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LINDY FRALIN(リンディ・フレーリン)はアメリカのヴァージニア州、リッチモンドに工房を構えるピックアップ専門メーカーです。創業者のリンディ・フレーリン氏を含む社員は計10人。ピックアップ製作のスペシャリストを集めた、小規模ながら大手ピックアップメーカーと肩を並べる「世界的メーカー」です。
1980年頃、リンディ氏は自身が使っていた1965年製ストラトキャスターの、ブリッジピックアップに満足がいかず、自分で製作しようとしてピックアップの自己製作に思い至ります。ミシンと速度調整用のトランスを購入し、地元リッチモンドの楽器店で壊れたピックアップを仕入れてはリワインドの経験を重ねていきますが、始めてから5年間ぐらいは満足のいくものができなかったと本人は語っています。
やがて安定した製作ができるようになってくると、リンディ氏は雑誌に広告を出し、製作やリワインドの仕事をあちこちから請け負うようになります。事業が大きくなるにつれて、彼はあらゆる時代のピックアップをかき集め、そのサウンドについて研究を重ねました。どのようにして素晴らしい音を得ているのか、徹底的に調べ上げて、それを自分の製作の経験に生かして行きました。
1990年頃、工房に自作用の機械を導入し、オリジナルモデルの開発販売を主とする事業を立ち上げます。これが現在のリンディ・フレーリン社の始まりです。会社創業後はまもなくしてインターネットが爆発的に普及する時代へと突入、そこで口コミでの評判が広まるにつけ、広告に費用を掛ける必要もなく、その名が一気に広まりました。これについては「一気に色々とできるようになり、本当に幸運だった」とリンディ氏本人が語っていますが、その幸運が舞い降りたのも、自らの作り出した製品の質の高さゆえであることは言うまでもありません。
創業30年近く経った現在でも、シングルコイルを主軸としたラインナップの全てを、手巻きで作り上げるスタイルを崩していません。その職人技が生み出すサウンドは、高い評価を得続けています。
LINDY FRALINのピックアップは全製作工程が「手作業」で行われていることが特徴です。当然コイルは手巻きであり、巻き方にランダム性を加えることによって、機会巻きには真似のできない極上のサウンドを作り上げています。まさに「職人芸」と呼べるでしょう。
手巻きは品質管理が難しいと言われていますが、同メーカーの製品は「100年持つ」と創業者が自負しています。そのために全製品のコイルにワックスを塗り、振動や空気から保護しています。
ラインナップはストラトキャスター用やテレキャスター用のシングルコイルが多く、ハムバッカーは少なめ。いずれも1950~60年代辺りのヴィンテージサウンドを意識したものが多く、これはリンディ氏がピックアップ製作を始める理由となったのが、自分自身の1965年製ストラトキャスターのためであったことと無縁ではないでしょう。また彼はロックンロールやブルースの演奏を定期的に行うミュージシャンでもあり、その演奏のための理想的サウンドをピックアップ製作の原動力にしているところも、その理由となっているようです。
リンディ・フレーリンを始めとする、ヴィンテージ系サウンドを狙ったピックアップの話によく出てくるのが”Pre CBSフェンダー”という用語。これは「CBSの前のフェンダー」の意味で、1965年、CBS社に買収される以前のフェンダー社を指します。
CBS買収以降のフェンダー製品は品質低下の一途を辿り、それ以前と以後で明確な差があります。世に溢れるヴィンテージ系サウンドを狙ったピックアップやストラトキャスター系やテレキャスター系などのギター製品は、基本的にCBS買収以前のものを目標として製作されており、リンディ・フレーリンの製品も例外ではありません。
現在のフェンダーは一度消滅したあと、1985年に日本のフジゲンなどの支援により再興された、第3次とも言うべき体制になっています。
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ストラト用、テレキャス用、ムスタング用を含むシングルコイル系については、
の3種が展開されています。しかし、High Outputのシリーズなどは国内で手に入りにくく、見る機会は数の多いストラト用、テレキャス用でもVintageとBlue Specialが主となります。また、このシリーズに当てはまらない製品として、代表的なモデルである「Real 54」などが存在します。
ハムバッカーはPure PAF系以外について、国内での流通はほとんどなく、直輸入以外で手に入れるのは難しい状況です。また、シングルコイル系にはノイズレスを実現したスタックタイプのSplit-Bladeのシリーズが存在し、こちらも少量ながら流通しており、リンディ・フレーリンの魅力ある音をノイズレスに得られる、良質なモデルとなっています。
これらのカテゴリ分けを意識した上で製品を考えると、望むものにたどり着きやすいでしょう。
LINDY FRALINの定番モデル、1954年製のストラトキャスターに搭載されていたピックアップを再現した「Real 54’s」です。
このピックアップは55年製以降に主流となったアルニコVマグネットとは違い、アルニコIIIを使用。このマグネットは初期ブロードキャスターと54年製ストラト以外には使われていない代物で、より厚みと荒々しさを感じるサウンドを特徴としています。そのため、ヴィンテージ系特有の枯れとワイルドさを同時に味わうことができ、結果として、ピッキングニュアンスやダイナミクス、再生周波数帯域、全てが「これぞストラトキャスター」と言える素晴らしい音を体現しています。
ヴィンテージ系に少なからず存在する低パワーはほぼ感じさせず、その感覚に基づく太さと粘りを特徴とするため、様々なジャンルに使える間口の広さを持ち合わせており、代表的モデルになっている一番の要因もその部分にあります。ピッキングニュアンスを敏感に拾うため、表情豊かな演奏ができうる反面、ごまかしが効かないので一定以上の演奏技術が要求されるモデルでもありますが、これはリンディ・フレーリンのピックアップ全てに当てはまります。
リンディ・フレーリンのピックアップを…
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