EMG社は現社長でもあるロバート・ターナー氏が立ち上げた、ピックアップのブランドです。ピックアップ内にプリアンプを搭載するという画期的な製品作りによって、唯一無二の音色を実現し、一躍、リプレイスメントピックアップの定番の一つに躍り出ました。
ロバート氏は若かりし時、父親がラジオショップを経営していたという都合もあり、フェンダーやギブソンのピックアップを手に入れては分解、改造しながらその知識を深めていきます。EMGの前身となる「DIRTY WORKS STUDIO」を、出身地でもあるカリフォルニア州ロングビーチで立ち上げたときには、すでに電源供給を視野に入れたピックアップが開発されており、’79年には現行の「81」や「SA」の原型となるモデルも完成。その後「OVERLEND」と社名を変え、最終的に「EMG PICKUPS」に落ち着きました。
氏はアクティブ・ピックアップのヒントを、電源供給して作動させるコンデンサーマイクから得たと発言しており、ギターのピックアップにも同じように電源供給することでより対外ノイズに強く、高出力でクリーンなものにできるのではないか、という発想が大本として存在していたようです。ピックアップもマイクロフォンの一つであるという本質を突いたその発想力、現在のEMGピックアップの完成形にたどり着いたその技術力は素晴らしく、パッシブ・ピックアップ以外の第2の選択肢を市場に提供した役割は非常に大きいと言えるでしょう。
目次
EMGピックアップの特徴
EMGピックアップのラインナップ
VIDEO
布袋寅泰 / HOTEI 「Highway Star」【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
世界のHOTEIこと布袋寅泰氏は、長らくEMGを愛用するアーティストの一人。モダンプレイヤーにとって、EMGは強力な味方となる。
EMGピックアップの特徴
EMGピックアップ最大の特徴は、内部にプリアンプが封入されている点です。このような機構を持つピックアップを「アクティブ・ピックアップ」と呼び、通常のものを「パッシブ・ピックアップ」と呼んで区別されます。
アクティブ・ピックアップの電気信号は、電池駆動の内蔵プリアンプによって通常の「ハイインピーダンス」から「ローインピーダンス」へと変換されます。インピーダンスについて追及するには電気的な理解が必要になりますが、ここでは「電源によって信号が強化される」という理解でだいたい大丈夫です。強化された信号は、回路やシールドを通過する際に外来ノイズの影響を受けにくく、また配線やシールド本体の持つ電気抵抗の影響を受けにくく音痩せしにくいので、ノイズの極端に少ない、また高域の響きが豊かなギターサウンドが得られます。
また、ボリュームノブの操作で音質が変化しにくいのも特徴です。パッシブではギターのボリュームを絞るぶんだけ高域が損なわれがちですが、アクティブではフルアップ時の音質のままで音量を操作できます。
アクティブ・ピックアップから発せられるローインピーダンスの信号には「ギターアンプを使わず、レコーダーに直接送ってもクリアな音が得られる」という特性もあります。スタジオワークでこの特性が注目されたこともあり、スタジオミュージシャンがこぞって利用しました。現在では、高出力ならではのハイゲインや、深く歪ませても音の芯が残るという特性を好んだ、ハードロックやヘヴィ・メタルを演奏するギタリストに使われる傾向が強くなっています。
VIDEO
Silas Fernandes performs “Heavy Droids” on EMGtv
スタジオミュージシャンやフュージョンのアーティストも多く愛用するEMGだが、現代では特にヘヴィミュージックとの相性の良さが注目されている。
「バー・マグネット&コイル」が基本構造
S/S/81のセット。磁石の保護のためもあってか、EMGピックアップはカバーに収められ、内部も樹脂で固められている。分解するには専門的な知恵が必要で、いちど分解したら復旧はできない。
EMGピックアップの基本的な構造は、棒状の長い磁石をコイルの中心に寝かせる形です。一見するとバー・ポールピースあるいはブレード型と表現されるタイプのピックアップに似てはいますが、磁石でバー・ポールピース本体を作るという設計は、他社になかなか例がありません。
またバー・ポールピースは、ピックアップの端から端までの範囲で均一に磁場を展開します。ネック幅やブリッジ仕様による弦間ピッチを気にせずに設置でき、大胆なチョーキングもしっかり拾います。磁力は控え目に設定されているので弦振動を邪魔しにくく、豊かなサスティンが得られます。
仕様にさまざまなバリエーションがある
EMGではひとつのモデルに対して磁石やプリアンプを変更したり、タップ機能を追加したりする仕様変更を施したバリエーションモデルを展開しています。こうした仕様が場合モデル名に表示されることが多い反面、歴史の長いモデルでは昔のままの名前が使われていることもあります。
磁石はセラミックとアルニコの2種類
EMGで使用される磁石はセラミックを基本とし、アルニコに変更したモデルにはその名に「A」が付けられます。その一方で、セラミックを使った「81」の磁石をアルニコに変更した「85」や、アルニコを使った「T」の磁石をセラミックに変更した「TC」の例もあり、磁石の表示法については統一されていません。
セラミック :全帯域をきれいに出力します。アルニコと比べると相対的に高域が伸びているように聞こえ、そのせいかレンジの広さをより感じさせます。倍音も豊かで、クリーントーンなどは粒の揃った明るい音色になります。
アルニコ :やや中低域よりにピークのあるサウンドです。高域部分は若干落ちますが、中低域にピークが来ているので、音の密度が濃いように感じ、歪ませた際にはウォームなサウンドが得られます(公式に「アルニコ」としか表示されない例もありますが、記述が無い場合のほとんどはアルニコVだと考えられます)。
2タイプのプリアンプ
EMG「89X」
Xプリアンプ搭載機は、本体のロゴにも「X」が表示される。
EMGピックアップのサウンドバリエーションは一般的なピックアップと同様、コイルと磁石の組み合わせで作られます。内蔵されるプリアンプには、デビュー当時から連綿と受け継がれてきたスタンダードなプリアンプと、ヘッドルームを拡大してパッシブ並みのダイナミクスをもつ上位機種「Xプリアンプ」の2タイプがあります。このうちXプリアンプを採用したモデルには、その名に「X」が添えられます。
また、少数ではありますがプリアンプを持たないパッシブ・ピックアップもリリースされています。こちらはその仕様がモデル名に表示されないことも多いのですが、付属のボリュームポットに250kオームや500kオームといった高い抵抗値が採用されているところから判別できます。
「TW」はデュアルモード仕様機
「81(左)」と「81TW(右)」。並べてみると高さに違いが確認できる。
モデル名に「TW」が添えられるモデルは、通常のコイルタップのような感覚でシングルコイルとデュアルコイル(ハムバッカー)の二つのモードを切り替えることができます。ただし、シリアル/パラレルやフェイズなど特殊配線には対応しません。
なお、TW仕様機は設計上、本体の高さが増します。通常0.9インチ(約2.3センチ)のところ1.1インチ(約2.8センチ)になるので、取り付けの際にはピックアップキャビティの加工が必要になるかもしれません。
EMGピックアップの注意点
良いことずくめにも思えるEMGピックアップですが、アクティブ・ピックアップという設計上の特殊性からいくつかの注意点があります。これについて考えてみましょう。
プリアンプによる「コンプレッション感」が、メリットにもデメリットにもなりえる
名機「85」と「SA」を切り替えられる「89(左)」と、そのXプリアンプ仕様機「89X(右)」。パッシブ・ピックアップの感触を大事にしている人には、Xシリーズがお勧め。
EMGのサウンドはプリアンプに由来する「コンプレッション感がある」と表現されます。これを好意的に解釈すると、音にまとまりがあり、エフェクターの乗りが良く、ドライブサウンドとの相性が良い、となります。その一方で、パッシブ・ピックアップほどにはピッキングニュアンスによる表現の幅が充分ではない、と感じるプレイヤーもいます。
EMGではこうした声に応え、適度なコンプレッション感のある従来のプリアンプのほかに、ヘッドルームを拡大してコンプレッション感を抑えた「Xプリアンプ」を開発、またパッシブと変わらないニュアンスを達成した「Retro Active」シリーズを新設、ピッキングニュアンスにこだわりたいギタリストがそのこだわりに妥協せず、ローインピーダンスの恩恵を受けられるようにしています。
他社製ピックアップとの併用はできない
電気系を一新する必要上、単体で販売されるピックアップにも専用のポットやジャックなどが付属する。独自の「ソルダーレス・システム」により、アウトプットジャック以外はハンダ付けを必要としない。SSHやHHなどのセットで調達すれば、付属品が無駄にならずに済む。
EMGピックアップはローインピーダンス信号を送信するという電気的特性上、抵抗値25kオームのボリュームポットとトーンポットを使用します。パッシブ・ピックアップで使用するポットはハイインピーダンス信号を通過させるため、通常250kオームや500kオームといった抵抗値になります。EMGは、パッシブ・ピックアップとポットを共有できないわけです。例えば普通のストラトに「リアだけEMG」といった改造はできず、EMGピックアップを使おうとしたらフロントからリアまでEMGに統一した上で、電気系を一新する必要があるわけです。なおアンプやエフェクターについては、これまで通りの愛用品を問題なく使用できます。
電池残量に気を遣う必要がある
VIDEO
Frankie Lindia performs “Fusion Jam” on EMGtv
甘い音色でのリードプレイ。EMGは明瞭なサウンドキャラクターもあって「エフェクターの乗りが良い」と言われる。
EMGピックアップの起動スイッチには、ステレオのアウトプットジャックを使用します。ステレオジャックの構造を利用して、シールドを挿している間は電源が入るようになっているわけです。よって、シールドを挿しっぱなしでいると、弾いていなくても電池はどんどん消耗していきます。なお、EMGピックアップの電池寿命は標準モデルで1基あたり600時間、Xプリアンプ仕様機で3,000時間とされています。
EMGは電池の長持ちする優秀なピックアップですが、それでも電池が消耗してしまうとマトモな音は出なくなってしまいます。コイルにつながっているプリアンプは電源が落ちると抵抗として働き、ピックアップ本体の電磁誘導で生じた電気信号を著しく劣化させてしまうからです。アクティブ・ピックアップのユーザーには、常に予備の電池を携行し、本番前には電池残量の確認をする習慣が必要です。
EMGピックアップのラインナップ
定番機種ではオプションとして豊かなカラーバリエーションが用意されている。
では、EMGのラインナップをチェックしていきましょう。日本国内ではブラックを定番としてカラーバリエーションは絞られている印象ですが、本国ではオプションでさまざまなカラーがあります。また、さまざまな仕様や設計のバリエーションがある一方でほとんどのモデルが外観だけではなかなか判別できない、高いステルス性が面白いところです。なお、全てのEMGピックアップにコントロールノブやアウトプットジャックなどの電装系が付属します。
ハムバッカー
81 / 81X/ 81TW
EMGブランドのみならず、アクティブ・ピックアップの代名詞となっている看板商品「81」。メタリカのカーク・ハメット 氏やスティーブ・ルカサー 氏等の愛用でも知られる、同ブランドの顔とも呼べる超定番モデルです。
パワー、ゲインが非常に高く、深く歪んだ音を必要とするジャンルで特によく使われますが、サステインの豊かさ、ギターのボリュームへの追従性、そしてピッキングレスポンスの高さは単なるハイゲインピックアップとは一線を画すものです。低音域から高音域まで全帯域を均一に出力するので、レンジの広さを感じさせ、クリーントーン時は粒が揃った鮮明な音色となります。アクティブの特性として、極めてノイズレスなのも見逃せないポイントです。
81にはバリエーションモデルとして、Xプリアンプ仕様機「81X」、デュアルモード仕様機「81TW」、その両方を備える「81TWX」があります。81はセラミック磁石を使用していますが、アルニコに交換した「81A」に該当するのが、第2の定番機種「85」です。
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81 Bridge Dirty
EMG 81/81Xを…
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85 / 85X
セラミックのマグネットを使用した「81」と比べ、「85」はアルニコVを使用。結果として強力な中低域を得ることに成功し、重低音を主とするジャンルには最適なピックアップとなりました。スティーヴ・ルカサー氏はこれをリアに使用、ザック・ワイルド 氏がフロントに 85、リアに 81 を搭載しています。全帯域を出力する 81 に比べ、相対的に高域が少なく感じるため、歪ませた際にはよりウォームで甘いトーンになります。
85のバリエーションモデルには、Xプリアンプ仕様機「85X」があります。デュアルモード仕様機「85TW」に該当するのが、SAと85を切り替えて使用できる「89」です。
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85X Neck Lead
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EMG 81 vs EMG 85 – Active Bridge Pickup Guitar Tone Comparison / Review
81 と 85 をリアに付けたものを比較した動画。差がよく分かると同時に、クリーンでも若干歪んでいるのがわかります。
EMG 85/85-Xを…
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89 / 89X / 89R / 89XR
「89」は、EMG定番ハムバッカー85と定番シングルコイルSAそれぞれを小型化し、ハムバッカー1個分の容積に収めた2モード・ピックアップです。コイルタップができるのではなく本当に85とSAを1個ずつ封じ込めた構造になっており、両者の出力差もそのまま反映されます。なお、シリアル/パラレルやフェイズなど特殊配線には非対応です。
89はリアへの設置を想定しており、フロント位置への設置を想定した「89R」、またそれぞれのXプリアンプ仕様機「89X」と「89XR」があります。
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89を…
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57 / 66 / 57TW / 66TW
57 と 66 のセット
EMGがヴィンテージPAFを参考にして作り上げたリア用ピックアップが「57」です。他のモデルに比べて、出力はほぼ変わらないものの、ハイミッドに近い成分が強調されており、ピッキングのアタックに際してもジャリッとした成分が強くなっています。ヴィンテージ風のサウンドは狙いながらも、アクティブの持ち味であるノイズの少なさと、音の鮮明さはそのままなので、パッシブのヴィンテージ風ピックアップにアクティブの長所を加えたような性格と言えます。公式にはリアに搭載することを推奨しています。
上記「57」とセットでフロントにセットするべく開発されたモデルが「66」です。フロント用としてローは若干控え目になっていますが、出力はそれなりにあります。57 とのセットが推奨されており、二つセットでの販売も行われていますが、そこにこだわることなく、単体でも完成度の高いピックアップです。
57と66はそれぞれアルニコ磁石を使用、バリエーションモデルとして2モード仕様機「57TW」と「66TW」があります。また57と57TWはリアに設置する想定から、弦間ピッチに「Standard (49mm)」と「Trem(52mm)」の2タイプがあります。
57 / 66 を…
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58 / 58X
「58」はアルニコ磁石と2本の鉄製バー・ポールピースの組み合わせによる、クラシックで丸く太いトーンを持つモデルです。ハムバッカー構造をとりながらもトレブルが豊かに響くサウンドはP-90そのものと言われ、ハムバッカーのルックスのままP-90サウンドをノイズレスで使用できます。バリエーションモデルとして、Xプリアンプ仕様機「58X」があります。
58 を…
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60 / 60A / 60X / 60AX
「60」は、ハムバッカーサイズのケースにミニハムバッカーを収めたモデルです。ミニハムバッカーは二つのバー・ポールピースの距離が狭くなる物理的特徴から、標準サイズのハムバッカーよりもトレブルが立ちやすい性質があります。太い中域と充分な低域、そして歌うような高音域のバランスを備えており、多くの場合フロントで活用されます。ジェイムス・ヘットフィールド氏(METALLICA所属)はこの60をフロントピックアップとして永らくご愛用し、ご自身のシグネイチャーモデルの出発点にもしています。
60のバリエーションモデルには、アルニコ磁石を使用する「60A」のほか、Xプリアンプ仕様機「60X」と「60AX」があります。
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60 と 85 を比較した動画。
60 / 60A / 60-Xを…
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H4 / H4A
EMGの個性派モデル「H4」は、ノイズ低減のため密封したセラミック磁石と巻き数を増やしたコイルとの組み合わせにより、パッシブで名機「81」のパワーとテイストを再現したモデルです。タイトな低音、ガラスのような中域、歯ごたえのある高域を持ち、ピッキングへの応答とダイナミクスレンジに優れ、特にヘヴィなギターサウンドに良好です。デスメタルバンドChildren of Bodomで名を馳せた、故アレキシ・ライホ氏ご愛用の品であった事でも知られています。
バリエーションモデルとしてアルニコ磁石を使用する「H4A」があり、こちらは「85」のテイストを持っています。
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H4 を…
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H / HA / HX / HAX
「H」は、ハムバッカーサイズのケースにストラトタイプのシングルコイル「S」を斜めに収めたモデルです。ハムバッカーのルックスでシングルコイルのサウンドのみが必要、という個性的なギタリストのための唯一のピックアップだと言えるでしょう。ハムバッカーのサウンドが必要になることもあるギタリストには、定番機「89」やその他TW仕様モデルがお勧めです。Hのバリエーションには、アルニコ仕様の「HA」、Xプリアンプ仕様の「HX]と「HAX」があります。
ストラト型シングルコイル
S/SA / SX /SAX
EMGのシングルコイルとして代表的なモデルがこの「S」。従来のシングルコイル的なジャキジャキ感が適度に残されており、アクティブ特有の音粒の揃い方と完全なノイズレスは弾き手にストレスを感じさせません。ヴィンテージ系のサウンドがベースにあるものの、ゲインはやや高め。EMGシングルコイルの代表的なサウンドです。
「S」と「SA」は構造的に同じものですが、マグネットがアルニコになっています。マグネットの特性の通り、S の方が高域のピークがより高めにあり、SA は若干それが低いところにあります。そのせいか、ややレンジの広さを感じるSに比べ、SA はピッキングに対するバイト感が高く、密度の濃い印象を受けます。マグネットの違いだけとはいえ、それなりの差があるので、両者を十分比べてから選ぶ必要があるでしょう。
SとSAのバリエーションモデルには、Xプリアンプ仕様機の「SX」と「SAX」があります。
S/SA を…
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S1 / S2 / S3 / S4
「S1(左)」と「S3(右)」
「S1」から「S4」までの4モデルは、EMGラインナップでも珍しいパッシブ・ピックアップです。「S1」は突出した6連ポールピースを持つトラッドなルックスで、中域が豊かに響くよう設計されています。「S2」は同様のルックスながら、高域が豊かに響くよう設計されています。「S3」はS1と同じキャラクターですがカバーでおおわれている、EMG本来のルックスです。S1、S2、S3は二つのコイルを縦に積んだスタック構造を採用しており、ハムノイズを大きく低減させています。
「S4」もカバーで覆われていますが、内部はツインブレード式のハムバッカー構造で、中低域の強い押し出しを持っています。
S1 を…
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SV / SAV / SVX / SAVX
「S」と「SA」のポールピースをアルニコ・スタッド・ポールピースへと変更したモデル。その結果として、通常のパッシブ・ピックアップと似たルックスになっています。サウンドはバー・ポールピースを採用している通常モデルに比べて、よりワイルドさが増し、高域のピークが鋭くなっています。ベースとなるトーンは通常モデルを踏襲しながらも、倍音が増えたことにより、全体的に前へ押し出してくる雰囲気が強くなりました。
バリエーションモデルとして、Xプリアンプ仕様機の「SVX」と「SAVX」があります。
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SLV / SLVX
スティーヴ・ルカサー氏のために開発されたシグネイチャー・モデル。定番機SAを出発点に、巻き数を増やし、また外観はそのままながら6連ポールピース仕様に変更しています。通常の SA に比べ、アタック感が強くなり、ハイゲインにしても音がつぶれずに、アタック音が明瞭に残ります。ギターのボリュームやピッキングダイナミクスへの追従性も高く、SA を少しダーティにしてパッシブ寄りにしたという印象のピックアップです。バリエーションモデルとして、Xプリアンプ仕様機の「SLVX」があります。
テレキャスター用シングルコイル
T / TC
EMGの発売する数少ないフェンダー・テレキャスター 専用ピックアップ。いわゆるテレキャスターのジャキジャキ感を程よく残しながら、豊富な中域を備えたモダンな音にチューンされています。テレキャスターといえば真っ先にあのジャキジャキ感を思い浮かべる人は多いのですが、ピッキングに対するバイト感や、音の密度がもう少し欲しいと考えるギタリストには良い選択となるでしょう。
アルニコ磁石を使用する「T」に対し、セラミック磁石を使用しているのが「TC」です。こちらは高域が豊かに響く、押し出しの強いサウンドを持っています。
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T を…
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P-90タイプ
EMG「P60」
P-90タイプについては今のところ、EMGの定番ハムバッカーをP-90の寸法に合わせたモデルが中心です。P-90を搭載するギターに対し、最小限の加工でEMG定番のサウンドを与えることができます。
P60 / P60A :「60」および「60A」をP-90サイズに収録。ミニハムバッカー特有の豊かな高域を持つ太い音が、高い出力で得られる。
P81 / P85 :「81」および「85」をP-90サイズに収録。力強いハムバッカーサウンドが得られる。
P91HZ :「H4」をP-90サイズに収めた、パッシブのハムバッカー。
P60 を…
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「Retro Active」Series
VIDEO
EMG’s new Retro Active pickups with Richie Faulkner
「レトロアクティブ」シリーズはクラシックな外観と新しいプリアンプ「Retro ActiveディスクリートFET プリアンプ」を組み合わせた、トラッドなスタイルを好むプレイヤーのための新しいシリーズです。パッシブと変わらないタッチで演奏でき、かつアクティブの恩恵を受けることができることから、EMG社は「新しいレベルのトーンコントロールをもたらす、アクティブの利点をすべて備えたパッシブピックアップ」と打ち出しています。
CROSSROADS / MAVERICK FIVE
Cap Color:Ivory
「CROSSROADS」および「MAVERICK FIVE」は、トラッドなストラトキャスターをイメージしたシングルコイルです。フロント/センター/リア各ポジション用に微調整されており、セットでも販売されています。
CROSSROADS :アルニコII磁石を使用、エリック・クラプトン氏、ジェフ・ベック氏、ジミ・ヘンドリクス氏ら、往年の名手の愛用したストラトキャスターをイメージしたサウンドを持つ。
MAVERICK FIVE :アルニコV磁石を使用、The Chantays、The Surfaris、ディック・デイル氏らをイメージしたサーフ系のサウンドを持つ。
FAT 55 / SUPER 77
「FAT 55」ならびに「SUPER 77」は、ロックの歴史を築いたレスポールのピックアップをイメージした、オープンタイプのハムバッカーです。FAT 55はアルニコV磁石を使用、1950~1960年代のオリジナルPAFをイメージしており、明瞭な高域と太く温かみのある低域を持っています。SUPER 77はセラミック磁石を使用、1970年代を想起させるエッジの効いたダーティなサウンドが得られます。
両モデルとも、付属コントロールポットではピックガードマウントを想定した「Short」とボディマウントを想定した「Long」、弦間ピッチではTOMブリッジを想定した「Standard」とトレモロユニットを想定した「Trem」が選択できます。
T-52 SET
「T-52」セットは、1952年製フェンダー・テレキャスターの持つクラシックなトゥワングとエッジに注目しつつパンチと太さを強化したモデルです。フロントにアルニコII磁石を、リアにアルニコV磁石を使用し、アクティブな明瞭さを備えたパッシブな感触が味わえます。
JMaster Pickup Set
「JMaster Pickup Set」は、フェンダー・ジャズマスターの感触とサウンドをイメージしたモデルです。アルニコV磁石製ポールピースと縦積みした大きめのコイルの組み合わせが、豊かでバランスの取れたシングルコイルトーンを実現します。
多弦用も充実
Jackson「X SERIES SOLOIST ARCH TOP SLAT8 MS」
EMGはバー・ポールピースなので、多弦用ピックアップをファンフレット仕様のギターに斜めにマウントする、といった使い方が可能。この8弦ギターには、9弦用のEMG「909」が使われている。
EMGは7弦/8弦/9弦ギター用モデルも充実しています。ハムバッカーでは多弦専用モデルに加え、定番モデルを多弦化させたモデルがあり、シングルコイルでは7弦用がリリースされています。
《多弦高専用モデル》707 / 808 / 909
「707」「808」「909」は、バランスの取れた明瞭な高音域を維持しながらローB、ローF#といった極端に低い音域の明瞭度を高く確保することに成功した、多弦ギターのために誕生したピックアップです。7弦用の707はバリエーションが豊富で、2モード仕様の707TW、フロント用の707TW-Rに加え、それらのXプリアンプ仕様モデル、707X、707TWX、707TWX-Rがあります。8弦用の808と9弦用の909にはバリエーションとして、Xプリアンプ仕様の808Xおよび909Xがあります。
707 を…
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定番ハムバッカーを多弦化したモデル
定番ハムバッカーを出発点としたモデルは、7弦用と8弦用で幅広くラインナップ展開しています。こちらはボディへのダイレクトマウントを想定したソープバータイプを基本スタイルとし、標準的なハムバッカーのようにピックガードにマウントができる「H」モデルも揃えています。両者の違いはマウント方式のみで、ピックアップ本体の設計は同じです。
57シリーズ (57-7 / 57-7H / 57-8 / 57-8H):PAFイメージのリア用。アルニコ磁石。
66シリーズ (66-7 / 66-7H / 66-8 / 66-8H):PAFイメージのフロント用。アルニコ磁石。
60シリーズ (60-7 / 60-7H / 60-8 / 60-8H):高域が立つ。セラミック磁石。
81シリーズ (81-7 / 81-7H / 81-8 / 81-8H):パワフルでしっかり歪む。セラミック磁石。
85シリーズ (85-7 / 85-7H / 85-8 / 85-8H):中域が主張する高出力。アルニコ磁石。
57-7 を…
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7弦用シングルコイル
S7 / SA7
「S7」および「SA7」は、定番シングルコイルSおよびSAの7弦版です。S7はセラミック磁石を使用し、存在感のあるしっかりした低域を持ちながら高域のシズル感がたっぷりと得られ、ジャズ、カントリー、メタル、ブルースなどさまざまなジャンルの演奏に有用です。SA7はアルニコV磁石を使用し、明るく軽快で豊かなボトムエンドを備えたヴィンテージストラトサウンドを出力します。クリーミーな中音域の暖かさを持ち、クリアで力強く表現力豊かな音色です。
CROSSROADS 7 / MAVERICK FIVE 7
「CROSSROADS 7」および「MAVERICK FIVE 7」は、レトロアクティブ・シリーズの7弦用シングルコイルです。クラシカルなルックスにRetro Active専用プリアンプを備え、トラッドなストラトトーンをノイズレスで出力します。
シグネイチャーモデル
Alexi Laiho(Children of Bodom / Sinergy / Local Band / Kylähullut / Bodom After Midnight)
VIDEO
CHILDREN OF BODOM – Trashed, Lost & Strungout (OFFICIAL MUSIC VIDEO)
チルボドで活躍した生前のライホ氏は、「若き天才」の名を欲しいままにした。
EMG「ALX HOB SET」
天に召されてなお影響力を失わない天才アレキシ・ライホ氏のシグネイチャーモデルは、ハイパワーなリア用パッシブピックアップとABQプリアンプの組み合わせです。弦間ピッチは「Standard」と「Trem」の2タイプがあり、基本モデル「ALX SET」はブラック、氏のバンド「Children of Bodom 」の 20 周年を祝う「ALX HOB SET」はスペシャルカラーになっています。なお今のところABQプリアンプの単体販売は終了していて、このセットでしか入手できません。
Glenn Tipton(Judas Priest)
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Judas Priest – Painkiller
キリスト教国に於いてイエスへの反逆者を名乗り、当時としてはタブー視されたファッションを打ち出したイメージは、その後のロックミュージックに強く影響を及ぼした。
ブランドロゴが紅いのが、ちょっとしたポイント。
メタルミュージックの大御所、ジューダス・プリースト(Judas Priest)に所属する名手、グレン・ティプトン氏のシグネイチャーモデル「GTV SET」は、長らく使用した「81」を5年がかりでアレンジしたモデルです。
アレンジの軸は磁石の変更で、セラミックとスチールの磁石を採用することで高出力を維持したまま中域の滑らかさを獲得しています。
James Hetfield , Kirk Hammett(METALLICA)
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Metallica: One (Official Music Video)
古い作品だが、公演では欠かせない名曲。タイトルの「ONE」は歌詞で歌われている主人公、地雷で四肢と顎を失い失明してなお生かされている負傷兵の姿を現している。動画には同じテーマを表現した反戦映画「Johnny Got His Gun(1971)」の映像が挿入された。
Gary Holt(Exodus / Slayer)
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EXODUS – Downfall (OFFICIAL MUSIC VIDEO)
エクソダス(EXODUS)はスラッシュメタルシーンの先駆者として知られ、デビュー前にはカーク・ハメット氏(METALLICA所属)が在籍していたこともある。メンバー交代の多いEXODUSにおいて、ゲイリー・ホルト氏は創立メンバーでこそないが、全てのアルバムに参加している。
EMG「GH Set」
「EXODUS」と「SLAYER」、二つの大物スラッシュメタルバンドで活躍するゲイリー・ホルト氏のシグネイチャーモデルは、フロントに89R、リアに81の組み合わせです。付属コントロールノブは2V2Tで、このうち1基のボリュームポットが89Rのモード切替のためスイッチ付きです。なお、真紅のピックアップキャップはホルト氏のカスタムカラーがその起源とされています。
Jim Root(Slipknot)
VIDEO
Slipknot – Psychosocial [OFFICIAL VIDEO] [HD]
スリップノット(Slipknot)は、パーカッション、サンプリング、キーボード、DJまで駆使する9人編成という大所帯のヘヴィメタルバンド。サウンドや歌詞の暴力性はたびたび論争を呼んだが、USAにおけるメタルシーンに新しい波を立てたと評価されている。
ヘヴィメタルバンド「Slipknot」所属、ジム・ルート氏のシグネイチャーモデル「JR “DAEMONUM” SET」は、長らくご愛用の60と81の組み合わせを出発点に、新シリーズ「レトロ・アクティブ」のコンセプトでアレンジしています。フロントはセラミック磁石製ポールピース、リアはセラミック棒磁石と鉄製ポールピースの組み合わせで、Retro ActiveディスクリートFET プリアンプにも微調整が施されています。
Lars Frederiksen(Rancid)
VIDEO
Rancid – Ruby Soho [MUSIC VIDEO]
1991年結成のランシド(Rancid)は、グリーン デイやオフスプリングと並ぶ、パンクロック復権に寄与したバンド。ラース・フレデリクセン氏は2ndアルバムから現在まで参加するほか、数々のバンドやプロデュースで活躍している。
パンクロックバンド「Rancid」所属、ラーズ・フレデリクセン氏のシグネイチャーモデル「LF-DMF SET」は、フロント/リア共に2列の可調ポールピースを持つパッシブ・ハムバッカーです。アルニコV磁石を使用するフロントはパワーのあるリズミカルな中音域を生み出し、セラミック磁石を使用するリアはクリーンで明瞭な高域を生み出します。ステンレス製カバーには、中域の響きが濁るのを防止する働きがあります。
Marty Friedman
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Marty Friedman – 風が吹いている – Official Music Video
数ある親日アーティストの中でも群を抜いた日本好きで知られるマーティ・フリードマン氏。東京在住で奥様は日本人。演歌の歌唱法を取り入れたという極めて個性的なプレイスタイル、またなかなか真似のできないピッキングスタイルが大きな特徴。
マーティ・フリードマン氏のシグネイチャーモデル「MF SET」は、アルニコV磁石とカスタムメイドのボビンを使用する新しいレシピで仕上げたパッシブ・ハムバッカーです。EMG特有のレスポンス、パワー、パンチ、クリアさをすべて備えており、このモデルに対しフリードマン氏は「演奏を止めずに弾き続けたいと思わせる」とコメントしています。
Zakk Wylde(Ozzy Osbourne , Pride & Glory , Black Label Society)
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Ozzy Osbourne – Desire (Live)
ザック・ワイルド氏のキャリアは、オジー・オズボーンバンドに抜擢されるところから始まった。この動画では、若かりしザック氏の完璧な演奏に加え、オジー氏の数々の奇行が確認できる。
ギターとビールをこよなく愛する男、ザック・ワイルド 氏のシグネイチャーモデル「ZW SET」は、フロントに85、リアに81というヘヴィ系王道と呼べる組み合わせで、特別なアレンジは施されていません。逆に、この王道の組み合わせに「ザック・ワイルド」と名乗らせてしまうほどに、EMGにとってザック氏の経歴が偉大だったという事が伺えます。なお、付属コントロールポットはレスポールへの取り付けを想定した、ロングシャフトが基本になっています。
ZW SETを…
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以上、アクティブ・ピックアップの代表選手「EMG」についてチェックしていきました。従来のパッシブ・ピックアップとは全く違うキャラクターを持った個性の強いピックアップですが、現在ではニュアンスをパッシブに寄せたモデルも充実しており、さまざまなニーズに応えられるラインナップを展開しています。ぜひ実際にチェックしてみてください。
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