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《最初からかっこいいギターを》GrassRootsのギターについて

GrassRootsのギター 膨大なラインナップを誇るGrassRootsのギター

「GrassRoots(グラスルーツ)」はESP社が保有しているギター/ベースブランドで、比較的手に入りやすい低価格な製品をリリースしています。

grass roots【名詞】
1)(世論などの重大要素としての)一般大衆、草の根
2)(思想などの)基本、根源
weblio英和和英より

製品は同社の最上位ブランド「ESP」や「Navigator(ナビゲーター)」、またそれに続く「EDWARDS(エドワーズ)」をベースとしたものが中心ですが、このブランドにしかないモデルもあることから、低価格帯のブランドだと単純に侮ることはできません。アーティストモデルや限定カラーのモデルがリリースされることもあって、ブランドとしての存在感のある、面白みのあるラインナップ展開をしています。今回はこのグラスルーツのギターをピックアップしていきましょう。

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グラスルーツの特徴 ・・1) ちょっと頑張って手に入れる、絶妙な価格帯 ・・2) 弾き心地とボディ材の個性で選べるオリジナルモデル ・・3) ひとクセあるスタンダードモデルグラスルーツのラインナップの特徴 ・・ラインナップに共通するポイント ・・ボディトップの「Flame Maple Veneer」 ・・同じタイプのピックアップは全機種共通ラインナップ紹介 ・・1) ESP系ブランドのオリジナルモデル ・・・G-MR-45R ・・・G-HR-65FR&G-HR-42NT ・・・G-FR-62GT ・・・G-KT-50C ・・2) スタンダードモデル ・・・ギブソンスタイル ・・・フェンダースタイル ・・3) 左用のラインナップ ・・4) ミニギター

グラスルーツの特徴

1) ちょっと頑張って手に入れる、絶妙な価格帯

グラスルーツのレギュラーモデルは、だいたい4万円~6万円の範囲に定価が設定されています。この価格帯は、

  • 格安な初心者向けのギターより遙かに高額
  • 中級者以上向きのギターよりぐっと低価格

という立ち位置にあり、1~2万円近辺のギターからステップアップするにはちょうど良く、また最初から上等なギターを手に入れて長期間愛用したいという人がちょっと頑張って手に入れるのにも、ちょうどよいと言えます。

グラスルーツのギターは、ベースとなっているESPやナビゲーターの10分の1を下回る低価格化を実現しています。しかしそれでもESPのオリジナルモデル同様、美観を演出するメイプル材をボディに貼りつけたり、立体的なカーブを描くボディを削りだしたり、複雑な形状のボディやヘッドを切りだしたりといった手の込んだ作りをしています。こうした手の込んだ工程はすべて価格に反映されていくので、グラスルーツのギターはエントリーモデルでありながら、それとしては若干高めに価格が設定されている、言わば高級機となっています。

とはいえ初心者が手に取りやすい価格帯を実現するため、生産地や設計などに並々ならぬ企業努力が注がれています。そのため本来その価格帯ではありえないスペックになっていますが、金属部品や電気部品、木材などのパーツや組み込みの精度など、上位グレードのギターとはやはり差が付けられています。そのためこうしたギターを現場のプロフェッショナルやアーティストが業務で使用することはありませんが、上達を目指すこれからのギタリストにとっては身の丈に合ったギターです。練習だけでなく、ライブや録音、動画撮影などの本番でもバンバン起用していきましょう。
Q&A.14 安いエレキギターはやっぱりダメなんでしょうか?

2) 弾き心地とボディ材の個性で選べるオリジナルモデル

グラスルーツのオリジナルモデルは、ESPやエドワーズのオリジナルモデルを受け継いだものになっています。ESPとエドワーズのこれらのモデルは視覚に訴えるデザイン性がありながら、オーソドックスなスタイルのギターと同様の弾き心地を達成していて、個性と機能性が両立しているギターだと言えます。

グラスルーツ版はこの機能と個性を濃厚に受け継いだ設計になっていますが、

  • 弦長648mm、3Pハードメイプルネック、ローズウッド指板
  • ピックアップは2ハムバッカー仕様(GH-1Gが基本)

が全機種共通のスペックになっています。ホライゾンタイプのG-HR-65FR以外はすべて24フレット仕様となっており、フロントピックアップの位置も共通しています。

このほか、

  • ブリッジ(TOM、シンクロ、FRT)
  • ボディ材(アルダー、アッシュ、マホガニー)
  • ネックジョイント(ボルトオン、セットネック)

こうした違いがモデルごとの個性となっています。

ネックとピックアップが共通なので基本的なトーンは共通していますが、ボディ材やジョイント法が分けられているのでそのニュアンス的な違いが、またブリッジにスタンダードなものが3種類用意されているので使い勝手の違いが、それぞれのモデルに表れています。

3) ひとクセあるスタンダードモデル

グラスルーツのスタンダードモデルには、大きく分けて

  • ギブソンスタイル(レスポール、SG)
  • フェンダースタイル(ストラトキャスター、テレキャスター)

の2タイプがあり、それぞれ伝統的な設計をふまえた親しみやすいモデルになっています。

しかしその中でも、

  • G-LP-60C:ブラックを基調とした「JC」はジョン・サイクス仕様の外観
  • G-SG-55L:上位ブランドにはないラージピックガード仕様
  • G-SE-58M/SC、G-SE-58R/SC:スキャロップ指板仕様

こうしたモデルはESP社の上位ブランドのラインナップには入っていないカラーリングや設計を採用しており、このブランド独特の面白みとなっています。


Blue Murder – Valley Of The Kings
精巧なフルピッキングのスピードプレイを持ち味とするジョン・サイクス氏のトレードマークと言えば、コントロールノブやエスカッション、ピックガードに至るまでシルバーのパーツに変更しているレスポール・カスタムです。2基のハムバッカーはギブソンの定番ピックアップ「ダーティーフィンガー」をセレクト。ハードロックの象徴ともいえるギターに仕上がっています。

グラスルーツのラインナップの特徴

ではグラスルーツのギターをチェックしていきましょう。グラスルーツのラインナップは、

  • オリジナルモデル:ESPやエドワーズのギターを低価格で再現したもの
  • スタンダードモデル:ストラトやレスポールなど代表的なエレキギターを再現したもの

この2タイプを基調としています。それぞれについて見ていく前に、まずは全体に共通するポイントをチェックしてみましょう。

ラインナップに共通するポイント

グラスルーツのスペック表示には、手に入りやすいギターのブランド独特のものがあります。比較的高額なギターの常識的なスペック表示とは大きく異なっていますが、だからこそこの価格帯が実現できる、またギターとして問題なく使用できるクオリティがあり、なおかつこうしたことを明らかにすることで製造元の責任をしっかり果たしている、と考えてください。

ボディトップの「Flame Maple Veneer」

「Veneer(ベニヤ)」は「化粧板」を意味します(日本でいう「ベニヤ板」は「合板(Plywood)」)。上位モデル同様の杢(もく)が入ったボディトップを低価格で再現するための工法で、杢の美しいメイプルを薄くスライスして、ボディに貼りつけています。近い価格帯のギターでは美しい杢を撮影した写真や、布などを圧縮して杢とそっくりな模様を作ったものが貼られることもありますが、グラスルーツでは本物のメイプルが貼られ、一本一本違った表情を見せてくれます。
とはいえ美しい美観を目的として貼るための薄板なので、この化粧版がサウンドに寄与することはありません。あくまでも「世界中にその個体しかないボディトップ」であるという価値を高めるための設計です。

同じタイプのピックアップは全機種共通

グラスルーツのギターでは、

というように搭載されるピックアップが共通しており、共通のキャラクターを持っています。高級なブランドのギターでは、各モデルに設定されたコンセプトやイメージする年代によって、キャラクターを分けたピックアップが搭載されるのが常識的です。しかしこのようにタイプ別でピックアップをまとめることで、パーツの単価を下げられ、また生産効率を上げることができて、ギター本体の価格を抑えることができるのです。

このうちハムバッカーピックアップについては、ピックアップカバーがついていない(オープン)を基本としながら、ギブソンスタイルのギターでは金属製のカバーが付けられ(カバード)、ベースとなっているギターの仕様を再現しています。オープンタイプに比べてカバードは高音域が落ち着いた甘い音色になる傾向があり、逆にオープンタイプは高音域が増強されるぶん、音量が上がります。

グラスルーツのギターは、これから上達していく人に向けて作られています。初心者にとってはピックアップの違いが分かるようになるのはまだ先のことで、説明を受けたとしても実感を伴った理解に至るのは簡単ではありません。各モデルそれぞれにこだわったコンセプトのピックアップを載せていては、持ち主に違いが分かりにくいポイントに予算がかかるギターができてしまいます。ピックアップの違いを敢えて排除するのは、初心者向けのギターとしては合理的なことなのです。


さて、次のページではいよいよグラスルーツのギターラインナップについて見ていきます。