エレキギターの総合情報サイト
Sシリーズは全機種、ボディトップに緩やかなアーチ状の加工が施されます。光を当てた時の美しさと共に、演奏時のフィット感が向上する工夫です。トップが曲面なのでピックガードをつけることができませんが、「フェンダースタイルなのに、ピックガードモデルがない」ことが個性を演出しています。
「カジュアルなルックス」を重視しており、マットな感触の塗装、ナチュラルに統一されたサイド&バック、ブラックのバックプレートが、既存の価値観に囚われない、シンプル且つカジュアルなスタイルを演出しています。ただし、指板面にポジションマークを持たないこと、またメイプル指板では指板とネックの間にローズの薄板を挟んでアクセントをつけるなど、クールな一面も持っています。
メイプル指板とネックに挟み込まれた薄板がオシャレな存在感を放っている
塗装はウレタンのマットフィニッシュを採用しており、薄くても必要十分な強度を得ることが出来る塗料を選んでいます。アッシュボディに施す「オープンポア塗装」の「ポア」とは、導管のことです。そこをオープン(目止め処理しない)にすることで、アッシュという木材自体の凹凸を楽しむことができます。
カラーリングでは「ネイキッド(ナチュラル)」が一番人気ですね。どんなジャンルやファッションでも馴染むし、暗転したステージでもしっかり目立ち、かつ飽きません。SAITO GUITARSはブランドとして、杢の美しさよりも、道具としての実用性に注目したギターを作ろうとしています。その意味で「ネイキッド」は、楽器自体が装飾に頼りすぎず、道具としてギターを作っているという弊社のコンセプトを象徴するカラーだと考えています。
カラーリングのラインナップは、「従来のギターではあまり無いものを使いたい」という考えで揃えており、たとえば「ネイビーブルー」は洋服の、「マルーン(ブラウン)」はチョコレートの、というように他ジャンルからヒントを得ています。
お客さまからのカラーオーダーもお受けしています。お客様の要望は様々で、写真のイメージでお任せいただくことも、名前から色を作ることもあります。指定されたカラーリングにお客様ご自身が名前を付ける、というムーブメントも起きていまして、こういうところからご自身のギターに愛着を抱いてくださるようです。トップのカラーは自由に指定することができますが、どんな色にしてもSAITO GUITARSらしい仕上がりになりますね。
S-624MS のボディバック
マットなフィニッシュはネック裏にも施され、サラサラとした心地よい感触です。標準的なCタイプのネックグリップはどんなプレイヤーにもフィットします。
ハイポジションについては標準的なストラトよりも深いカッタウェイ、左手に優しいヒールカットに加え、厚さ5mmのジョイントプレートをヒール部分に落とし込んでおり、ストレスのない弾き心地になっています。ジョイントプレートの厚さが5mmもあるのは、プレート自体の変形を防ぐ目的と、ネックをジョイントする4本のネジのしめこみ具合を均一にする狙いがあります。
弦のヘッドへの突入角度が緩やか、というかほとんど真っ直ぐだ
長年リペア業を営んできた齋藤楽器工房だけあり、Sシリーズには長らく使用する道具に必要な、耐久性を重視した工夫がたくさん注がれています。最も個性的なのはヘッドの設計で、指板の高音弦側が緩やかな角度でヘッド面に達するようになっています。これはこの部分で厚みを確保することで、将来的にヘッドが起きる(変形する)可能性を軽減させる狙いがあります。
指板の外側を残す形で溝を切り、フレットはここに収まるようにタング(指板に埋め込まれる部分)の両サイドをカットして打ち込まれます。これは見た目の美しさを演出することに加え、ネック痩せが起こった場合のフレット「バリ」を防ぐ狙いがあります。
ネックはネジを受け止めるスタッドを打ち込まれてジョイントされますが、これはしっかりジョイントするためだけでなく、ネックの着脱を繰り返してもネジ穴が耐えられるようにする工夫です。
ソリッドボディ/22フレット仕様の「S-622」シリーズは、アルダーもしくはアッシュ2Pボディ/弦長648mmのハードメイプルネックという現代では標準的な組み合わせで、クリーンは煌びやかに響き、歪ませても芯のあるトーンを持っています。24フレット仕様に比べ、22フレット仕様のギターはフロントピックアップがネック側に寄って設置されることにより、フロントポジションで甘さの引き立つトーンになります。
「S-622」はSシリーズの標準機となっていますが、いろいろな要望に応えられるようになった結果、「SSH、HSH、SSSというピックアップ配列が選べる」など多様性を持たせたモデルです。
ペグと2点支持トレモロ等のハードウェアはGOTOH製が採用されており、ペグにはポストの高さ調整ができる[H.A.P機能]が付いたものを、トレモロにはボールエンドが通常よりも深い位置で固定されることでチューニングの狂いを抑える[FST機構]が搭載されている等、価格以上の高品質な部品を採用しています。(トレモロの変更はできませんが、オプションで GOTOH製 MGT ロックペグ選択が可能)
「S-622JMC」は S-622の流れをくんだジャズマスタータイプのギターで、基本的な仕様を S-622 から受け継ぎつつ、SAYTONEのジャズマスター用ピックアップ「Flat Head」が2基マウントされます。弦振動を受け止める大きめのボディとパワーのある大きなシングルコイルの組み合わせにより、パンチがありながら澄んだ音になっています。
S-622TLC Naked
「S-622TLC」はテレキャスタータイプで、ピックアップは新作「SAYTONE TLC Set」が載せられています。ピックアップにカバーは無く、ラッカーコーティングによる味わい深い外観となっています。フロントピックアップはストラトと同サイズで普通のものより音量があり、こもらず抜けが良いのが特徴です。リアピックアップとの出力バランスが取れて弾きやすく、近いコンセプトの「フロントハム」や「フロントP-90」に対抗する仕様です。
このほかオクターブピッチを改善させた3連サドル、ボディマウント用のネジを追加してハウリング対策されたブリッジプレートなど、シンプルな外観に考え抜かれた工夫がいっぱい詰め込まれています。
アーティストさんに使って頂いていることから「アーティストと同じブランドのギターが欲しくて」という問い合わせをいただきますが、「アーティスト同一仕様」に対する関心はそれほどではありません。弊社の一番人気は、ダントツでS-622のSSH仕様です。
3タイプをリリースしております「S-622」シリーズは、ボディ形状とピックアップの違いでキャラクター設定をしています。それぞれ楽器のイメージ通りのサウンドになっていますが、ネックはすべて共通なので、弾き心地はだいたい同じになっています。
多くの7弦ギターがトンガったルックスで24フレット仕様ヘヴィ志向であるのに対し、S-722は「ジャンルを選ばない柔軟性を持った7弦」というコンセプトで、S-622 同様のカジュアルなイメージをそのままに、ピックアップには7弦仕様である「Seven Sledge」が採用されています。ただし S-622 と異なり、ヒップショット製の堅牢なロトマチック式ペグと固定式ブリッジが使われています。また弦をボディ裏から受け止める金属製バックプレートを自社開発しており、従来のスタイルに比べて弦振動の伝達効率を向上させています。
Sシリーズの24フレットモデル「S-624MS」「S-724MS」は、ハードメイプルネック、ライトアッシュ2Pボディという組み合わせです。3kg~3.5kg程の軽量な本体は長時間の演奏でもプレイヤーの消耗を軽減します。テクニカルなプレイヤーに向けて弦高の低いフラットな指板を採用しており、ドライブサウンドと相性の良い「Bore Up」ピックアップを搭載することで、エッジの効いたサスティン豊かなトーンになっています。
最大の特徴は近年流行している「マルチスケール(ファンフレット)」を採用していることです。1弦から低音弦に向けて扇状に広がっていくように配置されるフレットは、その外観から「ファン(扇状)フレット」と言われたり、25.5インチから27インチまで各弦それぞれに弦長が設定されることから「マルチ(複合)スケール(弦長)」とも呼ばれています。
この構造は低音弦の張りが強くなることから、コードの響きや低音弦の音像がクリアになり、それでいて高音弦はこれまで同様に弾きやすいというメリットがあります。フレットの広がり方も人間の腕の構造に対して理にかなっており、「ちょっと弾けばすぐ慣れるし、むしろ弾きやすい」と言われます。
このモデル専用のブリッジは自社開発で、弦長に応じ斜めに配置したサドルは指板Rに合わせた配置になっており、弦高の低いシビアなセッティングがストレスなくできます。弦を裏から支える金属製のバックプレートも自社開発で、伝統的な裏通しのものよりも弦振動を伝達する効率が向上しています。
《特集》ファンフレットのギターって、どんな感じ?
SAITO GUITARSのフラッグシップ機「S-HL7」は、24フレット&マルチスケール(ファンフレット)/ヘッドレス、という二つの大きな特徴を持った、同社のフラッグシップモデル(性能、価格、機能における最高級品)です。2016年の楽器フェアでデビューして以来、この分野で普及する他ブランドの強力な対抗馬として、存在感を強く発揮しています。
最高級品ということから、フレットにはJESCAR(ジェスカー)製の上位モデル[EVO Gold]が採用されています。チタンを含んだ特殊な金属で作られており、磨耗に強い高強度とニッケルシルバーと変わらない音色、見た目ではやや金色がかっているのが特徴です。
マルチスケールの採用によって低音弦に際立った張りがあり、またヘッドレスなのでナットから先の弦角度が均一であることから、各弦の振動がすべてきれいに揃っているように感じられます。
S-HL7(写真上)とS-HL8のプロトタイプ(写真下)。本体がコンパクトなこともあって、8弦でも総重量は3.4kgと、普通のギターで考えたらなかなかの軽量。8弦は9フレットが、7弦は12フレット(中央)がニュートラルポイント(フレットが弦と直交する)に設定されています。
弦はヘッドに通して、ネジで固定してから切断します。固定用のネジは平らに処理してあるため、締めこんでも弦を切ってしまうことがありません。弦の切り口はネック先端部で囲われる設計になっているため、飛び出ることがなく安全で、ケースや手を傷めません。また、ヘッドピースが落とし込まれているので、ナットに対して弦張力がしっかりとかかります。
ネック先端部にはヘッドの位置を把握できるふくらみがあるので、ナットとの距離感をなんとなくキャッチすることができます。これによってヘッドに引っ掛けて吊るすタイプのギタースタンドに立てることができ、クリップチューナーも使用できる、大変便利な設計です。
サドルに対しても弦角度がしっかり付いているので、張りのある弦振動がボディへとしっかり伝達されます。
1弦が25.5インチ、7弦は26.7インチという弦長は、同じ7弦マルチスケールの「S-724MS」と同仕様です。
ウェンジ製の「エンドサポーター」はチューニング用のつまみをガードするためのものですが、外してしまうこともできます。また、エンドピンの位置を3か所から選べるので、ストラップのポジションを好みに合わせることができます。
ストラップピンはこの位置のため、シャープなカッタウェイのシルエットが活かされます。
音響特性のためには剛性と重量感は欲しいという考えで、ボディの中央を重く(厚く)し、ブリッジにも重いものが使われています。ナット/ブリッジで確保している弦張力とボディの剛性/重量感により、普通のギターと同じような迫力のサウンドが出せます。ボディの両ウィングを一段下げているのは、タッピングの構えに有利な設計です。
ボディエンドに出ているつまみを回すことで内部の駒を前後させ、チューニングします。S-HL7のブリッジは、ブラス製の土台の上に「フェンダータイプのハードテイルブリッジを載せる」というコンセプトで設計されています。そのためオクターブ調整は、フェンダースタイルと同じ要領で行うことができます。
弦がサドルの真下から伸びるので張力がかかり、そのため音程感が明瞭に出ます。無垢材から削り出したブラス製の土台は、イナーシャブロック(トレモロブロック)のイメージでもあり、金属的な立ち上がりが強調されて強い音を生みます。ブリッジのパーツは国産で精度が高くスムーズに動き、つまみがきしむこともなくチューニングがビシっと決まります。
ブリッジのパーツは重いですが、重量バランスはしっかり取ってあり、座って弾く時には水平で安定し、立って弾く時にはネックが持ち上がります。
ピックアップは、SAYTONE の「Seven Sledge」と「Seven Bore Up」のセットです。世の7弦ギターの多くがヘヴィ志向のピックアップを載せていますが、S-HL7では音の芯が出るなかでのバランスを考慮したピックアップを採用しています。「多弦にチャレンジしたくても、へヴィ系のイメージが強すぎて手が出せない」という人のために開発されたピックアップなので、低出力に感じる人も多いかもしれませんが、現場で使いやすいバランスに設定されています。SAYTONEの標準仕様となっている「手巻き」ピックアップは、立ち上がりと分離感に優れ、必要以上に歪ませる必要がありません。
「SAITO GUITARS」ブランド立ち上げの時点でヘッドレスとファンフレットの構想はあったのですが、完成させるのに時間がかかったので、S-HL7は「満を持してリリース」、という形になりました。多くのメーカーでアルミニウムなど軽量な金属を採用し、本体も軽量なヘッドレスギターが作られているなか、SAITOでは逆のアプローチで、しっかりと重いパーツを使って質量と剛性を確保しています。「しっかりとした質量と剛性のあるギター本体で弦振動を受け止めた力強い音」が、弊社が提唱したい音です。この音がお客様に認めて頂けたことで、弊社がこのアプローチをとる意義はあったと確信しています。しかし細かいところにこだわりぬいたばっかりに、値段が上がってしまったのが現在の悩みです。
7弦ギターのユーザーさんは、バンドサウンドや楽曲のキーの必要性から7弦がメイン機となり、6弦ギターを必要としなくなる傾向にあるようです。しかし8弦となると状況は一変し、6弦がメインの人はバンドでも7弦ではなく、ヘヴィなサウンドはダウンチューニングで作る傾向にあります。そのかわり6弦と8弦の両方を持ちたいという人が多いと感じていて、「S-HL8(取材時点ではプロトタイプ)」はそういう人のために開発しています。どのブランドのものでも8弦ギターは弦長が長くて、6弦と同じ感覚で弾くことができません。だから「6弦+弦2本」というコンセプトで、1弦の弦長を25.5インチ(フェンダースケール)としています。1弦が25.5インチの8弦ギターは世界的にも珍しいのではないでしょうか。弊社しかいないかも、とすら思っています。
ファンフレットは多弦化すると全長がどんどん大きくなってしまうので、S-624、S- 724の次に「S-824」を作ることはせず、ヘッドレスの「S-HL8」にしました。8弦の場合12フレットをニュートラル・ポイントにすると、開放弦での角度があまりにきつくなってしまいますから、演奏性を考えて9フレットをニュートラル・ポイントにしています。
Saytone LS-4 SNBL
Saytone LS-4 DRD
ウクレレサイズのかわいらしい4弦ラップスチールギターですが、齋藤楽器工房のギターメーカーとしてのデビューを飾った歴史的なギターのひとつでもあります。小型で弦が少ないことからラップスチールの経験がないプレイヤーでも気軽に挑戦できる親しみやすさがありますが、SAYTONEの専用ピックアップによる本格的なトーンを持っており、いろんな場面で活躍できるポテンシャルを秘めています。
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