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新モデル「S-Locks」(左)、旧モデル「Security Locks」(右)。
「一新」とのことですが、どこまで違うのでしょうか。
ロックピンの定番、ドイツのシャーラー(Schaller)社製「セキュリティ・ロック」が、「S-ロック」として大幅にモデルチェンジしました。まず宝石箱のようなパッケージから漂う高級感が印象的ですが、旧モデルからどのような変化が起こったのでしょうか。
そこで!今回は新旧両モデルを調達し、
この二つを検証します!定番ロックピンのモデルチェンジと聞いて気になっているという人は、ぜひチェックをお願いします。
ではさっそく、新モデルの特徴、旧モデルとの違いをじろじろと見ていきましょう。旧モデル愛用者ならば「コレはまったくの別物だ」と感じられるでしょう。
Schaller S-Locks Tutorial
新モデルのパッケージにはQRコードが付いており、シャーラー社の社長さんが自ら新モデルの特徴について説明する動画を見ることができます。旧モデルのコピー商品が多くリリースされているなか、本家の心意気を感じることができます。
新旧両ユニットの全パーツ。新モデルはパーツ少なめ。
新旧両モデル全てのパーツを並べてみました。左側が新モデル、右側が旧モデルです(以下同様)。シャーラーはいろいろなメッキを利用してカラーバリエーションを豊かにしています。今回手に入れた新モデルは「ルテニウム」のメッキが施されたもので、シックなシルバー、という印象です。ちなみにルテニウムはプラチナに近い貴金属とのことで、お値段は高め(ゴールドと同じ)です。旧モデルはギンギラギンの「クローム」メッキで、お値段は比較的低価格。第一に、「パーツ点数」が大幅に違うのが分かりますね。
新モデルは、
の4点にまとまっています。「ギター側ストラップピン」は、ピンとネジが一体成型になっています。
旧モデルはネジの長短もあり、パーツは7点です。金属部品には「精度と強度」が求められますが、同じ仕事をする部品ならばパーツ点数が少ない方が強度は高く、精度も期待できます。また、取り付け作業もラクになります。
こうしてみ比べると、新旧でネジのギザギザ加減が違っているようですね。フェルトワッシャーについては旧モデルがモコモコしていたのに対し、新モデルでは細かい繊維の詰まった硬質な印象です。
新旧のストラップ側本体。ツマミの形状と首の長さが特に大きく異なっています。
新モデルは首が長く、またツマミ部分が平たくなっています。首が長いことで「分厚い革ストラップでも余裕で取り付けられる」というメリットがありますが、加えて「ツマミを引っ張る時に持ちやすい」というメリットもあります。ツマミ部分の形状が変更されたのも、持ちやすさを考慮に入れた設計です。
デジタルはかりで重量をチェック!小数点以下は勘弁してください。
新モデルは31g、旧モデルは23gでした。実際にギターを演奏している時に気になるほどの重量ではありませんが、旧モデルを使い慣れた人ならストラップを持ったときに「?ちょっと重い?」と気が付く程度です。
これは、明らかにわかる違いの一つです。
新モデルのネジ部分をつまんで振ってみますが、あまり音がしません。旧モデルは、コレでけっこうな音が出ます。ギター側とストラップ側の部品同士で「遊び」をかなり少なくしているわけです。かなりの精度が求められるであろう設計ですが、だからといって着脱に神経が必要ということはなく、ストラップをつける時にはツマミを引かなくても「スコン。」と納まります。
新モデルのネジは銀色、旧モデルのネジは黒です。
新モデルの「ストラップ側本体」に、新旧のギター側を合わせてみました。さすがに同じメーカーだけあって、問題なく使用できるようです。しかし「ギター側旧モデル」のセットは、振るとカチャカチャ言います。
新モデル側に僅かなスキマが!
続いて、旧モデルの「ストラップ側本体」に、新旧のギター側を合わせてみますと・・・?
両方ともちゃんと合わせることができましたが、ギター側新モデルでは、ツマミが完全に収まっていませんね。このまま使えないこともない印象ですが、安心ではないようです。以上のことから、「新旧両モデルは混ぜて使わない方がよさそうだ」と言えるでしょう。
旧モデルならではの、悲しい出来事。新モデルはこうならないみたい。
写真は、長らく愛用した旧モデルの様子です。ツマミのネジが回りきってしまって外れてしまっています。本当は内部にスプリングが入っていたのですが、黒い軸が外れた拍子にどこかへ行ってしまいました。こうなってしまってはもう使うことはできません。新モデルでこのような悲しい事故は起きないのか、と思ってペンチでつまみを回してみましたが、どうあっても回すことはできませんでした。かなり頑丈にできているようです。
では、実際に取り付けてみます。今回は旧モデルからの切り替えなので、ストラップ穴の加工はありません。ではさっそく、ストラップ側本体をストラップ穴に通します。
旧モデルでは、分厚いストラップで6角ナットがネジの溝にはまらず、取り付けに苦労することがありました。
革を2枚重ねた、やや厚みのあるストラップエンドに取り付けます。首の長さ的に、旧モデルではここから円盤をかぶせて6角ナットで固定しますから、けっこうギリギリな印象です。いっぽう新モデルでは、余裕しゃくしゃくです。では、ストラップ側本体の首に留め具を装着します。
細い6角レンチで増し絞めしていく
くるくるくるっと回していくわけですが、やはりキッチリと絞めこみたい。しかし指ではそこまで力がかからない。ペンチでは部品を傷つけてしまうし、ツルっと滑ったら手を怪我してしまうかも。というわけで、留め具には増し絞め用の横穴が空いています。ココに細い6角レンチを通して、ぐいっと増し絞めします。
金属製のコントロールノブなんかにも、こうしたイモネジが使われることがありますね。
そしてイモネジの締め込みでトドメ。マイナスの極小ドライバーでキュっと絞めます。ココまでやったら演奏中にゆるんでしまうなんてコトもなさそうです。しかし油断は禁物。ギターを持ち出すときには、常に工具を持参しましょう。
同じ「シルバー」でも、雰囲気が全く違いますね。
コレで片方の取り付けが終わりました。新旧を並べてみると、ずいぶん印象が違います。6角ナットが存在感を主張する旧モデルには無骨な印象がありますが、新モデルはつるんとした印象です。しかしガッチリ感は新モデルの方が上だと感じます。
「レンチセット」を持っておくのが、ギタリストのたしなみです。
続いてギター側の取り付けです。ストラップピンとネジが一体成型になっている、がっちりとした部品です。ネジの皿部分には6角レンチを挿し込む穴が開けられています。サイズはFRT(フロイドローズ)のナットを締めるものと同じです。赤く見えるのはゼムクリップで、バラバラに持っている6角レンチを目的別に見分ける、生活の知恵です。
6角レンチがネックに衝突しないように気を付けましょう。
旧モデルで使用していたネジ穴は、ちょっとキツめな印象です。しかし「てこの原理」でぐいぐい絞めていきます。これ、従来のプラスドライバーだと手が痛くなること確実な印象です。
見事、取り付けが完了しました。
これまで見てきたように、取り付けには、
という3つの工具が必要です。「そんなもんパッケージにオマケしておいてくれよ」という意見もごもっともですが、工具を含めたら価格に反映しますし、持っているギターすべてに同じロックピンを取り付けることを考えたら、ギターの本数だけオマケの工具が増えてしまいます。またこれらの工具は、エレキギターのギタリストならあらかじめ持っていても決して不思議ではないものです。
取り付けで注目したいのは「ペンチを使用しない」ということです。留め具を絞めるとき、ツルっと滑って手を怪我してしまった、という経験がある人もいるかもしれません。新モデルでは、こうした悲しい事故が未然に防がれているのだと感じました。
以上、シャーラーの新しいロックピン「S-Locks」を取り付けてみました。留め具はワッシャー不要、ギター側で6角レンチを使う、というところに、「取り付けやすさ」を考慮した設計の妙があると感じました。
また、ツマミがしっかり固定されている、留め具をイモネジで固定する、というところに「安心感」を覚えました。新旧で価格はあまり変わっていない印象ですが、取り付けやすさ、頑丈さともに、新モデルは大幅なグレードアップが果たされたと感じられます。
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