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テレキャスターのボディは、シルエットだけでそれとわかる大変に特徴的なものです。
左:アルダーボディ
右:アッシュボディ
テレキャスターのボディ材は、アッシュとアルダーが主流派で、比較的安価なものにはバスウッドなどが使用されます。1969年式のシンラインでは、マホガニーが使用されることもありました。
テレキャスターという分野ではアッシュ材に根強い支持があり、重くはあってもアタックの立つキャラクターがテレキャスターのイメージにマッチしている、と感じるギタリストが多くいます。
アルダーは比較的軽量で、バランスの良い音響特性もあり、テレキャスターに限らずエレキギターに理想的な木材です。
バスウッドはさらに軽量であり、またクセがないことから、高級機に採用される例もあります(ジェームス・バートンモデル)。
左:ソリッドボディ
右:シンライン
テレキャスターのボディ構造はソリッドが基本です。内部をくり抜くものは「シンライン」で、通常Fホールが空けられます。
フェンダーは「木材のグレードでは勝負しない」ことをポリシーにしているようで、「何ピースボディ」という表示を行いません。2ピースかもしれないし、3ピースかもしれませんが、全て等しく「ソリッド」とみなし、それによってサウンドに差が出るわけではない、と考えているわけです。
バックコンター無し、ヒールカット無しのClassic 60s Tele Custom
《Vintage 伝統的なテレキャスターのボディは、表も裏も真っ平らで、ネックを受け止めるヒール部はしっかり長方形です。現代の感覚では、フィット感やハイポジションの演奏性が不足気味と感じられるかもしれません。しかしテレキャスター・サウンドの武骨なイメージを体現している仕様でもあり、今なお愛されている定番仕様です。
《Modern いっぽう現代的な仕様では、このボディのトガったところを削り落とし、現代的な機能と演奏性を持たせます。背面を削るバックコンターは、グレードを問わず現代的なテレキャスターに多く採用されます。一方でヒール部を削るヒールカットは限定的で、今のところアメリカン・シリーズなどUSA製のみの採用です。
American Professional Telecaster Deluxe ShawBucker:コンター加工
DELUXE NASHVILLE TELE:ヒールカット
American Elite Telecaster:コンター加工&ヒールカット
これらのような裏側の加工は、ちょっと高く構えてソロを弾くようなスタイルの人に大はたいへん有利です。バックコンターで大きく削られて軽量になる、抱えやすく弾きやすい、といった「弾き手への歩み寄り」は、テレキャスターにあっても良いのです。
ボディのサイドに白い縁取り(バインディング)が入った「Classic 60s Tele Custom」
バインディングやピックガードはルックス上のカッコよさを決定づける大変重要なパーツです。音響面にも影響があり、ボディ鳴りがちょっと抑制され、コードプレイに特に良好な引き締まったキレの良い音になります。
ピックガードには
があり、形状は本体のタイプごとに決まっています。50年代モデルではネジの本数が少なく、若干スッキリとした印象になります。
Classic 60s Tele Custom:基本はボルトオンジョイント
テレキャスターのネックは、「弦長25.5インチのメイプルネック」と「ボルトオンジョイント」を基本的な共通仕様としながら、1)ナット幅、2)フレット数とサイズ、3)指板材と指板R、4)ネックシェイプと塗装、5)トラスロッドの仕様で新旧が分かれます。それぞれについてチェックしていきましょう。

「ナット幅」は、「0フレット地点でのネックの幅」を意味します。1mmにも満たない僅かな違いのようにも思えますが、弾き心地はかなり違ってきます。細ければ良いというわけでもないので、ぜひ実際に確かめてみてください。
《Vintage》 フェンダー・テレキャスターのナット幅は41mm近辺が標準でしたが、現在「42mm」を標準としており、大多数のモデルがこの値になっています。現在、この42mmより狭いナット幅を持つネックを「ナローネック」と呼ぶこともあります。
《Modern》 新しい設計では、やや拡充された「42.8mm」が採用されます。弦同士の間隔(弦間ピッチ)にゆとりが出るため、テクニカルな演奏に有利です。
最終フレットにポジションマークが付いているから、コレは21フレット仕様
フレット数には「21」と「22」があります。ヴィンテージ・スタイルでは21と決まっていますが、モダン・スタイルでは22のものと21のものとが混在しています。
フレットサイズは、サウンドと演奏性を左右します。現在の標準は「ミディアム・ジャンボ(ほどほどにでかい)」や「ナロー・トール(細いけど背が高い)」です。フレットは大きくなるとアタックが立ち、サスティンが豊かに響きます。反対に小さくなると木材の個性が出やすく、倍音豊かなサウンドになります。
また、高さがあったほうがラクに押さえることができ、チョーキング、ハンマリング、プリング、ビブラートなど指技に有利です。
現代的な演奏スタイルでは、1弦22フレットからの1音チョーキングでE(高いミ)が出せることに重要な意味があります。ですから特にソロをバリバリ演奏したいという人には、22フレット仕様は必須のスペックだと言えます。21フレットでは高音に不利ですが、これを工夫してうまいことやるのが「フェンダー使い」の心意気だと考える人も多く、通好みの仕様だと言えるでしょう。
ではなぜレオ・フェンダー氏は21フレット仕様を採用したのか、これについては諸説ありますが、「ジョイント部分の強度に関する問題」のほかに、「21フレットの場合、ネックの端からフロント・ピックアップまでの距離にゆとりがあって美しい。22フレットでは窮屈に感じる」という説には、なかなかに説得力があると考えられています。
ピックアップの位置は、求めるサウンドで決められます。よって、「テレキャスターのフロントピックアップの位置は、ココ!」と決まっているのです。
ピックアップをマウントするためにはボディに孔(ピックアップ・キャビティ)が空けられますが、そのすぐ近くにネックを受け止める孔(ネックポケット)が空けられます。22フレット仕様向けにネックポケットを空けると、すぐ近くにピックアップキャビティがあるために強度不足となってしまいます。そこで1フレットぶんネックを短くし、ネックポケットの強度を稼いでいるわけです。
22フレット仕様では、基本的に1フレットぶん指板だけ延長します。
フレットの種類と特徴
テレキャスターのローズウッド指板
テレキャスターの指板材は、メイプルとローズウッドが主流ですが、エボニーやパーフェローなどが使用されることもあります。
と言われますが、樹種の傾向に木材の個体差までが影響するところなので、ギターの音から指板材を察するのはかなり困難です。メイプル指板で濁った音も出せるしローズ指板で歯切れのよいシャリシャリの音も出せますから、特に深いこだわりがなければ外観上の問題と割りきっても良いでしょう。
指板の丸みを測るのがR(ラディアス)という単位
「指板R」は、新旧の違いが明らかに出るポイントです。
《Vintage》 丸みのきつい「7.25インチ(184.1mm)R」。特にコードを押さえるのに有利で、消音にも良好なので歯切れのよいカッティングではかなり有利。しかし弦高を下げるセッティングがしにくい。
《Modern》 他ブランドよりはやや丸みのある「9.5インチ(241mm)R」が現在の主流。このほか12インチR、コンパウンド・ラジアスなどあるが、総じてヴィンテージ・スタイルより平たい。弦高を下げたセッティングにしやすいので、全体的に弾きやすくなりやすい。

フェンダーのネックシェイプは、断面をイメージさせるアルファベットで表現されます。
《Vintage》 「カマボコ」とも呼ばれる「U」シェイプ、やや薄くした「D」シェイプなど、肉厚なシェイプ。
《Modern》 「D」のエッジをカットした「C」シェイプが標準。細身の「スリムC」、やや肉厚な「モダンC」などのバリエーションも。
「スリムなネックが弾きやすい」と思われがちですが、ある程度の厚みはあったほうが押弦の圧力をかけやすいという研究もあります。ネックシェイプは演奏性に直接影響し、また名前だけではなかなか判別しにくいところですから、気になるギターのネックは実際に触ってみるのが良いでしょう。
ネックのフィニッシュ(塗装)についても新旧が分かれます。
《Vintage》 ツヤッツヤの「グロス」塗装。高級機ではラッカーが使われることもある。適度なグリップ感が得られる。
《Modern》 サラッサラの「サテン」塗装。ラッカーは使われない。手との摩擦が少なく、移動がしやすい。
《Vintage》 ジョイント側に開口。調節するときにはいちいちネックを外す。70年代以降はヘッド側に開口した。順反りの調整のみ可能。
《Modern》 ヘッド側に開口。ネックを外さなくても調節できる。また高級仕様では、順反り/逆反りの両方が調整できる。
フェンダーのトラスロッドは、50、60年代はジョイント側から、70年代はヘッド側から調整します。ロッドの調整のために毎回ネックを外さなければならないのは、上級者でもハードルの高い作業です。自分でセッティングしたい人は、ネックを外さなくてもロッド調節ができるギターがお勧めです。
ヴィンテージ・スタイルは厄介かもしれませんが、フェンダーが発明した「デタッチャブル(取り外し可能)ネック」の恩恵を受けることができます。最も強度が要求されるジョイント部の端まで、ロッドがいきわたるのが利点です。セットネックのギターでは、ジョイント部にロッドを開口できません。
ピックアップは、フェンダーがとってもこだわっているパーツです。なかなか簡単に踏み込むことのできないディープな領域なのですが、分かりやすい範囲でチェックしていきましょう。

《Vintage》 ヴィンテージ・スタイルの場合、フロントピックアップはボディマウントになります。ネジの見えないスッキリとした見た目が魅力ですが、高さ調節のためにはピックガードを外すひと手間が必要。

《Modern》 現代仕様ではフロントピックアップがピックガードマウントに。高さ調節がカンタンにできます。

フロントピックアップをPAF型ハムバッカーに換装。

ワイドレンジハムバッカーは、互い違いのポールピースが特徴。
フェンダーの伝統的なハムバッカーは「ワイドレンジ・ハムバッカー」で、3つずつ互い違いに見えるポールピースが特徴。一般的なハムバッカーと異なり、高音域が豊かに響くように設計されています。これに対して現代志向のハムバッカーは、PAFタイプが主流です。
金属パーツでは、ペグとブリッジに特徴が現れます。総じて、ヴィンテージ・スタイルは軽量な、モダン・スタイルは重量感のある設計です。交換のハードルが低い分野なので、試しにやってみるのもおすすめです。それぞれについて見ていきましょう。
左:クルーソンタイプ、右:ロトマチックタイプ(ロック式)
クルーソンタイプのペグは軽量で、倍音豊かな音色となります。音の伸びはロトマチックに劣りますが、「気持ちの良い減衰」と好意的にとらえられます。ロトマチックタイプは堅牢で重量感があるため音の伸びに優れ、倍音の整理された引き締まった音になります。
モダン・スタイルでは、ストリングポストの高さを変化させて弦張力を整える機能(Staggerd)や、軸で弦をロックする機能(Locking)など、新しい世代に求められる性能が追加されることもあります。
左:ヴィンテージ・スタイル、右:モダン・スタイル
テレキャスターのブリッジは、
の二つを基本とし、リアがハムバッカーになっているものはストラト的なハードテイル・ブリッジが使われます。
ヴィンテージ・スタイルのブリッジは「3連サドル」が基本。サドルの材質は年式によって異なり、サウンドキャラクターに違いが生まれます。
ヴィンテージ・スタイルはブリッジプレートの「壁」がピッキングの邪魔になりやすく、またオクターブ調整が甘くなりやすいというデメリットこそあれ、この仕様だからこその音響性が現在でも重宝されています。
モダン・スタイルのブリッジプレートは、肉厚なプレートで「壁」が無いぶんの強度を補っています。また「ブロックタイプの6連サドル」を基本とし、重みのある金属パーツによる引き締まった音色、「壁」が無くなったことによる演奏性を手に入れ、オクターブ調整がビシっと決まるようになっています。モダン・スタイルの金属パーツはペグ、ブリッジともに重く、そして堅牢になっています。
《Vintage》 3WAYセレクタースイッチ、ボリュームポット、トーンポット(1V1T)
《Modern》 「S-1」スイッチ、4WAYセレクターなどの多機能化や特殊配線。
ヴィンテージ・スタイルの操作系および配線は、いたってシンプルです。これに対し、モダン・スタイルではさまざまな工夫が見られます。
以上、さまざまな観点からフェンダー・テレキャスターを見ていきました。たくさんのことがありましたが、本格的に見ていこうと思ったら、それこそ本が一冊書けるくらいです。
実際に、
テレキャスターに関する書籍は、このように数多く出版されています。興味を持った人は、こうした本を読んでみても良いでしょう。現在はネット社会でこそあれ、本を買わないと手に入らない情報にはまだまだ高い価値があります。
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