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ナチュラルマイナースケールは、音楽理論において「自然的短音階」とも呼ばれるスケールです。ギターを始めてしばらくすると「メジャースケール(長音階)」との違いを耳にすることが多いですが、実際に演奏してみると、その響きの暗さや哀愁にすぐ気づくはずです。メジャースケールは”明るく、元気な響き”を持つのに対し、ナチュラルマイナーは”物悲しく、落ち着いた響き”が特徴です。
ナチュラルマイナー・スケールの音階
ナチュラルマイナーは「全・半・全・全・半・全・全」という並びで構成されます。
例えばAナチュラルマイナーは「A B C D E F G」で構成され、Cメジャーと全く同じ音を持っています。
これは「平行調」と呼ばれる関係で、キーを変えても同じ音が使えます。
ナチュラルマイナースケールを練習する際は、まず指板上でのポジションをしっかりと覚えることが大切です。
ただし、スケールの形は一度に覚えようとすると意外と難しく、どこからどこまで弾けばいいのか迷ってしまうことがあります。
例えば下の画像はCナチュラルマイナー・スケールのTab譜ですが、これをそのまま弾いたとしても、ナチュラルマイナーのスケール感は実感しにくいでしょう。
Cナチュラルマイナー・スケールのTab譜
Tab譜下の数字:1=人差し指、2=中指、3=薬指、4=小指
そこでおすすめなのが「ルート音で始まり、ルート音で終わる」練習方法です。
たとえばCナチュラルマイナーなら、5弦3フレット/6弦8フレットのCからスタートし、2オクターブ分弾いたあと、またCで終わるようにします。
ルート音で始めてルート音で終わることで、スケール全体の枠組みを感覚的に捉えていきます。
ナチュラルマイナースケールは「エオリアン(Aeolian)」と呼ばれることもあります。
これはモード(教会旋法)のひとつの名前で、メジャースケールの六番目の音から始めた形がエオリアンにあたります。
たとえばCメジャースケール「C D E F G A B」の六番目であるAから始めると「A B C D E F G」となり、これはそのままAナチュラルマイナースケールと同じ形です。
つまり「ナチュラルマイナー」と「エオリアン」は別物ではなく、呼び方が違うだけで内容は同じだということです。
一般的に初心者向けの教材やレッスンでは「ナチュラルマイナー」という名称がよく使われますが、音楽理論やジャズの学習では「エオリアン」と呼ばれることが多いです。
どちらの言葉が出てきても、暗い響きを持つ基本的なマイナースケールのことだと理解しておけば大丈夫です。
ギター博士「仄暗く物悲しい雰囲気ぢゃのう。」
2小節目から3小節目にかけての休符、4小節目の3連符など、休符や装飾音を使ってリズムにアクセントをつけています
7,8小節目は1弦で3音、2弦で3音と、ポジション取りを工夫しています。またプリングを多用することで、スピーディで滑らかな演奏を可能に。
ナチュラルマイナースケールは「暗い響き」の基礎となる音階ですが、そのまま覚えて終わりではありません。実は、このスケールをもとにいくつかの発展形が生まれており、それぞれ独特のキャラクターを持っています。ここでは代表的な4つの発展形を紹介します。
ハーモニックマイナースケールは、ナチュラルマイナーの7度の音を半音上げることで得られます。この一音の変化によって、主音に強く引っ張られる「導音」が生まれ、クラシカルで緊張感のある響きが特徴になります。イングヴェイ・マルムスティーンのようなネオクラシカル系のギタリストがよく使うことで有名で、ドラマチックで重厚なソロを作りたいときに活躍するスケールです。
メロディックマイナースケールは、ナチュラルマイナーの6度と7度を半音上げて作られます。メジャーとマイナーの要素が混ざった独特の響きがあり、ジャズ・フュージョン系のギタリストがよく活用しています。
ドリアンスケールはナチュラルマイナーとよく似ています。違いは6度の音で、ナチュラルマイナーの♭6が、ドリアンではナチュラル6(半音高い音)になります。マイナーの暗さを持ちながらも、明るさや軽快さも感じさせるのが特徴です。ロックやブルースのアドリブで頻繁に登場します。
フリジアンスケールとナチュラルマイナーとの違いは、2度の音にあります。ナチュラルマイナーの2度が、フリジアンでは♭2(半音下げた音)になります。この♭2が加わることで、エキゾチックでスペイン風の独特な響きが生まれます。フラメンコやヘヴィメタルで好まれるスケールで、暗さに加えて強い個性を演出したいときに有効です。
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