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楽譜に頼らず、音源を聴いてコピーすることを「耳コピ(耳コピー」)と言います。
耳コピは、
という大きな利点を持っているコピー法です。
またコピーした内容を採譜する(譜面におこす)ことで、「リズムを正確に把握したり譜面の書き方を覚えたりできる」というおまけがつきます。
一般に販売されている楽譜は、アーティストが書いているわけではありません。こうした譜面は、出版社の採譜スタッフや外注されるミュージシャンの耳コピによって制作されます。
何より、
「聴けば判る」
って、とてつもなくカッコイイですよね!
というわけで、ここでは耳コピの方法やコツについて、代表的なものをまとめてみました。
バリバリ耳コピして、かっこいいギタリストになってください!
「音楽の三要素」は
と言われ、最近では4つめとして「サウンド」を追加する考え方があります。
これをふまえて耳コピでは、
を、耳(と知識)を頼りにコピーしていきます。
「耳コピ」を簡単にまとめると「聴いて覚えたものを弾く」ということになりますが、もう少し突っ込んでまとめると、以下のようになります。
全てが重要なのはもちろんですが、特に「2)と3)がどれだけのレベルでできるか」が、コピーの精度を左右します。初心者なら「ここは○弦○フレットの音だ」とか「ここのコードは○だ」といった「音程の情報」が導き出せただけでも大金星です。レベルが上がってくると「運指の関係上、この音はここのポジションだ」とか「ピッキングの強さはこのくらい」といったダイナミクス、またぐっと溜めたり勢いよく走ったりといったタイミングなど、譜面に書きにくいところまで活きたニュアンスを高い精度でコピーできるようになります。
では、実際にはどんなことをするんでしょうか。ここでは初級から上級までのレベル別に分類してみました。
「耳コピ」ですから、聴くのが第一です。しかし聴きとりたいパートがどんな演奏をしているのか、そもそもギターの音はどれなのか、最初はそれを聴き分けるだけでも苦労するかもしれませんね。「多くのパートが同時に鳴っている音楽の中から、目的の音を聴きとる」ということですから、これだけでも慣れや練習が必要です。しかし、やっていればだんだんできるようになってきます。
精度の高い耳コピは「頭の中でくっきりとイメージできるまで聴く」と言われます。しっかり聴けるようになると、イメージできるまで聴く回数も減らすことができ、能率を上げることができます。
ギターの練習でも、歌うのはとても重要です。覚えた音を声に出して歌ってみると、イメージしていた音が実際の音になります。イメージの音とギターの音を一致させるよりも、自分の声とギターの音を一致させる方がはるかにはかどります。
ギタリストは特に、ヴォーカルとベースも聴けると耳コピがはかどります。歌メロを拾うとその曲のキーやスケールが分かり、ベースの音は主にコードのルートを弾きますから、コードやスケールを類推しやすくなります。
コードの構成音・成り立ちを理解しよう!
以上、初級編を紹介しましたが、ギターを耳コピするのに具体的にどういった方法があるのかを紹介してみます。
耳コピの第一歩。ギターの単音フレーズのコピーです。ギターソロだけでなく曲中に登場する単音フレーズも耳コピしてみて下さい。ギターによるオクターブ奏法も比較的コピーしやすいです。
パワーコードは、ほぼベースと同じ音程を動くフレーズが多いので、単音が耳コピできる人なら練習次第ですぐにできるようになると思います。ハードロック・パンクロック・ヘヴィメタルなどの音楽では、これでもかというくらいにパワーコードが登場します。それらの楽曲をコピーすることで、パワーコードの使い方の定石というものを理解することもできます。
【ハモリ】とは主旋律に対して3度・5度などの音階で音を積み重ねていく方法です。
ハードロック・ヘヴィメタルでは、ギタリストがギターソロを華々しく披露します。ポールギルバートやイングウェイ・マルムスティーンなど技巧派と呼ばれるギタリストはクラシックの影響を受けたアーティストが多く、ギターソロをハモリで演奏していることが多々あります。つまり2本のギターソロが同時に鳴っている状態ですね。
この「ハモりのギターソロ」は単音のギターソロよりも注意深く耳を傾けないと音程がとれないので耳コピ難易度は高いですが、和音の理解にも繋がり、コピーできた2本のギターを自分で重ねて録音・聞いたときの爽快感は格別。
練習としては最適だと思っています。
単音・ギターソロなどがコピーできるようになれば、やや遅いテンポでのアルペジオのコピーに挑戦してみましょう。アルペジオをコピーすることでコードの理解にも繋がりますし、楽曲の展開を理解することもできます。
例えばアコースティック調の楽曲などがいいかもしれません。
レッド・ツェッペリンやブラック・サバスなど70年代ハードロックバンドの楽曲のなかには美しい旋律のアルペジオが登場します。
また80年代後半のニューウェーブ期には、The Smithのジョニー・マー氏、国内ではバービーボーイズの”いまみちともたか”氏など、ヴォイシングを利用してさらに洗練されたアルペジオを奏でるロックバンドが登場、耳コピのやり甲斐MAXです。
ストロークでジャラーンと鳴らされるコード、カッティングでの和音など、2音以上同時に鳴らされる「和音」をコピーします。
ここまでできるようになると、楽曲を聞きながらその場ですぐにコピーできたり、次のコード進行を予想することが可能になります。
はじめは音の高さや長さを聴きとるだけでも十分なのですが、そこからさらにもう一歩前進して、音源のニュアンスまで完全コピーしてみましょう。
一言で「音程」と言っても、
など譜面には書きにくいニュアンスがあります。
またギターは右手(ピッキングする方の手)のタッチで音色が変化しますが、
といったところに音色変化のポイントがあります。こうした細かいところまで完全コピーできると、棒読みのような演奏から脱却した、活きた演奏のニュアンス付けを学ぶことができます。
音楽理論の知識は、耳コピに強力なサポートになります。音源がどんなスケールで演奏されているか、またどんなキーなのかが分かると、
「ベースの音がGなんだけど、このコードはG?Gm?GM7?G7?Gdim?Gaug?」
のように悩むことなく、
「ベースの音がGなんだけど、キーはCだからこのコードはGかG7だな」
のようにだいたいどういった音遣いなのか、またどういったコードが使われるのかを一気に絞り込むことができるのです。
メジャー・ダイアトニック・コード
ちょっと聴きとりにくい音だと「5フレットかな?6フレットかな?」などと迷うこともありますが、スケールの知識があれば「この曲はCメジャースケールだから、3弦の6フレットは無いな」といったように答えを類推することができるわけです。
ギターの定番フレーズやよくあるコードの弾き方など「定番」のもののほかに、
といったジャンルにおける一般常識、
といったアーティストの傾向などの知識を積み上げておくと、よりスムーズに耳コピすることができます。
アナログ時代のミュージシャンは、
という状況下で耳コピをしていました。この時代は「いかに早く正確に聴きとるか」というリスニング能力を鍛え上げることこそが耳コピの王道でした。
現代では音楽はデジタル化されており、何百回聴いても音質が落ちません。耳コピにはとても好都合ですが、だからといってとにかく聴きまくるだけではなかなかうまく耳コピすることはできません。より効率のよい聴き方、またより聴きとりやすくなる方法を知っておくと、もっとスムーズに耳コピすることができます。
「自分の楽器はキッチリとチューニングする」が耳コピの鉄則です。オクターブチューニングもしっかり合わせておきましょう。音源で鳴っている音と同じ高さの音を出さなければ、ちゃんと耳コピできたか判定できないからです。普通のチューナーでも充分ですが、高精度なストロボチューナーを使用するといっそうはかどります。
初級/中級/上級別、オススメのクリップチューナー
しかし、楽器をチューニングするだけではうまくいかないこともあります。曲自体がちょっと高かったり、また低かったりすることがあるのです。この場合、チューナーの「CALIB(キャリブレーション。基準音)」を標準の「A=440Hz」から上下させたり、アプリで曲のピッチを上下させたりする必要があります。
Oasis – Don’t Look Back In Anger
ギターのチューニングをピアノの調律に合わせたり、全体的にちょっと煌びやかな印象にしたくなったり、またヴォーカルのトーンを調整したりで、意図的に基準より高いチューニングが使われることがあります。
Little Richard – In Concert (Live)
昔の音源は、テープやレコードをモーターで物理的に回転させて再生されます。電源の具合や回転を伝えるベルトの具合などで、このように若干チューニングが下がることがあります。また炎天下のライブなどでは管楽器が熱膨張してしまうので、チューニングが下げられることもあります。
「スマホのスピーカでは、ベースが聴き取れない」
こんな経験はありませんでしたか?スピーカやヘッドホン、プレイヤーのスペックによって音楽が聴きとりやすかったり聴きとりにくかったりします。音源の音質が悪かったり、プレイヤーの性能が不十分だったりすると、本来鳴っているはずの音が再生されなかったり、明瞭さがなくぼやけてしまったりします。
これではどれだけ頑張って聴いても、聴きたい音が鳴っていないわけですから意味がありません。予算の範囲内で、少しでも良いヘッドホン、スピーカ、プレイヤーを使うようにしましょう。
ギタリストのタッチまで拾う高精度なコピーのためには、サウンドまでしっかりコピーする必要があります。また音色が近いと、音源と聴き比べるときに判定がしやすくなります。いったいこのサウンドはどんなギターで、どんなアンプで、どんなセッティングなのか、どんなタッチでプレイしているのか、いろいろ情報収集をしてみてください。
音源と同じような楽器を使うのが理想ですが、そうでなくても持っている機材でできるだけ音源の音に近付けられるようにトライしてみてください。
コピーにおいては、まず第一に音源通りに再現するのが大事です。コピーが身についていないうちから自分の手癖で弾いてしまうと、コピーから得られる情報をきちんと吸収できなくなってしまいます。自分の知らない新しい技を覚えるような気持で、可能な限り音源通りの演奏を目指しましょう。
「耳コピしたものは、感覚レベルで覚えるから忘れにくい」とは言われますが、それでも長期間ご無沙汰だと忘れてしまいます。それではもったいないですね。コピーした内容は、譜面におこしたり録音したりするなど記録を残しておきましょう。動画をとってもいいですね。譜面を書くこと、録音することそれ自体が勉強や練習になるだけでなく、せっかくコピーした内容を忘れてしまった!という場合でもすぐに復旧することができます。
ギターを練習する時に、YouTubeに上がっている動画や音声を聞きながら練習する人も多いと思いますが、速度の変更が大きな段階でしかできない、リピートが面倒くさいなどの不満を感じている人も少なくないのではないでしょうか。すでに耳コピを補助するアプリやPC用のソフトは存在していますが、ダウンロードして、立ち上げてインポートして・・・といった一連の流れはめんどくさいですよね。
Youtube Slow PlayerというWebサイトは、Youtube動画の耳コピを補助する機能が、全てブラウザ上で完結する画期的なWebサイトです。
見たいyoutube動画のURLをコピー&ペーストするだけで、
などの機能を使うことができます(アーティストの公式チャンネルが上げている動画では使うことができません)。
耳コピに便利なアプリにはいろいろなものが出ていますが、どれも
という3つの機能を標準装備しており、操作方法や追加機能などに個性があります。
無料のものがほとんどですが、有料でアップグレードすると音質が向上することが多いため、高音質で耳コピしたいという人は無料でいろいろ試したうえ、気に入ったものを有料版にアップグレードするのがおすすめです。
Windows、iOS、Android対応
耳コピだけでなく、レッスンのツールとしても利用される定番無料アプリ。PC版ではショートカットキーを利用し、数々の機能を一発で呼び出せます。
iOS、Android
曲の再生位置を、最大11段のバーで表示。
ダウンロード:Audipo
iPhone/iPad対応
楽曲をスロー再生、ピッチ調整、ループ再生などギターの練習/耳コピをサポートしてくれる無料アプリ。目的に合わせたさまざまな有料アップグレード、有料版の音質は随一との呼び声が高い。
ダウンロード:Anytune – スローダウン音楽BPM
iPhone/iPad対応
こちらも無料で耳コピをサポートしてくれるiPhoneアプリ。キー(ピッチ)変更/リピート機能を搭載、有料版ほどの機能はありませんが、早弾きギターソロをコピーするときなどはこのアプリで十分かも。
ダウンロード:耳コピプレーヤー Slow Player Lite
iPhone/iPad対応
ギター初心者向け耳コピ定番アプリ。iPodライブラリの曲をインポート、音程を変えずスロー再生できたり、キーを変えて再生できたり、曲間の特定の場所を繰り返し再生したりすることができる、ぎたーだけでなくあらゆる楽器の耳コピをアシストしてくれます。
iPhone/iPad対応
Tab譜を閲覧・再生できる有料アプリ。Tab譜閲覧が主な機能ですが、再生スピードのコントロールやABループ機能も搭載しているので、耳コピのサポートにもなります。
ダウンロード:TabToolkit
iPad対応
ローランドの技術が結集された、音楽をグラフィカルに表示して様々な編集ができるiPadアプリ。iTunesやiPodライブラリから楽曲をインポートして曲を解析しグラフィック化、好きな音だけを抽出することができたりする本格派な機能を搭載。耳コピ以外にもマスタリングの用途で使えたりするスゴいアプリなんです。
テクノロジーはここまで来ました。「曲中のコードを解析してくれるアプリ」なんてあるんです。「アプリに耳コピしてもらうなんて、邪道じゃないの?」という意見もごもっともですが、どうしてもコードがわからない、という人にはとても助かりますね。
ただしコンピュータのやることとはいえ、コードの解析は間違えることもあります。アプリの解析結果は一つの参考意見として利用する、というのが良いようです。
・iOS
・コードの譜面表記と鍵盤表記ができる。
・無料でここまでできる、というすぐれものアプリ。
ダウンロード:TabToolkit
iPhone/iPadアプリ
特許を取得したカシオの数々の技術を集約させた、コード解析アプリ。iOS 内ライブラリに入っている楽曲を流してコード譜を自動で取得/表示、コード譜を作成して演奏することができます。取得するコードの精度も高く、その場でポジション確認もできるかなり強力なアプリとなっています
・Windows
・コード譜を作成してプリントアウトできるほか、鼻歌での音楽制作も可能。
・解析結果をMMIDIデータとして保存することもできる。
ダウンロード:KAWAI Band Producer
音質の良い再生機器で音楽を聴くのが耳コピにはとても重要なのは間違いありませんが、プロの耳コピのように防音室で高級オーディオシステムで、なんてとても無理ですね。しかしヘッドホンならば、高音質で聴きとりやすいものを手に入れるのも無理ではありません。ここでは耳コピにうってつけのヘッドホンを2台紹介します。
大げさではなく世界じゅうのレコーディングスタジオで使用されている「プロ御用達」のヘッドホンで、この動画でも使われていることが確認できます。1989年のデビュー以来、原音に忠実、クリアな音質、驚異的な輪郭という高性能で支持され、ハイレゾ全盛の現在であっても色あせる気配すらありません。
レコーディング現場でも現役でガンガン使われている
バンドでの本格的なスタジオレコーディングのやり方
初心者用のエレキギターよりも高額なヘッドホンですが、
「あなたが聴いている音楽を作った人は、きっとこのヘッドホンを使っている」
という事実。世界中のミュージシャンが、レコーディングエンジニアが、当たり前に愛用する逸品です。密閉型なのになぜか疲れにくいこともあり、耳コピや音楽制作だけでなく音楽を楽しむためにも最高クラスのヘッドホンです。
SONY MDR-CD900STを…
Aアマゾンで探す Sサウンドハウスで探す R楽天で探す YYahoo!ショッピングで探す
「MDR-CD900ST」はまさに「最強」ですが、接続端子が大きな「標準プラグ」なので、スマホや音楽プレイヤーなどで聴くには都合がよくありません。高額すぎず、かつ端子の小さなもので、しかもくっきりと聴きとることのできるヘッドホンもいろいろなメーカーからリリースされています。
その中でもこの「XBA-100」は真鍮(ブラス)製の本体を採用し、「低音域でのスムーズなレスポンスと輝きのある鮮やかな中高域を実現(公式サイトより)」しています。高音から低音までバランスよく聴こえ、しかも各パートがくっきりと分離して聴きとることができます。
SONY XBA-100を…
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