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ブルースはロック、ジャズ、ソウル、R&B等のいろいろな音楽の元になっています。
これらの音楽はブルースから生まれたと言っても良いでしょう。
またブルースはギターを弾く人にとっては馴染み深い音楽の一つでもあるでしょう。
ギター弾きが集まればブルースでセッション、というように少しの約束事で手軽にセッションできるのもブルースの素晴らしいところです。
音楽的な構造として、ブルースはメジャー・キー、マイナー・キーというものとやや違う形をしています。
いろいろな音楽の元となっているブルースを理論的な側面から見てみましょう。
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ブルーノートとは? ブルースで使われる音階 ブルーノート・ペンタトニック・スケール メジャー・ペンタトニック・スケール その他のスケール ブルースにおけるリズム的な特徴 2、4拍アクセント 跳ねたリズム 小節へ向かうメロディ ブルースにおけるメロディ ブルースで使われるコード ブルース進行 3コード・ブルース ジャズ・ブルース マイナー・ブルース
次のようなメロディがあったとすると
アフリカ系アメリカ人が歌うと次のように歌う、と言われています。
音階の第3音であるEがEbになっています。
この音は実際はEとEbの中間くらいの音ではっきりと半音下がった音ではありません。
クラシックから生まれた五線譜は半音より細かな音の違いを表記できません。
そのためEbという表記で記譜してあります。
微分音
半音より細かな音を微分音といいます。 近年になって微分音の譜面上での記譜の方法が決められましたがまだ一般的ではなく、一般的な譜面は最も細かな音の違いは半音とするのが一般的です。
このような彼らが使う独特の節回しにでてくる独特の音をブルーノートと言います。
ブルーノートとはキーの主音から見た短3度、減5度、短7度の3つの音を指します。
これらの音はもちろんブルースで多用されますが、ブルースの影響を受けているとされる音楽にも使われます。
ただブルーノートはただ使っただけではブルースにフレイズにはなりません。
独特の歌い回しの中で使われて初めてブルース的なフレイズに聴こえます。
○を付けてある音がブルーノートです。
それ以外はメジャー・スケール上にある音です。
Cというメジャー・コードがなっている時、普通ならE音が使われるはずが半音下がってEb音になっています。
Eb音はマイナー・コードの特徴を表す音です。
が、マイナー・コードになっているわけではありません。
メジャー・コードという明るい響きのコードが鳴っているのに第3音が半音下がって歌われることでやや寂しげな響きに聴こえます。
このような「メジャーの響きとマイナーの響きが混ざった状態」がブルースであるとも言えます。
クラシックでは和音と旋律は必ず調和していなくてはいけません。
つまりCメジャー・コードが鳴っている時はメロディーはその響きを壊してはいけないということです。
Cメジャーの時にF音を伸ばすとコードの中のE音の半音上になり全体の響きが濁ってしまいます。
クラシックを元とする和声ではこのような「音階にはあるがある和音において伸ばしてはいけない音」を「障音(アボイド・ノート」としています。
ブルースではコードトーンの半音上ではなく半音下ですが、やはりコードの響きが濁ってしまいます。
クラシックではこのようにCメジャーが鳴っている時にEb音を歌うということはあってはいけない、ということです。
このあたりがクラシックからの音楽とブルースからくる音楽との最も大きな違いです。
ブルーノートのBLUEは気持ち等が少し沈んでいる時等に使われる言葉です。
音が少し下がる事でメロディが寂しげに聴こえるので「ブルーな音=ブルーノート」ということです。
ブルースの独特の節回しの中に現れる音を主音から並べると上のようになります。
この音階をブルーノートスケール(またはブルース・スケール)といいます。
これらはメジャー・スケールのように並べて歌われる事はありません。
多くの場合、2つの五音音階(にいくつかの音を加える)として使われます。
ブルース・ペンタトニック・スケールとも言われます。
短3度、短7度という二つのブルーノートを含んだペンタトニック・スケールです。
マイナーペンタトニックスケールと同じ形の音階です。
これに長2度や長6度を加えて使う事もあります。
このブルーノート・ペンタトニックにもう一つのブルーノートである減5度を加えることもあります。
減5度のブルーノートは単独で使われたり、他の音へ跳躍することはなく、完全4度や完全5度の音へつながる音として使われます。
メジャー・スケールにもある5つの音でできている音階です。
これには短3度や短7度を加えて使う事もあります。
2つのペンタトニック・スケールの関係
同じブルーノート・スケールからできる二つのペンタトニック・スケールを見てみると ブルーノート・ペンタトニック・スケールはマイナー・ペンタトニック・スケールと同じ形です。 メジャーペンタトニックスケールは長6度の音(この場合のA音)から並べるとマイナー・ペンタトニック・スケールの形になります。 ということは1つのブルーノート・スケールには短3度離れた二つのマイナー・ペンタトニック・スケールが含まれている、と考える事もできます。 またブルーノート・ペンタトニック・スケールに減5度を加えたものとメジャー・ペンタトニック・スケールに短3度を加えたものも同じ形になっています。 これらは部分的に使い分けられます。
1つのブルーノート・スケールにはいろいろな音階が含まれています。
ブルーノート・スケールには2つのメジャー・スケールが含まれています。
これをブルースのキーの主音から並べると
という2つの音階ができます。
これらもよく使われるので覚えておくと良いでしょう。
また1つのメジャー・スケールには3つのペンタトニック・スケールが入っています。
1つのブルーノート・スケールにはメジャー・スケールが二つ入っていますから
1つのブルーノート・スケールには(共通するものを省いて)4つのペンタトニック・スケールが含まれていることになります。
ブルースはリズム的にも黒人独特のものが見られます。
その特徴は
クラシック等は1拍目がアクセントなことが多いのに対し、ブルース等の場合はバックビートとよばれる2、4拍目にアクセントがあります。
このようなビートに慣れるにはメトロノームをすべての拍で鳴らすのではなく、実際のテンポの半分にセットしてそれを2、4拍に感じられるように自分のリズムの取り方を練習してみてください。
この時点で中々上手くとれないかもしれません。
ブルースを聴きながら2、4拍で手を叩くなどしてこのリズムに慣れる事から初めてください。
黒人のもつリズムは跳ねたリズムに特徴があります。
これはシャッフルとよばれる跳ねたリズムです。
3連符に近い音符が中心になります。
シャッフルの場合は3連符の真ん中の音がないリズムが基本のリズムになります。
その場合は、譜面に3連符表記を使って書くと見づらくなってしまうので次のような表記をして
書きやすく、見やすくします。
次の二つは同じ音をシャッフル表記と通常の音符で書いたものです。
シャッフル表記有り
表記無しの場合
シャッフルの基本ビート以外の音符は3連符を使って通常通りに表記します。
もっと細かな音符の場合は次のようなものになります。
これは実際はやや違いますが半拍が3連符になっている(6連符)と考えてください。
このようなリズムはハーフシャッフルと言います。
このようなリズムはヒップホップ、R&B、ソウル、ファンクなどのリズムの元となっています。
黒人のメロディの多くは小節の1拍目から始まるのではなく、1拍目で終るメロディです。
このようなメロディは何拍目から始まる、というよりも小節の頭へ向かって歌っているととらえたほうが理解しやすいと思います。
このようなメロディを弾く時に大切になるのは「小節感」頭ではなく身体で1小節を覚えるということです。
次のような練習をするのが効果的です。
① メトロノームを80くらいにセット
② 次のメロディを順に歌う
○をつけた数字は音符までの拍です。半拍(シャッフルなので実際は3連符の2つ分になります)は「・」です。
このメロディは小節の頭へ向かって音符の数が一つづつ増えていくメロディです。
このようなフレイズをしっかりと練習するとだんだんと「小節の頭へ向かう」という感覚ができてきます。
ブルースでは音階上の音をただ並べただけでは様になりません。
もっとも大事なのはブルースの歌い回しを覚えることです。
特にブルースでは主音へ連結されるメロディが多く使われます。
3つのブルーノートを中心に基本的なメロディを見てみましょう!
まずm3のブルーノート周りでは
などが良く使われます。
またこの音は長く伸ばしたりという形でも使用されます。
b5のブルーノートはP4とP5をつなぐ経過音としてや、P4へのアプローチ・ノート的に使われる事がほとんどで、長く伸ばしたり、跳んだ音へつなぐことはありません。
m7の音は主音へ連結されることはあまりなく、半音下がってM6音へ連結される形が多様されます。
その他にブルースのメロディとして多用されるのはM6音です。
M6音はブルースに明るさを出す重要な音です。
また通常の音楽におけるアボイド・ノートになる音もブルースではほとんど気にせずに使用されます。
通常のメジャー・キーではⅠコードではP4音はアボイド・ノートとなり、長く伸ばしたりしてはいけません。
が、ブルースではアボイド・ノートという考え方はしないため、この音も多用されます。
上のメロディはCメジャー・コードの場合、通常はF音がアボイドになるため使用できませんが、ブルースの場合はこのメロディも問題ありません。
このような部分もブルースの特徴と言えるでしょう。
ブルースで中心になるのはキーの3コードです。
この3つのコードはダイアトニック・コードにも現れます。
すべてトライアドで使用される事もありますが、多くの場合はⅠコードやⅣコードにブルーノートを加えて
7thコードにして使用されます。
またこれらのそれぞれにテンション・ノートを加えて鳴らされる事も少なくありません。
使用されるテンション・ノートはそれぞれのコードに対する
9th、(#9th)、13th
です。
ただⅣ7コードでの#9thはブルーノート・スケール上にはない音(主音からみたm6)なのでやや使い方が難しく感じます。
コード進行の一つのパターンとして、ブルース進行があります。
その多くは12小節1コーラスとなっています。
ブルースでは4小節×3と考えてください。
最初の4小節はⅠコード(トニック)の部分
次の4小節はⅣコードからⅠコードへ
最後の4小節はⅠコードへ戻るケーデンス部分
となっています。
曲によって若干違いがありますが、基本的な進行は次のようなものです。
2小節目はⅣコードになることもあります。
特徴的なのは3段目、ケーデンス部分にⅤ7→Ⅳという通常では見られない形のケーデンスが使われています。
これはブルース独特の進行で、ブルース・ケーデンスとも言われます。
3コード・ブルースの進行にⅡーⅤや二次ドミナント等を取り入れたもの。
ジャズ・ブルースでは同じ7thコードでもブルーノート・スケールの他にオルタード・スケール等も使用する事で
ジャズ独特のフレイジングを可能にしています。
例えば同じⅠ7でも冒頭のⅠ7と4小節目のⅠ7では捉え方を変えています。
冒頭のⅠ7はブルースのトニックとしての7thですが、4小節目のⅠ7は5小節目のⅣ7へ向かう二次ドミナントとして扱われる事が多く、ブルースではあまり使われないオルタード・スケール等の「次のコードへ進もうとするスケール」も使用されます。
さらに特徴的なのは8小節目のⅥ7コード。
これは9小節目のⅡm7(あるいはⅡ7)へ向かう二次ドミナントです。
そしてケーデンス部分ではいわゆるⅡーⅤ進行(Ⅱm7-Ⅴ7、あるいはⅡ7-Ⅴ7)が使用されます。
ⅠコードとⅣコードをマイナーにしたもの。
マイナー・ブルースではⅠmコード、Ⅳmコードともm6やm7を加えて使われる事がほとんどです。
またマイナー・ブルースの特徴としてはケーデンス部分にbⅥ7-Ⅴ7という進行が使われていることです。
ここで使用されているbⅥ7コードはコードトーンに(主音から見た)m3とb5という二つのブルーノートを持っています。
そのためブルース独特のメロディが歌いやすいコードとしてブルースでは多用されます。
ブルース進行は譜面を見ながら、ではなく「今どこを演奏しているか?」がパッとわかるようになるまでしっかりと覚えてください。
ブルースを聴きながら、「キーは何?」「今どこを演奏してる?」ということがわかってきてはじめてセッションに参加できるようになります。
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