コーラス・エフェクターは、音に“揺らぎ”と“広がり”を与えるモジュレーション系エフェクトの一つです。入力された音に対してほんの少し遅らせたコピー音(ディレイ音)を重ね、さらにその遅れ時間を周期的に変化させることで、まるでギターが2本同時に鳴っているかのような厚みと煌びやかさを作り出します。
音のピッチ(音程)もわずかに揺れるため、ダブリング(同じフレーズを複数回重ね録りしたような効果)と微かなピッチのズレが合わさり、生き生きとした合唱(コーラス)的な響きが得られます。
様々な用途に使えるため一台持っておくと何かと頼りになるエフェクターです。このページではコーラス・エフェクターについて詳しく見ていくと共に、おすすめのモデルを紹介していきます。
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コーラス・エフェクトの使い方
はじめてのコーラス・エフェクター【ギター博士】
音を爽やかに彩る効果から、クリーントーンでのアルペジオやカッティング・プレイ時に利用されたり、アコースティックギターやベースでも使用することがあります。
またディストーション・ギターで「壁のような厚み」のあるリフやギター・ソロにしたい時、揺らぎを強く掛けてトリップ感を演出したい時など、様々な用途に使えます。
コーラス・エフェクターの音作りの基本
コーラス・エフェクターでは基本的に「Depth(デプス)」、「Rate(レート)」、「Level(レベル)」という3つのツマミを操作して音作りをしていきます。各ツマミの動作は、およそ0.01秒後に出力されるサウンドを「エフェクト音」とした場合、以下のようになっています。
Depth :エフェクト音のかかり具合を決めるツマミ
Rate :エフェクト音が揺らぐ速さを決めるツマミ
Level :原音とエフェクト音を混ぜる量を決めるツマミ
Nirvana – Smells Like Teen Spirit (Official Music Video)
コーラス・ペダルと言えば、ニルヴァーナのカート・コバーン 氏が代表曲で弾いたAメロのシンプルなフレーズ。たった2音にも関わらず圧倒的存在感を醸し出しているのは、コーラスの揺らぎによるところも大きいでしょう。「クリーン+コーラス」、「ディストーション+コーラス」という組み合わせで使用しています。カート・コバーンを始め、ロック系ギタリスト/スタジオ系ミュージシャン問わず、数多くのギタリストがコーラスを使っています。
アナログとデジタルの違い
コーラス・ペダルには、デジタル回路で設計された「デジタルコーラス」、アナログ回路を持つ「アナログコーラス」の2種類があります。
アナログ・コーラス は信号の処理にアナログ回路を使用します。主にBBD(Bucket Brigade Device)チップを使用して遅延を生み出し、その遅延信号と原音をミックスすることでコーラス効果を作り出します。
デジタルに比べると多少のノイズが発生しやすいのですが、高域が少し丸くなり、独特の温かみのある音質が特徴です。シンプルな操作性のモデルが多く、直感的に音を作ることができます。
デジタル・コーラス は信号をデジタル化(A/D変換)し、デジタル信号処理(DSP)で遅延や変調を加えた後、再びアナログ信号(D/A変換)に戻す仕組みのエフェクターです。
アナログによくある高域の減衰がないため、非常に煌びやかで透明感のあるサウンドが得られます。
クリアな音質は爽やかで音ヌケがよく、デジタル処理のためノイズが少ないのが特徴的です。細かな設定が可能で、複数のパラメータを調整することで多様なサウンドが作れます。
六弦かなで 「柔らかく温かみのある響きが欲しい時はアナログ、クリアで多彩なサウンドが欲しい時はデジタル、がいいのかな?」
エレキギター博士 「そうじゃな。アナログはメンテナンスが必要な場合があるんじゃが、そのぶん音の温かみが魅力的。デジタルは安定した性能を長期間維持してくれるゾ☆」
ステレオ出力できるモデルもある
BOSSの「CH-1」「CE-5」、またハイエンドなデジタル・ペダルではステレオ出力を備えている事があります。
2台のアンプまたはスピーカーを用意し、ペダルの出力端子からそれぞれ接続することで、広がりのあるステレオ・サウンドを楽しめます。
ステレオ出力搭載モデルではギターだけでなくキーボードやシンセサイザーなどに使われるなど、様々な楽器での活用も考えられます。
コーラスが標準装備された定番アンプ Roland「JC-120」と BOSS「CE-1」
元祖コーラス・エフェクター
BOSS CE-1
コーラスは全国のライブハウス、スタジオに必ずと言っていいほど設置されている「Roland JC-120 (ジャズコーラス)」に標準で搭載されています。
それどころか、もともとこのJC-120に搭載されたコーラスユニットこそがコーラス・エフェクターの元となっており、好評を博したJC-120のコーラスだけを足下に置いて使用するために、ローランドは抜き出して単体で開発することを思いつきます。
こうして生み出されたのが世界初のコーラスエフェクター「CE-1 」です。
JC-120はステレオのスピーカーの片方を原音、片方をエフェクト音とすることで、広がりのある美しいコーラスを得ることに成功していましたが、CE-1は単体でそれに準ずる美しい音質を実現し、高い人気を誇りました。CE-1は製造が終了して久しい現在でもプレミアム価格で取引され、その人気は健在です。
コーラスとフランジャー・フェイザーの違い
コーラスと似た仲間のエフェクトにフランジャーやフェイザーがあります。これらも音に揺らぎを与えるモジュレーション系ですが、原理とサウンドにいくつか相違点があります。
フランジャー はコーラスよりもさらに短めのディレイ音にフィードバックを掛け、それを原音と混ぜることで出力し、ジェット機の上昇音のような強烈なうねりを発生させます。
フェイザー は大型の回転スピーカー(ロータリースピーカー)の音響効果を電子回路で模倣しようとして登場したエフェクトです。
位相を変えた信号を原音と混ぜて干渉させることで、サイケデリックで浮遊感のある揺れが発生します。
効果の違い :
コーラス:ナチュラルな厚みと広がり
フランジャー:金属的でジェット音のような効果
フェイザー:渦巻くようなサイケデリックな揺れ効果
ロータリースピーカーって何?
コーラスなどモジュレーション系エフェクターの元となったのがロータリースピーカーです。
低音用のスピーカーに繋いだホーンと高音用のスピーカーコーンを逆方向に回転させ、ドップラー効果を作り出し、音に揺らぎを与えるというもので、自然な効果の掛かり方や独特のサウンドによって現在でも人気があります。
主にハモンドオルガンに使われ、オルガンやキーボードにはシミュレータが標準搭載されるのが一般的です。ギターではエリック・クラプトン氏やビートルズの曲などで聴くことができ、ロータリー・スピーカーをシミュレートしたギター用エフェクターもリリースされています。
ロータリースピーカーはドン・レスリーという人物が開発したことから、レスリー・スピーカーとも呼ばれ、こちらの呼称も一般的によく使われます。
コーラス・ペダルの接続順
モジュレーション系に属するコーラスは、「歪み系ペダルの後段かつ空間系ペダルの前段」に繋ぐようにしましょう。アンプにエフェクトループ(センドリターン機能)がある場合、ループ内に配置することで、よりキレイなエフェクト音がかかるようになります。
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エフェクターのつなぎ方 – Supernice!エフェクター
コーラス・エフェクターのおすすめモデル
はじめてのコーラスにおすすめ!手に入れやすい価格帯のコーラス・ペダル
Effects Bakery Melon Pan Chorus
ミニサイズの筐体にはメロンパンを模した可愛らしいキャラクターのイラストがプリントされたミニサイズのコーラス・ペダル。
RATE, DEPTH, MIXの3ツマミで音作りを行うシンプルな設計で、トラディショナルなコーラス・サウンドが得られます。
エフェクターボードにも組み入れやすいサイズ、そして手に入れやすい価格帯を実現しているため、はじめてのコーラスに最適な1台です。
発売時期
2019年
回路
アナログ
電池駆動
x
消費電流
19mA
Animals Pedal Car Crush Chorus/Vibe
コーラス・エフェクトとUni-Vibe系のエフェクトをコンパクトな一台に収めた、可愛らしい筐体が所有欲をくすぐる一台。
1万円前後で手に入るコスト・パフォーマンスの良さも魅力で、コーラス・エフェクター初心者にオススメできるペダルです。
コーラスの基本的なコントロールのほかに、周波数レスポンスを微調整しサウンドのキャラクターを変化させることのできる「COLOR」ノブが特徴的。
Uni-Vibe系のエフェクトが搭載されていることからも想像できるように、コーラス・エフェクトについても煌びやかでありながらもサイケデリックなサウンドで、一般的なコーラス・エフェクターとはちょっと違う、変化球なコーラス・ペダルを求めているプレイヤーにはうってつけです。
発売時期
2017年
回路
アナログ
電池駆動
◯
消費電流
5.5mA
TC Electronic 3RD DIMENSION CHORUS
TC Electronicの格安エフェクター「Smorgasbord of Tones」シリーズからリリースされたアナログ・コーラス「3RD DIMENSION CHORUS」。
原音を揺らさずにサウンドに広がりと奥行きを加えるコーラス「BOSS DC-2」を参照元にして作られており、揺らぎのない爽やかでクリアなコーラスサウンドが得られます。
オリジナル同様コントロールツマミは搭載されず、4つのボタンプリセットを選択するだけ。
しかしボタンのON/OFFの組み合わせで合計16種類のサウンドが得られるという、ユニークなコーラスです。
発売時期
2017年
回路
アナログ
電池駆動
◯
消費電流
25mA
時代を超えて愛される:定番・人気モデル
BOSS CH-1 Super Chorus
国産ペダルの代表的なブランドであるBOSSの「CH-1」は、コーラス・エフェクターのロングセラー・モデル。
RATE, DEPTH, LEVELに加えてEQ(イコライザー)を搭載した4ツマミ構成で、シンプルながらしっかりと音作りができます。
EQを左に回せば低音が、右に回せば高音が強調されるようになっています。
高音域がやや強調されたシャープで爽やかなサウンドは、これぞデジタル・コーラスといった趣。扱いやすく初心者にオススメできる定番の一台です。
発売時期
1989年
回路
デジタル
電池駆動
◯
消費電流
22mA
Electro Harmonix Small Clone
Electro Harmonixを代表する定番機「Small Clone」。
NIRVANAのカート・コバーン氏の使用により一躍有名になった本機は「エレハモらしい」と評されることも多い独特のエグみを含んだサウンドが特徴で、80年代の登場以来多くのプレイヤーを虜にしてきました。
コントロールは非常にシンプルで、速度を調節する「RATE」ノブとエフェクトの強さを設定する2ポジションの「DEPTH」スイッチのみ。
単純明快ながらも、12弦ギターのような幻想的なトーンからレズリー・スピーカーのようなサウンドまで幅広い表現が可能な、コーラス・エフェクターの名機です。
発売時期
1980年代〜
回路
アナログ
電池駆動
◯
消費電流
9mA
BOSS CE-5 Chorus Ensemble
BOSS「CH-5」は、Chorus Ensembleの名の通り、広がりのあるリッチなコーラスサウンドを特徴としたデジタル・コーラス・ペダル。
名器CE-1譲りのリッチなサウンドが得られます。RATE, DEPTH, LEVELに加えてFILTERは2軸方式を採用しており、4ツマミの構成ながら5つのパラメータを調節することができます。
FILTERは高域と低域を独立して調整でき、幅広いサウンドメイクが可能。ギターやベース、キーボードなど様々な楽器に適応します。
ステレオ出力に対応しているため、立体感のあるコーラス効果をステレオ環境で楽しめます。
BOSSのペダルは総じて耐久性も高く、ライブパフォーマンスや長期の使用にも耐える頑丈な作りです。
発売時期
1991年
回路
デジタル
電池駆動
◯
消費電流
18mA
アナログコーラスのおすすめモデル
MXR M234 Analog Chorus
BBD素子を使用した、暖かいサウンドが特徴のアナログ・コーラスです。
トラディショナルなアナログ・コーラスはコントロールもシンプルなものが多く、ONにした際にどうしても音量が持ち上がってしまったり、セッティングによってはどうしてもピーキーな帯域が生まれてしまう、という問題もしばしば見られます。
しかし本機にはコーラスのスピード、深さを調節する基本的なコントロールに加えて、最終的な音量を決定するボリューム・ノブ、さらにはハイ/ロー・カットのノブも装備しており、音色を柔軟にコントロールすることが可能です。ウォームな音色で、なおかつ使いやすいアナログ・コーラスをお探しの方にはぜひお勧めしたい一台です。
発売時期
2011年
回路
アナログ
電池駆動
◯
消費電流
18mA
Ibanez CSMINI
CSMINIは、著名ギタリストも愛用したアナログ・コーラス「Ibanez CS-9 Stereo Chorus」のクラシックなサウンドを継承したミニサイズのコーラス・ペダル。
操作はDepth、Speed、Levelの3ツマミ構成ながらも、DepthとSpeedの調整範囲が広く、多彩なコーラス効果を生み出すことができます。
トゥルーバイパス設計のため音質劣化はありません。アナログらしいウォームで豊かなコーラスサウンドで、ミニサイズとなっているためエフェクターボード内にも組み込みやすいのもポイントです。
発売時期
2016年
回路
アナログ
電池駆動
x
消費電流
22mA
BOSS CE-2W
1976年に登場した伝説的なコーラスペダル「CE-2」を、BOSSのWaza Craftシリーズで蘇らせた復刻版です。Waza Craftシリーズならではの高品質な部品と堅牢な作りが特徴的で、オリジナルのアナログ回路を忠実に再現。温かみのある豊かなコーラスサウンドが得られます。
操作はRateとDepthの2つのノブでシンプルに行えますが、その中に多彩なサウンドバリエーションが隠されています。伝説的コーラス・サウンドを再現する「CE-2モード」「CE-1モード」2つのモードを搭載。CE-2モードでは、1970年代後半から1980年代にかけて多くのギタリストに愛されたクラシックなコーラストーンが楽しめます。CE-1モードではさらに広がりのあるサウンドが得られ、ステレオ出力にも対応、スイッチの切替によってビブラート効果も得られます。
発売時期
2016年
回路
アナログ
電池駆動
◯
消費電流
25mA
Walrus Audio JULIA
2010年設立と比較的新しいブランドながら、プロからアマチュアまで幅広く高い人気を博しているWalrus Audio社によるコーラス/ビブラート・ペダルです。アメリカ海洋大気庁が1999年に南太平洋海域にて録音した、発生原因不明の謎の音「Julia」をモチーフにしており、今まで聞いたことがないような神秘的で不思議な音色が特徴的です。
フル・アナログ回路による暖かみのあるサウンドと、独自のコントロールによる多彩なサウンド・メイクはWalrus Audioならではのもので、Cory Wongなど著名なギタリストのボードにも組み込まれています。
LFOのシェイプを変更できるスイッチや、ドライ音/コーラス/ビブラートの3つのミックスをまとめて1ノブで調節できるノブ、そして何よりこのペダルを特徴付けているのはLFOエフェクト・モジュレートのプリ・ディレイをコントロールする「lag」ノブ。独創的なサウンドが欲しいプレイヤーにぜひお勧めしたい一台です。
発売時期
2016年
回路
アナログ
電池駆動
x
消費電流
100mA
ハイエンドなコーラス・ペダル
BOSS MD-200 Modulation
BOSSのフラグシップ・モデルのモジュレーション・ペダル「500シリーズ」を、高品位なサウンドと機能はそのままに、ボードに組み込みやすいようにダウン・サイジングしたモデル。
サンプリング・レート96kHz、AD/DA変換32bit、内部演算32bit float(浮動小数点)の高度な演算処理などフラッグシップ・モデルと相違ない仕様で、コンパクトな筐体には12種類のエフェクトが詰め込まれています。コーラスのエフェクトにはMD-500にはなかった「CE-1」を再現したエフェクトが追加されているほか、フェイザーやトレモロ、スライサーやUni-Vibe系のエフェクトなど、一台で幅広い用途に対応できる便利な一台です。
好みのセッティングを4種類まで保存しておけるメモリー機能やMIDIコントロール、インサート・ループなど、モダンなニーズに応える様々な機能が盛り込まれており、新世代のモジュレーション・ペダルを代表するに相応しいペダルといえるでしょう。
発売時期
2019年
回路
デジタル
電池駆動
単3電池 ×3
消費電流
225mA
BOSS MD-500
2017年7月に登場した「MD-500」は、BOSSの次世代デジタル・ディレイ「DD-500」と同様の設計思想を持ったモジュレーション・ペダル。
高性能DSPによって32bit/96kHzの最高音質を実現しており、他の追従を許さないハイエンド・モデルとなっています。
名機コーラスペダル「BOSS CE-1」や「Uni-Vibe」のサウンドを収録、コーラスだけでなくフランジャー/フェイザー/ビブラート/トレモロ/フィルター/リングモジュレーターなど12種類・28タイプのモジュレーション・サウンドを搭載、MIDIやUSBなど接続端子も豊富に用意され、徹底的に音作りを追い込むことができるようになっています。
BOSS MD-500 – Supernice!エフェクター
strymon Mobius
歪みから空間系まで、高品質かつ幅広いジャンルのペダルをリリースするstrymonのモジュレーション・マシンです。
12種類の揺れ系エフェクトを搭載し、スピード、デプス、レベルといった基本的なコントロールに加えて各エフェクトごとに固有のパラメーターが2つずつ用意されており、一台で幅広いサウンド・メイクが可能となっています。
コーラスのみに絞ってもアナログ・コーラスやクリアーなデジタル・コーラスなど5種類が搭載されており、他にもフランジャーやトレモロなど充実したラインナップです。
どのエフェクトもStrymonらしい高品位なもので、プリセット機能や外部機器による操作など、機能面でも非常に充実しています。
Strymon Mobius – Supernice!エフェクター
strymon Ola Chorus
Ola Chorusは、アナログコーラスのオーガニックなサウンドを再現したコーラス・エフェクター。
アナログ・コーラスの回路には欠かすことのできないBBD素子をDSPによって再現しており、そのサウンドはアナログ機との区別がほとんどできないほど高品位なものです。
また複数のコーラス・タイプが搭載されているのも嬉しいポイントで、ラック・エフェクターのようなマルチ・コーラスやビブラート・エフェクトも選択できます。
モードについても3種類用意されており、ピッキングの強弱にコーラスの強さが連動するENVモードなどユニークなものが搭載されています。
プリセットの保存/呼び出しなどの機能も搭載している、隙のないペダルです。
strymon Ola Chorus – Supernice!エフェクター
Free the Tone TA-1H
プロ・ギタリストのサウンドシステム構築/メンテナンスも担当する Free The Tone の多機能コーラス・エフェクター。
3つのコーラスをミックスし、一般的なステレオコーラスよりも広がりと深みのあるサウンドを生み出します。
自分の好みのセッティングは4つまでメモリ保存が可能、24bit AD/DAコンバーター内蔵による高解像度サウンドが魅力です。
Free the Tone TA-1H – Supernice!エフェクター
Universal Audio Astra Modulation Machine
プラグインやオーディオ・インターフェイスなどの製品で、近年存在感を高めているUniversal Audioからリリースされたモジュレーション・ペダル。コーラスのみならず、フランジャー/ダブラー、トレモロ、フェイザーなど、モジュレーション系のエフェクトを広く取り揃えたペダルです。
Universal Audio社のUADエフェクトはDAW界隈で高い評価を受けていますが、そのエフェクトを足元で運用する、というコンセプトのもと開発されており、スタジオのエフェクト・ユニットを使用しているかのような高品質なサウンドが売りです。
コーラス・エフェクトはBOSSのCE-1をモデルに作成されており、太く暖かなあの伝説的なトーンが高い解像度で忠実に再現されています。
実機のCE-1は専用のアダプターが必要であったり、ヴィンテージ機材であるという性質上運用方法やメンテナンスにも気を使わなければいけませんが、本機であればそのような心配も皆無です。
VIDEO
レビュー記事:
《スタジオ品質、濃密で重厚なサウンド》Universal Audio UAFX Pedalシリーズ
コーラスの応用的な使い方
基礎と機材の話を踏まえたところで、今度は応用テクニックに目を向けてみましょう。
コーラスエフェクトは単独で使うだけでなく、他のエフェクトと組み合わせたり、セッティングを工夫することで多彩なサウンドメイクが可能です。
歪みとの組み合わせ方
コーラスと歪みエフェクト(オーバードライブ/ディストーション)の併用は、ロックギターにおける定番中の定番です。
まずクリーントーンでは、コーラスは最もポピュラーな使い方です。アルペジオに薄くコーラスをかければ、一気にブライトで煌めくクリーントーンが得られます。
The Police「見つめていたい(Every Breath You Take)」
イントロのクリーンにコーラスをかけたアルペジオはまさに“あの感じ”と言えるサウンド
ディストーションやハイゲインの領域では、コーラスを乗せると音像がボヤけてしまう危険がありますが、ごく薄いコーラスをかけることでリードトーンに艶と広がりを加えて、存在感を放つという使い方があります。
Deftones – Digital Bath [Official Music Video]
静と動を行き来する楽曲。Vo/Gt チノ・モレノ氏のギターは、「静」の部分でのコーラスサウンドが一層存在感を放ちます。楽曲によっては「動」のヘヴィなディストーション部分でもコーラスをかけたようなサウンドを聞くことができます。
空間系との相乗効果
コーラスエフェクトは空間系エフェクト(リバーブやディレイ)とうまくブレンドすることで、サウンドに立体感や深みが格段に増します。
コーラス+リバーブ。
クリーントーンなどでこの組み合わせを使うと、「幻想的な広がり」と言う言葉に相応しい音空間が得られます。
基本的なつなぎ順はコーラス → リバーブ(リバーブが後段)ですが、順番を逆にするという裏技的手法も存在します(リバーブの残響音だけにコーラス効果を加える)。深めのホールリバーブにコーラスを合わせれば、教会の中で鳴っているかのような神秘的クリーンサウンドが作れます。特にポストロックやアンビエント系では定石の組み合わせで、コーラスの揺れがリバーブの余韻と相まって神々しい奥行き感を生み出します。
コーラス+ディレイ
典型的な使い方として、クリーントーン+ディレイ+薄いコーラスは鉄板です。
接続順は通常通りコーラス→ディレイですが、ディレイ側に“モジュレーション機能”が付いている場合はそれを活用しても良いでしょう(近年のディレイペダルにはコーラス的な揺れをディレイ音に乗せるモードがあるものも多いです)。原音→ディレイ音がステレオでパンする場合は特に、ギター1本とは思えない広がりとリズムの心地よさが両立したサウンドになります。
以上、コーラス・エフェクターの使い方からおすすめモデルまで見ていきました。デジタルとアナログで音の傾向に違いがあり、好みが分かれるところです。ハイエンドなモデルでは大容量の電流が必要となるため、専用アダプターやパワーサプライの導入もよく考える必要があります。是非好みのペダルを探してみてください。
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