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「疾風伝説 特攻の拓(かぜでんせつ ぶっこみのたく)」は、佐木飛朗斗氏原作、所十三氏作画で1991年から1997年まで、週刊少年マガジンで連載された、暴走族の抗争を中心に描写した少年漫画です。いじめられっこだった少年浅川拓が転向した私立聖蘭高校、通称「乱校」で横浜最強暴走族「外道」のリーダーと出会うことで人生が変わっていく内容です。様々な暴走族達に出会い、仲間になり、また喧嘩にまきこまれる過程で拓は男を上げて行きます。未完のままですが、コミックス最終巻の続きを描いた小説版、外伝として3冊の小説、また「外伝 〜Early Day’s〜」として2011年から2013年まで、月刊ヤングマガジンで連載されました。
原作者佐木氏のエフェクターマニアぶりから、月刊ヤングギターでも特集記事が組まれたことがあります。バイクが多く描かれる漫画ですが、天羽”セロニアス”時貞氏が魅せた「増天寺ライヴ」が最高潮に盛り上がった場面だと評するファンが多くいます。
暴走族の漫画ではありますが、特攻の拓ではギターを演奏するキャラクターが何人も出演します。その中でもファンからぶっちぎりで支持されているのが天羽”セロニアス”時貞氏で、キャラクター人気投票で主役を差し置いて一位になることも珍しくありませんでした。ここではその天羽氏をピックアップして紹介します。
日本人の父親とハーフの母親を持つクォーターで、セロニアスは洗礼名です。身体的特徴や両親の他界などのトラウマで不安定な精神状態でしたが、拓らとの交流によって心が解放されていきます。16歳にしてギターのプレイは超一流で、ジミ・ヘンドリックス氏を敬愛しています。
愛用のギターは「ルビーヴァーミリオンのサドウスキー」で、連載当時は彼に触発されてギターを始めようと楽器店に赴き、サドウスキーの価格を初めて知って仰天した、というファンが大勢いました。
サドウスキーNY(ニューヨーク)製のストラトタイプ、ピックガードのないキルトメイプルトップで、ピックアップはHSH配列になっています。
サドウスキーのエレキギターについて
技巧もさることながら音色も極めて美しく、主人公の拓は彼のトーンを聴き、甘くて透明な感じがヴァイオリンかチェロのようだと評しています。「ヴァイオリントーン」はエリック・ジョンソン氏のサウンドを表現したもので、ファンの間ではきっとこのような音だったのだろうと言われています。
Eric Johnson & Mike Stern – Dry Ice
増天寺ライヴにおいては空に龍を呼び寄せるほどのトーンを響かせ、会場に集まっていた族の喧嘩ムードを音で払拭してしまいました。
機材には深いこだわりがあり、
アンプ部
エフェクト
という構成です。足下は歪みが多く並んでいる印象ですが幾つも歪みを重ねるのではなく、場面ごとに使い分けているものと思われます。アンプも幾つものセッティングを切り替えられるものですから、様々なトーンを使い分けるスタイルだったようです。
増天寺ライヴで天羽氏が演奏したのは以下の5曲です。
Friends / Joe Satriani – Youtube
ブロウ(兄弟)となった拓に捧げた演奏でした。
Sympathy for the Devil(悪魔を憐れむ歌) / Rolling Stones
Voodoo Child (Slight Return) (ヴードゥー・チャイルド・スライト・リターン) / Jimi Hendrix
本編は全27巻で、リリースされた順に以下のように3種あります。
天羽氏のスピンオフ「疾風伝説 特攻の拓 外伝 ~Early Day’s~」は全5巻です。
小説版は原作者佐木氏の単独作品となっています。
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