エレキギターの総合情報サイト

ゼマティス(Zemaitis)のギターについて

zematis-guitars

「ゼマティス(=ゼマイティス)」は、トニー・ゼマティス氏が一人で作り上げる高級ギターブランドです。ギター本体は全て一人で作り上げ、彫金は友人のダニー・オブライエン氏が担当していました。上質なサウンドと彫金やインレイによる美しい装飾から「ギターのロールスロイス」とも「ロックンロールの歴史に刻んだ英国の栄光」とも言われています。

トニー氏亡き後は日本の神田商会が「トニー氏と同じ、オールハンドメイドで生産する」という条件でブランドを受け継ぎ、日本に新設した専用の工房で全ての工程を手作業で生産しています。その月産は最大で20本までが限度ですから、極めてレア度の高いギターだと言えます。

グレコのライセンス製作、現在神田商会が継承したゼマティスと区別し、トニー・ゼマティス氏製作の個体はオリジナル・ゼマティスと呼ばれ、ヴィンテージ市場ではかなり高額なプライスがついています。

ゼマティスの歴史

ゼマティスの歴史は1950年代、家具職人だったトニー・ゼマティス氏(Tony Zemaitis,1935-2002)が、見よう見まねで自作したフォークギターを友人に売る事から始まります。作っていくうちに独自のデザイン性と製作技術の水準は上がっていき、やがてロンドンの音楽シーンで注目されるまでになり、世界のコレクター垂涎の的にまでなりました。

トニー氏亡き後、2003年に神田商会がブランドの権利を買い取り日本での生産を開始。トニー氏の偉業に追随するだけでなく、常に新しさを探求した遺志まで受け継ぐことで、新しいものを作る挑戦を果敢に行なっています。


HOTEI – RUSSIAN ROULETTE
日本を代表するロックギタリストの一人、布袋寅泰氏は自身のシグネイチャー・テレキャスター(Fernandes)以外にもたくさんのギターを使い分けています。中でもゼマティスを多く愛用していることが知られており、トニー・ゼマティス氏本人が作成したものも多数所有しています。そのコレクションはメタルフロント、パールフロント、スペリオールにとどまらず、アコギやベースまでという入れ込み具合です。
この布袋氏が終始バリバリとゼマティスを演奏する楽曲「 RUSSIAN ROULETTE」は、いまどき珍しい伝統的な「ブルース進行」を全面に押し出したロックンロールに仕上がっています。半世紀以上も昔の手法を採用していながら、氏の楽曲は時代の一歩先を行く新鮮さを感じさせますね。

ゼマティス・ギターの特徴

一幅の絵画を見ているかのような高いデザイン性

zemaitis_pearl_front_pfa パールフロントのボディ装飾

レスポールやテレキャスターの形状を踏襲しながらも、ゼマティスのギターはボディシェイプ、ヘッド形状、ブリッジやテイルピースなど金属パーツにいたるまでオリジナルのデザインで作られています。代表機種であるメタルフロントやパールフロントは、ベースとなっているレスポ−ルの無骨なイメージから離れてスリムで気品の漂うスタイルに、またもうひとつの代表機種ディスクフロントは3基のハムバッカーと独特な配置のコントロールによって、もはや誰もテレキャスターがベースだとは思えないまでにアレンジされています。これらの形状はオリジナルの楽器デザインとして完成の域に達しており、見るものの心を捕らえる強力な魅力になっています。
また下地からニトロセルロースラッカーが施されるという大変ぜいたくな塗装ですが、わざわざスクラッチ加工を施すことによって細かな傷を付けて艶を消し、ヴィンテージ風の渋い雰囲気を出しています。

メタルフロントやディスクフロントで使用される金属プレートには彫金が施され、シックでありながらゴージャスな雰囲気を醸し出しています。パールフロントなどではアバロン貝、白蝶貝、黄蝶貝といった天然の貝が組み合わされ、輝きに満ちた様相になっています。これらのデザインはゼマティス以前に例がなく斬新であり、また芸術品のような美しさを持っており、私たちの目を楽しませてくれます。

楽器としての高い基本性能

ボディ、ネックともに3ピース構造で、変形に強く調製が安定しやすくなっています。全モデルセットネック構造ですが、接合する面積を広くとってしっかり接着しながらも、ヒールの出っ張りは少なく24フレットまでキッチリ使えるように設計されており、剛性とプレイヤビリティのバランス対するゼマティス氏のこだわりをかうかがう事ができます。

ジュラルミンのブリッジ&テイルピース

zemaitis-bridgeブリッジ&テイルピース

完璧なピッチ、よく伸びるサスティン、倍音豊かなサウンドを追求した結果に行き着いたのが、手作業で削りだされるジュラルミン製のブリッジ&テイルピースです。
ジュラルミン(A2017)は銅を含んだアルミ合金で、鉄鋼材料に匹敵する硬度を持ちながら軽量で響きやすいという特性を持っています。

テイルピースには彫金も施され、豪華な外観を演出するポイントになっています。

金属製のヘッドプレート&ロッドカバー

ゼマティスでは彫金の施されたヘッドプレートとロッドカバーを採用していますが、デザイン性だけでなくサウンドにも影響する設計です。ギターの弦振動とヘッドの重量との間に密接な関係がある事は知られています。ヘッドが重いと弦の振動の分離感が得られ、低音が引き締まった感じになりますが、ゼマティスではそれを狙い、メタルプレートによってヘッドを大型化することなくヘッド重量を稼いでいます。

ゼマティス・ギターのサウンド

グレードの高いモデルでは50年代のレスポールと同じホンジュラス・マホガニーボディ&ネックを使用、その他のモデルでもマホガニー系にこだわったマテリアルで、豊かな中域の響く柔らかいサウンドがベースです。硬質かつ軽量で反応の良いジュラルミン製ブリッジ&テールピースにより立ち上がりが早く、またヘッドの重量を稼いでいる事で低音が引き締まり、輪郭のはっきりとした分離の良い響きで、エフェクタとの相性も良好になっています。
メタルフロントやディスクフロントではトップのジュラルミン板に強力なアースの効果があり、パッシブ回路でありながらノイズが少なく雑味の無いクリアなサウンドが得られます。

主な使用ギタリスト

オリジナルゼマティスのオーナーは日本にも多くいます。生前のトニー・ゼマティス氏は、気に入った相手のためにしか作らなかったそうです。

  • 布袋寅泰
  • HISASHI(GLAY)
  • Char
  • DAITA(SIAM SHADE)
  • TAKUYA(元JUDY AND MARY)
  • 中山加奈子(プリンセス プリンセス、VooDoo Hawaiians)
  • 秋間経夫(マルコシアス・バンプ)
  • BELLEY(LAUGHIN’ NOSE)
  • 松尾宗仁(ZIGGY、THE PRODIGAL SONS)
  • 葛城哲哉
  • 松本孝弘(B’z)
  • クリッシー・ハインド(プリテンダーズ)
  • ロン・ウッド(元フェイセズ、ローリング・ストーンズ)
  • ロニー・レイン(スモール・フェイセス、フェイセズ )
  • ジェイムズ・ヘットフィールド(メタリカ)
  • ジミー・ペイジ
  • エリック・クラプトン
  • キース・ネルソン(バックチェリー)

ゼマティスのラインナップ

ゼマティスのギターは大きく5つのシリーズに分かれている他、生産方法の違いによって

  • TONY’S COLLECTION:トニー・ゼマイティスによって究極のクオリティで製作される、伝統を継承したモデル
  • Custom Shop:熟練の技術を持つ職人達によって生み出される最高峰
  • ANTANUS:現代のシーンに合わせて作り出されるハイグレード・モデル
  • CASIMERE:コストパフォーマンスモデル

と、10〜200万円までの4つの価格帯でラインナップを展開しています。Custom Shopでは極上のホンジュラス・マホガニー及びアフリカン・マホガニーが、ANTANUSではアフリカン・マホガニーが、CASIMEREではマホガニーに近い特性のナトーが使用されています。
ピックアップにはディマジオがセレクトされていますが、ナトー材モデルではオリジナルピックアップが搭載されています。またトップグレードのものにはナットを彫り込んだ「スキャロップド・ナット」が採用されており、更に分離が良くなっています。

Pearl Front

Zematis Pearl Front 左から:C24PF LITTLE RING PH、S22ST、S22ST B&W、S22ST CHESS、S22ST GOLD

レスポール・タイプのボディトップに白蝶貝/黄蝶貝/アバロン貝を整然と敷き詰めた、ゼマティスを代表する宝石のようなモデル。まばゆいボディは光の角度や強弱によって様々に表情を変え、貝の並べ方に様々なバリエーションがあります。フラッグシップモデルのS22ST GOLDではヘッドにまで貝が敷き詰められています。

Pearl Front を…
R楽天で探す YYahoo!ショッピングで探す 石橋楽器で探す

Metal Front

Zemaitis Metal Front 左から:C24MF BK、A24MF、S22MT LD BLK、S22MT S&C、S22MT 3S BLK

ボディトップにジュラルミンのプレートを貼付けた、中世の甲冑を思わせるルックスのモデル。パールフロント・シリーズと並びゼマティスのスタンダードなシリーズです。プレートにはオリジナルを基にした彫金が施されていますが、様々なバリエーションがあり全てイメージが違います。ノイズにも強く機能面でも優れたモデルです。


「HEROES」ミュージックビデオShort version
今や「重鎮」の風格すら漂うロックバンド「GLAY」のHISASHI氏は2002年よりゼマティスのメタルフロントをメインで使用しています。中古で購入し、前オーナーの名前がテールピースに彫ってあったそうですが、現在では自身の名を刻んだテールピースを使用しています。
自身を覚醒させるギターだと語るように、現在ではHISASHI氏が最も信頼するギターになっています。

Metal Front を…
Aアマゾンで探す R楽天で探す YYahoo!ショッピングで探す 石橋楽器で探す

Disc Front

zemaitis Disc Front

テレキャスター的なオリジナルシェイプのボディ中央にジュラルミンの円盤を貼付けた、ロン・ウッド(ローリングストーンズ)の使用で有名なモデルです。3基のハムバッカーを詰めてマウントしており、1ボリューム3トーン、セレクタスイッチという独特なコントロール構成で、他のどのエレキギターとも違う個性を発揮しています。


The Rolling Stones – Let It Bleed – Live OFFICIAL
「ザ・ローリング・ストーンズ」のロン・ウッド氏は、トニー・ゼマティス氏の存命中からディスクフロントを愛用しています。スライド奏法を使う時にはこのギターが使われますが、ハードテイルのヴィンテージ・ストラトキャスターと並んで、氏のトレードマークとなっています。
氏は神田商会が引き継いだ新生ゼマティスを高く評価しており、「トニー氏本人のものより良い」とまでコメントしています。独自デザインのオリジナルモデルをオーダーしたことからも、それがお世辞ではなかったことが分かりますね。

Disc Front を…
R楽天で探す YYahoo!ショッピングで探す 石橋楽器で探す

Superior

zemaitis-superior 左から:C24SU BP HEART、C22SU 3S BP DIAMOND、CS22SU 3S BP DIAMOND、CS24SU BP DIAMOND、SU-MACABRE 5

黒いボディトップに貝のインレイを配した、凛としたモデル。部分的にパール・インレイを施した豪華な印象ですが、ゼマティスのラインナップの中では控え目に見えます。「C24SU BP HEART」が布袋寅泰氏所有の通称「Zemaitis Wild」に近いモデルです。本人はオリジナルのゼマティスをステージでも使用し傷だらけにしていますが、愛用のZemaitis Wildに対しては「毎日着ていた愛着のある革ジャンのようなギター」だと述べています。

Superior を…
Aアマゾンで探す R楽天で探す YYahoo!ショッピングで探す 石橋楽器で探す

Z

Z24

zemaitis Z24

豪華なインレイや彫金を一切排除した、ゼマイティスブランド中最もシンプルなラインナップが「Z」シリーズです。Z24のボディシェイプはゼマイティスを踏襲していますが、ボディ材も比較的安価なバスウッドを採用、コストパフォーマンス化が徹底されていますが、ピックアップには新開発の「ハイパー・ドラゴン」を、専用ブリッジ「Graph Tech Resomax Wrap Around」を搭載するなど、このモデルにしかないユニークなコンセプトを持っています。

マホガニーネック&ローズウッド指板、24フレットでナット幅は40mmと短め、ボディバランスを考慮したナロー・ヘッドと、全体的に軽量に仕上がっているため楽に演奏できるのもポイントです。

Zemaitis Z24を…
Aアマゾンで探す R楽天で探す Sサウンドハウスで探す 石橋楽器で探す YYahoo!ショッピングで探す

Sculptured

Zemaitis Sculptured

常に新しい物を探求してきたトニー・ゼマティス氏の意志を受け継ぎ、新たに開発されたモデルです。板を曲げるのではなくボディ内部をノミによる手作業で彫り込んだフルアコ構造になっており、セミアコのサイズ感ながらリッチで艶のあるエアー感をもったサウンドが得られます。

Sculpturedを…
R楽天で探す YYahoo!ショッピングで探す 石橋楽器で探す