アッパー・ストラクチュア・トライアドとは?

[記事公開日]2015/9/19 [最終更新日]2021/12/21
[編集者]神崎聡

アッパー・ストラクチュア・トライアド(以下UST)とは、コードを構成する音(コードトーン)とそのテンション・ノートとを組み合わせてできるトライアド(3音の和音)のことです。通常はメジャー・トライアドとマイナー・トライアドのみを指し、最低1音のテンション・ノートを含んでいる事が条件で、テンション・ノートのみでも可能です。USTを理解することで、アドリブの時のフレーズの素になったり、バッキングなどの際にも使用することでより現代的なコードサウンドにする事ができます。

USTタブ譜_01 USTをアドリブに使った例

USTタブ譜_02 USTをバッキングに使った例

key = C で考えてみよう

曲の各コードにはキーが何であるか?によってスケールが決まり、それに従いそのコードに対するテンション・ノートが決まります。

CM7に対するUST

四角で囲んだものがCM7に対するUSTになります。上の譜面の場合、「G」「Am」ですね。

4声のコードには「ルート音、3度音、5度音」でできるトライアドと「3度音、5度音、7度音」とでできる二つのトライアドが含まれています。
主なコードを見てみると

ust_1_04

これらはUSTには含めませんが、これも覚えておくといろいろな場面で役立ちます。

基本的なUST

コードトーンの上にテンション・ノートを重ねてみましょう。

Dドリアンスケール上のUST

Dm7に最低1音のテンション・ノートを含むようにトライアドを作ると、Dm7に対するUSTはAマイナーCメジャーになります。

このように「コードの上にテンションを重ねると見えるUST」は基本的なUSTです。
忘れてしまったとしてもまだ音符に書けば見えますね。

しかし、コードの中には上のように重ねただけでは見えないものもあります。

見えないUST

GフリジアンスケールのUST

Cマイナー・キーにおけるG7の場合はAb音とEb音がテンション・ノートになります。
これをそのままG7の上に乗せるとディミニッシュ・トライアドとオーギュメント・トライアドができますが、これらはUSTに含めません。
ではこの場合のUSTは無いように見えますが、異名同音を考慮するとAbマイナー・トライアドができます。
このような場合はただコードトーンの上にテンション・ノートを乗せただけだと見えません。

これらはコードごとに覚えていくしかありません。

トライアドのフォーム

ではUSTの前に元となるトライアドを指板上で見てみましょう。

メジャー・トライアド

メジャー・トライアドTab譜

Cメジャー・トライアド:1,2,3弦

Cメジャー・トライアド:2,3,4弦

Cメジャー・トライアド:3,4,5弦

Cメジャー・トライアド:4,5,6弦

知っているコードと照らし合わせるようにすると覚えられると思います。
その時、まずはその中のどの音がコードのルートなのか?を覚えるようにしてください。

マイナー・トライアド

マイナー・トライアドTab譜

Cマイナー・トライアド:1,2,3弦

Cマイナー・トライアド:2,3,4弦

Cマイナー・トライアド:3,4,5弦

Cマイナー・トライアド:4,5,6弦

アッパー・ストラクチュア・トライアド:その2「分数コードについて」
アッパー・ストラクチャー・トライアド:その3「コードにおけるUST」

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