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メロディックマイナースケール(旋律的短音階)は、ナチュラルマイナースケールの6度と7度の音を半音高くしたスケール、ハーモニックマイナースケールの6度の音を半音高くしたスケールです。
例えばCナチュラルマイナー(C D E♭ F G A♭ B♭)を基にすると、CメロディックマイナーではA♭→A、B♭→Bとなります。
この変化によって旋律の上昇がなめらかになり、マイナー特有の哀愁に“希望”や前向きさが加わった不思議な響きになります
メロディックマイナーは、元々クラシック音楽でハーモニックマイナーの♭6と7の間隔(増2度)が大きすぎて旋律が不自然になる問題を解消するために考案されました。
結果として増2度の飛躍が解消され、滑らかで美しい短調メロディが実現しました。
クラシックでは上行時のみ6度7度を上げ、下降時は元のナチュラルマイナーに戻す運用が一般的です。
一方、ジャズでは上昇・下降ともに同じ音列(6度7度を上げた形)を使うのが一般的で、いわゆる“ジャズ・メロディックマイナー”として扱われます。
ナチュラル、ハーモニック、メロディックの3種の短音階は音の並びが異なるだけでなく機能面でも差があります。各スケールの音程構成は以下の通りです。
メロディックマイナーはナチュラルマイナーの♭6と♭7をそれぞれ半音上げた音階です。これにより導音(7度音)が確保され、短調でも強い緊張感と解決感を得られるようになります。
一方ナチュラルマイナーは♭7(サブトニック)ゆえ解決感が弱く、素朴で純粋な哀愁の響きです。
ハーモニックマイナーは7度のみを上げた短音階で、中東音楽風の独特な響きや増2度の大きな跳躍を持ちます。
響きとしてはハーモニックマイナーが緊張感・ドラマチックさを強調するのに対し、メロディックマイナーは滑らかさと上昇感を持ち「切ないけど美しい」高貴な短調サウンドになります
メロディックマイナーは実はメジャースケールとたった1音しか違わないスケールです。
言い換えると「メジャースケールのⅢ度(長3度)を半音下げたスケール」として捉えることができます。
メジャースケール由来の明るさや安定感に、短調特有の哀愁を加えた洗練されたサウンドと言えるでしょう。
前述のように「メジャースケールの♭3版」として考えると、既存の運指からの応用がしやすくなります。
例えばドリアンスケールを知っていれば、その♭7を半音上げるだけでメロディックマイナーになることが理解できます。
メロディックマイナーはドリアンと音1つ違いですから、ドリアン習得後のステップアップに最適と言われます。
反対に、まずは慣れ親しんだペンタトニックや既存フレーズを出発点に、そこへ足りない音(長2度や長7度など)を足していく方法も有効です。
新しいスケールを一から暗記するより、手持ちのフレーズを少し変化させて「メロディックマイナー化」する方が効率的に習得できます。
ギター博士「薄明かりのBARにいるようなスモーキーな雰囲気ぢゃ」
ギター博士「奏法のポイントは5,6小節目の上昇フレーズの運指なんぢゃ。6弦10フレットを起点にして、全て『人差し指→中指→人差し指→小指』というのを1セットとして、1オクターブずつ上昇していくという仕組みなんぢゃな。」
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