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「マスターエイト・ジャパン」は、日本有数のピック工場「池田工業」とカスタムギターブランド「L’s TRUST」の両社がプロデュースするピックブランドです。「音」のために開発された新発想とクールなデザインで、立ち上げ当初から大いに話題を呼んでいます。さっそく何人ものアーティストが一軍起用しているこのピックに、今回は注目してきましょう。
「一爪入魂」を社是とする池田工業は、一枚のピックにかける情熱ではだれにも負けません。半世紀のノウハウをもとに満を持して発表されたMASTER 8 JAPANのピックには、どんな特徴があるのでしょうか。
MASTER 8 JAPANの主軸が、新素材「INFINIX(インフィニックス)」の感触とサウンドですが、オーソドックスな素材も登用して、多くの人が愛用しやすいラインナップを構成しています。
INFINIXは、世界で初めてピックに採用された新素材です。硬質で張りがあり、かつ弦に食いつき、未体験の気持ち良いアタックが得られます(旧ロットでは割れることもありましたが、現行品でこの課題は解決しています)。
「D-801」シリーズで使われるジュラコンは、比較的オーソドックスな材料です。頑丈で摩耗しにくいのが最大の利点で、手になじみやすく、明瞭なサウンドが得られます。
PEIは、弦に対する滑りの良さと、人間の爪やべっ甲でピッキングするのに近いオーガニックなサウンドが特徴です。半透明イエローの色調で多く使われる材料ですが、MASTER 8 JAPANでは塗料を混ぜて作ることで、カラーリングにも幅を利かせています。
セルロースはピックの素材としては最も歴史が長い、スタンダードな材料です。摩耗しやすさと引き換えの明瞭なアタック感が魅力です。MASTER 8 JAPANでは今の所、アーティストモデルなど特別なピックでのみ採用されています。
MASTER 8 JAPANの愛用者が声をそろえて言うのは、「手から落ちない」グリップの良さです。良好なグリップを生む3つの秘密を見ていきましょう。
ノーマルのINFINIXは、表面がツルッツルなのに、手に吸い付くような謎のグリップ感があります。これはこのピックが「非研磨」で製造されるからです。「研磨」の工程を省くことで、成形した時の滑らかな表面が残り、これが指に吸いつくような効果を生むわけです。
「HARDGRIP」のピックは、細かいサンド(砂)を滑り止めにしています。滑り止めの感触を好むユーザーにはこのハードグリップがお勧めです。サンドの乗せ方は、ロゴマークの形などデザイン的な主張にもなります。
「RUBBER GRIP」のピックは、表裏にゴム状の滑り止めを貼り付けています。サンドのザラザラ感と違うウェットな感触ですが、表裏で異なる素材がセレクトされているのもポイントです。こちらもサンド同様にデザイン的な主張もしています。
最近ワシがめっぽうハマって使っておるギターピック、「MASTER 8 JAPAN」ぢゃ。ゆ、指に吸い付くゾィ!! pic.twitter.com/Dg1cxxnXbc
— ギター博士 (@guitar_hakase) 2016年9月6日
MASTER 8 JAPANは「エッジ」の処理にこだわりを込めています。研磨のかけ方で、エッジ断面の尖(トガ)り具合に変化を出すわけです。研磨が少なければ少ないほどエッジは鋭く立ち、弦をヒットした時のドライブ感が出ます。逆にしっかり研磨をかけたピックは、ピッキングノイズが抑えられます。
INFINIX 滑り止めティアドロップ 1.0mm
MASTER 8 JAPANのピックは、レギュラーモデルでは
という比較的オーソドックスな3タイプで展開していますが、総じてシャープなフォルムです。この3タイプと3段階の厚みで、レギュラーモデルは1シリーズあたり9種類のバリエーションを持っています。
Thin | Medium | Heavy | |
トライアングル | 0.6mm | 0.8mm | 1.0mm |
ティアドロップ | 0.6mm | 0.8mm | 1.0mm |
ジャズ | 0.88mm | 1.0mm | 1.2mm |
表:MASTER 8 JAPAN ピックの厚み
新素材のサウンド、未体験のグリップ力、そして鋭利なエッジによって大いに話題を呼んだMASTER 8 JAPANを象徴するピック。非研磨のため成形時の「バリ」がやや残りますが、せっかく残したエッジを損なわない範囲で、ていねいに処理しています。
INFINIXを…
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上記INFINIXにサンドを乗せたカスタムピック。ザラザラした触り心地でしっかり安定します。サンドがあることでピック本体の「しなり」に違いが出るため、上記の通常版INFINIXよりちょっとだけ厚いピックとしても使用できます。
INFINIX HARDGRIPを…
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こちらはINFINIXにしっかり研磨をかけ、バリをなくしたもの。エッジには丸みがあり、非研磨とはまた違ったサウンドになっています。サンドとはまた違ったグリップ感も特徴です。
ハードポリッシュでは、「サムピック」もリリースされています。親指のサイズに合わせてミディアムとラージが選択でき、3種類のカラーリングがあります。
INFINIX HARDPOLISH with RUBBER GRIPを…
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比較的スタンダードな材料だからこその受け入れやすさを持ちながら、エッジを限りなく残した「ライブ向け」ピック。INFINIXとはまた別種のアタック感、ドライブ感を持っています。レギュラーモデルに加え、こちらも「HARDGRIP」版がリリースされています。
D-801を…
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CFHIRO1-080 Crossfaith Hiro signature model
アーティストのこだわりを妥協なく追求したシグネイチャーモデルは、材料や形状、デザインからエッジの処理に至るまで、まさにその人のために開発された「業務用カスタムピック」です。これらアーティストモデルの開発で得られた成果は、レギュラーモデルの開発にも反映されています。多くはご本人がデザインしているので、ファンならばマストバイのアイテムでもあります。
氏名/所属団体名 | 形状 | 材料や特徴 |
HIRO / Crossfaith | ティアドロップ | D-801ハードグリップ。「発音の速さ」にこだわり抜いたエッジ処理は、D-801シリーズ開発の礎となった。 |
Sugi / coldrain | ジャズ | ハードグリップPEI。しっかり研磨したことで、スムースなピッキングができる。 |
Kazuki / Crossfaith | ティアドロップ調オリジナル | 幾度も試作を繰り返してついに到達した、Kazuki氏専用の万能ピック。 |
UZ / SPYAIR | ティアドロップ | D-801ハードグリップカスタム。丸く整えたエッジ処理で、ピッキングノイズを軽減。サンドのラメは業界初。 |
Jose / TOTALFAT | ティアドロップ | D-801ハードグリップカスタム。丸く整えたエッジ処理、使い勝手を追求した独自のサンド配置。 |
Shun / TOTALFAT | 鋭角なトライアングル | D-801ハードグリップカスタム。レギュラーモデルにはない三角形、丸く整えたエッジ処理。 |
佐々木亮介 / a flood of circle | トライアングル | ハードグリップPEI。尖った形状により、抜けの良いトレブリーなサウンドが出せる。 |
たなしん / グッドモーニングアメリカ | ジャズ | D-801ハードグリップ、JAZZIIIタイプの超小型。しっかり立たせたエッジによるアタックの映えるサウンド。オリジナルデザインのサンド配置。 |
牧達也 / go!go!vanillas | ティアドロップ | セルロイド製、小ぶりのティアドロップ。 |
柳沢慎太郎/ go!go!vanillas | ティアドロップ | INFINIXラバーグリップ。ラバー形状はオリジナルデザイン。 |
長谷川プリティ敬祐/ go!go!vanillas | 鋭角なトライアングル | D-801に準拠したエッジ処理と、ご本人完全監修のデザイン。 |
MOMIKEN / SPYAIR | トライアングル | 1.5mmの極厚セルロースならではのファットなサウンド。美しいホログラムプリント。 |
表:MASTER 8 JAPAN アーティストモデル一覧(2019年3月時点)
経年変化で硬化したセルロース製ピック、いわゆる「ヴィンテージ・ピック」は、ピック自体が消耗品であることもあって入手困難な状況です。「ザ・タイムマシン」シリーズは、MASTER 8 JAPANが愛用者の声に応え、独自技術で擬似的に経年変化させたセルロースを使用した、世界初のエイジド・ピックです。
現在リリースされているのは
で、白、黒、べっ甲柄の組み合わせです。材料の硬化によって音の立ち上がりが強調され、「初心者でもその違いがわかる」「ヴィンテージ・ピックと遜色ないサウンド」と言われています。
以上、「ピック業界初」を連発して常に話題を誘っている「MASTER 8 JAPAN」をチェックしていきました。いろいろな新しいものがリリースされていますが、MASTER 8 JAPAN企画陣は「常に次の手を考えている」と強気です。ピックは小さく安価なものですが、ギタリストの手に直接感触が伝わる重要な道具です。ぜひ実際に手にとって、ピックの面白さを感じてみてください。
ブランドに対するメーカーの想いや内情など、こちらの取材記事もチェックしてみてください。
ピックを作って半世紀《一爪入魂》池田工業訪問インタビュー
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