「東京カランコロン」ギタリスト”おいたん”インタビュー

[記事公開日]2016/1/14 [最終更新日]2017/11/23
[編集者]神崎聡

東京カランコロンのギタリスト「おいたん」

2016年1月20日に2枚組フルアルバム「noon/moon」をリリースする”東京カランコロン”のギタリスト”おいたん”さんインタビュー、第2弾ではアルバムで使用した機材についてお話しを伺っています。

noon/moonでの使用機材について

──レコーディングにあたって、今回はどんな機材を使いましたか?

おいたん アンプはほとんどFractal AudioのAxe-Fx II XLを使用しました。FRACTALの中のMarshall – JCM800の歪みが基本で、ペダルもFractalの中のものを使うことが多かったですね。いろいろ試してみましたが、結構T808OD(Ibanez TS-9のシュミレート)を使うことが多かったですね。

他に使ったアンプは実機のMarshall – JCM800。曲によってはFRACTALに内蔵されているFENDERやメサブギー、BAD CATなんかも使ったりもしました。

エフェクターだと、シーケンスフレーズみたいなのは、EVENTIDEのH9を使いました。
アナログ系だと、Ed’s MoD ShoP の Pookie Fuzz を使いましたね。『moon』に入ってる「空中遊泳」って曲でほぼ丸々このエフェクターで弾き通しました。音色からフレーズが湧き上がってくる感じがして、ED’Sは、もうファンですね(笑)。

あとはJersey Girl のmiddranger。これはRECではもう手放せない、お守りみたいなものですね。クリーンブースターなんですけど、自分の中ではアンプで作った音に「あとちょっと」が加えられるエフェクターです。

oitan-effectboard おいたんさんのライブ時のエフェクターボード(※1)

──FRACTALを導入した理由は?

おいたん できればライブでも実機のJCM800をメインで使いたいんですけど、これってマスターボリュームを上げてナンボのアンプじゃないですか。僕の好きな音が、マスターを8くらいまで上げて、ゲインはあまり上げないクランチ音が好きなんですけど、それをやっちゃうと自分の音だけがバカでかくなっちゃうんですよね。そうなるとボーカルが歌いづらくなってしまう。かと言って、マスターを絞ると音が細くなっちゃう。

oitan-fractal おいたんさんが使用するFractal Audio「Axe-Fx II XL」

FRACTALを導入してみたら、その悩みは解消されました。オーディオのボリューム絞るように音色を変えずにボリュームをコントロールできますから。気になるかと思っていたライン臭さみたいなものも、設定次第で解消されました。

その代わり、ごまかしが全くきかなくなっちゃいましたね。自分がピッキングして、それをピックアップが拾って、PAに行って、外スピーカーで鳴らす。その過程で一切空気を含まないじゃないですか。普通のアンプだったらキャビとマイクの間の「フワッ」とした空気感で多少ごまけていたところがあったんだと思います。ただ、そのおかげでピッキングする右手を見直すいい機会になりましたね。

──東京カランコロンはギター2本にシンセ、ツインボーカルにおいたんさんのコーラスと、とても音数が多いのでアレンジは大変じゃないですか?

おいたん 僕はギターという立場なのに、そもそもコードやアルペジオ、いわゆるバッキングを弾こうと思ってないんですよ。JUDY AND MARYみたいな、ボーカルと一緒にオブリ(オブガード)が鳴っているのが元々好きなので、あんまり難しいと思ったことはないですね。あと、メンバーのみんなが気を使ってくれてるのもありますね。僕のギターフレーズを生かして考えてくれているというか。

スタジオでも、「ここは抑え気味で弾いて」とか、「ここはコードを弾いて」みたいなことも言われることはあんまりないんですよ。「もっとやって!」っていうのはお互いにあるんですけど。「もっとベースきてよ!」とか、「もっとドラムやっちゃってよ!」とか。

僕とキーボードは同じウワモノとして、音域がかぶってしまう時には、弾くポジションを変えたり、フレーズを変えたり、すり合わせはするんですが、「もうちょっと抑えて」みたいなのは、、、いや、あるかな(笑)。

──あるんですね(笑)。

おいたん 音数が多すぎる、とかは言われることがありますね(笑)。弾き過ぎというか、大きいイメージの曲の時なんかにギターを弾きまくることによって、イメージがミニマムになっちゃうのがもったいないね、といったような事はたまにあるかな。それでふてくされてコードを弾くと「それじゃダメだ」ってなったり(笑)。

──ライブを拝見してもおいたんさんギターのフレーズが際立ってる印象でした。

おいたん そういってもらえると嬉しいですね!!

karancoron-live photo by にしゆきみ


※1. エフェクターボード

左上から時計回りに SONOMATIC – DOCTORDRIVE 2 Ed's MoD ShoP – POOKIE FUZZ SOURCE AUDIO – SOUNDBLOX GUITAR ENVELOPE FILTER(SA127) Ed's MoD ShoP – SICK MACHINE BOSS – CHROMATIC TUNER (TU-2) EVENTIDE - HARMONIZER (H9) BOSS – VOLUME/EXPRESSION PEDAL (FV-500L) EVENTIDE - TIMEFACTOR LINE6 – STOMPBOX MODELER (M5) CUSTOM AUDIO JAPAN – AUDIO&MIDI CONTROLLER (RS616(CAE期))

続いては楽曲中でのギターフレーズの作り方、ギターの練習の仕方など、質問に答えていただきました。

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