ギター博士が色々なピックを比較してみた!!

[記事公開日]2015/11/23 [最終更新日]2018/2/2
[編集者]神崎聡

ギターピック徹底比較

みなさんは普段どんなピックを使っていますか?ピックと一口に言っても形や素材、厚さと色々な種類があります。その中から自分のお気に入りを探し出すのって結構難しいですよね。そこで今回、ギター博士が「ピックの形」「ピックの厚さ」「ピックの素材」に分類してそれぞれのピックを弾きわける、利き茶ならぬ【利きピック】をやってみました!「イマイチ自分のお気に入りのピックが決めきれていない」「お気に入りはあるけどもっと色々なピックを試してみたい」と思っている人は参考にしてみて下さい!!

比較の方法について

kiki-pick

まずギターピックを「ピックの形」「ピックの厚さ」「ピックの素材」の3つに分類し、

  • ピックの形:同一ブランドのミディアムサイズで統一
  • ピックの厚さ:同一ブランドの同じ形・同じ素材で統一
  • ピックの素材:ミディアムサイズのティアドロップで統一

というように、「ピックの形」だったら形による違いがわかりやすいように、「ピックの厚さ」だったら厚さ以外の要素を統一、「ピックの素材」なら弾き心地はなるべく同じになるようにと、それぞれのケースで違いがわかりやすいように統一して比較してみました。

いざ、ピックの比較開始!

まず最初は「ピックの形」比較です。

ピックの形比較

ピックの形:ティアドロップ、オニギリ、JAZZ、ISO

今回用意したのはGROVER ALLMAN のギターピックからティアドロップ/オニギリ/ジャズ/ISOの4種類の形(サムピック、円形ピックは今回は省略しました)。以下、ギター博士が弾き比べた感想です。

ティアドロップ ピックの角度によって出せる音色の幅が広い
有名な形なので素材の幅が広く選べる
オニギリ 大きいので手にフィットする
3面使えるので長持ち
他のピックに比べて角が鈍角なので音は太め
JAZZ 他のピックに比べて角が鋭角なので、力強く高域が強調されたトレブリーな音
ドライブサウンドとも相性が良い
小さく小回りが効くので速弾きに向いている反面、カッティングやストロークでは
ピックが回ってしまうかもしれない。
ISO 基本はティアドロップだが、持ち手の面積が大きいのでしっかりと手で持てる、ずれにくい
(ギター博士はこれを利用して横持ちにしています)
《ギター博士流》ピックの持ち方・ピッキングの仕方

プレイスタイルによって選択するといいかも

ティアドロップはもっともオーソドックスなだけあって、プレイスタイルを選ばす広く使いやすい形と言えそうです。一方JAZZ型は速弾きなどテクニカルなプレイに適しているとのこと。オニギリ型は持ちやすいことからボーカル・ギターの人が使うケースが多いピックです。

ピックの厚さ比較

ピックの厚さ:THIN, MEDIUM, HEAVY 今回比較する3枚:0.46mm、0.81mm、1.35mm

続いて厚さ比較。こちらもGROVER ALLMANから、素材はビンテージセルロイド、形はティアドロップで統一した6枚を用意。その中から極端に薄い「0.46mm(THIN)」、通常サイズの「0.81mm(MEDIUM)」、極端に厚い「1.35mm(HEAVY)」の3枚をピックアップし、弾き比べました。以下、ギター博士が弾き比べた感想です。

演奏スタイルを「コードストローク」「アルペジオ」「カッティング」「ギターソロ」と4つに分類し、特にポジティブな感想にはオレンジの色を付けました。

コードストローク アルペジオ カッティング ギターソロ
0.46mm
THIN
キレイ
弦に負けてくれる
しなる
ピックがスムースに通る
キレイ
きらびやか
しなりすぎるのでキレキレなサウンドではないが各弦のバランスはよい ピックがしなるので、ニュアンスのコントロールがしにくい
0.81mm
MEDIUM
ワイルドな雰囲気
バランス感はある
芯が出るので、きらびやかさが少なめ 最適
しなりすぎずキレがある
ジャキーンって感じ
音がクリア
弦のひっかかり感がある
1.35mm
HEAVY
かき鳴らすような演奏だと、弦が暴れるかも メロウな音色 分厚すぎる
ブラッシングを多用するファンキーなカッティングよりは、ジャジーなリズムギターにあうと感じた
丸い
クリーントーンの甘いソロにもあうが、速弾きでも音が太い

厚さによってかなり音色に幅がある!

厚さによってかなり弾き心地が変わることが、ギター博士の感想から分かりました。 まず 0.46mm の THIN、コードストロークやアルペジオなどソフトなタッチの演奏で威力を発揮しそうです。アコースティックギターにも適していると言えるでしょう。 続いてミディアム、今回使った 0.81mm だとカッティングに最適な反面、薄いピックに比べてアルペジオの煌びやかさが少し失われるという結果に。 1.35mm の HEAVY はコードストロクや鋭いカッティングには不向きかもしれませんが、ギターソロに適した太い音が得られます。 アコースティックギターでソフトタッチなコードストロークだけという人は THIN を。 オールマイティなプレイだったら MEDIUM、ギターソロは弾かずとにかくシャープな弾き心地が良いという人は MEDIUM よりさらに薄いピック(0.71mm)を、パンチ感が欲しい場合は(0.96mm) ジャズなどギターソロに甘いトーンが欲しい時はHEAVY を、そこからサウンドに鋭さが欲しい場合はちょっとずつ薄めのピック(0.96mm や 1.14mm など)を などなど...どのようなギタープレイをするかによって厚さを選ぶと、好みの弾き心地になりそうですね!

ピックの素材比較

ピックの素材セルロイド、デルリん、トーテックス、ナイロン、ウルテム

左から:セルロイド、デルリン、トーテックス、ナイロン、ウルテム、INFINIX

最後は素材の比較。Jim Dunlop など独自開発の素材のものが存在するのでメーカーはバラバラですが、ティアドロップのミディアムサイズで統一しました。以下、ギター博士が弾き比べた感想です。

セルロイド 手にフィットする
くっきり輪郭のある感じ
滑りずらい
柔らかめな音色
デルリン なめらかに指にフィットする
艶やかな音
はちみつの瓶に手を入れたみたいな感じ
トーテックス ザラザラしてすべりにくい
芯が太い
力強い
ナイロン やわらかい
ピックのしなりが強い
甘い音色
ピックの通りが良い
ウルテム 音の立ち上がりが良い
クリア
INFINIX 指への吸い付きがある/非常に滑りにくい
艶やかな音

比較を終えてみて…

clear

ギター博士から一言

ワシは普段使っているピックはほぼ固定なので、自分の使いやすいピックが全てだと思っていたけど、実際に色々な種類のピックを試してみると、こんなにも音色に幅があるのかと驚いておるゾィ!!プレイスタイルが異なると、それにあったピックが存在するっていう新しい発見があって、ワシ自身とても参考になったワィ。
手に持った感触などは実際に持ってみないとわからないので、気になったピックは是非一度手にとって試して欲しいナ!

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