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2017上海ショー
Mooerは2010年、急速に経済発展が進む中国の深圳市において、4人の仲間が集い設立されました。設立当初はスリムで小型のコンパクトエフェクターを中心にラインナップを展開。この時期の製品はいわゆるコピーモデルに近いものが多く、純然たるオリジナリティがあったとは呼べないものを多く含んでいました。
しかし、数年も経たないうちに、他社とは一線を画した製品作りをラインナップに加え始め、デジタル製品も多く開発を進めていきます。看板シリーズでもあるMicro Preampはそのようなデジタル機器の技術を磨いていった結果生み出されたもので、2016年にはそのサウンドを信頼したデヴィン・タウンゼント氏とコラボレーションを行い、空間系マルチエフェクター「Ocean Machine」を開発します。それと前後するように、マルチエフェクターのベストセラー「GE200」が送り出され、その後にはその後継機となるフラッグシップ製品「GE300」が開発されました。
2018年にはついにアンプの製作を開始。エフェクター関係のラインナップは本体のみならずケースなどの小物に及び、ギター本体を除くすべてを自社製品で追求しています。
現在、中国出身のエフェクターメーカーとしては、HOTONEと並び、もっとも信頼されるブランドという地位を確立しており、今もなおその勢いはとどまるところを知らず、品質とオリジナリティを備えた製品を次々と開発しています。
ブランドの定番シリーズであるMicro Seriesは、発足当初のコピーモデルを多く含むラインナップがそのまま現在も続けられており、デザインが変更されていることを除けば、多くの製品がそのまま現行でも生産されています。その中にはBOSS BD-2を模倣したとされる「Blues Mood」など、非常に評価の高いものもあり、その値段の安さもあってか、初心者からも無理なく導入できる敷居の低さがなにより魅力です。
また、マルチエフェクターに代表されるプロセッサー系の製品は、幅広い性能や機能をうまく整理して組み込んだり、かゆいところに手が届くような絶妙な機能を備えていたり、工夫の光る製品が多いのが特徴。複数のモジュレーションをひとつにまとめた「Mod Factory Pro」や、残響系のエフェクトを網羅しながらも、マルチエフェクター並のメモリ機能や操作性を実現した「Ocean Machine」、最高峰モデルでありながら機能を敢えて絞り使いやすさを優先した「GE300」などは、今までありそうでなかった製品であり、ひとつの工夫をうまく製品に仕立て上げる目付の良さを感じさせます。
また、ブランドのデビューが小型モデルからのスタートであった点も大きな特徴で、今に至るまでサイズにこだわった開発についてはほぼぶれずに一貫しており、現在のトレンドともなっている小型軽量志向を牽引してきた存在でもあります。上に挙げたMicro Series、Micro Preampシリーズや、同価格帯のなかでは小型がひときわ目を引くマルチエフェクター「GE200」、ツインペダル仕様に関わらずも極めて小さく作られたTwin Seriesなど、小型について他社を凌駕するほどのこだわりが見られる点は、MOOERが人気を博すひとつの大きな理由と言えるでしょう。
ブランドの発足当初からのシリーズ。主に他社製品のコピーが多く、そのコピーの精度、一貫した小型サイズに安価という点が人気を博し、多くのベストセラーモデルが存在しています。小型の代償として、電池が使えない点だけは注意しましょう。
BOSS BD-2 Blues Driverの模倣と思しきオーバードライブペダル。MOOERの単一歪みペダルの中でも非常に評価の高いモデルで、元ネタとされるBD-2をかなり忠実に再現しています。BD-2同様サウンド幅は思いのほか広く、オリジナルにはないBrightとFatという二種のモード切替もできる優れもの。値段もかなり安価なので、初めての歪みペダルとしても気軽に導入できるでしょう。
Mooer Blues Mood – Supernice!エフェクター
FulltoneのOCDを意識したとされるペダル。本家同様、クランチ、オーバードライブからディストーションに近い域まで、ゲインの幅は非常に広く、小型の筐体からは考えられないほどの音圧を持っています。高域にピークを持たせた攻撃的なHPモードと、低域に重心のある落ち着いたLPモードの切替ができ、単一での使いやすさではラインナップ中でも群を抜いています。
MOOER Hustle Drive – Supernice!エフェクター
非常に素直なデジタルディレイ。音質劣化の少ないNormalモードに加えて、ディレイ音にモジュレーションを掛けるModモード、そしてディレイ音のみを出力するKill Dryモードを装備。ディレイタイムは1秒まで対応しており、セッティング幅も通常仕様において十二分なので、とりあえずの一台として助かる存在。初めての単体ディレイとしてもおすすめです。
MOOER Repeater – Supernice!エフェクター
タイプの違うモジュレーションを16種類も内蔵した、「揺らし系の工場」というにふさわしいマルチモデル。モードAにはコーラス、フェイザー、フランジャー、トレモロなどの一般的なもの。モードBには少し毛色の違うコーラス二種に加え、オートワウ、オクターバーなどを含んでいます。これらのモードを組み合わせてサウンドを構築でき、非常に複雑なエフェクトを簡単に掛けることができます。セッティングの自由さをいかしてオリジナルなサウンドを作るのも面白いでしょう。タップテンポ、4つまでのプリセットメモリーにも対応し、モジュレーションを一台で賄うにはまさにうってつけのモデルと言えます(写真はMod Factory MkII)。
Mooer Mod Factory MkII – Supernice!エフェクター
MOOER最大の看板商品ともいえるシリーズ。超小型の筐体の中にはデジタルプリアンプが内蔵され、非常に繊細な領域まで本物のアンプを模倣しています。いずれもチャンネル数を2つ持ち、フットスイッチでの切替も可能。また、キャビネットエミュレーターも内蔵し、スイッチの長押しでオンオフを切り替えられます。
DiezelのHaganをモチーフとしたプリアンプペダル。ゴリゴリとした激しい歪みはまさにDiezelアンプのそれで、完全なクリーントーンのJC-120などを猛烈なハイゲインアンプに変えることができます。高域がやや強めに作られているので、そのあたりのセッティングが使いこなす上での要となります。
Mooer Micro Preamp 001 – Supernice!エフェクター
エドワード・ヴァン・ヘイレン氏の代名詞、EVH 5150を意識したプリアンプ。モダンハイゲインアンプの代表的存在でもあり、ハイゲインが必要とされる音楽にはほぼ全てで対応可能。また、美しいクリーントーンもまた5150アンプそのものを再現できており、クリーンチャンネルを選択していても、ゲインを上げることで滑らかにクリーンからクランチへと移行していく様など、まさにアンプ的な音の鳴りは見事です。
Mooer Micro Preamp 005 – Supernice!エフェクター
90年代初頭に人気を博したFender Blues Deluxeをモチーフとしたプリアンプ。定評のあるクリーントーンは、乾いたコシを感じさせる優れもので、チューブらしい粘り気はまさにFenderアンプのそれを思わせます。なめらかなオーバードライブチャンネルもブルースなどに最適で、手軽に真空管らしい音を得るために良い選択となるでしょう。
Mooer Micro Preamp 006 – Supernice!エフェクター
そのサイズからは想像できない、最大30Wのパワーアンプ。WarmとBrightという音色の質感を変更するスイッチがあり、これがPresenceの役目を果たしています。8~16Ωのスピーカーに対応し、通常のスタジオや中規模程度のライブなどであれば十分に賄える大音量を得ることができます。ボリュームを上げるにつれて若干コンプ感が掛かってくるところなどは、真空管らしい挙動とも言え、この製品のひとつの魅力になり得る部分でしょう。Micro Preampシリーズと組み合わせると、文字通り極小のアンプヘッドが誕生するので、最小軽量でスピーカー以外の全ての機材を固めることができます。
MOOER BABY BOMB 30 – Supernice!エフェクター
55のアンプモデル、26のキャビネットモデル、70種類のエフェクトを備えた、MOOERマルチエフェクターの中級機。キャビネットシミュレーターには外部IRファイルの読み込みに対応し、アンプモデルはMicro Preampシリーズで培った技術を結集した優秀なものを内蔵しており、いずれも他社のエントリーモデルを明らかに一歩リードする機能を備えています。昨今のマルチエフェクターでは当たり前に搭載されるドラムマシンやルーパーも内蔵され、オーディオインターフェイス機能も完備。5インチのカラーディスプレイによる優れた視認性に、ペダル付きマルチエフェクターの中ではトップクラスの小型軽量を誇り、使い勝手も非常に良好。値段と機能とのバランスがよい優秀な製品で、MOOERの製品の中でもとりわけよく売れているモデルです。
MOOER GE200 – Supernice!エフェクター
108のアンプモデル、48のキャビネットモデル、ギターのトーンをキャプチャーして再現できる「トーンキャプチャー機能」、そしてアナログシンセのサウンドを生成できる機能などを備えた、MOOERのフラッグシップモデル。機能は純粋なGE200の延長上にあり、独自の優れたアンプモデルやIRロード機能などをいずれも受け継いだ上で、アンプやエフェクトの種類を増やし、別機能を加えたという設計になっています。操作体系やスイッチ系統などが洗練され、音作りのしやすさにおいてはトップクラスの使いやすさを誇りますが、反面競合製品にあたるBOSS GT-1000などに比べてできることが少なく、操作系の簡便さを保つために、あえて必要な機能を選別した印象を受けます。ギターを弾くという点でどこまでの機能が必要かといったところが、導入するかの決め手になるでしょう。
MOOER GE300 – Supernice!エフェクター
デヴィン・タウンゼント氏とのコラボレーションで、2年以上の開発期間を経て生み出された、ディレイ、リバーブ統合マルチエフェクター。ディレイ、リバーブともに、デジタル、アナログ、ホール、ルーム、プレートなどの定番に加え、様々な独自のモードを含む全24種類が搭載されており、ディレイ2系統、リバーブ1系統の計3種類を、直列あるいは並列で自在にルーティングできます。設定によっては個別のエフェクターの集合体として使うこともでき、各エフェクトを複合させることで非現実的な空間や、アンビエント的効果を演出することも容易。プリセットは24種類、タップテンポ機能はもちろんのこと、44秒までのルーパーも搭載。まさにOceanの名に恥じない、無限の可能性を秘めるエフェクターです。
Mooer Ocean Machine – Supernice!エフェクター
低価格に小型の初心者向けモデルから、大型のマルチエフェクターまで、多岐に渡る製品が存在するのもMOOERの魅力。なかでもスリムなMicro~の名を冠するコンパクト群は初心者に大のおすすめ。マルチ入門としてもGE200などは良い選択となること間違いありません。
エフェクターの売れ筋を…
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