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パッチケーブルはエフェクター同士を接続するために用いられる「短いシールドケーブル」です。ギターとアンプを接続するシールドケーブルの長さが「3m〜5m」なのに足して、パッチケーブルの多くが「10cm程度」となっています。接続時にプラグが邪魔にならないようにするため、「L型プラグ」を採用しているモデルが多いのも特徴です。
パッチケーブルは「長さが短い」という理由で軽視されがちですが、シールドケーブル同様に「サウンドを左右する」重要なアイテムです。各社から様々なモデルが販売されており、エフェクターを多く使用するミュージシャンにとっては欠かすことができません。
ちなみに、有名なパッチケーブルに国産ブランドである「Providence」が開発した「P203」というモデルがあります。P203は「パッチ専用」として作られた珍しいモデルであり、その品質の高さが、多くのミュージシャンにパッチケーブルの重要性を再認識させました。音作りが上手なミュージシャンほど、シールドやパッチなどの「ケーブル類」にこだわっています。
パッチケーブルを選ぶポイントは大きく分けて2つ、「ケーブルの長さ」と「プラグの形状」です。これらのポイントを意識しながら、自身のシステムに取り入れるパッチケーブルを選んでいきます。
上述にあるように、一般的なパッチケーブルの長さは「10cm程度」となっています。モデルによっては「15cm」あるいは「20cm」とありますが、基本的にはどの長さを選んでも問題ありません。
ただ、「音質面」を考慮するとできるだけ短い方が良く、「取り回しや機材トラブル」のことを考えると長い方が有利です。ここでは使用するエフェクターの数が少ない場合は「長め」に、エフェクターボード一面に敷き詰める場合は「短め」にすることをオススメします。
プラグの形状に関しては、「何と何を接続するのか?」ということを考える必要があります。パッチケーブルに採用されるプラグは、主に「S/S(ストレートプラグ)」、「S/L」、「L/L」、「L/L(クランク)」といった4種類のタイプがあります。
左:S/L、真ん中:L/L、右:L/L(クランク)
S/Sは両方ともストレートプラグのパッチケーブルですが、この組み合わせは「ジャックが上方向にあるエフェクター同士」を接続するのに役立ちします。代表的なのがProcoの「RAT」です。上方向にジャックがあるタイプは、L型プラグだと引っかかるため、ストレートプラグを使うのが望ましいです。
S/Lは「上方向ジャック+横方向ジャック」の組み合わせで使うと良いでしょう。「スイッチャーとエフェクターを接続」する場合に使う便利です。L/Lは「横方向ジャック+横方向ジャック」に使用すると良いです。このタイプがパッチケーブルのプラグとして、最も多く見らます。
L/L(クランク)はL型プラグの「方向が上下逆」になっているタイプです。S/L同様に、「上方向ジャック+横方向ジャック」の組み合わせで使われます。
ちなみに、パッチケーブルは「シールドケーブルと同じモデル」を使用することをオススメします。例えば、シールドケーブルの定番である「Belden 9395」を使用しているならば、9395のパッチケーブルを導入するようにしてください。線材(ケーブル)が異なる物を組み合わせて使うと、その特性の違いから「音質劣化」が起きやすくなると言われています。
また、パッチケーブルには「柔軟性」が必要なので、ケーブル本体が柔らかいモデルを選ぶと良いでしょう。硬いケーブルは取り回しが悪いため、ボードによって収まりきらないことが多々あります。
パッチケーブルを扱っているブランドは、「Belden」や「Providence」、「NEO(オヤイデ電気)」といった有名メーカーを筆頭に、「EBS」、「CAJ」、「Live Line」、「Montreux」、「HEXA」、「FREE THE TONE」、「GEORGE L’S」、などがあります。
「コストパフォーマンスに優れた1本が欲しい」という初心者の方にオススメなのが、国産メーカーであるLive Lineの 「Stage Series Patch」です。非常にリーズナブルな価格設定ながらも、バランスの良い音質特性とノイズ対策が素晴らしいモデルです。熟練のクラフトマンが1本1本製作していることで知られており、1980年頃から世界中で愛用されている「元祖パッチケーブル」です。
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格安音響ブランドHOSAのパッチケーブル。非常にリーズナブルなためエフェクターケーブルを複数欲しいけれども予算がないという人に最適なモデルです。ギター用には
などが適しています。
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2017年6月に登場した、スウェーデン発のベース用アンプ/エフェクターのブランド「EBS」のパッチケーブルPCFシリーズでは、ネジれに強く側面をフラットにしてあるためペダル間隔を詰められるという利点があり、エフェクターボード内での省スペース化/スマートなパッチングに貢献します。ラインナップは4種類。
この他、プラグ部に24Kゴールドメッキ/密度の高いシールドを施し、楽器本来のピュアなサウンド、より劣化の少ない音声信号の伝達を実現した「プレミアムゴールド・フラットパッチケーブル(PCF-PG)」シリーズも4種類ラインナップ。ワンランク上のサウンドを実現しています。
PCFシリーズのパッチケーブルを…
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Monster Cableのラインナップの中でもロック・ギタリストに最適なケーブル「MONSTER ROCK(M ROCK2)」シリーズの22cmパッチケーブル版。ギター本来の透き通るような高音域やビビッドで美しい倍音を忠実に伝達するハイエンドなパッチケーブルです。Monster Cableのケーブルを普段から使用している人は、パッチケーブルもこのモデルに統一することで、強靭な配線周りにアップデートできます。
「SP2000-I-0.75DA」はMonster Cableの最高峰である完全プロ仕様STUDIO PROシリーズのパッチケーブル版。パッチケーブルの音質劣化に一切の妥協を許したくない人に適したモデルです。
Monster Cable M ROCK2-0.75DAを…
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冒頭で紹介した国産ブランド、Providenceの「P203」は「パッチ専用」として開発された線材を使ったパッチケーブルです。本モデルの特徴は、最高クラスの「音質」と「柔軟性」を兼ね備えていることです。紫色のケーブルが目を引くこのモデルは、プロユースのハイエンドパッチケーブルの代名詞であり、一種の「業界標準」となっています。
Providence P203を…
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シールドケーブルの定番ブランドであるBELDENからは
など同社の定評あるラインナップのパッチケーブル版がリリースされており、通常モデルのクオリティとBELDENを使っているという安心が得られます。高い品質を保ちながらも上記2製品と比較して安価であり、コストパフォーマンスに優れています。それぞれ15cm、30cm、50cmなど長さ違いの製品が存在します。
BELDENのパッチケーブルを…
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世界最小・最軽量と謳われるパッチケーブルがMontreuxの「Arena Jr.」。約34.5gと軽量、加えて柔らかいのも大きな特徴の一つです。硬いケーブルで繋ぐとエフェクター同士の間隔が空いてしまったり繋ぎにくかったりします。これが原因で無駄なスペースが生まれてしまうことがありますが、その点Arena Jr.だとエフェクター同士の接続に柔軟に対応できるようになっています。
15cm/20cm/25cm/30cm/40cmと長さのラインナップも豊富で、プラグの形状にもバリエーションが用意されています。
最近注目されているのが「パッチケーブル自作キット」です。多くが「ソルダーレスプラグ」を採用しており、「ハンダ付け作業が必要ない」のが最大の特徴です。また、市販のパッチケーブルは「10cm」、「15cm」という具合に長さが決まっていますが、自作キットなら「自分が欲しい長さ」のパッチケーブルを手に入れることができます。本格的なエフェクターボードを組む予定の方、自分でパッチケーブルを作ってみたい方は挑戦してみましょう。
パッチケーブルを自作してみるゾ!〜Free The Tone SOLDERLESS CABLE〜【ギター博士】
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