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セイモアダンカン(Seymour Duncan)は1978年にカリフォルニア州のサンタバーバラにて創業(創設者:Seymour W. Duncan)した、リプレイスメント・ピックアップメーカーのさきがけとして名高いブランドです。
50年代~60年台のヴィンテージサウンドを追求したモデルから、現代ロックに欠かせないモダンサウンドを持つモデルまで、様々な音楽ジャンルに対応するピックアップを世に送り出しています。また高級メーカーのギターに採用されることも多く、品質が非常に高いことでも知られています。価格設定もそこまで高くはないため手に入れやすいのも特徴です。
創業者セイモア・W・ダンカン氏は、今でもピックアップの設計と製造に携わる現役の職人です。その一方で一流のミュージシャンでもあり、ご自身のバンドでリードギターを務めるほか、いくつかのアルバムで客演した実績もあり、フェンダー・カスタムショップからシグネイチャーモデルがリリースされたこともあります。セイモア・W・ダンカン氏とはどんな人なのか、ブランド立ち上げまでの経緯を見てみましょう。
Roy Buchanan – Hey Joe (Live From Austin TX)
現代では「世界最高の無名なギタリスト」として知られるロイ・ブキャナン氏。しかし現役時代には多くのアーティストがこぞってテレキャスターを買い、血眼でコピーしたと伝えられる。
創業者ダンカン氏は1951年、アメリカ合衆国ニュージャージー州に生まれます。13歳でテレビに感化されてギターを弾き始め、ジェームズ・バートン氏の影響でテレキャスターやストラトキャスターを愛用します。クラブで演奏するまでに上達したダンカン氏でしたが、故障したピックアップをレコードプレイヤーの回転を利用して巻き直すほど、何でも自分でやるタイプの人でもあったようです。
演奏活動の中でレス・ポール氏やロイ・ブキャナン氏ら名手と情報交換を重ねた結果「良い音が出ないのは、自分ではなくギターのせいだ」と悟り、特にピックアップへの関心を高めていきます。
Peter Frampton – Do You Feel Like We Do
ギターボーカル先駆者の一人として知られるピーター・フランプトン氏。3ピックアップのレスポール・カスタムは、氏のトレードマーク。
ピックアップに目覚めたダンカン氏は、レス・ポール氏やセス・ラバー氏(ハムバッカー・ピックアップの発明で名高い)から教えを受けて知識を深めていきました。まだ10代だった1960 年代後半、ダンカン氏はレス・ポール氏の勧めでロンドンに移住し、フェンダー・サウンドハウスの修理部門および研究開発部門に就きます。
ダンカン氏はここで、ジミー・ペイジ氏、ジョージ・ハリスン氏、エリック・クラプトン氏、デヴィッド・ギルモア氏、ピート・タウンゼンド氏、ピーター・フランプトン氏、ジェフ・ベック氏ら名だたる名手のギターをメンテしました。
Cause We’ve Ended as Lovers
スティーヴィー・ワンダー氏によるバラードをカバーした、「テレギブ」の名演。ダンカン氏にとって、最高のプロモーションとなった。
1974年、ダンカン氏はぶっ壊れた1959年製テレキャスターを改造修理し、断線したPAFピックアップを巻きなおして2基搭載、ギブソン用の太いフレットを打ち込んだギブソン仕様のテレキャスター、通称「テレギブ(Tele-Gib)」を完成させます。これを受け取ったジェフ・ベック氏が1stソロアルバム「ブロウ・バイ・ブロウ(1975)」に使用したことで、テレギブは大いに注目を集めます。
ダンカン氏の巻き直したPAFは、従来のPAFとは一味違ったサウンドを持っていました。このテレギブのフロントが「SH-2 “JAZZ Model”」、リアが「SH-4 “JB Model”」の原型です。
ダンカン氏はフェンダー社を辞して帰国してからも、レオ・フェンダー氏、レス・ポール氏、セス・ラバー氏らとコンタクトを取ってピックアップの研究を続けました。移住したカリフォルニアで出会ったキャシー・カーター女史と結婚したのちの1976年、Seymour Duncan Pickupsを設立します。ここでベースやアコギのピックアップを手掛けるなど事業を手広く展開し、現在の従業員数は120人を超えています。
セイモア・ダンカンは、世界最強の手厚いラインナップが強みです。各種シングルコイルやハムバッカーをはじめとする、多弦やアクティブ仕様も含むほぼ全種類、マニアックなものではデュオソニックやテレキャスター・ベース用、果ては8弦スチールギター用や7弦フルアコ用フローティングピックアップまでをカバーしています。またヴィンテージクローン/ヴィンテージ系からのアレンジ版、モダン系や高出力仕様のほか斬新な設計、またアンティーク調といった肉厚なバリエーションを展開しています。その中でもセイモア・ダンカンを象徴するモデルが、リア用ハムバッカーSH-4、通称「JB Model」です。
SH-4 JB Model
「JB」の由来はジェフ・ベック氏だが、史実はともあれ公式シグネイチャーモデルではないので「ジェフ・ベック・モデル」を名乗ることはできない。
セイモア・ダンカンのブランドイメージを決定した象徴的なモデルが、テレギブのリアを再現したハムバッカー「JB Model(SH-4)」です。PAFをベースに細めの巻き線を多めに巻き付ける構造で、従来のPAFより中域の押し出しが強い「ダンカンの音」を持っています。歴史上あまたの名手が愛用したほか、現在でもハイエンドモデルを含む多くのエレキギターに標準装備される、リア用ハムバッカーの世界的な金字塔です。
セイモア・ダンカンの定番ハムバッカー「SH」シリーズはJB Modelを出発点としたモデルが多く、JBを基準として比較や組み合わせを考えるとスムーズです。
OZZY OSBOURNE – “Crazy Train” (Official Video)
2022年にはドキュメンタリー映画も公開された、早世した若き天才ランディ・ローズ氏のジャクソンには、テレギブに通じるSH-2 ”JAZZ”とSH-4 “JB”が搭載されていた。
セイモア・ダンカン製品には、同じモデル名でも用途に合わせた細かなバリエーションが用意されています。これらを把握しておくことで、製品の性能をしっかりと発揮させることができます。
モデルによっては設置されるポジションに最適化した設計になっており、型番ではn(ネック/フロント用)やb(ブリッジ/リア用)、またNeck / Middleなどと表示されます。また、モデルによっては「左用」まであります。
ストラト用シングルコイルに見られる「MIDDLE RWRP」はミドル/センターでの使用を想定した逆巻き&逆極性(Reverse Wound, Reverse Polarity)仕様で、ミックスポジションでハムキャンセル効果が得られるほか、通常のシングルコイルと直列につなぐことで疑似ハムバッカーとして使用できます。
Antiquity ’55 Tele
正確なヴィンテージ・レプリカ「Antiquity」シリーズは、ヴィンテージ・スタイルのギターを本物に近づけたり、モダンなギターにクラシックなテイストを加えたり、改造されたヴィンテージギタ-を復旧したりするのに適しています。Antiquityの多くは、たとえば工場出荷時点でオーバーワウンドだったシングルコイルや、ダンカン氏ご愛用のヴィンテージギターのピックアップなど、具体的な「アタリ」の個体を再現しています。
シリーズは「Antiquity(I)」と「Antiquity II」に大別されています。「I」は50年代モデルの再現を主としていますが、Antiquity JBやAntiquity Jaguarなどのように「第一世代機」をカバーすることもあります。これに対し「II」は、それ以降の世代のピックアップを再現しています。
IもIIも、年代相応のエイジング加工が施されます。これに対して「RETROSPEC’D」仕様は、エイジング加工なしのピカピカの新品です。
セイモア・ダンカンのストラト用シングルコイル・ピックアップは、王道ど真ん中のヴィンテージ系をはじめ、ハイパワー化、ノイズレス化、アクティブ化など進化したモデル、アーティストモデルまでの華やかなラインナップを展開しています。
セイモア・ダンカンのハムバッカーのバリエーションは多く、各モデルでポジションや用途に合わせた設計、またカバーの有無やボビンのカラーといった外観に至るまで様々です。
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