落ち着いた響きにつながるように感じられます。
G7 → C と弾くと、コードが落ち着く感じがわかる
この落ち着いた部分が「Ⅰ」のコードのルート音と3度音になります。
この音の流れが曲の中でコードが落ち着く(曲が終わる)部分を作り出します。
減5度(転回すると増4度)は全音3つ分なのでこの音程を「トライトーン」といいます。
つまり「Ⅴ7」は「トニックへ進行しようとする」コードなのです。
「Ⅴ7」の持つ機能を「ドミナント(属和音)」といいます。
Ⅳコードを「サブドミナント(下属和音)」といいます。
「Ⅰ」のコードにメジャー・スケール上の他の音を加えて次のように鳴らしてみましょう。
↓
C に D音(長2度)や A音(長6度)を加えても響きが大きく変わる事はありません。
が、F音 は C と同時に弾くと音が濁ってしまいます。
これは C の中の E音(3度音)と F音 が半音の関係になってしまうためです。
次の譜例のように、G7 から C に進行した場合、終わりのように聴こえますが C に F音 を加えると終わらなくなってしまいます。
Cのコード【キーCでのトニック・コード】にとって、F音(完全4度の音)は邪魔な音である事がわかります。
このようにコードに他の音を加えるとコードの響きが濁ってしまったり、そのコードの持つ機能が変わってしまう音はアボイド・ノートと呼ばれます。
それ以外はテンション・ノートと呼ばれ、「コードに加えて鳴らしても良い音」という事になります。
「Ⅳ」のコードはトニックにとってアボイド・ノートであるメジャー・スケール上の第4音を持ちますが、トライトーンはできません。
つまり「Ⅳ」のコードはトニックとドミナントの中間的なコードということです。
Ⅰ(トニック)、Ⅴ7(ドミナント)、Ⅳ(サブドミナント)の3つのコードをメジャー・キーのスリー・コード(主要3和音)といいます。
Cメジャー・キーでのスリーコード
指板におけるスリーコードのルートの配置
シンプルな曲はスリー・コードだけでできているものもあります。
メジャー・スケール上の音はスリー・コードいずれかに必ず含まれています。
メロディーの中で
・4分音符より長い音(テンポによって変わりますが)
・音が跳躍する部分
はコードトーンになるようにコードを付けていくのが基本的なコードの付け方です。
次のメロディにスリーコードでコードを付けてみましょう!
コードは1小節に1つから2つを目安にしてみてください。
上の条件で考えるとおよそ次のような進行になります。
これにさらに他のダイアトニック・コードを使うといろいろなバリエーションができます。
しかし使うコードが多くなると、各コードには動き方の原則があるのでメロディーと音があっていればどのコードでも付けられるわけではありません。
スリーコード以外のコードは、T(トニック)、SD(サブドミナント)、D(ドミナント)いずれかと同じような働きをするコード、すなわち代理和音になります。
代理和音の原則的な考え方は
「元のコードの上、あるいは下に3度で音を加えてできるコード」は元のコードと似た響きになる
です。
Cメジャー・キーでは
となります。
これらは確かに良く似た響きですが、これらの中で「T、SD、D それぞれの重要な音を持っているかどうか?」で最終的なコード機能を決めると次のようになります。
主音(ド)、第4音(ファ)、第7音(シ)がどのように入っているか?ということから各コードのコード機能は次のようになります。
コード進行には原則的な動きがあります。
これは規則ではないのでこれとは異なる曲もまれにありますが、基本的な部分は覚えておきましょう。
Cメジャー・キーで考えると、トニックの主要和音はCです。
その代理である Am7 や Em7 へ C は進行できますが、逆になるとCメジャー・キーであることがわかりづらくなります。
必ずすべてが使われるという事ではありません。
この中のどれかが省略されるというケースもあるということです。
次の進行を見てください。
この進行の中には「T-T-T-SD-D」と「T-SD-D-T」の”2つのかたまり”があることがわかります。
コード進行の中で「Ⅰ(M7、6)」へ進行するものを終止形、ケーデンスと呼びます。
ケーデンスには次の3つがあります。
「Ⅴ7 → Ⅰ」の進行。機能としてのドミナントには「Ⅶm7(b5)」もありますが、このコードからトニックへ進行する事はありません。
Cメジャー・キーでは次のようになります。
コードトーンの中で重要な音の流れのみ表示しています
「Ⅳ(M7、6)」もしくはその代理和音である「Ⅱm7」からトニック「Ⅰ」コードへの進行です。
ドミナント・ケーデンスに比べ、やや弱い(はっきりしない)進行になります。
曲の最後に同じ部分を繰り返したい場合に使うと効果的です。
上の例では最初の F→C の部分が SD→T のケーデンスになることで2度同じフレーズを繰り返し、その後 SD→D→T の進行を使う事で
はっきりとした終わりになっています。
次のようなものもサブドミナント・ケーデンスです。
SD である「Ⅳ(M7、6)」あるいは「Ⅱm7」が「Ⅴ7」へ進行し、トニック「Ⅰ」コードへと進む終止です。
はっきりとした(SD→D と鳴った時点で「Ⅰ」コードに進行する事を予感させる)終止です。
「Ⅴ7」がトニックではなく他のコード進行することもあります。
その中で、「Ⅴ7」がトニックの代理である「Ⅵm7」や「Ⅲm7」へ進行する場合を偽終止、
「Ⅴ7」が「Ⅳ」あるいは「Ⅱm7」などのSDに進む進行を終止保留と呼びます。
この二つはどちらも終わろうとする流れを変える、応用した形ですが、コードの機能が違う事でのその後の進行が関わってきます。
偽終止
終止保留
上で説明したコード進行の原則を思い出してください。
ドミナントが(代理でも)トニックへ進行すると、もう一度ケーデンスを経ないと「Ⅰ」に進行できません。
トニックの代理から「Ⅰ」へは進行できないからです。
それに対し、ドミナントが SD へ進むとそのままトニックへ進行することができます。
これが偽終止と終止保留の違いです。
コード進行におけるコード一つづつに対するスケールを、コードスケールといいます。
ダイアトニック・コードの場合は「ダイアトニック・スケールをコードのルートから表記したもの」になります。
が、実際に弾く場合にルートから弾くということではありません。
それぞれコードのルートから並べて表記することでコードトーン以外の音を見え易くするためです。
例えばCm7というコードがあったとします。
キーはわかりません。
ダイアトニックとしてCm7がでてくるのは「Ⅱm7」「Ⅲm7」「Ⅵm7」の3つです.
Cm7 が Bbメジャー・キー で現れた場合、コードスケールは「Cm7 のコードトーンの間を Bbメジャー・スケール 上の音で埋めたもの」になります。
Abメジャー・キーだと
Ebメジャー・キーだと
となります。
こうして並べると違いがわかりやすいと思います。
これがコードスケールです。
各コードスケールは
の3つからできています。
それぞれのコードのスケールとテンション・ノートは次のようになります。
同じM7に対して使われるアイオニアンとリディアン、m7に対して使われるドリアン、フリージアン、エオリアン等を比較して覚えるようにするとわかりやすいと思います。
(譜例で上に9thのように表記してあるものがテンション・ノート、×がアボイド・ノートです。ダイアグラムではコードトーンのみ表示してあります。)
それぞれのテンション・ノートやスケールは覚えづらいですが、繰り返し繰り返し、時間をかけてしっかりと覚えてください。
アドリブを演奏すること以外にも、伴奏の際にテンションを入れて弾いたり、
また曲を作る場合も、上でやったメロディーにコードを付ける方法以外に、長い音価(音の長さ)の音がテンション・ノートとなるようにコードを付けることで、さらにバリエーションに富んだコードを付けることができるようになります。
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