ギブソンSG
ギブソン・SGは、1961年に初めて発表されたエレキギターでレスポールの後継機種です。製造コストが高いギブソン・レスポールは50年代後半になると販売台数も落ち込んできました。さらに、フェンダー社からテレキャスターが発売され、フェンダー社がギブソン社から流れをもっていった感があった時期でした。この時期ギブソン社が発売するギターが時代遅れと評価されていたのです。
ギブソンはレスポールが抱えるそれらの問題を解決するため、レスポールにモデルチェンジを施します。それがこのSGです。
当時はレスポールの後継モデルでしたので「レスポール」と名乗っていましたが、ギタリストのレス・ポール氏との契約が切れたため、現在の「SG」という名称になりました。それ以前のシングル・カッタウェイのレスポールと区別する為、この頃のモデルは便宜的に「レスポールSG」と呼ばれることもあります。
音の特徴
パワフルな音圧を得られるレスポールに比べ音は軽いのですが中音域に粘りがあり「ジャキッ」としたサウンド。ロックミュージックに最適なエレキギターだと言えます。クリーン・トーンもハム・バッキングのピックアップにしてはクリアでキレイなサウンドが得られます(特にフロント・ピックアップを使用した場合)。パワーがありながらも繊細な表現にも対応できる、ハードロックよりはクラシックなロックに向いているギターかもしれません。
SGの主な使用ギタリスト

ギブソンSGを使用した有名なギタリストといえば70年代オーストラリアのハードロックバンド、「AC/DC」のアンガス・ヤング(Angus Young)ではないでしょうか。
彼はブレザー、半ズボン、ハイソックスにランドセルを背負ったスクールボーイスタイルがトレードマーク(姉のアドバイスらしい)。ステージではボーカルより常に目立つ存在で両足をガクガク震わせるようにしてリズムを取りつつ、天然パーマの頭を振り回すのはあまりにも有名。その一方で技術的にも優れたギタリストです。「AC/DC」では非常にノリのいいシンプルなハードロックサウンドを聞かせてくれます。映画「スクール・オブ・ロック」の主人公のモデルになった人物であることも言うまでもないでしょう。
他にも有名なところでは、アメリカの60年代西海岸のバンド、ドアーズのギタリストのロビー・クリーガーもSGを愛用していました。
SGのラインナップ
当初よりカスタム/スタンダード/スペシャル/ジュニアというレスポールと同様のラインナップが用意されましたが、カスタムのボディーカラーはそれまでのブラック・ビューティーからホワイトに変更。スタンダードもサンバーストからチェリーレッドの単色に変更されました。
SGスタンダード

名前の通りSGの中でも最もスタンダードな仕様で、色のバリエーションもブラック・チェリーカラーなどラインナップされています。製造年代によっては3ハムバッキング・タイプのものもあり。テールピースはストップバーかビブラートタイプの2種類があります。
ギブソン SG スタンダード
SGスペシャル (Gibson SG Special)

SGのエレキギターのラインナップの特徴としていえるのがピックアップでしょう。GスペシャルにはP-90のピックアップを2つ搭載しています。ジュニアはP-90一つのみ、スタンダードはハムバッカー2機、カスタムはハムバッカー3機とそれぞれ異なった仕様です。シングルコイルの音が好みであればP-90のサウンドは望みどおりの結果を出してくれるでしょう。P-90はコイルの巻き数が多く、シングルでも艶やかな太いサウンドが得られます。
ギブソン SG スペシャル

SGスペシャル・フェイデド (Gibson SG Special Faded)
オールドSGの質感を再現したモデルで、表面の仕上げはニスのような光沢のあるものではなく、薄いワックスコーティングされたSGです。
カッタウェイの内側部分の側面は維管束があるためザラザラした質感です。ポジションマークは基本ドットですが、一部のモデルではポジションマークが三日月形となっています。
SGカスタム (Gibson SG Custom)
SGカスタムはギブソン・カスタムショップのモデルで、基本カラーがホワイトで、3基のハムバッカーを備えており、ピックアップやノブ(上部)などパーツがゴールドカラーで装飾も豪華なのが特徴。テールピースはストップバーまたはマエストロタイプとなっています。
スタンダードと比べると図太いサウンドが特徴。以前明治製菓のガム・キシリッシュのテレビCMで福山雅治がSGカスタムを弾いている映像がありました。
Zoot Suit SG
2009年に発表された、予め染色されたバーチ材を幾重にも張り合わせたブロック材を削り出すことで生まれるラインが特徴のシリーズ「Zoot Suit SG」です。スペックは、伝統のギブソン・スタイルと遜色なく、ナチュラル塗装です。
- [カテゴリ]ギブソン , [最終更新日]2018/03/20 09:02