ボリュームペダルとは?

[記事公開日]2022/9/14 [最終更新日]2025/8/19
[編集者]神崎聡

ボリュームペダル

ボリュームペダルは「ギターの音量を足元でコントロール」するためのペダルです。シンプルに信号の出力レベルを上げ下げし、ギターの音をスムーズに調整できます。

通常、演奏中にボリュームノブを操作すると右手が取られ、演奏を一時的に止めなければなりません。ストラトキャスターを筆頭に、演奏中でもボリュームノブを操作しやすいギターはあるものの、スムーズな操作には慣れが必要です。
ボリュームペダルを導入すると、ノブと同等の操作が足元で可能となります。演奏を止めることなく、音量あるいは音質を変化させることができ、ボリュームノブを用いた演奏をより簡単にしてくれます。

ボリュームペダルの基礎知識

ギター演奏でボリュームペダルが果たす役割

ライブでのミュート役

ボリュームペダルの代表的な使い方は、ライブでの音量バランス調整です。特にプロの現場では、例えば静かな曲のイントロやアウトロの最中にノイズや余計な音を出すことは許されません。手元のボリュームノブを使って音量をミュートすることもできますが、ペダルを使うことでより確実に不要な弦のノイズを排除できるため、ペダルを導入するギタリストは大勢います。

エフェクター(主に歪み系)の効果を変化させることができる

ギターの音量はもちろん、歪み系エフェクターなどの効き具合も調整することができます。たとえば、オーバードライブペダルの前段にボリュームペダルを接続すると、ペダルを踏み込むにつれて「音量と歪み量」が上がっていきます。これはボリュームノブと同じ仕組みです。

演奏の幅が広がる

ボリュームペダルは演奏の表現力を広げるツールでもあります。ソロの前にじわっと踏み込めば、音が自然に立ち上がりドラマチックな展開を作れます。逆に曲の最後に少しずつ踏み戻せば、フェードアウトのような余韻を演出可能です。
また、スウェル奏法ではピッキングのアタックを消し、バイオリンのように滑らかな立ち上がりを作り出すことができます。これにディレイやリバーブを組み合わせると、アンビエント的な広がりのあるサウンドに変化。曲の雰囲気を一変させる力を持っています。

エクスプレッションペダルとの違い

ボリュームペダルと似たような機材に「エクスプレッションペダル」があります。一見しただけでは同じように見える2つの機材はどう違うのでしょうか?

ボリュームペダルが信号の出力レベルを上げ下げするのに対して、エクスプレッションペダルはアンプやマルチエフェクターの「パラメータ(エフェクトの深さや速さなど)」を外部操作するための装置です。ボリュームペダルは信号自体を操作し、エクスプレッションペダルはエフェクター内部の数値を操作する、という点で役割が異なります。

ボリュームペダルの接続順

エフェクターの接続順
一般的なエフェクターの接続順

ボリュームペダルは接続順によって効果が変化します。基本的な接続パターンは以下となります。

A:ボリュームペダルをエフェクターの前段に繋いだ場合
⇒ギターのボリュームノブと同じ働きをする

B:ボリュームペダルをエフェクターの後段に繋いだ場合
⇒マスターボリューム(全体の音量)を調整することができる

ボリュームペダルをエフェクターの前段に繋いだ場合、音量とエフェクターの効き具合が同時に変化し、ギターのボリュームノブと同じ働きをします。一方、後段に繋ぐとサウンド全体の音量を変化させることができ、エフェクターの効き具合には影響がありません。ちなみに、全体の音量調整が目的で、なおかつ歪み量を変化させずにアンプの歪みを使いたい場合、「センド/リターン」に繋ぐことで解決します。

ボリュームペダルの選び方

2種類のインピーダンス

ボリュームペダルを選ぶ際にチェックしておきたいのが「インピーダンス(入力抵抗値)」です。モデルによってインピーダンスが異なり、たとえばBOSS製のボリュームペダル「FV-500H」はハイインピーダンス、「FV-500L」はローインピーダンスと、2種類のモデルが用意されています。

ハイインピーダンス・モデル 直前の機器がギターあるいはベースの場合
(上記の接続パターンA)
ローインピーダンス・モデル 直前の機器がエフェクターあるいはセンド/リターンの場合
(上記の接続パターンB)

インピーダンスはエフェクターがギターやアンプの信号をどう受け取るかを決める要素で、適切でないものを選ぶと「音痩せ」やノイズ増加の原因となります。目的に合った適切なモデルを選ぶようにしてください。

六弦かなで

導入時の注意点

ボリュームペダルはその構造上、音痩せがしやすいエフェクターです。そのため、音痩せ対策としてバッファーを内蔵しているモデルや、モディファイ(改造)を施して音質の劣化を限りなく抑えて販売しているモデルもあります。また、手元ではなく足元で操作するため、繊細な操作をするためには慣れが必要となります。本番前にしっかりと操作に慣れておきましょう。

チューナー機能付きやマルチ機能型も

最近ではボリュームペダルにチューナー機能を内蔵したモデルも登場しています。このタイプはペダルを踏み込むとミュートしつつチューニングできるため、ライブでの利用にたいへん便利です。また、ボリュームとエクスプレッションを兼ねられる「マルチ機能型」も登場し、限られたボードスペースを効率的に使いたいギタリストに選ばれています。

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