エレキギターの総合情報サイト
いつもありがとうございます。情報サイト「エレキギター博士」ライティングスタッフKです。「My New Gear(MNG)」は、主観的な見解も交えた「エッジの立ったレビュー記事」を書こうじゃないかっていう新企画です。第二回はUAFX(Universal Audio)のアンプエミュレーター「Dream ’65」です。それではどうぞ!
mng.2「UAFX Dream ’65 Reverb Amplifier」箱から出してファーストインプレッション!
ハカセは第一にバイパスの音を確認し、リヴァーブもブーストも切った状態で音を作っていますね。サウンドクオリティにハカセはご機嫌でしたが、あなたはどう感じましたか?
「Dream ’65」の操作盤は6つのツマミと3つのミニスイッチで構成されていて、6つのツマミはギターアンプを触ったことのある人なら一見して理解できる感じです。
上段左VOLUMEツマミはプリアンプに送る音量で、上げていくと少しだけ歪みます。反対側のOUTPUTツマミは、音質を変えずに音量だけ変化させます。上段中央のREVERBツマミが、本機の大きな特徴であるスプリングリヴァーブです。とても美しい艶っつやの音色なのでヴィンテージの再現度はかなり高いと感じましたが、ぶん殴るとガシャーン!って鳴り響くところまでは、さすがに再現していません。下段はEQとブースターです。
下段のBASS/TREBLEツマミを操作すると音量も上下しますが、下げ切っても音量はゼロになりません。VOLUMEがゼロでも同様です。それならということで、OUTPUTを目一杯上げ、それ以外はぜーんぶゼロにしてみました。この状態でバイパスよりも音量がありましたから、どんな設定にしたとしても、音量はOUTPUTツマミでじゅうぶんカバーできます。こういう可変域の設定が、使いやすさの一助になっていると思います。
いろいろな機能が使える3基の3WAYミニスイッチも、取説なしで大丈夫です。下手側はスピーカーシミュレーターの切り替え、中央はアンプ操作←→トレモロ操作の切り替えと設定の保存、上手側はブースターのモード切り替えです。同じスイッチが並んでいるように見えますが、それぞれに動作の異なる違ったスイッチが使われていて、触っていて楽しいです。
下手側のSPEAKERスイッチは、3種あるスピーカーシミュレーターの切り替えです。コレは上下とも「モーメンタリ動作」で、上や下に押すごとにレバーが中央に戻ります。赤いランプがその動作に応じて上下しますが、下、下、下、下、と一方に押し続けても切り替えできます。なお、ランプ消灯でシミュレーターOFFです。3WAYスイッチで4つの設定を選べるスマートな設計ですが、名前やLEDを見ないようにして操作すると、欲しい設定が音だけを基準に選べる面白さがあります。
上手側のMODスイッチはモジュレーションの切り替えかと思ったのですが、ブースターのモード切り替えでした。こちらのスイッチは上下とも「オルタネイト動作」で、レバーは操作した位置にピタリと留まります。ブースターは控え目に使うとクリーンブースターとして使えますが、上げていくと若干の歪みが得られます。なお3番目のD-TEXは、なかなかに歪みます。
中央のスイッチには名前が書かれていません。「スイッチ・ウィズ・ノーネーム」だなんて、かっこいいじゃないですか。コレは下方向のみモーメンタリで、長押しすると今の状態がプリセットに保存されます。上方向はオルタネイト動作で、レバー中央の状態「AMP」モードからレバーを上方向に倒すと「ALT」モードに入ります。
ちょっとした事かもしれないけど、この3つが反転文字で表示されているのが素晴らしいと感じました。「スイッチをALTに入れた時、このツマミはSPEEDに、このツマミはINTENSITYになる!」ってのが読み取れます。そんなわけで、ALTモードに入れるとトレモロエフェクターを操作できます。トレモロにON/OFFの操作はなく、ツマミを目一杯下げた状態をOFFとして扱うようです。
フットスイッチは、カチカチ言わない電子式です。下手側がON、上手側がPRESETとなっています。ONのランプを紅く灯すと操作盤どおりの音になり、PRESETのランプを灯すと保存した音色に切り替わります。ランプの点いているほうのスイッチを踏むと、バイパスになります。
モノでもステレオでも行けまっせ!といった感じの、やる気まんまんの背面。USBやPAIRのトコロはさすがに取説に頼らなければなりません。PAIR表示の下側がBluetoothペアリングボタンで、上側がそれの成否を表示するランプだったんですが、私のでかい指ではどっちがボタンかを触って確かめることができませんでした。
電池駆動はなく、400mA以上のACアダプターから給電します。端子が密集しているので、ワイヤレス受信機と電源プラグが接触することがあります。
【久々弾いても迷わない!ハカセ】
Dream 65のいいとこは、基本的に機能がペダル上で完結してるので、操作がめちゃめちゃ簡潔なとこなんじゃ!
久しぶりに弾いてもすぐにいい感じに音作りできるので、興味ある人は見てちょ🎵#UAFX pic.twitter.com/0RLIYqVR4u
— ギター博士 (@guitar_hakase) October 8, 2023
さて、ここで取説を見てみましょう。ぐはっ。全部英語です。左側の3枚は表裏びっしり英語ですよ。字が小さいし、ペーパーメディアではGoogle翻訳も使えないではないか。右側の黒っぽい方は各部名称と機能の紹介で、頑張ればどうにか読めますし、だいたいは読まなくても大丈夫な内容でした。それだけ本体が操作しやすく設計されていたわけです。なお、この黒い方に書かれていた「D-TEXブースター使用時はトレモロが鳴らない」というのは重要な記述だと思います。ちなみにそれでも、ブースト量をゼロにするとトレモロは起動します。円いのはコースターっぽいですが、裏面のQRコードからアプリをダウンロードできます。
また、公式サイトにて日本語版のマニュアルが閲覧できるので、心配ありません。アプリの操作でいろいろなことができるようです。
UAFX「Dream ’65」はフェンダーのビンテージアンプを再現しているとのことなので、それならって感じでストラトで鳴らしてみました。「グラッシー」って言うらしいですが、とても澄み切ったクリーンが得られ、またゲインを持ち上げるとダーティーなトーンにも行けます。カッティングするならこのくらい、アルペジオだったらここか、みたいに気分で回していくうちに、まるで何かに導かれたかのようにうまく収まる感じです。極端で不快な設定にならないように各ツマミの可変域がしっかり決められているようで、音作りはしやすいと感じました。
7弦、8弦でも鳴らしてみました。メタル用みたいな鳴りの引き締まったギターでも、艶っぽいクリーンやシャキっとしたクランチが得られます。しっかり歪ませるとズムズムっていうよりギャリギャリって言う感じで、変化球として使えそうです。ベース用の重低音をカバーできるかどうかまではわかりませんが、8弦ギターで弾く疑似ベースはかなり快適です。
レスポール、フルアコ、セミアコでも鳴らしてみました。やはりクリーンの艶感は極上です。そこにブースターでほんのちょこっとだけ歪みを入れて、リヴァーブという優しさに包まれるわけですよ。昼間っから夢見心地になれます。
ギタリストなら誰でもわかってくれるであろう、フェンダーアンプのキレイなクリーンやクランチって、コレだよなと思わせてくれるサウンドでした。このアンプにこのリヴァーブという組み合わせが決まっているので、普通のギターアンプを使っているかのような気持ちで音作りができます。EQにMIDDLEツマミこそありませんが、不思議と中域が物足りなく思ったり過剰に感じたりはしませんでした。
そして何より、恐ろしくローノイズです。VOLUMEやTREBLEをぎゅっと上げると微かに「シャーー」って聞こえますが、ぜーんぜん気になりません。
ただし、ギターアンプそのものを再現しているデバイスであるからか、ギターアンプのInputにつなぐとレンジが狭まるようで、キレイなクリーンに聴こえるものの、豊潤さや艶っぽさが削られてしまうように感じました。
スピーカーシミュレータをONにしてミキサーやレコーダーに挿すか、スピーカーシミュレータを切ってギターアンプのReturn端子に挿すか、この二通りでこそ本来の性能が発揮できます。
以上、UAFX「Dream ’65 Reverb Amplifier」のレビューをお届けしました。極上のサウンドクオリティを誇るUniversal Audio社のブランドだけあって、フェンダー系の音はコレだけで満足だと思わせてくれる説得力のある音でした。また、ツマミやスイッチの操作で好きな音に到達しやすい設計だと感じました。
デジタルのデバイスは、「○○種類のアンプを収録」みたいにバリューを誇るモデルって多いじゃないですか。しかしいざ音作りしようとすると、選択肢が多すぎてなかなか決められないんですよね。そういうわずらわしさから解放される快適さを感じました。
今回のレビューでは、1つだけ心残りになることがありました。それは、アプリを試すことができなかったことです。モバイル/PCそれぞれに向けてリリースされている「UAFX Control」が使えれば、追加のスピーカーシミュレーションが3つ手に入り、フットスイッチモードが選べて、手持ちのギターアンプを活かす「4ケーブルモード」が試せたんです。
4ケーブルモードでは、ギターアンプのセンド/リターンを利用することで、
この切り替えができるんですよ。ライブで使える強力な機能だと思います。
実際にモバイルアプリを起動させたスクショ。1)最初にUAFXアカウント認証もしくは新規登録。2)Bluetooth接続するデバイスを探し、3)Dream’65と接続する。4)スピーカーキャビネットが貰えるよ!という表示に対し、では頂こう、というボタンが表示される。5)しかしながら、通信不良によってキャビネットは手に入れられなかった。「いらないから次に進めてくれ」というボタンはなく、この先に進むことができなかった。ウチのデバイスが古かったからなのかアプリに不具合があったのかは分からない。
以上、ライティングスタッフKがお送りしました。ありがとうございました。
Universal Audio UAFX Ruby
Universal Audio UAFX Woodrow – Supernice!エフェクター
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