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ルーパー・エフェクターは、演奏したフレーズをその場で録音し、繰り返し再生できるエフェクターです。最も基本的な使い方は、1小節や数小節のコード進行を録音して再生し、その上に別のフレーズやソロを重ねていくこと。これによって一人でも多重演奏を行うことができます。
この記事では、初心者でも簡単に使いこなせるルーパーの選び方や基本的な使い方、練習方法を詳しく解説します。ルーパーを活用して、あなたのギター表現を次のレベルへ引き上げましょう!
BOSS RC-600 Loop Station – Next-Generation floor-based Looper Pedal
ギタリストがシンプルな1ループでジャムセッションを楽しんでいた黎明期を経て、ルーパーはその可能性を着実に広げてきました。現在では、あらゆる楽器で活用され、表現の幅もかつてないほど多彩になっています。
TC Electronic Ditto Looper(ルーパー・エフェクター)をギター博士が弾いてみた!
ミニサイズのルーパーペダルとして一躍脚光を浴びたDitto Looper。シンプルだからこそ味わえるルーパーの醍醐味を凝縮した1台です。
ルーパーがあると、以下のようなことができるようになります。
「多重録音」とは一つのフレーズを何本も重ねていくことを言います。
通常、多重録音を行う場合やDAW(作曲ソフト)やMTRといった機器が必要となりますが、ルーパーさえあれば1台で、それも簡単操作で実現します。細かい設定は必要とせず、ペダルを足で踏むだけで誰でも簡単に録音できるのが魅力です。
そして、多重録音を応用することで一人「ジャムセッション」を楽しむことが可能です。
予め用意したドラムとベースのサウンドをループ再生した状態で、コードストロークやアルペジオを録音してループを重ねていきます。その後、完成したバッキングトラックに合わせてアドリブなどを演奏することができるのです。あくまでループ再生なので転調などに対応することはできませんが、好きな時に好きなだけセッションを楽しめるのはルーパーならではです。
多機能なルーパーを使うことでライブパフォーマンスにも活用することができます。
ルーパーでバッキングを作り、そこにボーカルを乗せるだけで本格的な歌モノの完成です。基本は多重録音ですが、それを発展させていくことで、様々なシーンで使うことができるでしょう。
標準的なルーパーに搭載されるコントロールについてみていきましょう。
ルーパーにはだいたい以下のようなコントロールが用意されています。それぞれ用語を理解しておくといざ使用する時に役立ちます。
演奏を録音するために使用します。ペダル型のルーパーならスイッチを踏むことで録音が始まります。通常、最初にこのボタンを押すと録音が開始され、もう一度押すと録音が終了し、ループが再生されます。録音したフレーズは半永久的にループ再生されます。
録音されたループを再生/停止するために使用します。
既存のループに新たなパートを重ねて録音する「重ね録り」のために使用します。上記と同じ手順でフレーズを録音し、複数のレイヤーを作成して、豊かなサウンドを作り出すことができます。
アンドゥは「最後に重ねた音を消去」する操作です。演奏を失敗してしまった時や、異なるフレーズを重ねたい時に役立ちます。
リドゥは「最後に重ねた音を復活」させる操作です。誤ってフレーズを消してしまった時に使います。
基本的な操作は以上ですが、多機能ルーパーとなると
などの機能が搭載されます。このあたりの機能が搭載されるようになると、表現の幅は格段にアップします。
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ルーパーは単体機種のほか、多機能ディレイペダルなどに搭載されることも多い。
ルーパーエフェクターは、大きく分けてシングルタイプとマルチトラックタイプの2種類があり、用途や演奏スタイルによって選び方が変わります。
1つのループトラックのみを扱うモデルで、操作がシンプルかつ直感的。フットスイッチ1つで録音・再生・オーバーダブを切り替えられるため、初めてルーパーを使う人や、自宅練習・簡単なライブパフォーマンスに向いています。録音時間は機種によって数分から30分程度まで様々。小型でペダルボードに組み込みやすく、価格も比較的手頃です。
複数のループトラックを個別に録音・再生できるモデルで、2〜3トラックを切り替えて使えるものから、ステージ上で複雑な構成を組めるプロ仕様まで幅広く存在します。
例えば、トラック1にリズム、トラック2にコード進行、トラック3にメロディを録音し、曲の進行に合わせて再生・停止を切り替えることが可能。録音時間は長く、ステレオ対応や外部メモリ保存機能など拡張性が高いのも特徴です。
六弦かなで「シンプルに使うならシングルタイプ、かな。はじめて使うからこっちのほうがいいよね?」
エレキギター博士「ウム、まずはシンプルなモデルで試してみるといいと思うゾ。けど、はじめから即興的なパフォーマンスをしてみたいという想いがある人は、難しいかもしれんがいきなりマルチトラック・ルーパーにチャレンジしてもいいと思う!」
エフェクターボード内でルーパー・ペダルを配置する位置は、エフェクターボードの最後がおすすめです。
エフェクトチェーンの最後に置くことで、他のエフェクターによって処理された音がそのまま録音され、再生される音も最終的なサウンドになります。最後に置くことで他のエフェクターを後から変更する事もできます。例えばディストーションやディレイ、リバーブなどのエフェクトをループに対して個別に調整できるため、より多様なサウンドメイキングが可能になります。
ページ冒頭でギター博士が使用した、TC ELECTRONICのシンプルなルーパー「Ditto Looper」。
ミニサイズの本体にツマミ1つという極めてシンプルな操作系統ながら、スタート/プレイ/アンドゥ/リドゥとルーパーに必要な機能をフットスイッチの操作だけで実行できるなど、非常に優れた操作性を実現。エフェクターボードにも余裕を持って収納できます。
コントロールはループの音量レベルを調整するLOOP LEVELのみ。
ループタイムの上限は5分で、オーバーダブの回数は無制限、待機時の音質劣化も気にならないトゥルーバイパス仕様となっています。音声出力にアナログドライスルー構造を採用、ドライ音(原音)はアナログのまま出力されるため、デジタル機器にありがちな無機質で冷たいサウンドにはなりません。はじめてのルーパーに最適なモデルです。
TC ELECTRONIC Ditto Looper – Supernice!エフェクター
コストパフォーマンスに優れたペダルを数多くリリースするMooerから発売されたルーパーです。
ミニサイズの筐体にはルーパーとドラム・マシンの2つの機能が詰め込まれており、練習にもパフォーマンスにも便利な一台です。
それぞれの機能を個別に使用することも可能ですが、同時に使用した場合はリズムに自動でルーパーが追従するため、ループのタイミングをシビアに気にすることなくプレイできます。
またタップ・テンポを設定するボタンも搭載されており、テンポの決定も簡単です。
これだけの機能を搭載しつつも実売価格は1万円前後と手に入れやすいのは魅力的です。
Mooer Groove Loop – Supernice!エフェクター
ルーパーを多数ラインナップするBOSS製品のなかでも最もシンプルなのが本機、RC-1です。
ノブはボリュームのみ、ルーパーの操作はフット・ペダルのみで行うなど、操作感としてTC ELECTRONIC DITTOに非常に近いといえます。
いわゆる「BOSSコン」の筐体でリリースされている本機はフット・ペダルも非常に踏みやすく、さらに停止、アンドゥ(元に戻す)操作は外部フット・スイッチによって行うこともできます。
ループの進行状況はノブ横のインジゲーターによって一目で把握できるのに加え、電池駆動にも対応。さらに、電源を落としてもループが消えることはありません。屋外のパフォーマンスにも最適な一台です。
BOSS RC-1 Loop Station – Supernice!エフェクター
現代におけるルーパーの定番機となった同社のDITTOのアップグレード・モデルです。
コンパクトな筐体とDITTOの持っていた機能はそのままに、新たなコントロールや機能が追加されています。
まず目を引くのはカラー・ディスプレイ。ループの位置や状態(再生/録音中など)が視覚的に確認できるもので、パフォーマンス中にも役立つこと間違いなしです。
さらにノブ横に設けられたスクロール・ボタンでは本体に保存できる99種類のメモリーを切り替えることができ、演奏する曲によって事前に用意したループを切り替えて使用する…といったような使い方も可能となりました。持っていて損はない、ミニサイズ・ルーパーの決定版です。
TC Electronic DITTO+ – Supernice!エフェクター
赤いフォルムが特徴となるBOSSのRC-3は、最大で3時間の録音に対応し、99種類までのフレーズを保存しておくことができる多機能ルーパーです。
フレーズの保存機能があるため、ライブパフォーマンスに最適。ステレオ入力に対応で、ギターはもちろんシンセサイザーなどのステレオ機器と接続することも可能です。
AUX端子も用意されているため、音楽プレイヤーなどを接続してバッキングトラックを再生し、その上にループを重ねていくという使い方もできます。
また、録音の際に役立つリズム機能を搭載。タップテンポでBPMを調整することもでき、テンポに合った正確な演奏を取り込むことができます。
さらに、本機にはUSB端子が用意されており、保存したフレーズをUSB経由でパソコンに送ること可能。逆にパソコンからWavファイル(44.1kHz/16bit)をインポートすることもできます。
電池駆動も可能なので、野外でのパフォーマンスにも対応します。長期に渡って売れ続けている、ギター向けルーパーの定番モデルです。
BOSS RC-3 – Supernice!エフェクター
「RC-3」に続く、ペダル・タイプのルーパーです。
32bit処理による高いクオリティのサウンド、バックライトのついた視認性の高いディスプレイなど、パフォーマンスをより強力にする要素が数多く追加されています。
録音時間は3時間から13時間に、リズム・パターンは10パターンから57パターン×2バリエーションに増大し、プレイヤーのインスピレーションがより掻き立てられる一台です。
またRC-3においては外部フット・スイッチによってコントロールできるのは停止、アンドゥ/リドゥのみでしたが、本機では録音/再生、オーバーダビングも行うことができます。
TRS MIDI入出力の搭載により外部機器との同期も可能となり、一人でもバンドでも、さらに使えるルーパーとしてリニューアルされています。
BOSS RC-5 – Supernice!エフェクター
Dittoシリーズの「Ditto X2 LOOPER」をベースに、新たな機能「Beatsense」が搭載されたモデルです。
TC Electronic独自の技術であるこの「Beatsence」は録音したループがバッキング・トラックを自動で追尾するという画期的なもので、例えばバンドで演奏する際にも、他のプレイヤーがループのテンポを気にしながら演奏する必要はありません。
X2 LOOPERと同じくコントロールはボリューム・ノブ1つのみで、直感的なコントロールが可能です。
また、ステレオ・アウトプットやUSB接続による音源のやりとり、最大5分間のループ・タイム/無制限のオーバー・ダブなど、既存のDITTOシリーズの機能ももちろん搭載されています。
TC Electronic Ditto JAM X2 LOOPER – Supernice!エフェクター
ルーパーを用いるパフォーマンスの多くは、同じフレーズ、コード進行をループさせ続けるというルーパーの特性上、平坦なものになってしまいがちです。
本機ではそのような問題を解決すべく、2系統のループ・トラックを装備しています。
搭載されているリズム・パターンはイントロ、エンディング、2つのソング・ディビジョンによって構成されており、例えばAメロとBメロを切り替えて曲に抑揚をつけたりなど、パフォーマンスに展開を与えることが可能となっています。円形のインジケーターやシンプルなコントロールにより操作も直感的に行えるのは嬉しいポイントです。
もちろん音質やリズム・パターンのバリエーション、入出力の豊富さなどルーパーとして求められる基本的な能力も申し分ありません。
BOSS RC-10R – Supernice!エフェクター
単体のルーパー・ペダルが存在する一方で、一部の多機能ディレイペダルやマルチエフェクターの中にもルーパー機能を搭載しているモデルがあります(特に現代のマルチエフェクターにはほとんどのモデルで搭載しています)。ルーパー専用機の方が機能面で優れている場合が多いですが、シンプルなルーパーで大丈夫という人は、これらの機材を導入するというのも一つの手です。
以上、ルーパーペダルについて見ていきました。
特にマルチトラックタイプの多機能モデルになってくると、ボーカルとギターを同時に扱えるものも登場してくるため、表現の幅は格段に上がってきます。これらの製品を使って驚異的なパフォーマンスを繰り出すアーティストも登場しています。是非奥深いルーパーの世界に一歩足を踏み入れてください。
ルーパーの売れ筋を…
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