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フェンダーUSAテレキャスター(Fender Telecaster)

フェンダー・テレキャスター

「フェンダー・テレキャスター」は、1949年に「エスクワイア」の名称で発表された、「現代エレキギターの元祖」と言うべきギターです。1951年から「テレキャスター」として生産が続けられていますが、どんどん移り変わる音楽シーンの中でも、今なお色あせることなくギタリストを魅了しています。

「世界初のエレキギター」と言われるけれど...

音を電気的に増幅するかわりに共鳴用の空洞を持たない(=ソリッドボディ)ギターとしては、1931年にロー・パット・イン・コーポレーション(後のリッケンバッカー)が開発したラップスチール(=膝や台に仰向けに寝かせて演奏するギター)「フライングパン」が世界初です。スパニッシュスタイル(=横に構えて弾く)でソリッドボディのエレキギターとしては、同じくリッケンバッカーが1935年に発表した「エレクトロ・スパニッシュ」が大きく先行しています。
以上のことから、「テレキャスターが世界初のエレキギターだ」と言うことはできません。しかしながら、

  • ネックと平行のヘッド
  • 指板を貼らないワンピースネック
  • デタッチャブルネック(=ネジ止め)構造
  • 電気回路を鉄のプレートにまとめてユニット化

など、これまでの楽器製造の常識から逸脱した斬新な設計で合理的な量産体勢を確立し、また弾きやすくサウンドも良かったため、市場に受け入れられて商業的に大成功を納めました。このテレキャスターが後に続く他のフェンダーギター、また後発ギターメーカーのひとつの手本になっていることは間違いありません。テレキャスターは、ストラトやレスポールに先駆けた「定番となったエレキギターとして世界初」だったと言えるでしょう。

初期のテレキャスターに使用されている材

テレキャスターの材
初期のテレキャスター

発売当初のテレキャスターのボディはアッシュ材などを継いで整形した一枚板(ソリッドボディ)で、ギブソンのギターのようにボディ表面をなめらかな曲面仕上げにする手間を省いた、真っ平な形状が特徴でした。
ネックはメイプル材を削り出し、指板材を貼り合わせずにフレットを直接打ちこんだもの(ワンピース・ネック)でした。

さらにボリューム、トーン・コントロールなどのスイッチ類を、ボディ裏から木をくり抜いてセットするのではなく、一連のユニットとしてひとつの金属プレートにまとめてボディ表面にネジ止め、ピックアップはボディ表面から取り付けられ、ブリッジユニットはリアピックアップのマウント台を兼ねており、テールピースは省略・弦はボディ裏から通されるなど信頼性と音質とコストダウンを両立させ、流れ作業的な大量生産を可能にする構造になっていました。

音の特徴:コード弾き用ギターとしてのテレキャスター

かのエリック・クラプトン氏やジェフ・ベック氏が、驚愕のあまりレコードを買ってプレイをコピーしたと言われるロイ・ブキャナン氏のように、テレキャスターでのリードプレイを得意とするプレイヤーは実にたくさんいます。テレキャスターには無骨なイメージがあり、テレキャスターメインでウマいプレイヤーは、他のギターでウマいプレイヤーよりも尊敬される傾向にあります。
それでもテレキャスターが「サイドギターやギターボーカルが使用する楽器」として多くのプレイヤーに愛用されているのには、理由が二つあります。

1)サウンド

クリーン/クランチで「ジャキッ」と気持ち良く鳴ってくれるサウンドは「トゥワンギー」とも言われ、コード弾きに大変良好です。シングルカッタウェイ、ハードテイル(固定式ブリッジ、裏通し)という構造は芯のある弦振動を生みます。また、ボリュームポットにハイパス・フィルターが仕込まれており、音量を絞ると低域からカットされていくことで、スッキリした響きが得られます。

2)ボディバランス

ストラトやレスポールがヘッド位置を上げても弾きやすいのとは違ったバランスになっており、低い位置に構えて立って弾こうとすると、テレキャスターは水平になろうとします。このバランスが好きな人も多くいますが、リード奏者の多くが苦手とするバランスでもあります。しかしこれがコードストロークを行なう上では非常に良好で、とくにアコギに慣れているプレイヤーにとっては大変弾きやすく感じます

フェンダーUSAテレキャスターの主なラインナップ

フェンダー社の生産ラインはアメリカのコロナとメキシコのエンセナダにあり、日本で言う所のフェンダーUSA、フェンダーメキシコのようなブランド的な分け方をしていません。パーツはエンセナダ、組み込みはコロナ、という分業をすることもあります。グレードの高いものがコロナで、価格を抑えたものがエンセナダで生産され、等しくフェンダーであるという認識がいいでしょう。

伝統的なスタイルのモデル

伝統的なテレキャスターのブリッジはブリッジカバーを付けるのが前提だったため、弦を取り囲むような壁ができており、またサドルは特徴的な「三連サドル」でシビアなオクターブ調製が困難なのですが、そこがまたテレキャスターの「味」だと言えます。

AMERICAN VINTAGE Series

AMERICAN VINTAGE Telecaster 左から:American Vintage 52' x2、American Vintage 58' x2、American Vintage 64' x2

フェンダー・レギュラーラインの最高級グレードで、’52、’58、’64年のモデルを再現しています。年式ごとに特徴を反映したピックアップを再開発、ヴィンテージの実機を精密に採寸するなど、名機のスペックを徹底的に追及しています。革製ストラップ、シールド、クロス、ブリッジカバーなどアクセサリーも同梱されています。
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AMERICAN SPECIAL TELECASTER

AMERICAN SPECIAL TELECASTER

「MADE IN USA」のコストパフォーマンスモデル。演奏性にすぐれたサテン・ネックとジャンボフレットが特徴。
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ROAD WORN '50S TELECASTER

ROAD WORN '50S TELECASTER

キズや塗装剥がれ、パーツのサビ等がリアルに再現されていますが、高出力ピックアップ、大きめフレットという現代的なアレンジも加わっています。
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CLASSIC Series

CLASSIC Series Telecaster 左から:'50s Esquire、'50s Telecaster Lacquer、'60s Telecaster、'69 Telecaster Thinline、'72 Telecaster Thinline、'72 Telecaster Deluxe

記念すべきエスクワイアやシンライン、テレキャスターカスタムなど、歴史上重要なモデルを求めやすい価格で再現したラインナップ。
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VINTAGE HOT ROD '50S TELECASTER

アメリカン・ヴィンテージをベースに、円錐指板とフロントのワイドレンジピックアップでアップグレードしたテレキャスター。

現代的なスタイルのモデル

現代的な仕様のテレキャスターは、ブリッジに「壁」がなく、6連サドルになっているのが特徴です。

AMERICAN DELUXE Series

AMERICAN DELUXE Telecaster 左から:American Deluxe x4、American Deluxe Ash、American Deluxe Thinline

機能性、演奏性を重視した現代版テレキャスターの最高グレードで、指板にメイプルかローズウッド、ボディにアッシュ、アルダー、アッシュのシンラインが選べます。特徴は以下の通り

  • i)ローポジションは丸く、ハイポジションが緩やかな「円錐指板(=コンパウンド・ラディアス)」
  • ii)「N3」ピックアップにより、鐘のように透き通ったきらびやかなトーンを実現。
  • iii)センターポジションで「疑似ハムバッカー」にできる「S-1スイッチ」をボリュームポットに搭載。
  • iv)チューニングが安定するロッキングチューナー
  • v)ハイポジションでの演奏性を向上させるヒールカット

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AMERICAN STANDARD Series

AMERICAN STANDARD Telecaster

カスタムショップ製のピックアップ、「鳴り」のために薄くなった塗装、ブラス製ブリッジプレートなど、シンプルでありながら世界標準と言うべきスペックになっています。またボディバックにはコンター加工がされており、抱えやすくなっています。基本モデルはアッシュボディですが、左用、「B-ベンダー」搭載機、2ハム仕様はアルダーボディになっています。
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CLASSIC PLAYER Series

CLASSIC PLAYER

一見伝統的なスタイルながら、ネックグリップやフレットの変更、疑似ハムバッカーサウンドやフェイズサウンドを可能にさせるなど、マスタービルダーによる野心的な設計が光るモデルです。
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STANDARD Series

STANDARD Telecaster

エンセナダで生産されるベーシックなモデルで、高級感がありながら求めやすいグレードです。
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ARTIST Series

ARTIST Series Telecaster 左から:James Burton、GE Smith、John 5's J5 Triple、Jim Root(SLIPKNOT)、Richie Kotzen

かのエルヴィス・プレスリーのバンドで永年リードギターを務め、「ミスター・テレキャスター」と言われるジェームズ・バートン氏、パンクロックの原型となった「ドクター・フィールグッド」のオリジナルメンバーだった英国の雄ウィルコ・ジョンソン氏、“猟奇趣味的激烈音楽集団”「スリップノット」のジェイムズ・ルート氏など、影響力のあるプレイヤー監修によるシグネイチャーモデルのラインナップで、それぞれにこだわりのある設計になっています。

MODERN PLAYER Series

中国のメーカーに生産を委託している低価格なモデルですが、SSH配列やP−90タイプ搭載のシンラインといった斬新な仕様が興味深いシリーズです。

テレキャスターの主な使用ギタリスト

ジェームズ・バートン

1953年製のテレキャスターを愛用したアメリカのギタリスト。69年から77年までの間、エルヴィス・プレスリーのライブステージのリードギターを務めた、その人です。

ジェームズ・バートンは本来ワウンド弦であった3弦をプレーン弦に張り替え、チョーキングを簡単にしました。これが現在のライト・ゲージです。つまり、ジェームズ・バートンがライト・ゲージを開発したと言っても過言ではありません。ニュー・ギャロッピング奏法を開発し、バンジョー用のフィンガー・ピックで演奏するチキンピッキングを得意としました。
1970年からのエルヴィスのステージではピンク・ペイズリー模様の69年テレキャスターを使用しています。また「エルヴィス・イン・コンサート」では3ピックアップのテレキャスターを使っています。色々なエレキギターに持ち替えているものの、ジェームズは「自分の愛用ギターは常に53年テレキャスターなんだ。持ち替えたのは面白そうだからだ。すべてのレコーディングに53年テレキャスターを使った。」と発言しています。

ドブロと呼ばれるアコースティックギターの演奏も得意で「ミスター・ドブロ」とも呼ばれていました。
ジェームズ・バートンの使用機材

ジョー・ストラマー

イギリスの伝説的パンクバンド「The Clash」のボーカル/ギター。

シンガーが持つギターとしてのテレキャスターを広めた人物とされます。ストラマーのキャリアを通じてのメイン・ギターはストラマーが「ストラマキャスター」と呼んだ1966年製のフェンダー・テレキャスターで、元々はサンバースト・ボディに白ピックアップだった物です。元はサンバーストだった1966年製テレキャスターを黒に塗りなおして使用。このギターはクラッシュ解散後も最晩年まで使われ続けました。

こうしてボロボロになったテレキャスターを元に、クラッシュのデビュー30周年となる2007年、フェンダーから「ジョーストラマー・テレキャスター」が限定発売されました。

2002年12月22日、サマセット州ブルームフィールドにある自宅で死去。死因は心臓発作。

キース・リチャーズ -Micawber

Micawber
Micawber

ローリング・ストーンズのギタリスト。テレキャスターのイメージが強い彼ですが、初期のころはレスポールやセミアコといったギターを使用していました。1971年の「メインストリートのならず者」セッション時にギターが大量に盗まれる事件がおきます。この事件後に集められたギターでテレキャスターを手にします。これが後に世界一有名なテレキャスターとなる「ミカウバー」でした。この後も、「テレキャスター・カスタム」、「ミカウバー」と並ぶ有名なテレキャスター「マルコム」等のテレキャスターを手にし、現在に至るまで使用しています。

なお、キースのギターの特徴として、6弦をはずす「5弦オープンGチューニング」がありますが、もちろん、これらのテレキャスターで使用されています。
キース・リチャーズの使用機材

ジミー・ペイジ

ジミー・ペイジのテレキャスター
ジミー・ペイジのテレキャスター

ヤードバーズ在籍時代やレッド・ツェッペリンの初期においては、ジェフ・ベックから譲り受けた1958年製のテレキャスターがトレードマークでした。またペイジが使用するレスポールは、ネックを薄く削り落し電気回路の変更等を行い、テレキャスターを意識したサウンドに調整されていると言われています。

レコーディングでもテレキャスターは多用されましたが、ステージにおいてもレッド・ツェッペリン後期のツアーにおいて使用されました。ザ・ファームではテレキャスターがメインの使用ギターとして返り咲いたこともありました。

有名な「天国への階段」のスタジオ音源のギターソロはテレキャスターによるものです。
ジミー・ペイジの使用機材

その他の主なテレキャス・ギタリスト

  • マディ・ウォーターズ
  • ジェフ・ベック
  • トム・モレロ(Rage Against The Machine)
  • ブルース・スプリングスティーン
  • スティーヴ・クロッパー(Booker T. & the M.G.'s)
  • アルバート・コリンズ
  • ロイ・ブキャナン
  • トム・ヨーク
  • ジョニー・グリーンウッド
  • リッチー・コッツェン
  • アベフトシ (THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)
  • 向井秀徳(ZAZEN BOYS)
  • YUI
  • 矢井田瞳
  • 北嶋徹(凛として時雨)
  • 橋本絵莉子(チャットモンチー)