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リッケンバッカー(Rickenbacker)のギターについて

ホロウボディ(300シリーズ)

Rickenbacker 330 330 Matte Black

ホロウボディの「300」シリーズはボディの両側が中空となっており、ギブソンES-335と同じ「セミアコ」に分類されます。とはいえメイプルボディ&ネック、独自のピックアップなど、楽器としてのキャラクターがしっかり作られており、セミアコ特有の「空気感」とメイプルの「シャープさ」のバランスがとれた、リッケンバッカーならではのサウンドを楽しむことができます。また世界広しといえど、24フレット仕様のセミアコはリッケンバッカー以外にはほぼありません。


ACIDMAN – 赤橙
結成20周年となるACIDMANを率いる大木伸夫(おおきのぶお)氏は、リッケンバッカー360とオレンジのギターアンプという組み合わせをトレードマークにしています。この「赤橙」はインディーズ時代から歌ってきたデビューシングルですが、この時代から現在に至るまで一貫して360を一軍起用したことから「大木氏といえば360」というイメージがしっかり定着しています。

Model 330/Model 330-12/Model 360/Model 360/12C63

Model 330(Mapleglo / Fireglo / Midnight Blue / Jetglo)

Model 360(Mapleglo / Fireglo / Jetglo)

「330」と「360」は、リッケンバッカーの双璧とも言うべき代表モデルです。リッケンバッカーと言えばコレ、とイメージする人も多いことでしょう。
両者は共通点を多く持つ、ほぼ同じだと言えなくもないギターです。まずは共通点を見てみましょう。

仕様
ネック、指板 メイプルセットネック、ローズ指板、弦長24.75インチ、指板R10インチ、ナット幅1.63インチ
ボディ メイプル製セミホロウボディ
電気系 ハイゲインピックアップ2基、2V2T、フィフスコントロール

表:330と360の共通点

木材、ネック寸法、電気系が共通ですから、ほぼ同じギターだというのも納得のいく話ですね。では、どこが違うのかも見ていきましょう。

Model 330 Model 360
コンセプト 標準機 高級機
指板インレイ ドット 三角形
バインディング なし ネック、ボディバック、サウンドホール
ボディ形状 330 カッタウェイの形状が330と異なり、ボディトップのエッジが丸く処理される
アウトプット モノラル(ふつう) モノラル+ステレオの2系統
12弦仕様 そのまま12弦化 ジョージ・ハリスン氏の愛用した1963年式を「Cシリーズ」からリリース

表:330と360の相違点

ステレオ出力を使わなかったらサウンド的な違いはほとんど無いかのように思えますが、リッケンバッカーのファンに言わしめると、ボディ形状の違いにより360の方がやや硬質なサウンドになるそうです。また、12弦モデルには大きな違いがあります。

アメリカ本国の「300」シリーズは、2ピックアップの基本モデル(330)、基本モデルの3ピックアップ版(340)、2ピックアップの高級モデル(360)、高級モデルの3ピックアップ版(370)という4機種に対し、それぞれそのまま12弦化したモデルがリリースされています。日本向けにはこの中から330、330/12、360をピックアップし、現行360/12の代わりに別シリーズから旧式の360/12を持ってきています。

Model 360/12C63 Model 360/12C63

1963年式の360/12である「Model 360/12C63」は、ジョージ・ハリスン氏が愛用した「あのリッケン」です。ボディ形状は330ですが、ボディ表裏のバインディングと指板の三角インレイを備えています。現行モデルと比べるとフレット数が21で、そのためフロントピックアップがもっと前に寄っていること、テールピースが板状なこと、さらにピックアップが旧式の「トースタートップ」になっていることに違いがあります。トースタートップのピックアップは現行のものより線が細く、鋭いサウンドになります。
ハリスン氏はこのギターをたいそう気に入っており、他のギターに持ち替えても、心のどこかにこのギターはあったと伝えられています。このギターによる名演として知られる「Hard Days Night」では、イントロのGsus4一発の響きやギターソロのユニゾンサウンドで、360/12の存在感をいかんなく発揮しています。

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Model 325C64

Model 325C64

「325」は「ジョン・レノン・モデル」と呼ばれることもあるギターで、リッケンバッカーが一躍注目を集める起爆剤になった歴史的なモデルです。サウンドホールを持たないセミホロウボディに、「弦長21インチ」という超ショートスケールのネックがセットインされています。21インチは一般的なミニギターよりも短く、普通サイズのギターの4フレットにカポタストをはめているのとだいたい同じです。
小柄な女性でも弾きやすい!ショートスケールギターの魅力とは?


The Beatles – I Want To Hold Your Hand – Performed Live On The Ed Sullivan Show 2/9/64
ビートルズ前期におけるジョン・レノン氏のトレードマークと言えば、やはりこのリッケンバッカー325です。ビートルズ効果で注目される前には人気がなく、ジョン氏は売れ残りだったのを安く買い叩いたそうです。今では「現代音楽の歴史を作ったギター」にふさわしい価格が付いていて、手に入れるためにはかなりの根性が必要です。

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Model 1993 Plus

Model 1993 Plus

「1993」は販売代理店の番号だと言われていますが、「Fホール」を持ちトースタートップ・ピックアップを3基備えるリッケンバッカーは、俗に「ピート・タウンゼンド・モデル」と呼ばれます。ピート氏のリクエストで再現された本機のネックは氏の好みに合わせて少し幅を取っています。


The Who – I Can’t Explain
リッケンバッカーを使用していたのはデビュー時(1964年)から1966年までと短いながら、ピート氏のプレイには、このギターを自分の名前で呼ばせてしまうほどのインパクトがあったわけです。

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Model 381V69

Model 381V69

「Model 381」は、高級機360をもう一歩推し進めた高級機です。360との最大の違いはボディトップの作りで、381はベベルカットによって複雑かつグラマラスなボディラインを形成しています。このギターで名高いのはロックバンド「ステッペンウルフ」のジョン・ケイ氏で、アメリカンバイクを語る上では外す事の出来ない映画「イージーライダー(1969年)」主題歌「ワイルドで行こう!(Born to be wild)」があまりにも有名です。バンドにリッケンバッカーが協賛しており、当時はリードとサイドのギター、そしてベースがリッケンバッカーで統一されていました。

300シリーズはこのほか、

  • ブライアン・ジョーンズ(ローリング・ストーンズ)
  • クリス・マーティン(コールドプレイ)
  • トム・ヨーク(レディオヘッド)
  • カール・ウィルソン(ザ・ビーチボーイズ)
  • 岸田繁(くるり)

など、たいへん多くのアーティストに愛用されています。

ソリッドボディ(600シリーズ)

Rickenbacker 660 660 Mapleglo

ボディに空洞がない「ソリッドボディ」はハウリングしにくくサスティンが豊かで、エフェクターとの相性が良いのがメリットです。パワフルに歪ませるもよし、きらびやかでスタイリッシュにクリーントーンをはじき出すのもよし、やはり弾きながら歌うスタイルのプレイヤーに愛されているイメージを強く帯びています。
小さめなギターにも見えますが、それはセミアコの330や360の幅広いボディと比べているからです。ボディこそ小さめに見えますが、弦長は330と同じ24.75インチです。

Model 620/Model 660

Model 620(Fireglo / Jetglo / Midnight Blue)、Model 660 Mapleglo

rickenbacker-620-skyglo Limited Model 620 SA Skyglo

標準機の620、ヴィンテージスタイルの660共に、メイプルボディ、メイプルスルーネック、21フレットという構成になっています。スルーネックはサスティンが豊かでことのほか気持ち良いのですが、メイプルを主体としたマテリアルの恩恵で歯切れの良さも充分です。一般的にギターボーカルが持ちやすいと思われるギターの中では、このリッケンバッカー600シリーズが、唯一のスルーネックモデルでしょう。リッケンバッカーは、つくづく「唯一」や「他にはない」といったワードの似合うブランドです。


森高千里 『だいて (ラスベガス・ヴァージョン)』 (PV)
森高千里氏ほど「マルチタレント」という言葉が似合う女性もいないのではないでしょうか。個性的な歌詞の世界と全パート演奏できる演奏技術を持ち、美脚のシンガーソングライターとして一世を風靡していましたが、CMやドラマ出演もバンバンこなしています。いつまでも衰えることのない美貌は、時間が止まっているのではないかとすら思わされます。

600シリーズは、

  • 椎名林檎
  • グレン・フライ(イーグルス)
  • ゲム・アーチャー (オアシス)
  • エド・オブライエン (レディオヘッド)
  • アヒト・イナザワ(元ナンバー・ガール、VOLA & THE ORIENTAL MACHINE)
  • 藤巻亮太(レミオロメン)

らが愛用していることが知られています。

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以上、リッケンバッカーについてチェックしていきました。全モデルに共通して「コード弾きが気持ちが良い」という強みを持っているリッケンバッカーは、長きにわたっていろいろなプレイヤーに愛用され、ロックンロール、パンク、ニューウェイブといったさまざまなジャンルを彩ってきました。とくに歌モノとの相性が格別なことから、「常に歌と共に歩んできたギター」だと言えるでしょう。
リッケンバッカーは英国ミュージシャンにとって象徴のひとつであり、強烈に「ブリティッシュ」を感じさせます。また「個性の塊」と言えるほどにアイデンティティを感じさせますから、アーティストの感性を刺激する力を持ったギターだとも言えるでしょう。椎名林檎氏は楽曲「丸ノ内サディスティック」で、リッケンバッカー620に対して欲しいけど高くて買えない楽器だと歌っています。廉価版のない高級ブランドですから手に入れるのは容易ではありませんが、「いつか手に入れたいギター」にランクインさせるだけの価値が十分にあるギターです。