エレキギターの総合情報サイト
シャーベル(Charvel)は、1980年代からのハードロック隆盛を支えた老舗で、力強いサウンドと高い演奏性を持ち味とした、ハード/テクニカル志向モデルを多くリリースしています。同社の「Pro-Mod(プロ・モッド)」シリーズは、高性能でありながら価格の抑えられたスタンダードモデルです。今回は、ラインナップのバリエーションが楽しい「Pro-Mod」シリーズに注目していきましょう。
Winter NAMM 2020: Charvel Pro-Mod and more
2020年冬のNAMMショウでは、Pro-Modシリーズでさまざまなバリエーションが発表されました。
テクニカルな演奏をサポートする「スピード・ネック」は、コンパウンド・ラジアス指板、サラサラ仕上げのネック裏、丸く整えられた指板エッジ、ジャンボフレットという仕様で、軽いタッチでスムーズに弾けます。
ネック内部に埋設されたグラファイト製の補強は、ネック強度を上げることからサスティンも向上します。ネック調節用のホイールが付けられており、ライブの曲間でちょいと直すことも可能です。
フロイドローズタイプの「So-Cal Style 1 HH FR E」
トレモロには、2点支持シンクロタイプ(2PT)とフロイドローズ(FR)があります。どちらもボディにザグりを施すので、自然なビブラートやアームアップ、クリケット奏法など、アームによる表現の総てを行なうことができます。2PTモデルにはロック式ペグが採用されるため、チューニングの保持も安心です。
ピックアップにはセイモア・ダンカン、ディマジオ、フィッシュマンが、各モデルに振り分けられます。コイルタップなど特殊配線の操作法もモデルごとにさまざま設定されており、各モデルは見た目以上に音や操作性が違います。
またいくつかのモデルで、ジャックがボディの端に斜めにマウントされることがあります(ベベルド・アウトプットジャック)。これはシールドをストラップに通しやすくした設計で、ライブ中にシールドがすっぽ抜けるという惨事が予防されます。
Pro-Modシリーズそれぞれのモデルを見ていく前に、その全体像をチェックしていきましょう。
左:So-Cal Style 1 HH FR E
中央:San Dimas Style 1 HSS FR M
右:DK24 HSH 2PT CM Mahogany
Pro-Modシリーズは、ボディ仕様で大きく「So-Cal(ソーカル)」、「San Dimas(サン・ディマス)」、「DK」の3つに分類されます。「So-Cal」と「San Dimas」は対を成すモデルで、いずれも伝統的な大きさ、いわゆる「フルサイズ」のボディです。「So-Cal」はピックガードあり、「San Dimas」はピックガードなしで、ピックガードの有無によって演奏性にも違いが生じます。なお、「Style 1」がストラトタイプ、「Style 2」がテレキャスタータイプです。
「DK」はディンキーの略称で、全体的にやや小さめのボディにカッタウェイを大きく取っています。そのためフルサイズのボディより軽量で、また抱えやすさと弾きやすさが向上しています。
モデル名に添えられる暗号もチェックしておきましょう。Pro-Modシリーズの各モデルは、上記ボディ形状と、下記の暗号で表示されるネック/ブリッジの仕様によってギター本体のおおまかな仕様が決まります。
シャーベル発祥の地「南カリフォルニア(South California)」を語源とする「So-Cal(ソーカル)」は、フロイドローズを備えるスーパーストラト「Style 1」と、全面的にモダンなアレンジを施したテレキャスタータイプ「Style 2」の二つがリリースされています。
Charvel Pro-Mod Series: So-Cal Style 1 HH FR
「So-Cal Style 1」の本体は、22フレット仕様のネックをしっかりとしたヒールで受け止め、肉厚なプレートでジョイントしています。あえてヒールを削らずにそのまま残すことで、ネックの受ける弦振動がボディに効率よく届き、コシの強いサウンドが生まれます。
この本体に対し、ピックアップ配列にHHとHSH、指板にメイプルとエボニーのバリエーションがあり、それぞれに特徴的なカラーリングが施されます。またトーンポットは、全開にすると回路の影響がまったくなくなる「ノーロード・トーン」回路が採用されます。
So-Cal Style 1 HH FR E (Gloss Black)
HH配列のピックアップはセイモア・ダンカン社「ディストーション(TB-6&SH-6N)」のセットで、深い歪みにも明瞭度を保つ、アグレッシブなサウンドを持っています。3WAYセレクターとボリュームポットのタップスイッチで音色を切り替えますが、ミックス時はいずれもシングルコイル同士になります。
HH 3Way Tap Control(出展:Charvel Pro-Mod。以下同様)
タップON/OFFでミックスの音が違うのもポイント。
So-Cal Style 1 HSH FR E (Robin’s Egg Blue)
「スライムグリーン」のメイプル指板モデル、「ロビンエッグブルー」のエボニー指板モデル、まばゆさを感じさせる両機は2021年の新作です。ピックアップは上記「ディストーション」のセットに同社のシングルコイル「カスタム・フラット(SSL-6)」を加えています。SSL-6は平滑な指板に合わせて設計され、高出力で多くのサステインと倍音を持っています。こちらは5WAYセレクターでコイルタップを絡めたサウンドバリエーションが得られます。なお、センター地点は両ハム・タップのミックスです。
HSH 5Way Control
シングルコイルを単体で使用することが無い。
PRO-MOD SO-CAL STYLE 1を…
Aアマゾンで探す R楽天で探す Sサウンドハウスで探す YYahoo!ショッピングで探す 石石橋楽器で探す
So-Cal Style 2 24 HH 2PT CM Ash (Natural)
「So-Cal Style 2」は、リバースヘッド、24フレット仕様キャラメライズド・メイプル製ネック&指板、エルボーカットとヒールカットを施したボディ、フィッシュマン「Fluence」ハムバッカー2基という最新式の設計です。また、HTモデルはアルダーボディ、2PTモデルはアッシュボディです。
ミニスイッチでピックアップのボイス1と2を切り替え、ボリュームポットでコイルタップを起動、これを3WAYセレクターで操作します。ミックス時の音はコイルタップと連動しており、上記「Style 1」と違って両ハムのミックスも可能です。
Fluence HH 3Way Tap Control
ミニスイッチでは、ピックアップのキャラクター自体を切り替えます。
Charvel Pro-Mod So-Cal Style 2 – Sonic Sophistication
PRO-MOD SO-CAL STYLE 2を…
Aアマゾンで探す R楽天で探す Sサウンドハウスで探す YYahoo!ショッピングで探す 石石橋楽器で探す
Introducing All-New Pro-Mod San Dimas® Style 1 Models For 2018
シャーベル発祥の町、カリフォルニア州「サン・ディマス」を由来とする「San Dimas」は、ピックガードを持たないフルサイズモデルです。22フレットのメイプル製ネック、しっかりしたヒールと肉厚なジョイントプレート、全開の設定でトーン回路の影響がまったくなくなる「ノーロード・トーン」回路という仕様、またHH配列のコントロールは「So-Cal」同様です。
HSH配列のない代わり、こちらにはHSS配列があります。HSS配列は5WAYセレクタースイッチで操作し、リア+センター・ミックスで自動的にコイルタップが起動します。センターポジションでは、フロント+タップしたリアのミックスになります。フロントピックアップがリバース仕様になっているため、全てのミックスポジションでハムノイズがキャンセルされます。
HSS 5Way Control
こちらのラインナップは、便宜上ボディ材で分類してチェックしていきましょう。
San Dimas Style 1 HSS FR M (Blizzard Pearl)
アルダー製ボディ機は総じてFRモデルで、ピックアップ配列と指板、トップ材で4つのバリエーションがあります。HH配列機はリアにセイモア・ダンカン「JB(TB-4)」、フロントに同「’59(SH-1)」という王道の組み合わせで、HSSのシングルコイルには先述のSSL-6が使われます。
San Dimas Style 1 HH FR E Ash (Neon Pink Ash)
2タイプがリリースされているアッシュ製ボディ機はサテン仕上げで、いずれもHH配列のFR仕様、エボニー指板という構成です。「NEON PINK ASH」のピックアップは、リアにディマジオ「スーパーディストーション(DP100)」、フロントに同「PAF Pro(DP151)」というディマジオ王道の組み合わせです。「OLD YELLA」ではリアにセイモア・ダンカン「フル・シュレッド(SH-10B)」、フロントに同「Alnico II Pro( APH-1N)」という組み合わせで、分厚いサウンドを持ちつつ、スピード・リフ等の細かいニュアンスが生きる表現力を持っています。
San Dimas Style 1 HSS HT E Sassafras (Satin Black)
マニアックなボディ材「サッサフラス」は、かのエリック・ジョンソン氏が最も愛したストラトキャスターのボディ材として注目されています。こちらもアッシュ製ボディ同様サテン仕上げのHSS配列に、FR仕様とHT仕様の2タイプがあります。左用モデルは、FR仕様のHH配列です。
PRO-MOD SAN DIMAS STYLE 1を…
Aアマゾンで探す R楽天で探す Sサウンドハウスで探す YYahoo!ショッピングで探す 石石橋楽器で探す
The All-New Charvel Pro-Mod DK24 2PT HH CM
「DK」はピックアップ配列、ブリッジ仕様、ボディ/トップ材など、シリーズ内でもっとも豊かなバリエーションを持つモデルです。抱えやすい小さめのボディ、大きめのカッタウェイ、滑らかなヒールカットという仕様は、テクニカル系のみならず、あらゆるスタイルの演奏に良好です。全開にすると回路の影響がまったくなくなる「ノーロード・トーン」回路が採用されるほか、2PT仕様ではキャラメライズド・メイプルネック&指板が採用されます。
Pro-Mod DK24 HH HT E (Satin Black)
HH 5Way Control
DK24のHH配列は、5Wayセレクタースイッチ1基でコイルタップを含む5つのサウンドバリエーションが得られます。ミックスポジションは、両ハム・タップのミックスとなります。
DK24 HH FR M Mahogany with Quilt Maple (Dark Amber)
HH 5Way Seri/Para Control
ミニスイッチのあるHH配列は、ミニスイッチの操作でハムバッカーの直列/並列(シリアル/パラレル)を切り替えます。直列が通常のハムバッカーです。並列時はシングルコイルに近いサウンドに、ハムバッカー同様のハムノイズ除去作用が働きます。
DK24 HSS 2PT CM (Satin Shell Pink)
HSS配列モデルは「San Dimas」同様、5Wayセレクタースイッチで切り替え、センターポジションはフロント+リアタップのミックスになります。
DK24 HSH 2PT CM Mahogany (Natural)
HSH配列モデルは2PT仕様で、ボディ材にマホガニーとアルダーの2タイプがあります。操作系は「So-Cal」同様、5Wayセレクタースイッチ1基で音色を切り替えます。
Meet the All-New Charvel Pro-Mod DK22 SSS 2PT CM
DKの22フレット仕様機はシングルサイズのハムバッカーをリアに配置した、SSSっぽく見えるHSS配列です。操作系は他のHSSモデル同様ですが、リアが通常と逆の斜めに配置されており、引き締まった音の低音弦、太い音の高音弦というバランスに設定されています。24フレットに比べて22フレット仕様は音域こそ狭いですが、フロントピックアップを甘い音の出やすい地点に置けるのがメリットです。
Looks Like SSS 5Way Control
PRO-MOD DKを…
Aアマゾンで探す R楽天で探す Sサウンドハウスで探す YYahoo!ショッピングで探す 石石橋楽器で探す
※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています。