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エレキギターのサウンドを一段とプロフェッショナルにするための秘密兵器、それがコンプレッサー・エフェクターです。エフェクトの効果としては一聴する限りでは目立ちにくいですが、その使い方をしっかりと把握することで、非常に効果的に使うことができます。
このページでは、コンプレッサーエフェクターの基本原理から、効果的な使い方まで、初心者でも分かりやすいように詳しく解説していきます。初めてエフェクターに挑戦するギター初心者の皆さん、コンプレッサーの基本と使い方を知れば、あなたの演奏が驚くほど変わるかもしれません。
コンプレッサーは、音のダイナミクスをコントロールし、演奏の中で音のばらつきを抑えて音量を均一に保ち、演奏のクオリティを向上させるエフェクトです。ギターやベースなどに使用され、特にクリーントーンやファンキーなリズムプレイでよく用いられるほか、リードプレイのサスティンを延ばすなどの用途で使われますが、いずれも”最大音量を圧縮する”という効果を利用して行われます。
はじめてのコンプレッサー・エフェクター:TC Electronic「HYPERGRAVITY COMPRESSOR」
ギター博士「コンプレッサーをONにするだけで、CDで聞くようなクオリティの高いギターサウンドになるのぅ!特にワシはクリーントーンでプレイすることも多いから、コンプレッサーは欠かせないペダルなんぢゃよ♫」
コンプレッサーは主に5つのコントロールが中心となって働きます。
まず、入力音がスレッショルド以上のレベルになると作動が開始します。アタックで設定したタイムを経た後に圧縮が開始され、スレッショルド値を超えた分が設定されたレシオに基づいた割合分、圧縮されます。入力音がスレッショルド値を下回ると、コンプレッサーは解除されますが、リリースで設定した時間分はその後も圧縮され続けます。
ギター用ではこれらの5つのコントロールがすべて付いている事はほとんどなく、ギターに即して効果的に使えるようにするために、上記のコントロールを複合させたような独特のコントロールが付いていることが多いものです。
コンプレッサーのコントロールや動作について見ていきました。では実際にどうやって使うのでしょうか?実例を見ていきましょう。
主にクリーントーンでの使われ方です。クリーントーンはダイナミックレンジが広く、ピッキングの強弱が敏感に出るため、アルペジオやカッティングなどの奏法時に音量にばらつきが生じやすく、安定した演奏を聴かせにくいという難しさがあります。そこでコンプレッサーを使って最大音量を圧縮して小さなレベルにとどめることで、全体の音量バランスを均一にし、音の粒を揃えます。
音量のばらつきを整えるイメージ図
エレキギター以上にダイナミクスの大きいアコースティックギターや、一定の音量の維持が求められやすいベースでは、エレキギターに比べてもはるかに使われる頻度が高く、その理由はこの効果が重宝されるからです。
いわゆる「ロングサスティーンを得る」という目的での使い方です。この効果はクリーントーンのリードギターの他、歪んだ音においても、よく使われます。圧縮と具体的に結びつきにくいこの効果ですが、具体的には下の図のようになります。
まず第一に、大きな音を圧縮して、音量レベルを揃えることで、音の減衰をなだらかにします。その状態で音量を引き上げることで、同じ音量を長く保つことができ、結果として、音がなかなか減衰せず長く伸びていくように聞こえるわけです。「BOSS CS-3」は、サスティナーという別のエフェクトが入っているわけではなく、この効果をモデル名として前面に出したものです。
原音への味付けが少なく、音量だけを揃えるという機能から、クリーンブースター的な利用や、ソロ時の音量アップのために利用することもできます。音質を制御するトーンコントロールを備えている機種などは、このような利用をある程度想定したものだと言えるでしょう。
過度なコンプレッションに設定すると、音が圧迫されて自然なダイナミクスが失われます。またコンプレッサーはノイズも圧縮し増幅するため、ノイズが目立ってしまうというデメリットがあります。ゲートをかけるなどしてノイズ対策をしつつ、適度な設定にしましょう。
コンプレッサーは全体のサウンドに大きな影響を与えます。ペダルの接続順は一般的に、ギターから出力される信号の直後、歪みペダルの前に接続されます。これにより原音のダイナミクスを均一にし、その後のエフェクトが一貫した信号を受け取ることができます。具体的には次のような順序が相応しいでしょう。
レコーディング用とギター用とは分けて考えられますが、基本的な動作原理は同じです。両者の違いとして真っ先に挙がるのは音質で、エレキギターのように周波数帯域の狭い楽器のために作られたものと、楽曲全ての楽器、歌を対象としたラック型のスタジオ機器では取り扱う音質において差があります。また、ギター用はモノラル対応が基本ですが、レコーディング・スタジオ用のものはステレオ出力に対応している他、圧縮の状態を目で見て判断するためのインジケーターが付いているなどの違いがあります。
しかしながら、昨今ではギター用のペダルにもスタジオ用に比肩するクオリティのものがちらほら発売されてきており、音質的な両者の差はなくなってきつつあります。
コスト・パフォーマンスに優れたペダルを語る上でやはり外せないのはこのEffects Bakery。Plain Bread Compressorはコンパクトな筐体に収められたコンプレッサーで、ナチュラルで使いやすいサウンドが特長です。コンプのかかり具合は「COMP」の1ノブのみで調節するため、「コンプレッサーってなんだか難しそう…」と感じているプレイヤーにもおすすめです。トーン/ボリューム・ノブも装備しているため音作りもしやすく、ノイズも非常に少ない優秀な一台です。何より5000円台で手に入れられるという手軽さは他にはない大きな魅力で、はじめてのコンプレッサーとして最適なペダルだといえるでしょう。
発売時期 | 2019年 |
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電池駆動 | x |
消費電流 | 17.5mA |
手頃な価格を実現したTC Electronic「Smorgasbord of Tones」シリーズの、ギタリスト向けエントリー・レベルのアナログ・コンプレッサー・ペダル。SUSTAIN/LEVEL/ATTACKのみのシンプルな操作系統で、アナログならではの暖かみのあるトーン・キャラクターを持っています。トゥルーバイパススイッチ搭載により、エフェクトOFF時には信号が直接バイパスされ、原音の劣化を防ぎます。
発売時期 | 2016年 |
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電池駆動 | ○ |
消費電流 | 5mA |
コストパフォーマンスを実現しながらも、スタジオクオリティのハイエンドなコンプレッサーを再現したという「1927 HOME RUN KING COMP.」。3ツマミシンプルな操作系統にコンプのかかり具合がLEDライトの点灯によって一目でわかるようになっているなど、初心者にとって効果を実感しにくいコンプレッサーを最大限扱いやすく設計配慮されているのが特徴です。Animals Pedalのペダルはなんといっても動物の可愛らしいイラスト・デザインが魅力の一つです。
発売時期 | 2015年 |
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電池駆動 | ○ |
消費電流 | 6mA |
MXR M102 DYNA COMPは、クラシックなギター用コンプレッサー・ペダルの代名詞です。OutputとSensitivityのみのシンプルな2ツマミによって、ギターのアタックとサスティンを調整可能。多くのプロにも愛用されており、初心者でも簡単に操作できます。温かみのあるコンプレッション・サウンドは、クリーントーンからファンキーなリズムプレイ、歪みサウンドまで幅広いトーンにマッチします。
発売時期 | 1973~74年頃 |
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電池駆動 | ○ |
消費電流 | 3.3mA |
ギタリストだけでなくベーシストにも愛用される定番のコンプレッサー・ペダル。BOSSらしいバランスの良いコンプレッションが特徴で、初心者はもちろんプロも愛用するロングセラーモデルです。ストラトやテレキャスターとの相性が良く、カッティングプレイ時には粒の揃った気持ちの良いサウンドになります。LEVEL、TONE、ATTACK、SUSRAINといった4つのコントロールツマミを搭載しており、コンプレッサーの基本操作を覚えるには持ってこいです。ちなみにTONEを調整することにより、より音ヌケの良いサウンドになります。
発売時期 | 1986年 |
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電池駆動 | ○ |
消費電流 | 10mA |
VELVET COMOPはクリーンだけでなく「オーバードライブやディストーション」との相性も良いコンプレッサーです。音自体はMXR DynaComp系統ですが、より艶のあるサウンドが特徴です。また、一般的なコンプレッサーペダルと比較すると、ノイズが少ないのが特徴です。コンプレッサー自体ある程度のノイズが乗ってしまうものですが、設計者がローノイズ回路に拘っていることもあって、本機種はそれを感じさせないクリアなサウンドに仕上がっています。多くのプロフェッショナルも使用しているモデルです。
発売時期 | 2010年 |
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電池駆動 | ○ |
消費電流 | 4mA |
MXRの名作ペダル・コンプレッサー「M102 DYNA COMP」のミニ・バージョンです。オリジナルの持つパーカッシブなサウンドと象徴的なレッド・カラーはそのままに、長辺約9cmの超コンパクトな筐体にダウン・サイジングされ、持ち運びやエフェクター・ボードへの設置にも便利な仕様となっています。さらに本機ではオリジナルのDynacompにはなかった「ATTACK」スイッチが搭載されており、アタック・タイムをスロー/ファストの2種類から選択できるようになっています。通常のDynacompを持っているプレイヤーにも、これからコンプレッサーを買おうとしているプレイヤーにもお勧めできる一台です。
発売時期 | 2017年 |
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電池駆動 | x |
消費電流 | 4mA |
冒頭に紹介した動画でギター博士が弾いているのが、TC Electronicのコンプレッサー・ペダル「HYPERGRAVITY COMPRESSOR」。TCのレコーディング・プロセッサーの最上位機種である「SYSTEM 6000」のコンプレッサーを元に開発されたペダルです。2010年代から盛り上がりをみせるスタジオグレードのコンパクト・コンプレッサーの流れを組むナチュラル系のサウンドに加えて、従来のオーソドックスな「パコっ」とした音のビンテージモードと、2種類のコンプ・サウンドが手に入れられ、さらにTonePrint機能によってプロがセッティングしたサウンドを本機に入れ替えて使うことができるようになっています。
発売時期 | 2015年 |
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電池駆動 | ○ |
消費電流 | 100mA |
同社のコンプレッサー、HyperGravityのミニ・バージョンです。小型化にあたって「BLEND」ノブとモード切り替えのスイッチが省かれていますが、ブレンドのパラメーターについてはPC上の専用エディタで調節が可能であるほか、モードの切り替えもTonePrintからの転送によって代替できるため、コンプレッサーとしての機能は通常サイズのものと全く同じです。もちろんSYSTEM 6000譲りの高品位なサウンドは本機においても変わりなく、ヴィンテージのペダル・コンプレッサーらしいパコパコとしたサウンドからナチュラルなコンプまで幅広く対応します。少ないスペースで最大級の効果が得られる、優れたペダルです。
発売時期 | 2017年 |
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電池駆動 | x |
消費電流 | 100mA |
BOSSが2016年11月にリリースした次世代コンプレッサー・ペダル「CP-1X」、コンパクト・サイズながらラック・タイプのコンプレッサーに匹敵するプロ品質を実現したモデルです。4つのツマミで操作する本格派コンプという点では上述の TC Electronic HYPERGRAVITY COMPRESSOR と同様ですが、CP-1Xにはコンプレッションされているかどうかを視覚的に捉えられるゲイン・リダクション・インジケーターを搭載、圧縮されれば点灯しされなければ点灯しないという、見た目にもコンプがかかっているかがわかりやすくなっているところがユニークなモデルです。
発売時期 | 2016年 |
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電池駆動 | ○ |
消費電流 | 90mA |
SP Compressorはコンパクトなボディとは裏腹に、「太いサウンド」を実現しているペダルです。コンプレッションは比較的強い方ですが、原音とエフェクト音をブレンドする「BLEND」ツマミによって、コンプレッサーをかけていることを忘れるほど自然なサウンドに仕上がります。Hi、MID、LOといった3つのモードを切り替えるスイッチを搭載し、これにより「コンプの掛りやすさ」を細かく調整することができます。ミニサイズながら電池駆動に対応している点もポイントです。
発売時期 | 2012年 |
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電池駆動 | ○ |
消費電流 | 5mA |
スタジオ・コンプの大定番、「1176」をコンパクトなペダルで再現したモデルです。実機の1176のサウンドを徹底的に模倣しており、ペダルとは思えないほどの高品位なサウンドはさすがUAFXといったところでしょうか。「INPUT」ノブで入力レベルと共にスレッショルドが調節できるなど、各コントロールについても実機に準拠しており、レシオを選択するボタンを全て押し込んだときの潰れたサウンドを再現するモードも用意されています。また2台の1176を直列/並列で接続することで得られる独特なトーンを再現するモードなども搭載しており、本機1つで1176の美味しさを全て味わえてしまうような贅沢なペダルとなっています。
発売時期 | 2023年 |
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電池駆動 | x |
消費電流 | 250mA |
アメリカはオクラホマのエフェクターブランド、Walrus AudioのコンプレッサーペダルがDeep sixです。この製品はスタジオ用コンプレッサーの名機、Universal Audio 1176に強い影響を受けており、他にもROSSやDynaComp等を参考にして開発されました。9Vアダプターで動作するペダルですが内部に昇圧回路を設けており、18V駆動を実現しているのも本機種の大きな特徴です。これによりダイナミックレンジの広い、立体感のあるサウンドとなっています。デザインも奇抜で、ちょっと変わったペダルが欲しいという方にオススメです。
発売時期 | 2019年 |
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電池駆動 | ○ |
消費電流 | 8.9mA |
ハイエンドに位置するSuhrのコンプレッサー。ナチュラルな効果から、バキバキとした掛かり方まで非常に幅広い音作りができ、どのセッティングにしても相応のクオリティ、優れた音質を実現している、さすがのSuhrと呼べる代物です。コンプレッションされる帯域を設定できるVoiceスイッチ、そしてのエフェクト音のブレンド量を決められるMixコントロールの恩恵は大きく、バッキングからリードまで、使い方に応じて求める音質を得やすくなっています。
発売時期 | 2013年 |
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電池駆動 | – |
消費電流 | 20mA |
Suhr KOJI COMP – Supernice!エフェクター
空間系を中心に高い品質のペダルを数多くリリースするstrymonのコンプレッサー・ペダルです。コンプレッサーのみでなくブースターも搭載されており、それぞれ2種類のモードを切り替えて使用できます。コンプレッサー・セクションはいわゆるVCAコンプで、回路はオール・アナログ。滑らかでクリアーなスタジオ・クオリティの「Studio」と、ヴィンテージのペダル・コンプ・スタイルの「Squeeze」が搭載されており、シチュエーションに応じて使い分けることも可能です。またエクスプレッション・ペダルなどの外部機器による操作に対応するほかプリセット機能も備えているなど、音質、機能性共に隙のないモデルです。
発売時期 | 2020年 |
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電池駆動 | x |
消費電流 | 150mA |
strymon COMPADRE – Supernice!エフェクター
以上、コンプレッサー・エフェクターの魔法をお伝えしました。初心者の方々にとって、コンプレッサーは頼れる相棒となり、演奏の幅を広げる一助となることでしょう。しかし、どんなエフェクトも最終的にはあなたの指先と心に頼るものです。音楽は感情の表現であり、あなたのストーリーを語る手段です。その旅路に、コンプレッサーエフェクターが新たな色彩を添えてくれることを願っています。
コンプレッサーの売れ筋を…
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