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《伝統を、ただ守るのではなくて》神田商会ゼマイティス訪問インタビュー

神田商会社屋

「ゼマイティス」は、イギリスのギター職人であったトニー・ゼマイティス氏が丹精を込めて一本一本制作していた歴史的なギターです。トニー氏亡き後はこのゼマイティスを日本の老舗ギターメーカーである神田商会がその意思を受け継ぎ、岐阜県可児市に位置する神田商会「岐阜事業所」を中心に、さまざまなモデル展開を行なっています。
日本製となったゼマイティスについてはこれまで情報がほとんどありませんでしたが、この岐阜事業所を取材する機会を頂きまして、工場長の石川祐太(いしかわゆうた)さんから詳しいお話を伺いました。

ゼマイティス工場長:石川祐太 石川祐太:出身は愛知県春日井市で、ここ岐阜県可児市で育った。中部楽器技術専門学校(愛知県名古屋市)を卒業後、神田商会のグループ工場に入社、後に㈱神田商会生産事業部となり、現在は岐阜事業所工場長。グループ工場時代には色々なブランドに携わり経験を積む。日本製ZEMAITISには立ち上げから携わってきた、専門のビルダーである。

──宜しくお願いします。ゼマイティスについては、仕様や構造、またどうやって作っているかなど、なかなか情報がありませんでした。この工場についても、検索しても何も出てきませんでした。

神田商会岐阜事業所工場長石川祐太(以下、石川) 宜しくお願いします。これまで弊社は「ゼマイティス」のイメージを固めていくため、生産に関わる情報を公表してきませんでした。それこそ「謎に包まれている」という印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、今後は生産サイドからの情報の発信も、徐々にではありますが行ってゆきたいと考えております。

昨年ここ可児市で音楽のイベントがありまして、「可児市でこういうものを作っています」と紹介するかたちで、工場から初めて出展しました。可児市にはヤイリギターさんもありますから、世界的に有名なエレキギターとアコースティックギターが作られている「音楽の町」なんです。可児市の市役所には弊社製品とヤイリギターさんの製品が展示してあります。しかし高額なものであるということで丁重に扱って頂き、一般の方が入れないところに飾ってあるようです(笑)。

応接室の壁両面にディスプレイされているゼマティス 岐阜事業所の応接室。壁両面にディスプレイされているゼマイティスのラインナップ。海外モデルもあります。

──ちなみにこちら側(カスタムショップ)の壁で、総額いくらですか?

石川 何本もNAMMショウに出展してしまったので少し数は減ってしまいましたが、そうですね、定価総額で540万くらいでしょうか。平均して1本定価60万円くらいですね。反対側はカシミアシリーズ(韓国製)が中心です。完成度も高く、コストパフォーマンスの良い商品となっています。メタルフロントなどは一見しても慣れないと見分けがつかないかもしれません。

グレードの違い、カシミアとカスタムショップで比べてみた

──ゼマイティスは、どんなモデル展開をしているのでしょうか。

石川 現在、ゼマイティスには3段階のグレードがあります。
私達がここで作っているのはトップグレードの「カスタムショップ」で、トニー氏の意思を受け継ぎ、伝統的なデザインをしっかり守り、一本一本丹精込めて製作しております。
その次に位置するグレードの「アンタナス」は国内の提携工場で製作しており、基本は継承しつつも、アレンジされたデザインなど意欲的なモデルも存在します。
さらにその次には高いコストパフォーマンスを持つ「カシミア」があります。その他にも「Z」シリーズはより自由な発想をテーマに作られており、日本製と韓国製があります。検品についてはこちらのスタッフが現場に飛んで行いますし、現地のスタッフとも綿密な打ち合わせを重ねています。作られたものは全てこの岐阜事業所に集結し、再度検品を行い、ここから出荷されます。そのため、全てのゼマイティスは高い安定性とクオリティを有しております。

カシミア&カスタムショップのメタルフロント カシミア(写真上)とカスタムショップ(写真下)。一見すると同じように見えるが…?

──たとえばこの2本のメタルフロントだと、どういうところが違うのでしょうか。一見して指板材の違いに加え、メタルの見た目に差があるようには見えますが。

カシミア&カスタムショップのメタルの素材 カシミア(左)とカスタムショップ(右)では雰囲気がちょっと違う。

カシミア&カスタムショップのボディバック

石川 先ず、トップのメタルについてですが、カスタムショップにはジュラルミン、アンタナス、カシミアにはアルミを使用しています。ボディ&ネック材については、カスタムショップには私達がセレクトした良質のアフリカンマホガニーを使用しています。カシミアのボディ&ネック材にはナトーというマホガニーに似た音響特性を持つ木材を使用しております。ナトーは軽量な木材ですからギター本体も軽くなります。カスタムショップでは目の詰まったマホガニーを使用していることもあって、程好い重量感があります。うちでは材の重さの管理もしていますので重すぎる事がないようにしています。

──確かにこちらは軽さを感じますが、カスタムショップは程好い重量感がありますね!

バックプレートの彫金 カスタムショップではバックプレートにも彫金が施される

石川 あと、バックプレートの違いは明らかですね。カスタムショップはバックプレートにも彫金が施してあります。マスターエングレバーであるダニー・オブライエン氏(オリジナル・ゼマイティスの彫金師)のデザインをベースにしています。

カシミア&カスタムショップのボディアーチ カシミア(左)とカスタムショップ(右)

カシミア、アンタナスのボディトップはフラットですが、カスタムショップは緩やかなカーブを描いています。光の反射具合でも何となく判別が付きますね。

ボディアーチの様子 わずかに盛り上がっているカスタムショップ(手前)のトップ面。カシミア(奥)のフラットなトップと比べると良く分かります。

使っているネジの違い プラスネジを使うカシミアに対して、カスタムショップではマイナスネジが使われている

カスタムショップは伝統を受け継ぎ、マイナスネジをたくさん使います。マイナスネジでは電動ドライバーが滑ってしまう事が危険なので、手作業でネジ締めを行います。

ヘッド裏

ヘッドの先が斜めに削ってあるのはトニー氏のデザインで、全モデル共通仕様です。カスタムショップはヘッドとネックの境界がわずかな肉厚になっています。あとはパーツのクオリティですね。カスタムショップの現行品ではペグにGOTOH(ゴトー)製の510シリーズが採用されていますが、それ以外の金属パーツは全てZEMAITISオリジナルです。カスタムショップでのピックアップはディマジオを基本にしています。
電装系は信頼のおけるCTS製ポット、オレンジドロップのコンデンサー、スイッチクラフト製のジャックやトグルスイッチ、レバースイッチを使用する時はCRL製です。

──こちらの「パールフロント」ではどうでしょうか。

カシミア&カスタムショップのシェルトップ 右の2本がカスタムショップで、左の1本がカシミア。並べてみるとシェルの雰囲気も少し違うのがわかる(*現在は残念ながら生産完了となっているカシミアのパールフロント)

石川 カスタムショップではソリッドのパール(白蝶貝)を使用していますが、カシミアでは薄い貝をラミネートして厚みを出したものを使用していました。貝の奥行き感が深く、全く違って見えます。

シェルトップのジャック部分 カシミア(左)とカスタムショップ(右)のジャックプレートの様子:カスタムショップではジャックプレートにまで彫金を施し、やはりマイナスネジで取り付けています。

Black Diamond

トニー氏自身は刷毛(はけ)で塗装していました。そのニュアンスを再現するため、黒い塗装は単なるベタ塗りではなく、磨いて平面出しをした塗装面に細かいキズを走らせる「ヘアライン仕上げ」を手作業で施し、「鈍く光るヴィンテージ感」を演出しています。これは長期間弾いているうちにツヤの出てくる部分が現れ、ツヤのあるところと無い所のコントラストによって弾きこんだギターの「味」がぐっと演出されます。

歴史的な記念碑たる一本!

DISC FRONT

石川 このディスクフロントモデルは当工場の歴史的なギターです。トニー氏が製作したギターの雰囲気を再現するため、鈍い光を放つような塗装が施してあります。半ツヤで凸凹しており、ちょっとキズが残っている状態なのですが、これを再現するのはかなり難しいのです。トニー・ゼマイティス氏は一人で一本一本大切にギターを作られてきました。その「遺志を継承する」べく、ご親族にこれをご覧いただいたところ「ものすごく雰囲気が出ている」と認めて頂けました。

DISC FRONTのアーチ形状

──これのトップ面にも、うっすらとアーチがかけられていますね!さきほどのメタルフロントもそうですが、アーチは金属板でかけているのでしょうか?

石川 いずれも木部からアーチがかかっていますし、この個体はボディのバック面にもテーパー(厚みを変化させる加工)がかけられています。これらの作業を施すことで、立体感を感じる美しい曲線を持ったボディとなるのです。

CUSTOM SHOPシリーズの指板 とても美しいエボニー指板。カスタムショップでは全て、目の細かい漆黒のエボニーを厳選して使用しています。採用されているエボニーは最高グレードのもので、今や希少性はキルテッドメイプルを凌ぐほどです。

トニー氏の製作したゼマイティスは入魂のデザインだけでなく、「この人のために作った」という気持ちが弾き手にものすごく伝わるギターである、というところが非常に高く評価されています。トニー氏の製作したモデルを分解したこともありましたが、トニー氏のギター製作はとても独特で、本当に手作業が多かったのです。使っていた工具もとてもシンプルだったようで今では考えられません。ただしギターというものは、技術的な側面だけで評価できるものではありません。トニー氏が製作していた物は、丹精込めて作っていたことが良く分かる、「作り手の顔が見える」素晴らしいギターでした。その芸術品ともいえるギターを継承し、作ろうという訳ですから、それは大変です。



DISC FRONT

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  • DISC FRONT
  • DISC FRONT:ブリッジの彫金
  • DISC FRONT:ヘッド
  • DISC FRONT:ボディバック
  • DISC FRONT:PUセレクター

──随所に施された美しい彫金。とても手がかかっています。どこを切り取っても美しい写真が撮れる、溜息の出るようなギターです。まさに「手工家が丹精をこめて作り上げたギター」と呼ぶに相応しいものですが、これほどのものをよく工場で作ろうと考えましたね!

伝統を、ただ守るのではなくて。

ZEMAITIS

石川 立ち上げのときは、本当に大変でした。ゼマイティスに関する情報収集から始めたのですが、雲をつかむようでした。ご親族はギターの詳しいところまでは分からないし、本人が製作したゼマイティスは世界中に散らばっていて、日本にどれだけあるのかも分からなければ、当然中古市場にも出てきません。トニー氏が一人一人に向けて作っていたものですから、仕様も様々です。パートナーだったダニー・オブライエンさんからお話を伺ったり、お持ちの方にお願いして貸していただいたりしましたが、触れるのすら腰が引けてしまう楽器を分析する重圧感は、ものすごいものでした。

トニー氏が製作したゼマイティスをお持ちの方には、複雑な気持ちを抱かれた方がいらっしゃるかもしれません。しかし私たちは研究を重ね、トニー氏のデザインや気持ちをしっかり継承した上で、「今の時代に作ったら、こうなる」「ゼマイティスは進化したんだ」というギターを製作しております。

ゼマイティスは弾くための楽器なので精度も追求する必要があります。ですから3DのCADで製図して、CNCで加工して、という工法も取り入れています。しかし、手作業によるトニー氏の作品が持っていた「手作り感」や「温かみ」も加え、伝統と精度の両立を可能にしています。作ったギターの良さを皆さんに認めてもらうために、私たちは懸命に作ります。神田商会も全社を挙げてこのゼマイティスというブランドを盛り上げていこうと、一丸となっています。

2本のリトルリング 2本ともカスタムショップ製の「リトルリング」。同じ型番のものですが、貝の並べ方に違いがあるのが分かるでしょうか。同じものは二つとしてありません。

「手作り感」でいえば、たとえばパールフロントの貝を機械的に均一に並べてしまったら、トニー氏の「味」が失われてしまいます。カスタムショップではご本人同様に一枚ずつ削って調整して貼りつけています。ジグソーパズルのように「ココにコレがはまる」といった決められた配列にはなっていないのです。何本も生産しているパールフロントですが、同じ並べ方のトップ面はおろか、1ピースとして同じ形の貝は無いんです。
また、アーチがかかったボディトップ面に平らな貝を並べ、磨きをかけているのですが、あえて、貝のボコボコ感は残しています。その為1.5mmほどの分厚い貝を贅沢に使わなければならないのです。

貝

パールフロントには、これらの貝が100枚以上敷かれます。左からイエローパール、グリーンアバロン、ホワイトパールです。これらは自然の物ですから、これだけの面積を貝で覆うのも、貝一枚一枚のクオリティを揃えるのも大変です。現在でも一部の貝は入手しにくくなっていますが、今後はこれらの使用していた「貝」も木材のように輸出入規制の対象になっていくかもしれません。産地や入手経路など、出所が確かなものでなければ使用できなくなる可能性があります。それだけ難しくもあり、希少なモデルなのです。

仕入れた貝をすべて使えるというわけでもなく、キズがあったり模様が美しくなかったりしているものは容赦なく外されます。これは指板のエボニーでもボディ&ネックのマホガニーでも同様で、製品に使用できる材料はものすごくシビアに絞り込んでいます。トニー氏は「この人のために」という思いでギターを作っていましたから、トニー氏の「意思を受け継ぐ」以上、こうした姿勢をたいへん大事にしています。

リトルリングのブリッジ部分

──このブリッジも独特ですね。エッジが立っていてキリっとしていますが、中央でつながっています。花のようなサムナットも大きくて回しやすそうです。

石川 この設計自体がトニー氏のもので、大きなサムナットは「フラワーナット」と言います。ブリッジの中央がつながっているのは補強の役目を果たしています。ブリッジは長期的に使用すると弦の圧力で湾曲してきてしまいますが、ゼマイティスのブリッジはそれを防ぐ構造となっています。また、フラワーナットでブリッジ全体を固定する事で弦振動を確実に伝える事ができます。トニー氏は遥か昔にその方法を開発していました。

ボックスジョイント

見えないところですが、ネックのジョイントは、ごまかしが効かない「ボックスジョイント」です。四角く掘った穴に四角いネックを挿しこむものなのですが、高い精度が要求されます。指板のエンド部分が斜めにカットされているのは、トニー氏の特徴的な意匠です。

ホーン部の裏側

ホーン部の裏側がほんのり薄くなっていくように削ってありますね。ヘッド裏、指板エンド部ともに、音や演奏性に大きな影響は出にくい部分ですが、こうしたところにまでこだわり、手を加えたエレガントな雰囲気が、トニー氏のセンスだったのです。木材にも、貝にも、金属パーツにもトニー氏のこだわりが反映された特別なものを使っています。

「ゼマイティス」の、ギターとしてのアイデンティティとは?

リングチェス パールフロントの別モデル「リングチェス」。貝の配列以外は共通仕様です。

──ところで、ゼマイティスのギターは一般的なLPタイプのギターと比べて、楽器的にどういう違いがあるのでしょうか。

石川 いろいろな工夫が光るゼマイティスですが、変形でもなく弦長やヘッド角など楽器としては突飛なものではない、基本的にはシンプルなギターです。

私としての考えで言えば、LPは完成されたギターです。私たち作り手から見ても、

  • メイプルトップ&マホガニーバックのボディ
  • マホガニーネック
  • ハムバッカー2基

というのは、今なお不動ともいえる素晴らしい組み合わせで作られた、本当によくできたギターなんです。現在流通している同様のタイプのギターは、必ずこの組み合わせの影響を受けていると言っても過言ではないでしょう。

LPのトップに硬質な木材を選んだのは、ハムバッカーの音の輪郭を出すためや、サスティーンの向上のためだと考えられますが、ゼマイティスではトップにもっと硬質な貝やジュラルミンを貼っています。このトップ材の違いが、サウンドに大きく反映されるんです。貝を敷き詰めると輪郭のはっきりした音になりますし、ジュラルミンを貼ると金属的なエッジの利いた音になります。パールフロントはクリーンでもドライブでも美しく響く使いやすい音ですが、メタルフロントはクランチ以上の歪ませ方をさせたサウンドが厚く支持されています。メタルフロントの方が強い個性を持っていて、クリーンで鳴らしたらエレキギターの音とは思えないかもしれません。

ブラックパールダイアモンド

一方、こちらの「ブラックパールダイアモンド」は、トップを貼っていない分だけストレートなサウンドになります。このボディ形状は、全モデル共通です。カスタムショップはピックアップが共通していますから、弾き比べるとトップ材の違いがどこまでサウンドに反映されているのかが良く分かります。是非、機会があれば楽器店さんで試して頂ければと思います。

ゼマイティス国内工場製ベース 販売が始まったばかりの、アンタナス(国内工場製)のベース。海外で高い評価を受けたとのこと。

ZEMAITIS韓国製ベース 一転してウッディな雰囲気のZシリーズ ベース(国内工場製)。装飾に頼らずゼマイティスのイメージを演出する、野心的なモデル(未発売モデル)。

シングルコイルモデル カスタムショップのラインナップでは唯一となる、シングルコイルモデル。

エスカッションには当然のように彫金が。一見すると同じものが3つ並んでいるように見えますが、ポジションごとに厚みが違います。

海外向けモデル ゼマイティスシリーズの中で一風変わった、Zシリーズ。

一流の職人になるには

──求人を出すなら、どんな人材に来てほしいでしょうか?

石川 求人するなら、ギターが好きというのも大事ですが、「物を作るのが好き」という人材が欲しいですね。物作りの勉強に情熱を燃やせるのが、私にとっては重要なポイントです。新しい技術を取り入れていくことを目指しているので、ギターだけにとどまらないでいろいろなものに興味を持つのが大事です。オフの時までギターばかりじゃなくていいし、どうせ何か趣味を持つなら一生懸命に取り組んでもらいたいです。そういう姿勢が最終的に良いものを生み出すエネルギーになっていくのだし、いろいろなものにヒントが隠されていると思うんです。そう思っているので、僕は仕事も趣味も精一杯取り組みます。
中途半端は嫌なので、勉強するのも手を動かすのも時間は惜しみません。そして何でもやります。やはりいろんなものに興味を持って、また手を動かしていかないと、物を作る上で「新しい流れ」ができないと思っているんです。

受け継いだ者が語る、ゼマイティスの未来

──ゼマイティスは、これから何を目指していきますか?

石川 神田商会のゼマイティスは2003年からでしたが、あっという間でしたね。私は当時22歳でした。いつの間にか長い付き合いになりました。ゼマイティスは華やかな側面と守っていかなければならない部分が交錯しているギターなので、やっていて面白いと感じています。他のブランドではなかなか真似できないところを持っているギターですから、これからもそうあり続け、人の真似で作っているのではないというアイデンティティを確立していくのが目標です。世界中から愛されているブランドですから、できるだけ良いものを提供していきたいです。

「伝統を守っていきながら、新しいものを取り入れて進化していく」のが、私たちの目指していることです。伝統や歴史の研究も怠ることなく、新しい技術の勉強や、それらを活かした開発など、意欲的に前進を続けていきたいです。私達の作るゼマイティスは「イギリスの職人さんの遺志を受け継いだメイドインジャパン」です。今後は、本来のデザインを尊重した新しいギターの提案など、前に進み続けているゼマイティスを世界に知ってもらいたいと思っています。

──ありがとうございました!


以上、神田商会工場長の石川さんにお話を伺いました。ここではトニー・ゼマイティス氏の思いやギターが帯びる雰囲気が何より大切に守られながら、後を追うだけではない新しいことへのチャレンジも行われています。石川さんご自身が、お仕事でもプライベートでも充実していて、オフの活動が仕事にフィードバックされているというのがまた印象的でした。

さて次は、いよいよゼマイティスを作っている工場を案内していただきます!