youtubeやニコ動など「弾いてみた」動画を撮影する方法

[記事公開日]2015/1/3 [最終更新日]2017/8/15
[編集者]神崎聡

いつも拝見させていただいてます、ありがとうございます
さっそく質問なんですが
youtubeであげられてる曲のギターのcoverなどはどのようにして、とられているのでしょうか
最初に曲を録音しておいて、あとでビデオカメラなどであて振りをして撮り、録音したやつと動画を組み合わせるという方法があると知ったのですが、どのような機材を使っているのかも分かりません。
CDと一緒に弾いたりすると非常にひどい音質になるので困っています・・・。
その機材のことや、動画と録音の合成の仕方、いろいろなソフトなどを教えていただけたら幸いです
アドバイスお願いします。 – (2011/6/8)10~19歳 男性(高校生・中学生・小学生)

ギターなど「弾いてみた動画」の作り方には様々な方法があります。
一つの機器で録音・録画を同時にしても音質・画質ともに劣化が少ないデバイスもあるので、あて振りをしなくてもいいケースもありますよ。ここではいくつかの動画撮影のやり方や必要な機材について紹介していきますので、色々な方法を検討してみてください。

①モバイルデバイス(iPhone / iPad等)を使っての録画・録音

iPhone や iPad などのモバイルデバイスには「録画・録音機能」が標準搭載されているため、これらを使えば簡単に弾いてみた動画を作ることができます。モバイルデバイス+αだけ用意すれば良いので、動画製作を気軽に始められるのが魅力です。
気になる映像のクオリティですが、最新のモバイルデバイスには高性能のカメラ機能が搭載されているため、デジタルカメラやビデオレコーダーに匹敵するキレイな映像を撮影することができます。

ただ、録音したサウンドの音質に関しては、お世辞にも良いとは言えません。音質は内蔵マイクの性能に依存しますが、モバイルデバイスのマイクはギターやベースのレコーディングには向いていないため、「音割れ」や「ノイズ」が目立ってしまいます。

iPhone や iPad を使ってキレイな音質で録画したい場合は、iOS用オーディオインターフェイスを利用します。

IK Multimedia「iRig」シリーズ

iRig iRig HD iRig PRO iRig Mic
左から:iRig、iRig HD、iRig PRO、iRig Mic

iRig は iPhone や iPad と電子楽器をつなげるオーディオインターフェイスです。エレキギターと iPhone の間につなげることで、クリアな音質で録音することが可能でき、弾いてみた動画のクオリティが格段に向上します。モバイルデバイス1台で動画を作成する場合、専用のオーディオインターフェースは「必須」と言えます。

iRig にはiRig/iRig HD/iRig PRO/マイク版であるiRig Micとグレードにわかれたラインナップが存在します。iRig それぞれの特徴については当サイトのレビュー記事をご覧下さい。


iRig/iRg HD/iRig Pro徹底比較!

Focusrite iTrack Pocket

Focusrite iTrack Pocket

ちなみに、音響機器メーカーである Focusrite から、 iTrack Pocket という画期的なオーディオインターフェースが販売されています。アンプシミュレーターはもちろん、リバーブやコンプレッサーといったエフェクト機能も内蔵しています。専用アプリだけで撮影からアップロードまで完結する他、サウンドクオリティも高いと評判です。
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オススメのiPhoneギターアプリ

②デジタルカメラやビデオレコーダーを使って録画・録音

最もポピュラーなのが、「デジタルカメラ」や「一眼レフカメラ」、「ビデオレコーダー」を使った撮影方法です。録画と録音を同時に行うことができる上、上記のモバイルデバイスよりも高画質で録画できるのが魅力です。

弾いてみた動画の撮影に最適なのは、「一眼レフ」あるいは「ビデオレコーダー」です。その理由として、「演奏時の指の動きを鮮明に撮影できる」ということが挙げられます。デジタルカメラでも撮影自体は可能ですが、機種によっては映像がぼやけることがあり、被写体が頻繁に動く、弾いてみた動画の撮影には不向きと言えます。
キレイに撮影できなかった時のためにも、撮影デバイスは複数所持しておくのが望ましいです。

ビデオレコーダー:ZOOM Q4/Q8

ZOOM Q4 ZOOM Q4

ギター博士の「弾いてみた動画」の撮影にも使っているビデオレコーダーがZOOMの「Q4」。ZOOMといえばマルチエフェクターで有名な世界的メーカーですが、クリエイター向けのハンディ・ビデオレコーダーも取り扱っています。

Q4 は音楽の動画撮影のためにつくられたビデオレコーダーで、音声入力切替によってライブ・パフォーマンス時の爆音でも音が歪まずキレイに録音できるのが特徴です。
ギターを大音量で鳴らす「弾いてみた動画」をキレイな音質で撮影できるのはもちろん、ネットストリーミング放送にも対応しているため「ライブ配信」も可能です。弾いてみた動画の可能性を広げるとして、注目されているデバイスです。
2015年2月に登場する上位モデルの「Q8」も、Q4 と共に弾いてみた動画の撮影に最適です。

以下のリンク先で詳しく説明しているので、気になる人はチェックしてみて下さい。

ライブ収録・PV撮影・弾いてみたなど、楽器演奏の動画撮影に最適なZOOMのビデオレコーダー「Q4」 – エレキギターニュース.com

デジタル一眼レフ・カメラ:CANON kiss シリーズ

Canon EOS Kiss

ギター博士の初期の動画撮影、写真撮影(現役で活躍しています)で使っているのが CANON kiss シリーズのデジタル一眼レフ・カメラです。

CANON kiss シリーズの特徴はデジタル一眼レフでの高品質な写真撮影だけでなく、動画も撮ることができるという点です。
録画の際の音質・録画品質についてはビデオレコーダーなどの専用機種にはかないませんが、動画撮影だけでなく画像も使いたいという人や、1つの動画で2つのカメラをまわすという使い方もできるなど、重宝するアイテムだと思います。

CANON kiss シリーズは一眼レフカメラとしてはリーズナブルな価格帯であり、コストパフォーマンスに優れています。一眼レフ初心者の方は、このモデルから試してみると良いでしょう。

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Q4とCANON kiss シリーズを使って撮影した動画がこちら


左:2014楽器フェア TC Group ジャパン・ブースでギター博士が弾いてみた!、右:
サウンドメッセ2015in大阪「トリプルネックギターショウ」

どちらの動画もこの2つの機材を駆使して撮影されたものです。Q4で撮影することによってライブ会場のような爆音が鳴っている環境でも音割れがないのが最大のメリットですね。そしてCANON kiss シリーズのカメラによって接写の時でも綺麗に撮影できるのが魅力です。

③パソコンを使っての録画・録音

「パソコン」と「ウェブカメラ」、「オーディオインターフェース」そして「音楽編集ソフト」を使った撮影方法を紹介します。この方法で動画を製作している投稿者は多く、パソコン内で全ての作業を完結させられるのが魅力です。

録画:ウェブカメラやビデオレコーダー

ノートパソコンを使っている方はウェブカメラが標準搭載されていますが、パソコンによっては画素数が低いため、高画質かつ鮮明な映像を撮るのが難しい場合があります。そのため、画素数の高いウェブカメラを別途用意しておいた方が良いでしょう。もちろんデジタルカメラやビデオレコーダーを使うのも有効です。

録音:オーディオインターフェイスを用意する

次に、パソコンとオーディオインターフェースを接続します。オーディオインターフェースは高音質なライン入力を可能にする機材であり、本体のジャックにケーブルを挿してレコーディングを行います。

おすすめのオーディオインターフェイス – DTM博士

ギタリストはアンプシミュレーターがあると便利

LINE6 POD 2.0 LINE6 POD 2.0

このままでは楽器のバイパス音のみが取り込まれるため、必要に応じて「アンプシミュレーター」を用意します。これにより、実機のアンプに繋がなくても、リアルなギターサウンドを録音することができます。

オススメはハードタイプ(実機)のアンプシミュレーターで、中でもLine6の「PODシリーズ」は多くのプロが愛用している定番モデルです。直感的な操作が可能であり、初心者でも簡単に使いこなすことができます。

撮影手順

カメラの録画を始め、音楽編集ソフトの録音ボタンを押したら撮影開始です。

撮影後は、映像データと録音としたオーディオデータを動画編集ソフトに取り込みます。音ズレの無いように編集し、動画ファイルとして書き出せば完成です。大音量でアンプを鳴らす必要も無く、ヘッドフォンを付ければ深夜でも撮影できるため、自宅での撮影に最も適している方法と言えます。

動画編集ソフト

動画作成にこだわりたい人にとって動画編集ソフトは必須アイテムです。無料のソフトでも十分に対応できますので、はじめての人はまずは無料ソフトからチャレンジしてみると良いでしょう。

iMovie(フリー)

「iMovie」はMac OS上で動作する動画編集ソフトです。iPhoneやiPadなどのモバイルデバイスや、デジタルカメラで撮影された映像を取り込むことができます。avi、mpeg、MP4といったファイル変換に対応している他、ソフト内から「Youtube」に動画を投稿できる機能もあるので、動画投稿をスムーズに行うことができます。ちなみに、iOS用のアプリも販売されています。

Final Cut Pro

iMovieの上位版に位置する動画編集ソフトが「Final Cut Pro」です。映像エフェクトやテロップ、効果音等が充実しているプロ仕様の編集ソフトになります。弾いてみた動画は比較的地味な映像になりやすいので、エフェクトやテロップを加え、視聴者の目を楽しませる編集にするのも良いでしょう。

Windowsムービーメーカー(フリー)

Windows上で動作するフリーの動画編集ソフトといえば「Windowsムービーメーカー」です。Windowsに標準搭載されており、無料で利用することができます。フリーということもあり、細かいカットや凝った編集は出来ませんが、十分な機能を備えています。動画編集未経験の方は、まずはこのソフトから試してみましょう。

AviUtl(フリー)

フリーソフトながら、有料ソフトと同程度の性能を誇る動画編集ソフトが「AviUtl」です。多少専門的になるものの、本格的な編集を可能とする数少ないソフトです。開発段階ということもあり、不便な点も多数ありますが、その完成度が高いです。今後はフリーの動画編集ソフトとして、スタンダードになっていくことでしょう。

VideoStudio Pro

Windows上で動作するオススメの有料動画編集ソフトが「VideoStudio Pro」です。映像エフェクトやテロップのプリセットが豊富で、簡単操作で本格的な映像を作ることができます。映像の画質と音質を細かく設定できる上、最新バージョンでは超高画質である「4K」にも対応しています。無料体験版を公式サイトからダウンロードできるので、興味がある方は試してみましょう。

その他にあると便利な機材

動画のクオリティを高めるためにも「三脚」や「反射板」、「マイク」といった機材があると良いでしょう。

三脚

三脚

三脚があればカメラを固定することができ、より視聴者が見やすいアングルで撮影することができます。ビデオレコーダーを使う場合は持っておきたいアイテムです。
AAmazon「三脚」のベストセラー

反射板

反射板

反射板(レフ板)は被写体に光を当てる板のことです。薄暗い場所で、被写体(演奏者)のカメラ写りが悪い際に役立ちます。反射板は自作することもできます。

マイク

高音質での録音にマイクは必須アイテムです。「ダイナミックマイク」と「コンデンサーマイク」の2種類がありますが、ギターアンプの録音はダイナミックマイクで、アコースティックギターの録音はコンデンサーマイクを使うと良いでしょう。ギターアンプの録音のために、まずは業界標準の「SM57」を一本用意しておくと良いでしょう。

撮影用ライト


撮影ライトなし(左)/あり(右)の動画比較。ライトがある方がクオリティが高い感じがする

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