エレキギターの総合情報サイト
HISTORYの主軸となる基本モデル「THシリーズ」は、トラッドなスタイルを踏襲したギター本体に
という仕様を織り込んだラインナップです。一般ユーザーが手に届くような価格帯でありながら、プロミュージシャンの要求に無改造で応じることのできるポテンシャルを持っています。
THシリーズのレスポール・タイプは、レスポール・スタンダードタイプとレスポール・カスタムタイプの2機種がリリースされています。レスポール・カスタムタイプのTH-LCはすでにたっぷりチェックしたので、ここでは2機種の相違点をチェックしてみましょう。
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TH-LSを…
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TH-LC | TH-LS | |
ヘッド角 | 14度 | 18度 |
指板 | エボニー指板
1フレットからのブロックインレイ |
ローズウッド指板
3フレットからのトラペゾイドインレイ |
ピックアップ | FH-4D(セラミック) | FH-10D(アルニコ2) |
GOTOH製ペグ | ロトマチックタイプ | クルーソンタイプ |
意匠 | ボディ、ネック、ヘッド、ピックガードにバインディング。ヘッドに「Dignity(尊厳)」のインレイ。ゴールドパーツ。 | ボディとネックにバインディング。ヘッドインレイ無し。ニッケルパーツ。 |
表:TH-LCとTH-LSの違い
それぞれが伝統的なスタイルを尊重しながら、サウンドにも弾き心地にも違いがあることが分かります。現代的なロックサウンドを志向するTH-LCに対し、TH-LSではヴィンテージサウンドを意識したピックアップが採用されていることから、やや出力を抑えめにしピッキングニュアンスが活きるサウンドです。なお、近年軽いギターが好まれる傾向がありボディ内部に穴をあけて重量を調整してあるギターも多くみられますが、HISTORYではサウンドを重視し軽量化を目的とするような調整は非採用となっています。
HISTORYのSGタイプは「スモールピックガード」を採り入れ、本家ギブソンで言う1961年モデルのSGスタンダードをイメージした1機種がリリースされています。TH-SG最大の特徴は、
「マホガニー+ヘリテイジウッド+マホガニー」
という3層構造のネックです。3Pネックの芯にヘリテイジウッドを設けることで、ネックの剛性を上げ、またマホガニーネックの個性も拾いつつヘリテイジウッドの影響もサウンドに反映させるアイディアです。これにより芯のあるサウンド、豊かなサスティーン、芳醇な中低音域の3つが両立します。
ピックアップに採用されている「FH-1D」は、「アルニコ3」を採用しています。アルニコ3は出力が小さく、そのぶんピッキングニュアンスがくっきりと出ます。また中域が豊かに鳴りますから、特に中音域の押し出し感が持ち味のSGというギターには理想的なピックアップだと言えるでしょう。なお、このモデルにコイルタップはついていません。
ピックアップの磁石の種類、交換方法について
TH-SGを…
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セミアコは定番機ES-335をイメージした1機種がリリースされています。こちらは上記「TH-SG」同様、「マホガニー+ヘリテイジウッド+マホガニー」という3層構造のネックに加え、セミアコの心臓部「センターブロック」にもヘリテイジウッドが使用されています。
ピックアップは「TH-LS」同様、アルニコ2を使用した「FH-10D」が搭載されます。パワーを抑え気味に設計したハムバッカーはピッキングへの反応が良く、ギター本体のキャラクターをサウンドに反映しやすいというメリットがあります。フロント・リアそれぞれのトーンポットにスイッチが仕込まれており、各個にコイルタップが可能です。
TH-SAを…
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TH-SV/R
TH-SV/M
HISTORYのストラトキャスター・タイプはネックにヘリテイジウッドを採用しており、抜けが良く深みのあるサウンドが持ち味です。THシリーズからは、ローズ指板モデルとメイプル1Pネックモデルの2機種がリリースされています。
「TH-SV/R、TH-SV/M」両モデルは
という基本仕様に
という個性を付加しています。
ハイポジションの演奏性を高める「ファストアクション・ジョイント」は、実は単なるヒールカットではなく、6弦側を通常より深くジョイントし、1弦側に向けて斜めのカットがなされています。1弦側をより弾きやすく、6元側はより力強い低音が出るような独自のジョイントです。
両機に共通して備えられるシングルコイルピックアップ「RVS-2」は、バランスよい和音と高域でも存在感のある単音を両立させることを目指す、HISTORYオリジナルのピックアップです。「ランダムポールピース」を採用しており、ヴィンテージギターの雰囲気を感じさせます。しかしそのポールピースの高さは単にヴィンテージのコピーではなく独自に設定されていて、各弦の出力バランスがしっかりと取られています。
TH-SVを…
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テレキャスター・タイプでは、メイプル指板モデルに1機種、ローズウッド指板モデルに2機種がリリースされています。3機種とも伝統的なテレキャスターの様式をふまえたトラッドな雰囲気を守りながら、現代の音楽シーンで使いやすいアレンジが施されています。
「TH-TV/M、TH-TV/R、TH-TC/R」3機種は共通して
という特徴を持っています。
シングルコイル「RVT-1」は、力強いカッティングを可能とするリア、甘くふくよかなリードを可能とするフロントの組み合わせです。ボリュームに標準装備されていた「ハイパスコンデンサー」は、ボリュームを絞っても音がクリアなまま曇らないので、特に真空管アンプでは、透明感あるクリーンから小気味よいクランチまでコントローラブルです。チタンサドルはアタックとレスポンス、豊かな中音域と分離の良さに定評があります。TH-TC/Rではアルダーボディのトーンキャラクターに合わせ、レスポンスに優れる小径サドルが採用されています。高さを調節するネジは振動伝達に優れるステンレス製で、さびにくく安心です。
TH-TVを…
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では、3機種のキャラを決定づける相違点を見てみましょう。
TH-TV/M | TH-TV/R | TH-TC/R | |
ボディ構造 | ライトアッシュ2P | ライトアッシュ2P | アルダー2P |
ネック/指板 | ソフトVシェイプ、メイプル指板(ネックと一体) | Uシェイプ、ローズ指板 | Uシェイプ、ローズ指板 |
意匠 | ナチュラルカラー、単層ピックガード | ブロンドなど4色、3層ピックガード | サンバーストにボディバインディング、3層ピックガード |
表:テレキャスタータイプ3機種の相違点
3機種とも電機系は共通ながら、木部に大きな違いが設けられていることがわかりますね。
ストラトタイプ(TH-SV/R、TH-SV/M)、テレキャスタータイプ(TH-TV/M、TH-TV/R)ともに、サウンドに直結する仕様としてはネック&指板以外が共通しています。ですから
と一般的に言われていることの真偽を実際に確認し、自分にとってどちらが必要なのかを検証することができます。これからエレキギターを深く知っていこうと考える人にとって、全国に広く展開している量販店でこの検証ができるのは大きなメリットだと言えるでしょう。指板に使用されるローズウッドは美しい外観とふくよかな倍音が魅力ですが、そのローズウッドに関して国際間の商取引が厳しくなっています。HISTORYでは規制以前に仕入れられた材料を使用、かつ国内販売を前提とするブランドであるため、現在でもローズウッド材を使用したモデルが購入できる点は大きな魅力です。
THシリーズを出発点としたコンポーネントオーダーも可能です。国産のクオリティ、ヘリテイジウッドとサークル・フレッティングシステムを併用した戦力を持ち、かつ自身のこだわりを注いだオリジナルギターを作ることができるわけです。
近年、お子様の習いごとにエレキギターを検討するお父さんお母さんが増えている傾向にあります。しかし幼児の音楽教育にふさわしい
を兼ね備えた小型のギターを探し当てるのには、かなりの苦労を強いられます。音楽教室にも力を入れている島村楽器はこうした現状から、「幼稚園生くらいから触れることのできるエレキギター」というコンセプトでミニギターを開発しています。幼いお子さんを抱える若いご両親にとっては決して安い買い物ではありませんが、弾きやすくピッチが正確な楽器であればこそ、幼児教育という使命を全うするに足るエレキギターだと言えます。
単なるミニギターではなく幼児教育用ギターとして開発された本機は、幼稚園生から小学校中学年ぐらいまでの使用を想定し、キッズのレッスンを担当する講師との打ち合わせを重ね、金属パーツを含むあらゆる寸法を子供の身体や手の大きさに合わせています。
といった特徴を持ち、小さなお子さんが力いっぱいガンガン弾いてもちゃんと正しい音程が得られる性能を持っています。
シンガーソングライターMayu氏監修の元、HISTORYとKAMINARI GUITARSのコラボレーションにより、まったく新しいギターが生まれています。サウンドや演奏性に加え、選択の幅が広いポップなカラーリングが評価され、若手アーティストを中心に愛用者を増やしています。
ヘッドの先からボディの端までオリジナルシェイプで仕上げたCYGNET(シグネット。白鳥の雛鳥の意)は、ライブステージで頼りになる軽さと弾きやすさ、ディマジオ社製ミニハムバッカーとボディ直付けアルミテールピースの組み合わせによるキレの良さ、ロックバンドの音圧の中を突き抜けるサウンドが持ち味です。
ヘッド形状だけを取っても
というように、オリジナルシェイプだからこそできるさまざまな工夫が凝らされています。
KH-CYGNETを…
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HISTORYでは、様々な限定モデルも企画されます。限定モデルでは、その企画力や提携工場の生産力を活かし、単なる限定カラーにとどまらない、カタログモデルとは異なるアプローチのギターが作られます。
50本限定で生産された渡辺香津美氏のシグネイチャーモデル「タイドウォーター」は、
という特徴を持ち、生産された50本は全てが渡辺氏のチェックを受けた上で出荷されています。ジャズを中心に幅広いジャンルをカバーできるTidewaterは、島村楽器のオリジナルブランド「RYOGA(リョウガ)」の「CICADA(シカーダ)」に受け継がれています。
島村楽器が新たに提唱する「Rugged(ラギッド)仕上げ」は、新品のピカピカ感や、逆にレリックのくたびれた感じが苦手、というちょうどその中間が欲しいという人に向けた控えめなエイジド加工です。ちょっとくすんだ金属パーツ、やや使用感のある塗装面によって落ち着いた印象が演出されます。
控えめなエイジドを施したRHシリーズは、基本モデルTHシリーズの基本設計を踏襲した5機種がリリースされていますが、ヘリテイジウッドとサークル・フレッティングシステムは非採用となっており、価格も控えめになっています。
国際条約によって今後の入手は困難だが、今のところ在庫をしっかり確保しているというインディアン・ローズウッドをどーんと大放出し、一生もののプレミアムなギターを作ろう、という企画により「プレミアム・ヒストリー」シリーズが誕生しました。ローズウッドをネックに使ってしまうという設計は超高額モデルに散見する贅沢なものですが、30万円台のギターにこの仕様が採用される例は極めて稀で、同仕様モデルがリリースされることは二度とないだろうと言われています。
両機ともに、希少なインディアン・ローズウッドと強固なブビンガを重ねた5層ネックで、サークル・フレッティングシステムに加え、ローポジションの250Rから最終フレットの350Rまで指板Rが変化する「コンパウンド・ラジアス指板」が採用されています。
またバックロック式のロック式ペグが採用されており、チューニングの安定に加えて弦交換の時間短縮が期待できます。
SSHストラトタイプの「PH-RS1/SSH」はアルダー2Pボディで、リアピックアップにはセラミック磁石を使った「FH-4D」が採用されています。テレキャスタータイプの「PH-RT1」は、演奏時のフィット感を良くするエルボーカットとバックコンターを施したライトアッシュ2Pボディで、テレキャスター・シンラインをイメージさせるピックガードを備え、フロントにはソープバーP-90タイプのピックアップが備えられています。両機とも現代的な音楽シーンでしっかり活躍できる仕様にアレンジされています。
以上、島村楽器がプロデュースするギターブランドHISTORYに注目していきました。取り扱う店舗が日本のあちこちにありますから、検討や購入だけでなく、買ってからのメンテナンスにも有利です。専門の技術者を擁する「ギターリペア工房」が国内に2拠点あり、全国からのリペアや改造の要望に対応します。しっかりとしたギターを長期的に良い状態で使用できるのは大きなメリットになりますから、ぜひ検討してみてください。
※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています。
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