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グレッチ「G6119 ビル・ボ・ジュピター・サンダーバード」は、ボ・ディドリー氏の発案で1959年に制作されたというギターをベースとしています。モデル名にある「ボ」の由来はもちろん、ボ・ディドリー氏の名前です。しかし「ビル」は、ビリー・ギボンズ氏(ロックバンドZZ top在籍)に由来します。これはどういうことでしょうか。というわけで今回は、いわゆる「ジュピター・サンダーバード」の秘密、そしてギター本体の特徴についてチェックしていきましょう。
BO DIDDLEY 1965
女性客の熱狂ぶりも、ディドリー氏の下半身のキレも、ものすごいですね。
ボ・ディドリー氏の楽曲で多く見られるリズムパターンは、「ボ・ディドリー・ビート」や「ジャングル・ビート」と呼ばれ、今なお多くの楽曲で使用されています。ご本人は15歳か16歳の時、ドラムにこのように演奏してほしい、と思って考えついたのだそうです。ステージで積極的に女性を起用するのも、ディドリー氏のこだわりです。
1955年に「ボ・ディドリー」でデビューして一躍時の人となったボ・ディドリー氏ですが、やがて「ほかの人と同じ形のギターを持つべきではない」と考えるに至ったようです。そこで”ジュリアーノ”と呼ばれるグレッチのプロダクトマネージャーにオファーし、自らデザインした3本のギターを作ってもらいました。
そうして完成したのが「キャディラック」、「シガーボックス・ギター(G6138 Bo Diddleyの原型)」、そして「ジュピター・サンダーバード」です。3本のギターはボディ形状の違いこそあれ、当時ディドリー氏が愛用していたグレッチG6131ファイアーバードの構造をベースにしています。
ディドリー氏はグレッチ製だけでなく、同様のデザインでいろいろなメーカー製のジュピター・サンダーバードを使用していました。
ディドリー氏は活動の過程で、仲が良くなったビリー・ギボンズ氏に愛用のジュピター・サンダーバードをプレゼントします。ビリー氏は大事に保管していたようですが、ある時レコーディングに使ってみたら思いのほか具合が良く、すっかり気に入ってしまいました。
しかし世界に一本しかない貴重なギターを、ツアーに携行するわけにはいきません(歴史上、多くのギタリストがツアーで愛機の盗難に遭っています)。そこでギボンズ氏は、このジュピター・サンダーバードに自分の好みを反映させた構想をグレッチ社に持ち込みます。
ボ・ディドリー氏が発案し、ビリー・ギボンズ氏がリプロダクトした「G6199 Bill-Bo Jupiter Thunderbird」は2005年、こうして誕生したのです。
ZZ Top – Sharp Dressed Man (Live)
ロックバンド「ZZ Top」は、これまでにアルバムを5,000万枚以上売り上げたモンスターバンドです。フロントの二人がそろって長いヒゲに覆われており、また各種変形やファーに覆われたものなど、変わった楽器を使いたがることでも知られています。
強力なグルーヴとアツいプレイを身上とする正統派でありながら、陽気な楽曲と軽妙な歌詞の親しみやすいロックはファンをしっかり和ませます。
ジュピター・サンダーバードは、第一にその独特なボディ形状が特徴です。ディドリー氏はリズムプレイが中心だったため、ハイポジションを攻めるような演奏はほとんど見られません。しかしこのギターではボディの1弦側が大胆にカットされており、ハイポジションの演奏性はかなり良好です。
ボディトップは平面ですが、ボディバックにはコンター加工が施してあり、立奏時のフィット感も良好です。またもともとジェット・ファイアーバードを愛用していたためか、わざわざピックガードをぶち抜いてまで、この位置にマスターボリュームを配しています。
楽器本体は1950年代終盤のグレッチG6128デュオジェットの仕様を受け継いでおり、
という本体に、TVジョーンズ社製「Power’Tron(パワートロン。ネック側)」「Power’TronPlus(ブリッジ側)」ピックアップを備えています。チェンバード・ボディ構造は軽量で響きが良く、ライブでもレコーディングでも良好です。
TVジョーンズ社製「パワートロン」は、ヴィンテージ・フィルタートロンが持つ「高音域のきらめき」や「低音域の透明感」を残しながら、中音域を持ちあげ、全体の出力も強化したピックアップです。サウンド的には「フィルタートロン」のトゥワンギーさに、ギブソン社のハムバッカー「P.A.F」のパワー感、中音域の押し出しをブレンドしていると伝えられます。
では、ジュピター・サンダーバードのラインナップを見ていきましょう。現在では、3モデルがリリースされています。
トップがファイアーバードレッド、サイドとバックがブラックの標準仕様。ZZ Topではギターとベースが同じタイプの楽器を構えることが多いこともあるため、同仕様ののベース版も作られています。ディドリー氏はアームを使用しませんでしたが、先程の動画にもあったように、ビリー・ギボンズ氏の意向でビグスビーが搭載されたものが作られたこともあります。
G6199FSR、G6199RV
FSR版(ファクトリー・スペシャルラン。日本国内限定版)では、カスタムカラーとしてトップにブラック、サイド&バックにウォルナットステインを採用したモデル「G6199FSR」がリリースされています。
「G6199RV」はリヴァース・ボディとなっています。ボディは反転していますが、ピックガードの形状は通常版のままです。1弦側にボディがせり出す形になるのでハイポジションの演奏性が群を抜いて悪くなりますが、歌いながらリズム演奏をするというボ・ディドリー氏のようなプレイヤーなら、何ら問題ありません。
Alicia Keys & Jack White – Another Way To Die [Official Video]
ジャック・ホワイト氏とアリシア・キーズ氏、男女二人のスターがコラボした楽曲「Another Way To Die」は、映画「007 慰めの報酬(Quantum of Solace。2008年10月公開)」の主題歌として製作されました。ホワイト氏が構える白いジュピター・サンダーバード(G6199TUWP。2008年発売)は、G6136ホワイトファルコンのイメージで白いカラーリング、ゴールドパーツ、ゴールドスパークルのバインディングやパネル、という意匠です。
キーズ氏がときおり奏でるYAMAHAのピアノも同様にホワイトカラー&ゴールドパーツですが、グレッチもYAMAHAも日本製です。「007」シリーズの主題歌でデュエットする二人の楽器が日本製とは、何とも誇らしいではありませんか。
G6199を…
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