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オーソドックスなスタイルの使いやすさと品質の高さでプロ/アマ問わず支持される「HISTORY」から、手に入れやすい価格に抑えた「パフォーマンス(Performance)シリーズ」がリリースされました。同ブランドの入門機という立ち位置ながら、長く愛用できる品質はそのまま。伝統的なスタイルのルックスですが、楽器として弾きやすいよう随所にこだわりが詰まっており、サウンドはボカロ系など打ち込みトラックとも相性の良いキャラクター。見た目以上のオリジナリティを持ったギターとして仕上がっています。今回はこのパフォーマンスシリーズに注目していきましょう(提供:島村楽器)。
トラッドなルックスに、現代的な芯のあるサウンド。押し出しが強めの、アタックのしっかりあるパワフルな音なので、シンセやボカロとの相性が良い。ハムバッカーモードは使える個性的な音だ、と博士は感じたようです。あなたはどう感じましたか?
「HISTORY(ヒストリー)」は、「ギタリスト/ベーシストに本当に優れた理想の楽器を使ってもらいたい」という理念のもと、1994年に設立された島村楽器のオリジナルブランドです。エレキギター、エレキベース、アコギ、ピックその他アクセサリーなど幅広く手掛けており、伝統的なテイストを守りながら常に品質をアップデートし続け、多くのギタリスト&ベーシストに愛されています。
メタルシートを使用した、立体感のあるブランドロゴ。キリっとした、高級感のある意匠。
まずは、ギター博士が弾いた2本のギターをじろじろと見ながら、パフォーマンスシリーズの特徴を見ていきましょう。
プロフェッショナルが使う高級機もあるHISTORYにおいて、パフォーマンスシリーズはブランド内で最も手に入れやすい6~7万円近辺という価格帯に位置します。厳選した海外工場と密に連携を取ることで、品質とスペックを高く保ちながらも低価格を達成しています。
HST-Performance(プルシアン・ブルー)
HTL-Performance(プラチナ・ブロンド)
パフォーマンスシリーズの各モデルは、1950年代から世界中のミュージシャンに愛され続けている伝統的なルックスを受け継いでおり、また王道の木材構成を採用しています。
背面には身体にフィットするよう、立体的なカットが施されている。
パフォーマンスシリーズは全機種共通で、北米産アルダーボディにハードメイプルネック、指板はハードメイプルもしくはパーフェロー、という木材構成を採用しています(HTL/mはボディトップにアッシュ材を貼りつけ)。北米産アルダーは中音域がふくよかに響く心地よいサウンドを持ち、シングルコイルピックアップとの相性が良い木材です。ハードメイプルは「ギターのネックになるために生えている」とまで言われるほど、硬くてしっかりした木材です。
木目の整ったパーフェロー指板。
パーフェローは、入手が困難になってしまったローズウッドに代わる指板材として定着している木材で、落ち着いた色合いに立ち上がりと音の伸びに優れる音響性能、そして高音域のエッジ感が持ち味です。ハードメイプルはこのスタイルの楽器の指板材としても王道で、明るくきらびやかな高音域と、張りのある響きが特徴です。
ネック裏はサラサラ感触のサテン仕上げ。
ネックの握りやすさは、上達のために重要なポイントです。パフォーマンスシリーズはここに深くこだわり、握りやすさを追求した薄すぎず厚すぎないネックシェイプを新たに開発、また手汗をかいてもベタつかない、サラサラな触感のマット仕上げを採用しています。
ナットは牛骨製。
ナットに採用されている牛骨は、耐久性と耳触りの良いトーンが特徴。またチューニングの安定性にも優れています。トラスロッドはヘッド側の調整口からネックを外さず調整できます。
球面に整えられたフレットの端。入門機では滅多にお目にかかれない、高級スペック。
「ラウンドエッジ・フレット」は、パフォーマンスシリーズが特にこだわっているポイントです。フレット両端のまぁるい仕上げは、ポジション移動における引っ掛かりを軽減し、スムーズなフィンガリングをサポートします。またフレット数は現代標準の22ですから、音域が不足することもほぼありません。
「HST(上)」と「HTL(下)」のジョイント部。滑らかなヒールカットと共に、カッタウェイにも手が加えられている。
ネックジョイントには、新機構「Easy Access Joint Type III」を採用しています。ヒール部やカッタウェイの滑らかなカットにより、ハイポジションでの運指がよりスムーズにできます。
「HST(上)」と「HTL(下)」のピックアップ。ルックスこそオーソドックスだが、中身は本機のために新たに設計されている。
パフォーマンスシリーズに搭載されているピックアップは、このモデルのために新たに開発しています。王道のスタイルを受け継ぎながら、ロック、ボカロ系、シティポップなど現代のサウンドにも対応できる充分な出力と、アンサンブルに埋もれることのない音抜けの良さを持っています。
各モデルともサウンドの幅を広げることができる「ハムバッカーモード」を搭載。シングルコイル本来の持ち味である繊細で煌びやかなトーンから、簡単に図太く肉厚なトーンに切り替えることができます。
6角ナットの向こうに挟まっているのが、「ノルトロックワッシャー」。
楽器のトラブルで最も多いのは、アウトプット・ジャックの緩みによる接触不良や断線、またパーツの脱落です。これを防止するためパフォーマンスシリーズでは、ジェットコースターや船舶などの保安部品でも使用実績のある、信頼性の高い緩み止め「ノルトロックワッシャー」を採用しています。
パフォーマンスシリーズには、クッション性とデザイン性に優れた専用の高品質ギグバッグが付属します。背負う時の肉体への負担が少ないので持ち運びがラクで、外への持ち出しが楽しくなりそうです。大型ポケットは、バンドスコアや教則本までまとめて運搬できます。
パフォーマンスシリーズには3年間の保証が付いており、全国の島村楽器でサポートが受けられます。引っ越しても安心です。また出荷時に張ってあるコーティング弦「EH0942C」はHISTORYブランドなので、島村楽器に行けば必ず手に入ります。コーティングの恩恵で錆びにくく、自然な指触りや音抜けが長持ちします。
では、パフォーマンスシリーズのラインナップを見ていきましょう。これまで見てきたような共通仕様に加え、各モデルごとに特徴のある機能が備わっています。
左から、3トーン・サンバースト、スターリング・シルバー、ボルドー・レッド、ホワイト・アイボリー、プルシアン・ブルー、プラチナ・ブロンド、ホライズン・ブルー、スチール・ブラック。
パーフェロー指板機「HST-Performance」とメイプル指板機「HST/m-Performance」は、3基のシングルコイル・ピックアップによる幅広いサウンドバリエーション、無限の可能性を秘めている特殊配線「ハムバッカーモード・ブレンダー」、独特の表現を可能にするトレモロユニット装備、という特徴を持っています。
肉厚なブリッジプレートに、重量感のあるブロックサドル。2点で支えられているところも併せ、完全に現代仕様のシンクロタイプトレモロユニット。
「ハムバッカーモード・ブレンダー」ノブは、リアとフロントを単体で鳴らすときに、ミドルピックアップを直列に接続した「疑似ハムバッカー」のサウンドを無段階にブレンドすることができます。これによりシングルコイル・ピックアップ搭載機でありながらハムバッカーの太く肉厚なサウンドが得られるほか、そのブレンド具合で自分だけのサウンドを手に入れることができます。
ただし、ハムバッカーモード中はハーフトーンが封じられ、フロント単体とリア単体以外のポジションではすべてミドルピックアップ単体のサウンドになります。
左から、プルシアン・ブルー、プラチナ・ブロンド、ヴィンテージ・ブラック、ボルドー・レッド、ヴィンテージ・ナチュラル。
パーフェロー指板機「HTL-Performance」とメイプル指板機「HTL/m-Performance」は、スタイルの異なる2基のピックアップ、ブラス製3連サドルによる個性的なサウンドが大きな特徴です。また「HTL/m」のボディトップには、木目の美しいスワンプアッシュがあしらわれます。ボディ背面には滑らかなコンター加工が施してあり、抱え心地が良好です。トーンノブにはハムバッカーモードの起動スイッチが仕込まれており、ミックスポジション時にハムバッカーサウンドが得られます。
トーンノブを引き上げると「ハムバッカーモード」が起動、前後のシングルコイルが直列になり、2基のシングルコイルが1基のハムバッカーとして機能します。出力がアップするので、クリーン時には音量が上がり、ドライブ時には歪みが深くなります。
オクターブピッチ補正を施した3連サドルは、現代の高級仕様。
ブリッジに採用しているWilkinson製「WTBブリッジ」は、トラッドな3連サドルながらオクターブ・ピッチのずれを大きく改善した設計です。普通の3連サドルでは得られない、整った美しいコードを響かせることができます。
左から、3トーン・サンバースト、ボルドー・レッド、ヴィンテージ・ブラック、スターリング・シルバー、プルシアン・ブルー。
「HJB-Performance」は、ピックアップそれぞれのボリュームと強力な2バンドイコライザーを備えたアクティブベースです。フロントのボリュームノブを引くとパッシブに切り替わり、リアのボリュームノブを引くとハムバッカー・モードに切り替わります。また2バンドイコライザーによって、トレブル(6.5kHzを±18dB)、ベース(40Hzを±18dB)のブーストやカットが可能。アクティブベースならではのダイナミックなサウンドメイクが楽しめます。
以上、HISTORYの入門機「パフォーマンスシリーズ」をチェックしていきました。入門機という立ち位置ながらしっかりとした本体の設計と高級機に比肩する高いスペック、そして高い演奏性があり、またさまざまな場面に対応できるサウンドバリエーションのある頼れる楽器として仕上がっています。これから始める人の上達をしっかり支えてくれる楽器です。ぜひ店頭でチェックしてみてください。
HISTORYブランドサイト(Performanceシリーズ特集ページ)
ギター博士「トラディショナルなルックスを元に、サウンド、プレイアビリティの面でヒストリー独自のアイデアが豊富に盛り込まれているという印象。見た目以上のオリジナリティを感じたゾ。カラーラインナップも豊富なので、自分の好みのカラーが選べるゾ。
・トラディショナルな形のモデルが好きな人
・弾きやすいギターを求めている人
・サウンドバリエーションが欲しい人
・特にボカロ系/打ち込みトラックとの相性が良い
と感じたので、そういった音楽で弾いてみたいと思っている人など、おすすめのギターぢゃ!
あと、ギグバッグがかなりいい感じなんじゃよね。しっかりしてるし持ち出したくなるような感じ。こういう細やかな心遣いが楽器をより長く大切に扱うポイントじゃよ。」
HISTORY Performanceシリーズを…
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