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「ボリューム奏法」は、音量ゼロの状態で弦を弾き、鳴っている間に音量を上げる、エレキギターやキーボードなど、電気的に音量をコントロールする電気楽器特有の弾き方です。これを行うと、撥弦楽器(はつげんがっき。弦をはじく楽器)特有の「ピッキング時のアタック感」がなくなった独特の音がします。この音が擦弦楽器(さつげんがっき。弦を弓でこする楽器)のように聞こえることから「バイオリン奏法」とも云われます(「ビオラ奏法」や「チェロ奏法」とは言いません)。今回はこのボリューム奏法(バイオリン奏法)に注目してみましょう。
Roy Buchanan – Train Blues (Live)
「世界最高の無名ギタリスト」と言われるロイ・ブキャナン氏の名演。テレキャスターによるいきなりのボリューム奏法を見ることができます。一般にテレキャスターはボリューム奏法に不向きだと考えられていますが、手の持って行き方を工夫することで、このような美しい音量変化を出すことができます。
ボリューム奏法は3通りの方法で再現することが可能です。それぞれ見ていきましょう。
ピックを使ったり指で弾いたり、弦の鳴らし方はいろいろですが、「小指でボリュームポットを操作する」のが基本スタイルです。ピッキングの寸前にボリュームをゼロに落し、弦を鳴らしてから音量を上げます。音量は最大まで上げなくても良いですが、「ピッキングの瞬間は音量ゼロ」が最も重要なポイントです。
ストラトキャスターは他のどのエレキギターよりも弦に近い位置にボリュームポットが配置されており、ボリューム奏法にもっとも適しているギターです。他のギターではピッキングとほぼ同時に音量を上げるのが大変難しく、特にレスポール・タイプのギターはボリュームポットが弦からかなり遠ざけられているので、ボリューム奏法との相性は良くありません。このようなストラト以外のギターでボリューム奏法を行いたい時には、
など、さまざまな工夫が必要となります。
ボリューム奏法は「滑らかな音量変化」を味わうプレイなので、音量の変化が分かりやすいサウンドで行うのがいいでしょう。音量変化がもっともクリアに出るのは「クリーントーン」ですが、アンプやエフェクターでマイルドに歪ませておくと、サスティン(音の伸び)が得られるので余裕を持ってボリュームポットを操作することができます。
しかしあまりハイゲインな設定だと、あるところからいきなり「ドンッ」と音量が上がったり音量変化が感じられなかったりと、期待したような効果が得られないことがあります。たっぷりと歪んだサウンドでボリューム奏法を行いたい場合は、歪みエフェクタの後に配置したボリュームペダルを使用しましょう。
また、「ノイズゲート(=ノイズサプレッサ)」を使っている間は、音量ゼロに近い小さな音がカットされてしまいます。このままでは音のゆるやかな立ち上がりや消え方を楽しむことができませんので、ノイズゲートの後にボリュームペダルを配置するか、ノイズゲートをバイパス(オフ)にするかしましょう。好みに応じて適宜リバーブ・エフェクターやディレイ・エフェクターを追加すると、雰囲気の良い浮遊感を味わうことができます。
こだわっていくとボリュームノブの形状やボリュームポットの性能、回転軸のトルク(回す時の重さ)など、ボリューム操作ひとつにも深い世界があり、とってもおもしろいですよ。
足下にボリューム・ペダルを置いて足でコントロールする方法です。ピッキング時にボリュームをゼロに絞っておいて、ピッキングした直後にボリュームペダルを踏み込んで音量を上げていく事で、ボリューム奏法を再現することができます。
ボリュームペダルとは?
E-BOW
E-BOW(Electronic bow)は、振動電流の作用により弦振動を起こしロングサスティーンを生み出し「音の減衰がないバイオリン効果」を得ることが出来る、手のひらサイズの機材です。1本の弦のみの演奏になるので、別の弦への移動などやや演奏にコツが要りますが、延々と鳴り続けるロングトーンによる唯一無二のサウンドを生み出すことが出来るので、1度使うと手放せなくなるでしょう。
9V電池一つで動作、現在発売されている「PLUS E-BOW」は通常のモードに加えハーモニックモードを搭載しており、ロングサスティンの途中で音がハーモニクス音に変わる設計となっています。
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