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フェンダーのストラトのリアPUをセイモアダンカンのSH-4BJに変えたいのですが元々のPUがシングルの場合ザグら無いとダメですか?ダメな場合は素人でもできますか? – (2012/5/17)10~19歳 男性(高校生・中学生・小学生)
SSHのピックアップのレイアウトで、どうしても発生してしまうシングルとハムバッカーの音量差を上手く調整、コントロールする方法、アイディアをご教授いただけると嬉しいです!! – (2016/10/16) 46歳 Wabisukeさん(男性)
ストラトキャスターにSH-4 JB、いい組み合わせですね~!!ピッキングのタッチまで拾ってくれるパワフルで敏感なピックアップなので、同じくニュアンスを大事にするストラトとは相性が良い組み合わせです。
SSH配列は一台のギターでシングルコイルの繊細さもハムバッカーのパワーも手に入れることができる多機能な配列です。しかし異なる種類のピックアップを載せることで、気をつけるべきこともありそうです。今回はこの「SSH配列」をテーマに、いろいろ考えてみましょう。
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1: SSH配列とは?そのメリットは? 1.1: 「SSS配列」派の意見 2: SSH配列にしてみよう!と思った時に… 1.2: リアのシングルコイルをハムバッカーに換装するやり方は? 1.3: リアにあらかじめザグリが入れてあるSSS配列ストラトがある? 1.4: どう整える?「音量差大きすぎ問題」 1.5: SSH配列にお勧めのハムバッカーは? 3: ギター博士のSSH配列ストラト・タイプ 4: SSH配列のフェンダー・ストラトキャスター 4.1: USA製ストラトキャスター 4.2: MEX(メキシコ製)ストラト 4.3: ジャパン製ストラト 4.5: Squier のSSHストラト 5: フェンダー以外のSSHストラトタイプ
「SSH配列」とは、フロントとセンターがシングルコイル、リアがハムバッカーになっているピックアップ配列のことです。フェンダーではこれを「HSS」と呼んでいますが、ヘッドが右側になるカタログ写真ではリアのハムバッカーが左側になることを考慮したと考えられます。
図:フェンダーの「HSS配列」
AMERICAN PROFESSIONAL STRATOCASTER HSS SHAWBUCKER
もともとは
というように「一台のギターには同じタイプのピックアップが載せられる」のが普通でしたが、「ナイトレンジャー」のブラッド・ギルズ氏が人気を博すようになってからというもの「ストラトキャスターのリアにハムバッカーを載せる」という改造が大流行します。
Night Ranger “Don’t Tell Me You Love Me” – Live (Official)
アーミングを語らせたら右に出る者はいない「アーミングの鬼」ブラッド・ギルズ氏のトレードマークは、氏の名を体で表した深紅の改造ストラトです。フェンダー・ストラトキャスターをベースに自ら組み上げたものだそうで、ボディの赤は日産フェアレディZのものを使用しているのだとか。フロイド・ローズ氏自らが製作したと言うFRTを備え、リアをハムバッカーにし、フレットを継ぎ足し、ブースターを内蔵させるなど数々のカスタマイズが施されています。黒いネックとの対比が個性的ですね。
ストラトの演奏性とハムバッカーのパワーが共存した新しいギターは「スーパーストラト」と呼ばれました。リアのハムバッカーは「オーバードライブ」や「ディストーション」との相性がたいへん良好です。SSH配列のスーパーストラトは、こうしたサウンドが重視されるロックやハードロックといった分野において極めて重要な地位を占めていきます。また、シングルコイルの繊細な音とハムバッカーのパワフルな音の両方が一台のギターで使えることから、録音を生業(なりわい)とするスタジオミュージシャンにとって大変に便利な楽器となり、ロック以外の分野でも広く受け入れられていきました。
演奏内容に応じて適宜ピックアップを切り替えるのが、SSH配列の代表的な使い方です。カッティングやアルペジオなど繊細なサウンドが求められるプレイではフロントやセンターのシングルコイルを使用し、ドライブを効かせた太いソロやパワーコードのバッキングをリアのハムバッカーで行います。これにエフェクターを組み合わせることで、たいへんバリエーション豊かな音色を出すことができます。また、リアのハムバッカーをメインに使用しながら、繊細なトーンが必要になった時にアクセント的にフロントやセンターのシングルコイルを使用するという使い方も、いっそのことリアのハムバッカーしか使わないというのもアリです。
SSS配列では、リア・ピックアップは斜めに配置されている
ストラトキャスターのリアピックアップは、「スラントマウント(斜めに配置)」されています。高音弦側をブリッジに近い位置に合わせ、低音弦側をブリッジから遠ざけることで、高音弦をシャキっと立たせ、低音弦はバリバリ言わせ過ぎないというバランスがとられているわけです。SSHのリアハムバッカーは通常ではブリッジと平行に配置されるため、このバランスにはなりません。
リア用ピックアップをフロントに搭載するとどうなる?
そのルックスも大きなポイントです。SSH配列は80年代以降のロック/ポップス系、またはスタジオミュージシャンのイメージが伴いますから、それ以前の時代を意識したルックスを好むギタリストはやはりSSS配列を選ぶようです。ロックを中心に幅広いジャンルを演奏するギタリストのストラトにはSSHが良く似合いますが、ブルース系のギタリストが抱えるストラトには、やはりSSSが良く似合います。
また「シングルコイルとハムバッカーの音量差(後述)」に使いにくさを感じるというギタリストも一定数いますから、いまだSSS配列には根強い人気があります。
SSHの最大のメリットは太くて力強いサウンドを生む「オーバードライブ/ディストーションとの相性が抜群」なことで、硬質でありながら太くて力強いリードトーンやパワーコードは、リアハムバッカーでなければなかなか得られないサウンドです。
ですが反対に「ファズとの相性が悪い」と感じるギタリストは多く、ジミ・ヘンドリクス氏に代表されるような、ファズを活用するスタイルのギタリストにとってはSSSの方が使いやすく感じるようです。
備考:多くのファズは、ギターのボリュームを全開にした時に最大のゲインが得られる半面、ボリュームを絞ったときには一気に細い音になるように設計されています。ファズは常時ONで、ギターのボリュームを絞ってコードをかき鳴らし、ソロの時にはボリューム全開で太いサウンドを得るという使い方ができるのですが、ハムバッカーではパワーがありすぎてなかなか細い音にならないということがあります。ハムバッカーでファズを使用するときには、必要な時にファズをONにします。
また、ソウル/ファンク風にシャープなカッティングをしたい、という時に特に効果を発揮する「リア+センターのハーフトーン」は、シングルコイル同士の方が良好な音がすると考えられています。
このようにリアのシングルコイルが必要性となる場面はたくさんあり、これを重視するギタリストはSSS配列を好んで使用するようです。これに対応するため、ハムバッカーの片側だけを作動させてシングルコイルとして使用する「コイルタップ」によってシングルコイルサウンドを出せるようにするギターが多くリリースされています。コイルタップを利用すれば、SSH配列のギターでもSSS配列として使用できるというわけです。
コイルタップって何?コイルタップできるエレキギターについて
コイルタップによってシングルコイルの音が出るのなら、どのストラトもSSHにしてしまえばいいじゃないか、とも思えますが、なかなかそうもいきません。昨今ではコイルタップ時のサウンドも考慮して設計されたハムバッカーが多く作られていますが、音にこだわるギタリストの中には「コイルタップの音とシングルコイルの音は違う」と感じる人も多くいるようです。
SSH配列にしたい!そう思った時には、どのような選択肢が存在するのでしょうか。SSH配列にするやり方と、その時に生じる問題点など見ていきましょう。
リアのシングルコイルをハムバッカーに交換するための最大のハードルが「ザグリ(座ぐり)」加工です。ピックアップキャビティがシングルコイルのサイズに合わせてある場合、ハムバッカーがうまく収まるようにピックアップキャビティを拡大するという加工がどうしても必要です。
ギターのピックアップで音は変わる?
シングルコイルをハムバッカーに交換するためのザグリが必要なギターに対して、あらかじめハムバッカー用のザグリが施してあるストラトも存在します。手持ちのストラトにこのようなハムバッカーサイズのザグリが施してあった場合、ピックガードの加工だけで比較的簡単にピックアップの交換ができるのです。
こうしたハムバッカー用のザグリはギターの改造にとって大変有利な設計ですが、本来「SSS機、SSH機、HSH機、HH機といった異なるピックアップ配列用のボディ加工を一本化し、工程や製造物管理を合理化する」ということを狙った設計なのであって、改造のしやすさを考慮したものではありません。例えば全てのボディにHSH配列のザグリを施しておけば、SSSでもSSHでもHSHでも、通常考えられるあらゆるピックアップ配列のストラトを作ることができますし、出来上がったボディの在庫管理もしやすくなるというわけで、製品の低価格化にも大きく貢献する設計です。
ピックアップキャビティ加工を合理化した究極の完成系が、「弁当箱」と呼ばれる加工方です。これはフロントからリアまでを包み込むような大きな長方形の穴を空けてしまうというもので、理論上どんなわがままなピックアップ配列も可能となり、電池やプリアンプなどの電気回路を収めることもできるというメリットがあります。またボディ重量が若干軽減されるのも、ひとつのメリットです。「こんなに大きな穴をあけてしまって、大丈夫なのか?」と心配する人も多くいるようですが、弁当箱のストラトの音を聞き分けることはほぼ不可能なことからサウンド面のデメリットは無く、「弁当箱だからボディが割れた」という例がほぼ無いことから剛性の心配もありません。弁当箱には「安く作る設計」というイメージが付きまとうものですから「開けてみたら弁当箱でがっかりした」という話もよく聞きますが、音にも剛性にも影響がなく、軽くて安くて改造がしやすい、というメリットに注目しましょう。
こうした大きめのザグリは「そのメーカーの各モデルのピックアップを収めるための深さ」になっているのが普通で、あらゆるピックアップを収めることができる充分な深さだとは限りません。ピックアップ本体の寸法には統一規格がなく、コイルやマグネットのサイズの違いからピックアップ本体の高さ、すなわちピックアップキャビティに必要な深さに違いが出る場合があります。ハムバッカーを収めたが、ボディから飛び出してしまったということもあり得ますが、その場合は穴を深くしたりつっかえている所を削ったりする加工が必要になります。
ただし、ギターは製造時の姿で使用されることを前提に流通され、後から改造されることまでは想定していません。そのためもあり、どのモデルにHSH配列のザグリが施してあり、どのモデルが弁当箱なのか、といった公式な情報は公開されていません。商品を分解するわけにもいきませんから、お店に問い合わせてもハッキリとした答えが返ってくることは期待できません。「このモデルはかつて弁当箱だったが、HSH配列のザグリに仕様変更された」というような話は散見しますが、自分のギターにどのようなピックアップキャビティがあけられているのかは実際にピックガードを外してみないと分からないのです。一般的にはハイエンドモデルのザグリはピックアップに合わせており、標準的なモデルや手に入りやすい価格帯のものはHSHまたは弁当箱になっていることが多いようです。シングルコイルをハムバッカーに交換しようと思ったら、弦交換などの際にピックガードを外してみてください。ハムバッカーサイズのザグリが施してあったらラッキーです。
ストラトキャスターと同様の感覚で扱えるうえにサウンドバリエーションが増強されているSSH配列ですが、シングルコイルとハムバッカーの音量差が大きいことを懸念する人も多くいるようです。最初からSSH配列としてリリースされるギターの場合にはシングルコイルの音が小さくなりすぎないように、あるいはハムバッカーの音が大きくなりすぎないように、3つのピックアップのバランスを考慮した組み合わせが選択されるのが普通です。しかしハムバッカーは二つのシングルコイルを直列につないでいるためパワーは倍増していますから、どうしても音量差ができてしまいます。シングルコイルは高め、ハムバッカーは低めに高さ調節を施すことである程度の対処はできますが、それぞれのピックアップの個性を活かしたセッティングになるとは言いにくいですね。
SSH配列は演奏内容に応じてピックアップを使い分けるためのものですが、カッティングやアルペジオはシングルコイルでクリーントーン、ソロやパワーコードはハムバッカーでオーバードライブやディストーションをかける、といったようにエフェクターも絡めて使用することが多くみられます。エフェクターごとに音量を設定したり、ボリュームペダルで音量調節したりといった工夫によって、各ピックアップの音量差を制御するわけです。
あまり神経質な音量調節はしたくないという人には、クランチ程度の軽い歪みを基本の音色にするのがお勧めです。歪ませることでピックアップごとの音量差がゲインの差に転嫁されますから、音量差をいくらか抑えることができます。
しかしソロ中に頻繁にピックアップを切り替えるようなギタリストは、切り替えた時の音量差がなくなるようにSSSやHSH配列のストラトを使用するのが普通です。いっそのことフロントもハムバッカーにしてしまう、曲中でのピックアップ切り替えはしない、というのも音量差の対処法としては大いに有力です。
手持ちのストラトにハムバッカーを載せて、SSHにしたい!しかしどんなハムバッカーを選べばいいのでしょうか。「SSH配列に適した定番のピックアップ」というものがあるんでしょうか。
SSH配列での使用を考えるのなら、一般的には「あまりハイパワーすぎないもの」が使いやすく、理想的だとされています。シングルコイル/ハムバッカーの音量差がありすぎないほうが、どんなスタイルの演奏でも各ピックアップを活かしやすいというのがその理由です。
とはいえこれはあくまで一般的な話で、自分のギターでどういう音を出したいかが定まっているという人は、発想の翼を自由に広げてみてください。こうした改造は「他の人にどう見られるか」よりも「自分の理想にいかに近づけるか」のほうが遥かに重要なのであって、たとえ一般的な方法論から外れていても自分が理想とする組み合わせであればそれでオッケー!なのです。
「リアハムで極悪の超歪み、シングルコイルで澄みきったクリーンやクランチ」と考えるなら、リアに選択するハムバッカーは超ハイパワーなものがベストだし、むしろシングルコイルをぐっと低出力なものにすれば、ピックアップのセレクトによってサウンドのキャラクターをガラリと変化させることができますね。逆にシングルコイルをシェクターの「モンスタートーン」に代表されるハイパワーなものにすれば、パワフルなハムバッカーを載せても音量差はそれほど広がりません。現在ではいろんな会社から様々なピックアップがリリースされており、「どれでも好きなものを選んで使えばいい」というのがあくまでも基本中の基本です。
一般的に「良い」とされているものは承知の上で、ぜひ自分に100%フィットする理想のハムバッカーを見つけ出してください。音にこだわりぬくギタリストは、いろんなピックアップを買っては試し、買っては試して理想の一個にたどりつくと言います。現代は大変便利な時代で、さまざまなピックアップを試奏する動画を観ることができますね。動画を視聴することでそのピックアップを取り付けたギターがどんな音をしているのかを確認することができますが、自分のセッティングのギターで、自分のピッキングで、自分のアンプやエフェクターで、そのピックアップが実際にどんな音になるのか、どんなリアクションをするのかは、それを自分がどう評価するのか、取りつけてみないと分かりません。まずは公式サイトの説明や愛用者のレビュー、使用しているアーティストのサウンドなどから絞り込んでみてください。あまり深いこだわりが無ければ、最初の一個で満足できることが多いようです。
Seymour Duncan Pickups – Pearly Gates (Bridge)
セイモア・ダンカン公式チャンネルで公開されている製品の試奏動画。このような資料をもとに、理想のピックアップを探しやすくなっている、良い時代です。
ギター博士が動画で数多く弾いているのが Sadowsky ブランドによるSSH配列ストラト・タイプのギター。SSH配列ギターのどんなところに魅力を感じているのか、本人に語ってもらいました。
ワシのSSH配列のギターには、
フロント/センター:Suhr ML Classic
リア:Suhr SSV
を載せておる。
リアのハムバッカーはヴィンテージ・タイプのローパワーなもので、フロント/センターから切り替えた時に少し音量が上がる感じでセッティングしているんぢゃ。
SSS配列の場合だと細くなりがちなリアのクランチサウンドも、SSH配列のリア・ハムだと太くハードにドライブさせることができるゾ。
そしてノイズの少ないハムバッカーなので、ヘヴィなドライブ・サウンドでもタイトかつローノイズにプレイできる(休符の時にノイズが少ない)のもメリットぢゃのぅ。ストラト(・タイプ)でも、リア・ピックアップによるアグレッシブなリフから、太いリードサウンドまでカバーできるので、ワシは気に入っておるゾィ♫
オーバードライブとディストーションを比べてみた
次のページでは最初からSSH配列で販売されているストラトキャスターについて紹介していきます。
SSHストラトを…
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