ディマジオのハムバッカーについて

[記事公開日]2023/9/20 [最終更新日]2024/6/23
[ライター]小林健悟 [編集者]神崎聡

7弦用と8弦用

多弦モデルについては、7弦用の品番が「DP7××」、8弦用が「DP8××」と非常に分かりやすくなっています。しかしその数字は通し番号ではないらしく、番号順に並べるとリリース年は前後します。なお、多弦用のシングルコイルについてもこちらに掲載しています。多弦モデルに使用する磁石はすべてセラミックです。

Blaze(DP700 / DP701 / DP702)

スティーヴ・ヴァイ氏のシグネイチャー7弦ギター、Ibanez「UV70P」。このモデルでは3基のピックアップがBlazeで統一されている

HSH配列を想定した「Blaze」は、中域をカットし、締まった低域と伸びる高域が特徴の7弦用ピックアップです。3基とも低音を生かして刻むリフを効果的に聴かせるのにもっとも良好な、いわばドンシャリサウンドに設定されています。中域は抑えめですが太さは十分に残っているので、単音弾きのソロにも十分対応できます。
リリース年:1990

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Super Distortion 7 / 8(DP712 / DP812)

Dimarzion Super Distortion 「スーパーディストーションと言えばダブルクリーム・コイル」とは言うけれど、日本国内ではブラックが流通している。

銘機「Super Distortion」の8弦バージョン。音質やパワーはほぼオリジナルモデルそのままですが、低音部は膨れあがらないように若干タイトになり、少しパワーも増すことで、8弦ギター用に調整が施されています。
リリース年:2014

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D ACTIVATOR 7(DP719 / DP720)

Dimarzio DP720

「D ACTIVATOR 7」は、パッシブのままアクティブの良さを再現し、かつパッシブの利点を全て保持する名機「D Activator」の7弦版です。二つのコイルが互いに補完することで、「タイトな低音と豊かなハーモニクスを持ち合わせながら、クリアかつパワフルで抜けが良い」というアクティブの良い特性を再現しながらハードなピッキングにも負けない広いヘッドルームを実現させています。第7弦の低い音域でも濁らず、ヘヴィリフのアタック感をしっかり出力します。
リリース年:2007

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D ACTIVATOR 8(DP819 / DP820)

Dimarzio DP820

「D Activator 8」はアクティブの良さを取り入れた名機「D Activator」の8弦版で、第8弦の太さを考慮し出力はやや抑えめ、周波数特性を広く設定しています。デュアル・レゾナンス・コイル技術により二つのコイルを相互補完的に機能させることで、低音域はパーカッシブと表現できるほどにアタックが立ち、高域は刺さるというより切れ味の良さが得られます。
リリース年:2011

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PAF 7(DP759) / PAF 8(DP859)

Dimarzio PAF

多弦用のPAFは、モダンかつヘヴィな方向に行きやすい多弦用ピックアップという分野において、50年代のクラシックなハムバッカーサウンドの得られる個性派です。
PAF 7」は、セラミック磁石にアルニコ5のパワーとアルニコ2の低磁力を持たせ、「Virtual Vintage」シリーズと同じ技術をいくつか組み合わせることで、マイルドな高音、クリアな低音、そしてオープンでウォームなサウンドを達成しています。
リリース年:2000

PAF 8」は、クラシックなPAFサウンドを8弦ギターの広大な音域に最適化させた、甘い高域/ウッディな中域/クリアな低域を持つモデルです。クリーンは煌びやかに響き、ヘヴィなオーバードライヴでも潰れ過ぎることなく、透明さとピッキング・ダイナミクスを維持します。
リリース年:2012

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アーティストのシグネイチャーモデル


Joe Satriani – Europe Earth Tour 2023 – CLUB JOE VIP Experience
ジョー・サトリアーニ氏は、ディマジオとの付き合いが大変長いギタリストの一人。

アーティストモデルについては、旧式のモデルもラインナップされています。熱心なファンにとっては、敬愛するアーティストが当時使っていた同じピックアップを今からでも手に入れることができるわけです。
なお、これらアーティストモデルのピックアップを検討する上では、各アーティストがどんなギターにどのようにマウントしているかが大いに参考になります。木材構成はもとより、ネック用ならフレット数は重要な要素です。またエスカッションやピックガードを介するのか、ボディに直接マウントするのかも重要な要素になります。

Tosin Abasi(ANIMALS AS LEADERS)


ANIMALS AS LEADERS – Physical Education (Official Music Video)

トシン・アバシ氏は、2台の8弦ギターとドラムという変則的な編成のトリオ「ANIMALS AS LEADERS」を率いるギタリストです。氏のシグネイチャーモデルはタッピングやスウィープ、スラップなどあらゆる表現を1台の多弦ギターでカバーできます。

IONIZER 8、IONIZER 7

IONIZER 8 Pickup Color : Nickel Cover / Pole Piece Color : Black

HSH配列の8弦用「IONIZER 8」およびHH配列の7弦用「IONIZER 7」は、ウォームでオープンなサウンドからモダンでタイトなメタル・サウンドまでをカバーし、かつスプリット・モードでのクラシックなシングルコイルのサウンドまで、さまざまなサウンドが得られるよう設計されています。
8弦用の「IONIZER 8」は8弦ギターの長い弦長に合わせてレゾナンスのピークをより低い周波数帯に設定しており、低音弦はよりウォームに、高音弦はより肉厚に響きます。ブリッジ用は充分な出力を持ちながらオーバードライヴ・サウンドでは濁らず、音量を絞ればクリーンになるヘッドルームを持ち、ネック用はスプリット・モードでヴィンテージのストラト用よりも直流抵抗値が低くなるよう設定されています。
7弦用の「IONIZER 7」は、同じコンセプトで7弦ギターの弦長に合わせて調整されています。
IONIZER 8リリース年:2013
IONIZER 7リリース年:2014

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Javier Reyes(Mestis / ANIMALS AS LEADERS)


Cognitive Contortions Play through by Javier Reyes

ハビエル・レイエス氏は、トシン・アバシ氏の相棒として「ANIMALS AS LEADERS」に参加しつつ、自身のバンド「Mestis」でも活躍するギタリストです。氏の演奏スタイルはメタルの枠に収まらず、クラシック、ジャズ、ラテン・ミュージックなどの多様な要素を含んでおり、卓越したテクニックで8弦ギタリストの最前線に立っていると目されています。

ECLIPSE 8 (DP813 / DP814)


Javier Reyes demos DiMarzio Eclipse 8 Pickups

8弦ギター用HH配列の「ECLIPSE 8」は、サウンドの明瞭度とピッキングへの追従にこだわった、ハビエル・レイエス氏のシグネイチャーモデルです。ネック用/ブリッジ用いずれも二つのコイルはそれぞれ異なるインダクタンスで異周波数にチューンされ、サウンドの独自性を高めています。また使用頻度の高いコイルタップでは、クリーンで広がりのあるサウンドが得られます。
ネック用はPAFに近い控えめな出力で、明瞭な低域と中域、シングルコイルに比肩するグラッシーな高域があります。また全弦が同程度の出力になるよう設計されているので、高低差のある演奏が映えます。
ブリッジ用は充分な出力を持っていますが、極端なゲイン設定においても全音域で明瞭度を保つよう設計されており、輝きのあふれるリード、跳ねるようなブリッジミュートが得られます。
リリース年:2015

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Joe Satriani


Chickenfoot – HighwayStar (Live)

ジョー・サトリアーニ師匠は、ギター・インストという演奏スタイルが決してニッチではない、むしろロックミュージックの王道の一つだと証明したギタリストの一人です。大ヒットした二枚目「Surfing with the Alien(1987)」以来アルバムごとにさまざまなコンセプトを打ち立てて振り幅の大きな作品群を展開するほか、達人ギタリスト3人の競演「G3」の活動にも積極的です。3世代あるブリッジ用ハムバッカーは全て現役で、世代が若くなるにつれてパワーが上がっています。

Satchur8 (DP273)

DP273 Pickup Color : Pink / Pole Piece Color : Nickel

ブリッジ用シグネイチャーモデルの第三世代「SATHUR8」は、アルニコ8の強力な出力を利用した分厚く表情豊かなアタックを生み出す、ブリッジ用のハムバッカーです。バターのように滑らかな中域と深みのある低域があり、スムースでありながら音抜けが抜群のブライトな音色を持っています。サトリアーニ氏ご自身は、「今まで使ってきたピックアップの中で、Satchur8が最もリッチで完璧なサウンドを持っている」と評しています。
リリース年:2017

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Satch Track (DP425)

DP425 Pickup Color : Red / Pole Piece Color : Nickel

「Satch Track」は、サトリアーニ氏にとって初のシングル・サイズ・シグネイチャー・ピックアップです。高域はウォームですが、タイトな中低域の組み合わせによって明瞭度を高めており、シングルコイルの反応の良さとハムバッカーの太さを併せ持つ、ハムバッカーとシングルコイルの間を埋めるようなモデルです。
リリース年:2014

Mo’ Joe (DP216)

DP216 Pickup Color : Black/Blue / Pole Piece Color : Black

2000年代後半のサトリアーニ氏は新しいシグネイチャー・アンプを開発したり、ヘヴィなゲージの弦を利用したりと、機材面での新しいアプローチに取り組んでいました。こうした環境下でサウンドメイクの独創性を担保するために開発されたのが、ブリッジ用シグネイチャーモデルの第二世代「Mo’ Joe」です。デュアル・レゾナンス・コイル技術の傾注により、直流抵抗値を増価させることなく、第一世代よりホットかつクリアなサウンドになっています。
リリース年:2006

PAF JOE (DP213)

DP213 Pickup Color : Chrome Tops / Pole Piece Color : Nickel

「PAF Joe」は、それまでネック用に愛用してきたPAF Proと50年代後半のギブソン社製ハムバッキング・ピックアップそれぞれの良さを融合すべく開発されたモデルです。ヴァーチャル・ヴィンテージ・テクノロジーを採用、明瞭な低域と暖かいな中高域があり、コード演奏においては分離感があり、リードにおいては高音域でもウォームな響きが得られます。
リリース年:2004

FRED (DP153)

DP153 Pickup Color : Red / Pole Piece Color : Nickel

ブリッジ用シグネイチャーモデルの第一世代「FRED」は、はじめPAF Proの中域を持ち上げたプロトタイプとして開発されました。サトリアーニ氏はこれが中高域の倍音を強調する機能に注目し、自身のシグネイチャーモデルとしました。歪ませてもファットにならず、タイトで明るく響きます。PAF Proと組み合わせることで、ソロアーティストとして大躍進を遂げた90年代仕様になります。
リリース年:1989

Steve Vai


Steve Vai – Teeth of the Hydra (Official Music Video)
3つのネックと数々のギミックを備える、ギターの範疇を超えたギター「Hydra」。ヴァイ氏を昔から知るファンならば、ここまでの演奏を見せつけられても決して驚きはしない。しかし、還暦を過ぎてこのいかにも重量のあるギターを立奏できる、このご健勝ぶりは驚愕に値する。

スティーヴ・ヴァイ氏は、人間を辞めたかのような演奏技術と音楽の探求精神が世界的に支持されるギタリストです。ピックアップへの探求心も強く、さまざまなシグネイチャーモデルをリリースしています。

EVOLUTION / EVOLUTION 7(DP158 / DP159 / DP704)

Ibanez「JEM7VP」 Ibanez「JEM7VP(海外モデル)」
シグネイチャー・ピックアップ「Evolution」は、ヴァイ氏の代名詞「EVO」に長らく搭載されていていまだに現役。なおミドルのEvolutionは、単体販売が終了している。

「Evolution」は、スティーヴ・ヴァイ氏のメインギター「EVO」に長らく搭載されている、氏のトレードマークと言えるピックアップです。一般的なハムバッカーより倍音成分の豊かな、ハイゲインでありながら分厚くパンチのあるサウンドが特長です。ライブにおいてバンドの轟音の中で突き抜けることを目的とした設計で、ディマジオ社は公式に「お上品ではないが未完成な荒々しさというわけでもない、アグレッシブなサウンド」とそのキャラクターを評しています。
7弦仕様の「EVOLUTION 7」は第7弦が濁らないよう、6弦仕様より明るく鳴らすことを前提に設計されています。またヴァーチャル・ヴィンテージ技術により、低音弦に影響を及ぼさずに高音弦のサウンドをウォームに整えることで、ホットで明瞭な低域とパンチのある高域を実現しています。
Evolutionリリース年:1993
Evolution 7リリース年:2000

UtoPIA(DP287 / DP288 / DP289)

Ibanez「PIA3761」 Ibanez「PIA3761」UtoPIAは、新シグネイチャーモデルPIA(Paradise In Art)シリーズに搭載するために開発された。ギターのモデル名とピックアップのモデル名を関連付けるあたり、洒落が効いている。

HSH配列でリリースされている「UtoPIA」は、ヴァイ氏の新シグネイチャーモデル「PIA」のピックアップとして開発されました。Evolutionを出発点にして持ち味だった豊かなハーモニクスはそのままに、低域のレスポンスを高め、高域を肉厚に盛っています。ミッドハイあたりをやや削ることで暴力性をわずかに抑えており、Evolutionより制御しやすくなっています。
リリース年: 2020

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DARK MATTER 2(DP266 / DP267 / DP268)


Steve Vai for DiMarzio Dark Matter 2 Pickups
Dark Matter2は、このギターのアーシーな雰囲気に合わせて設計された。ヴァイ氏はこのピックアップに対して「ライブの現場で余計な周波数の事故をすべてカットしてくれる音だ」と評している。

「Dark Matter 2」は、マホガニー製ボディの新しいJEMに搭載されるべく開発されたシグネイチャーモデルです。クリアかつウォームな、また過度に濁らないキャラクターを持ち、高出力でありつつも高域を絶妙に丸く整えています。
リリース年: 2016

Gravity Storm(DP252 / DP253)

DP252

パワーとエッジを重視したEvolutionに対し、「Gravity Storm」は深みと暖かい高音と中音を重視しています。ネック用は甘さと暖かさにエッジもあり、ピッキングハーモニクスが豊かに鳴り響きます。ブリッジ用は噛みごたえも甘さもあるキャラクターで、高域に太さを持っています。ヴァイ氏の強烈な個性にそぐわず汎用性に優れ、ディマジオ社は「素晴らしいサウンドを得るために多くの調整を必要としない。プラグ・アンド・プレイのピックアップだ」と評しています。
リリース年:2012

EVO 2(DP215)

DP215 Pickup Color : Green / Pole Piece Color : Black
ブリッジ用ハムバッカー「EVO 2」は、オリジナルのEvolutionの出力をちょっと下げ、また4k~5kHzのレスポンスをわずかに低減する微調整を施したモデルです。濃厚でパンチのある歪みが得られ、かつその環境下においてもピッキングのダイナミクスがしっかり出ます。また、スプリットモードで非常に優れたシングルコイル・サウンドを生成できます。
リリース年: 2004

John Petrucci(Dream Theater)


Dream Theater – At Wit’s End (from Distant Memories – Live in London)

ジョン・ペトルーシ氏は、プログレッシブ・メタルバンド「Dream Theater」を率いるギタリストです。氏はデビュー当時からフロントにAir Norton、リアにSteve’s Specialという組み合わせを愛用していました。2000年代に入ってからは、ご自身の音楽的追求の手をピックアップにまで伸ばしています。

Rainmaker & Dreamcatcher

Ernie Ball Music Man「Majesty Maple Top」
フロントにRainmaker、リアにDreamcatcherをマウントしている。

ネック用の「Rainmaker」とブリッジ用の「Dreamcatcher」両ハムバッカーは、ペトルーシ氏のシグネイチャーギター「Majesty」に搭載するピックアップとして開発されました。ご本人は8弦まで使用しますが、ピックアップ単体としては6弦用と7弦用がリリースされています。
「Rainmaker」はこれまでよりゲインを抑えて仕上げており、ピッキングに対する感度が高くなっています。ギターの音量を絞ればクリーンになり、ハイゲイン設定ではソリッドで明瞭な、かつ甘みのあるオーバードライブが得られます。「Dreamcatcher」は中低域をフォーカスしまた中高域を若干抑えた、重量級と表現されるモデルです。高域の主張を抑えた設計は、単体でもミックスでも高域が崩れたり濁ったりしない安定性に寄与ます。
両機はコイルタップのミックスで美しい響きが得られるようにも考慮されているので、セットでの使用が推奨されます。
リリース年:2019

SONIC ECSTASY(DP269 / DP270)

Pickup Color : Sonic Ecstasy / Pole Piece Color : Default
販売用にはスペシャルなアートワークが。

「Sonic Ecstasy」は、FRT搭載機「JP16」のために開発された、モダン/ヘヴィ志向のハムバッカーです。中低域に重心を置いた肉厚なサウンドを持ちながらも、音の輪郭と明瞭度はしっかりと維持しています。ピッキングに対する反応の良さに空気感と滑らかさが加えられており、ご本人は「まさにソニック・エクスタシーのネーミング通りのピックアップだ」と評しています。
なお、JP16にはブラックボビンで搭載されますが、単体で販売するモデルにはコンセプト・アルバム「The Astonishing(2016)」のアートワークを思わせる幾何学的な模様がデザインされています。
リリース年:2017

ILLUMINATOR / ILLUMINATOR 7

Pickup Color : Black Metal Cover / Pole Piece Color : Black

6弦用と7弦用、それぞれHH配列のセットとしてリリースされている「 Illuminator」は、シグネイチャーギター「JP13(販売終了)」に搭載するために開発したモデルです。両ハムバッカーのそれぞれに違った音楽的な空間を備えさせることで、マッシヴでタイトなバッキングから表情豊かで滑らかなリードまで多彩な表現を可能にしています。
ネック用は音量が大きくヘッドルームは広く、クリーンでは高い透明度が得られ、オーバードライブでは濁らないウォームなサウンドが得られます。ブリッジ用はタイトな低域、パンチのある中域、ノッチで増幅した高域を備え、強力な音抜けが得られます。
リリース年:2013

LiquiFire / Crunch Lab / LiquiFire 7/ Crunch Lab 7

DiMarzio「LiquiFire」&「Crunch Lab」

ネック用の「LiquiFire」とブリッジ用の「Crunch Lab」は、Dream Theaterの10枚目「Black Clouds & Silver Linings(2009)」から実践投入されているピックアップです。「LiquiFire」は愛用していたAir Nortonを出発点に、歌うようなソロとクリアに聞こえるコードの両立を目指して開発されたモデルです。暖かく滑らかな高域とタイトかつブライトな低域が持ち味です。「Crunch Lab」はD Sonicを出発点に音量を上げ、ディープな高域とより開放的な中低域を備えています。ハイ・ゲイン設定で特に存在感を発揮できます。なおトルーシ氏は、バーポールピースをネック側に向けて使用します。
リリース年: 2009

Steve Morse


Deep Purple – Smoke On The Water (Live, 1999, Australia)

スティーヴ・モーズ氏はカントリー・ミュージックに由来するハードピッキングを持ち味とする達人ギタリストです。自身のバンドやソロで活躍しましたが、Deep Purpleの一員としても長らく存在感を発揮しました。

STEVE MORSE MODEL NECK(DP205)

Steve Morse Signature Ernie Ball Music Man「Steve Morse Signature」

ブリッジ用(DP200)はディマジオの記念すべきシグネイチャーモデル第一号だが、残念ながら日本国内での取り扱いはない。
スティーヴ・モーズ氏シグネイチャーのネック用ハムバッカーは、非常に高いDC抵抗値に対してほどほどの強さのセラミック磁石、という組み合わせの妙技によって実現した、ウォームかつダークでスムースな低出力モデルです。特に高音域でのプレイでの使用を想定された設計になっており、ピッキングに対してコンプレッション感の少ない、均一で明瞭な響きが得られます。
リリース年:1985

Mark Morton(Lamb of God)


Mark Morton – Cross Off ft. Chester Bennington

マーク・モートン氏は、ヘヴィメタルをメインストリームに戻したNWOAHM(The new wave of American heavy metal)における重要なバンド、Lamb of Godで活躍するギタリストです。グルーヴメタルに分類されるサウンドの中にブルースのテイストをにじませるのを持ち味としています。

Dominion (DP245 / DP244)

Jackson「Pro Series Signature Mark Morton Dominion」

DiMarzio Dominionは、ご自身がデザインしたというオリジナルシェイプのシグネイチャーギターにマウントされる。メタルのアーティストでありながらコイルタップを使用することが多く、両ハムバッカーに個別のタップスイッチを設けている。
シグネイチャーギターと同じ名前のピックアップ「Dominion」は、分厚くても低域が濁らない、かつピッキングへの反応の良いブリッジ用と、これとのバランスを保ちながらよりエッジとスピードが利いたネック用との組み合わせです。コイルタップを活用する前提で設計されており、そのサウンドはご自身の作品で確認できます。
リリース年:2012

Nita Strauss


NITA STRAUSS – Pandemonium (Official Video)
音楽一家に生まれたが、祖先には「ワルツの王」と呼ばれるヨハン・シュトラウスがいる。

ニタ・シュトラウス女史は13歳にしてLAを拠点に演奏活動をはじめ、若かりし頃より頭角を現した達人ギタリストです。現代的なスタイルの基礎にクラシックなロックを感じさせる、説得力のある演奏が持ち味です。LA界隈での評価は高く、現在では重鎮アリス・クーパー氏のバンドに抜擢されています。

Pandemonium(DP276 / DP277)

JIVAX2 Ibanez「JIVAX2」

両ハムがPandemonium、ミドルにDiMarzio「True Velvet」を配するHSH。単体販売用モデルもこのギターと同様に、専用のブラックメタルカバーが備えられる。
「Pandemonium」は、クラシックなロックのサウンドを礎にした現代的な演奏スタイルで、あらゆる表現に対処するべく開発されたモデルです。ネック用は二つのコイルの個性を離すことで明瞭で開放的な中域を獲得しており、流麗なリードからバキバキのコード弾きまで幅広くカバーします。ブリッジ用はいろいろなジャンルを横断できるラウドさが持ち味で、引き締まった低域とウォームな高域を備えています。
リリース年:2019

Dave Davidson(Revocation)


Revocation – Diabolical Majesty (OFFICIAL VIDEO)

デイヴ・デイヴィッドソン氏は、テクニカル・スラッシュ&デス・メタル・バンド「Revocation(リヴォケイション)」を率いる、ボーカリスト兼ギタリストです。バンドはジャンル横断的に新しいメタルの姿を模索しながら進化を続け、近代的なデス/スラッシュの最高峰という評価を得ています。

Imperium / Imperium 7

Pro Series Signature Dave Davidson Warrior WR7
情け容赦ないスタイルだが、コイルタップもちゃんと備わっており澄み渡るクリーンも出せる。

デイヴ・デイヴィッドソン氏のシグネイチャーモデル「Imperium」は、ヘヴィなディストーション・サウンドから透き通るクリーン・サウンドまでを1つのピックアップでカバーる、充分な低域と透明感のある高域の共存したピックアップです。ネック用はPAFと同程度の出力で、高速ソロからクラシック・ジャズ・コードまで幅広く使用できます。ブリッジ用は中程度の出力で、ハイゲイン設定においてもコードが分離良く響きます。
7弦用に再設計された「Imperium7」は低音におけるパンチと明瞭度を強化しており、ご本人は「オープン・コードを弾いた際、高音の倍音が際立って、1音1音のスパークルな響きがとても美しい」と語っています。
リリース年:2016

Eric Johnson


Eric Johnson – “Hard Times”

エリック・ジョンソン氏は「地球上で最も尊敬されるギタリストの一人」と評される達人ギタリストで、持ち前の暖かなリードトーンは「ヴァイオリン・トーン」と呼ばれています。人間の領域を凌駕した耳の良さを持っており、ギターのアウトプットジャックにワッシャーがあるかないかでの音の違いを聞き分けることまでできると言われています。

EJ Custom(DP211 / DP212)

DP211

「EJ Custom」は、エリック・ジョンソン氏が「1959年リイシュー・レスポールをグレッチのカントリー・ジェントルマンの音にしたい」という要望をディマジオ社に突きつけたのがきっかけで作られたピックアップ
です。ハムバッカーでありながらシングルコイル特有の高域の伸びを持ち、非常に良く抜ける音になっています。音の太さやパワーなどは通常のハムバッカーほどではない割によく抜けるので、演奏の難しい上級者用ピックアップです。
なお、ネック用、ブリッジ用ともに、ディマジオのハムバッカーの中では最も低い出力を持っています。
リリース年:2004

Jake Bowen(Periphery)


Periphery – Wildfire (Official Music Video)

ジェイク・ボーウェン氏は、Djent(ジェント)の旗手として支持されるプログレッシブ・メタルバンド「Periphery(ペリフェリー)」に所属するギタリストです。バンドでボーウェン氏はバッキングボーカルのほかシンセサイザーやプログラミングも担当しています。

TITAN / TITAN 7

Ibanez「JBM27」
TITAN7を2基備えるHH配列。操作系が極めてシンプルだが、フロントのシリーズ/パラレル切替ができるなどサウンドバリエーションの幅は広い。

ジェイク・ボーウェンのシグネイチャーモデル「TITAN」は、Periphryに必要な要素を全て獲得したピックアップです。ネック用はファットでパンチがあり、エフェクトを重ねても濁りのないサウンドを狙っており、アンビエントでクリーンなアルペジオからスムーズでオーバードライブの効いたソロまでカバーします。ブリッジ用はドロップチューニングにおいてもなお輝きのあるタイトな低域と、ウォームでありつつ個性ある高域を持っています。
TITANリリース年:2013
TITAN7リリース年:2016

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モデル名 DP ポジション 磁石 出力 低域 中域  高域
BLAZE (N) 700 neck Ceramic 280 6.5 4.5 5.5
BLAZE (B) 702 bridge Ceramic 380 7.5 4.5 6.0
EVOLUTION 7 704 bridge Ceramic 420 6.5 7.0 6.5
X2N 7 705 bridge Ceramic 510 6.0 5.5 6.0
D SONIC 7 706 bridge Ceramic 390 6.5 6.0 5.5
LIQUFIRE 7 707 neck Ceramic 270 6.0 7.5 4.5
CRUNCH LAB 7 708 bridge Ceramic 410 6.0 5.5 4.5
IONIZER 7 (N) 709 neck Ceramic 295 7.0 6.0 7.0
IONIZER 7 (B) 711 bridge Ceramic 425 6.0 7.0 5.5
SUPER DISTORTION 7 712 N/A Ceramic 435 8.0 7.5 5.0
TITAN 7 (N) 713 neck Ceramic 280 5.5 6.0 5.5
TITAN 7 (B) 714 bridge Ceramic 415 5.0 6.0 5.0
IMPERIUM 7 (N) 715 neck Ceramic 250 5.5 5.5 5.5
IMPERIUM 7 (B) 716 bridge Ceramic 325 6.5 8.0 4.5
D ACTIVATOR 7 (N) 719 neck Ceramic 380 4.0 5.0 8.0
D ACTIVATOR 7 (B) 720 bridge Ceramic 460 6.0 6.0 6.5
RAINMAKER 7 (N) 723 neck Ceramic 275 6.0 6.0 5.0
DREAMCATCHER 7 (B) 724 bridge Ceramic 370 6.5 8.0 4.5
ILLUMINATOR 7 (N) 756 neck Ceramic 270 6.0 7.0 5.0
ILLUMINATOR 7 (B) 757 bridge Ceramic 410 6.0 5.5 5.0
PAF 7 759 ALL Ceramic 220 6.0 4.5 5.5
AIR NOTON 7 793 neck Ceramic 260 7.0 7.0 5.0
IONIZER 8 (N) 809 neck Ceramic 345 6.5 6.0 5.0
IONIZER 8 (B) 811 bridge Ceramic 440 6.5 7.0 4.5
SUPER DISTORTION 8 812 N/A Ceramic 440 7.5 7.5 5.0
ECLIPSE 8 (N) 813 neck Ceramic 270 5.5 4.5 6.0
ECLIPSE 8 (B) 814 bridge Ceramic 382 6.0 5.0 5.5
D ACTIVATOR 8 (N) 819 neck Ceramic 360 5.5 6.0 6.5
D ACTIVATOR 8 (B) 820 bridge Ceramic 450 6.0 6.5 6.0
PAF 8 859 ALL Ceramic 260 6.0 5.5 5.0

7弦および8弦用ハムバッカーの仕様比較(品番順)
各データは、日本向けディマジオ公式サイト(https://www.dimarzio-jp.com/)より引用。DPは型番、出力の単位はmv(ミリボルト)。低域/中域/高域については聴感上の目安であり、電気的な出力など具体的な数値を反映しているものではない。

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