
ジャクソンの「JS」シリーズは、ヘヴィ・メタルの歴史に重要な意義のあるジャクソンのギターを、最も手に入れやすい価格でリリースする製品群です。心意気を誇示する鋭利なヘッド、各種ボディ形状はまさにジャクソンです。また演奏性、サウンドともにメタル・ミュージックに特化された設計が採用されており、メタルがやりたくてギターを始める人や、メタル志向のギターを使ってみたい人など、メタルが好きな多くの人にたいへん良好です。今回は、このジャクソン「JS」シリーズに注目していきましょう。
「JS」シリーズの特徴
JSシリーズは、ほとんどのモデルにブラックパーツが採用され、シャークフィン・インレイやネックバインディングを施す、ジャクソンならではのキリっとしたルックスを持っています。それだけでなく、演奏性とサウンドにおいてもメタルに特化した、ジャクソンならではのメタル専用ギターに仕上がっています。
強く、弾きやすいネック仕様
JS24 DKAM Black Stain
JSシリーズのネックは「スピードネック」と呼ばれ、速弾きに良好な設計が採用されています。総じてアングル(角度付き)ヘッド、ネック裏のサテンフィニッシュが採用され、内部にグラファイト製の補強が埋設されます。アングルヘッドはナットに弦がしっかりかかり、また弦張力が確保されるので、低弦高のセッティングやダウンチューニングに特に有利です。ネック裏はサラサラな感触で、ストレスのないポジション移動が可能、補強で強化されたネック本体は頑丈でねじれに強く、サスティンが伸びやすくなります。
また全モデルにジャンボフレットが、またほとんどのモデルにコンパウンド・ラジアス指板が採用されます。ジャンボフレットは軽いタッチで押弦でき、コンパウンド・ラジアス指板は弦高を低くセッティングできるので、テクニカルな高速フレーズを弾きこなすのに有利な設計です。
パワフルなピックアップとシンプルな操作系

JSシリーズは全モデルに、ジャクソン製の「ハイ・アウトプット・ハムバッキング」ピックアップが搭載されます。セラミック磁石を使用した、キメが細かく中高域が豊かに響くサウンドが特徴です。高出力設計により、標準的なハムバッカーよりも深いディストーションが得られます。
操作系はシンプルで、3WAYセレクタースイッチに1V1Tという、潔さすら感じさせる構成です。演奏の邪魔になりにくい、弦からちょっと離れた場所に配置されるので、細かいことは気にせず一心不乱にズムズム言わせることができます。
木材構成の選択肢もある

メイプル製ネック、ポプラ製ボディ、アマランス製指板、という木材構成が標準です。ポプラは軽量でやや柔らかい特性が重い金属部品との相性が良い、ジャクソンのアイデンティティと言うべき木材です。アマランスは別名をパープルハートと言い、硬くて狂いの少ない木材です。
ボディ材はマホガニーも使われるほか、美しいキルテッドメイプルがあしらわれることもあります。またメイプル指板を採用しているモデルがあるほか、ネックにも指板にもキャラメライズド(=ローステッド)メイプルを採用したモデルが新たにリリースされています。
Jackson「JS」シリーズのラインナップ
では、ジャクソン「JS」シリーズのラインナップを見ていきましょう。JSシリーズはジャクソンの主要モデルをほぼ網羅していますが、全モデルでボルトオンジョイントが採用されているため、「ソロイスト」はありません。各モデル名に添えられる数字はグレードを現し、今のところ「32」が最上位です。「22」や「24」はフレット数と間違えやすいので、注意が必要です。
Dinky Arch Top(DKA)
JS32Q DKA HT Transparent Purple Burst
小さめボディのスーパーストラト「ディンキー(Dinky)」のボディトップを立体的な曲面に仕上げた「ディンキー・アーチトップ(Dinky Arch Top)」は、JSシリーズ最多のラインナップを誇る主軸モデルです。中央が盛り上がったボディ形状は美しく、また抱えやすくなっています。
Dinky

フラットなボディトップの「ディンキー(Dinky)」は、シリーズ内のコストパフォーマンスが最も高いモデルです。コンパウンド・ラジアス指板や装飾を排するなどの設計によって価格圧縮の限界に挑戦していますが、パワフルなピックアップとグラファイト製ネック補強はしっかり採用されているので、他モデル同様のゴリゴリなメタルサウンドが得られます。
Monarkh
ロシア語で「君主」を意味する「モナーク(Monarkh)」は、レスポールにヒントを得たシングルカッタウェイのギターです。他のギターよりやや短い弦長24.75インチ、22フレットというネック仕様は、このタイプのギターにおける様式美になっています。ブリッジ使用も伝統的なスタイルにのっとっており、特にメタルにおいてはブリッジミュートが有利です。
Rhoads

「ローズ(Rhoads)」は生みの親ランディ・ローズ氏にあやかって付けられたモデル名で、今なお「ランディV」の呼び方も多く使われます。ジャクソンのギター第一号はこのランディVであり、これこそがジャクソンを象徴するギターです。
King V / Kelly / Warrior
以上、ジャクソンで最も高いコストパフォーマンスを誇る「JS」シリーズをチェックしていきました。ジャクソン特有のとんがったルックスに加え、メタルに良好な演奏性とサウンドを持った製品群です。メタルがやりたくてギターを始めると言う人の第一候補として、強烈にお勧めです。そういう人はぜひ最初から、メタル仕様の老舗「ジャクソン」でギターを始めてみてください。
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