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BOSS GTシリーズの最新機種となる「GT-1000」は、従来のマルチエフェクターの枠を越え、サウンドデザインを一台で完結できる「ギター・プロセッサー」として誕生しました。このカテゴリの製品はBOSSのラインナップの中でも初となり、一切の妥協が見られない優れたクオリティを備えています。
32bit/96kHzで処理される信号は現状で考えられる最高の音質を実現。豊富なパラメータを装備した高品質なアンプモデル、BOSSコンパクトの流れを汲んだエフェクト類を多数内蔵しています。ボディ面に配されたフットスイッチやペダルは、エフェクトからアンプモデルに至るまで内部のあらゆるパラメータを自在に割り当てることが出来るため非常にフレキシブルな使い方が可能で、特にライブパフォーマンスにおいては少ない操作で最大の効果を得ることができるでしょう。ほとんどのエフェクトはステレオ出力に対応し、ルーティングの柔軟性も相まってレコーディングでも比類ないほどの使い勝手を誇ります。また、多機能、高品質とは裏腹に小さめで軽量なボディをも実現しており、頻繁に持ち歩いても苦にならず、今までのGTシリーズと比べてもより身近に置いて使いやすくなりました。
ここでは膨大なGT-1000の機能を網羅的に解説しており、中には具体的な使い方を掘り下げて記述している箇所もあります。既に手に入れているというギタリストも参考にしてください。
GT-1000を…
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BOSSのマルチエフェクターはMEシリーズとGTシリーズに集約されます。先んじて登場したMEはフロアタイプ・マルチエフェクターとしてはパイオニア的存在でしたが、やがてGTに比べて小さく軽い筐体とライトな使い勝手を目指したものに変わっていきました。対して90年代中期に登場したGTは、多数のアンプモデル、変わり種のエフェクトなども含み、信号をルーティングしてトータルでサウンドデザインを完結できる大型の機材という位置づけで進化していきます。
GT-5
GTシリーズの誕生は90年代中期、「GT-5」に端を発しました。GT-5はアナログの歪みエフェクト部にデジタルで組まれたプリアンプを搭載。COSMと呼ばれたBOSSの誇るアンプシミュレーターを最大の特徴とし、ライブからラインレコーディングまで幅広く使える大型のマシンとして市場に登場しました。当時としては手の届きやすい価格であったこともあり、大きな人気を博すことになります。その後GTシリーズは同じ路線で進化を続け、GT-3、GT-6、GT-8、GT-10とモデルチェンジを繰り返しました。モデルチェンジされるごとにCOSMアンプのクオリティと種類は飛躍的に増えていき、GT-8では信号を2系統に分岐できるエフェクトチェインを搭載するに至ります。
GT-1
そして、2012年、「GT-100」が出るにおいて、大きな仕様変更がなされました。最大の変更点は大型で視認しやすいデュアルディスプレイの搭載。そして、ADVANCEDと名付けられ、従来のCOSMモデリングをさらにブラッシュアップした新しいアンプモデル8種の追加です。
その後、GT-100の音質や機能を、より小型に落とし込んだ「GT-1」が発表されました。GT-1は発売当初、MEシリーズ最新機種ME-80よりも小型であり、MEシリーズとGTシリーズとの垣根を取り払うような役割も果たしました。GT-1は小型なだけでなく、値段も相応にリーズナブルに抑えられており、マルチエフェクターのエントリーモデルとして定番の地位を確立しています。
BOSS GT-1:レビュー記事
GT-1000
そして2018年、GT-100、GT-1で培われた機能、利便性、音質などを極限まで高めた「GT-1000」が、シリーズの究極系として満を持して発表されました。レコーディングからライブまであらゆる用途で使える幅広い利便性を確保し、COSMに取って代わって新たに「AIRD」というモデリングの技術が内蔵され、WAZA Craftシリーズなどで定評のある歪みエフェクト、「DD-500」などで評価の高い空間系エフェクトなどを継承、プロセッサーの処理能力は新型DSPエンジンの採用により3倍以上に向上しています。
GT-1では小型軽量を志向し、GTシリーズのME化をも感じさせましたが、GT-1000こそは従来のGTシリーズの延長上にあると呼べるものでしょう。GT-100に見られた視認性の高い文字や大型ディスプレイ、操作性などはGT-1000にまで継承されています。
それではGT-1000の基本機能の操作方法についてみていきましょう。
頑丈そうな筐体
電源 ON時:フットスイッチ10個、6つのツマミに6つのボタンを装備
10個のフットスイッチのON/OFF、6つのボタンでエディットを行い、6つのつまみでエフェクトのパラメータ、パッチ保存の際のネーミングなど、さまざまな用途を担います。一見面倒に見えてしまいますが、その操作性は洗練されており、マルチエフェクターを使ったことのある人であれば、基本的な操作はたやすく把握できるでしょう。インターフェースの使いやすさはさすがにBOSSならではです。
プリセットにして250個のメモリーを内蔵し、さらにユーザーエリアにも250の保存が可能です。
アンプモデル/エフェクト・ブロックの画面:1つ1つ細かなパラメータ操作ができる
ブロック全景
アンプ、エフェクトともにブロックとしてルーティングされており、ギターからアンプ、さらにはその向こうのキャビネットやマイキングまで、インプットからアウトプットまでの信号をバーチャルで組み上げていく感覚で使用します。エフェクトのルーティングは全3系統を自在に分岐して使用でき、複雑なサウンドシステムも一台で完結。ブロックの位置やルーティングも含め、入れ替えや位置の移動も自由です。
アンプやエフェクトのサウンドはどれだけ音作りができるのか、ちょっとパラメータを見てみましょう。
TYPE(後述)、GAIN、SAG、RESONANCE、LEVEL、BASS、MIDDLE、TREBLE、PRESENCE、(BRIGHT)、GAIN SW、SOLO SW、SOLO LEVEL
アンプのパラメータは一般的なアンプに搭載されるようなものの他にも、
など、独自のコントロールを配置しています。
SOLO SWは後述するCTLスイッチで簡単にON/OFFできるなどギターソロ時にとても便利です。ブーストの量など細かなパラメータ操作が可能など、十分に音作りを追い込めます。
TYPE(後述)、TIME、FEEDBACK、HIGH CUT、EFFECT LEVEL、MOD RATE、MOD DEPTH、DUCK SENS、DUCK PRE DEPTH、DUCK POST DEPTH、DIRECT LEVEL、BPM
GT-1000にはディレイが二種あります。通常のステレオ・デジタルディレイはDELAY1~4という名で、計4箇所に掛けることができますが、デジタル/アナログ/テープエコー/リバースなどを全て含んだものが「マスターディレイ」というブロックです。このマスターディレイには一般的なディレイに搭載されるパラメータに加え
が存在します。特にDUCK SENSとDUCK POST DEPTHなどを併用すれば、ピッキングして音を出しているときのディレイ音を小さくし、ロングトーン時のみ大きくするなどエフェクティブに活用できます。
TYPE(後述)、TIME、TONE、DENSITY、EFFECT LEVEL、PRE-DELAY、LOW CUT、HIGH CUT、LOW DAMP、HIGH DAMP、MOD RATE、MOD DEPTH、DUCK SENS、DUCK PRE DEPTH、DUCK POST DEPTH、DIRECT LEVEL
このように、多岐に渡るパラメータを設定できます。タイプによっても固有のパラメータを多数含んでいるため、非常に細かい音作りが可能です。
10個のフットスイッチの基本的な役割
本体に内蔵する10のスイッチは基本的に、下段5つがパッチの切替、上段左2つがBANKの切替、左3つがCTLスイッチ(右端はチューナー)となっていて、このCTLスイッチには自由に機能を割り当てることができます。
例えば
といった使い方が可能です。
5種類のパッチ × 3つのCTLスイッチでサウンドバリエーションを組んでいけるため、バンクの上下移動せずに5つのパッチを行き来するだけでも無数のサウンドが扱いこなせます。
たとえば、Aメロではクリーンに近い音に設定しておき、BメロでCTL1を踏んでやや歪んだアンプの別ルーティングに変更、サビでCTL2を踏んでディストーションをオン、ソロでCTL3を踏んで音量アップ、というような使い方が出来れば、ひとつのパッチで一曲仕上げてしまえるケースもあるでしょう。通常の40分程度のライブであれば、バンクの移動は不必要になるかもしれません。
10個のフットスイッチ(+EXPペダル)の役割を示した画面。各スイッチの役割についてはこのような画面が表示され、一目でわかるようになっている。画面のパッチでは、CTL1にコンプ、CTL2にディレイ、CTL3にチューナーを割り当てている。
それではいよいよGT-1000のサウンドに迫ってみましょう。
BOSS GT-1000 Preset 50個をギター博士が弾いてみた!
SUB OUT(XLR端子)からステレオ出力したものを録音しているので、GT-1000の”素の音”がわかるだろう。是非ステレオ出力のモニター環境でリスニングして欲しい。
いずれのアンプモデルも、BOSSが独自に作り上げた最新技術AIRD(Augmented Impulse Response Dynamics)テクノロジーによってギターアンプの回路特性、動作、パーツごとの相互作用を精細にシミュレートして作られています。このAIRDは「Blues Cube」「WAZA Amp Head」「KATANA Amp」シリーズなど、BOSSのアンプ開発で培われた”真空管アンプの動きを再現する「Tube Logic」テクノロジー”がベースとなっており、GT-100と比べてもサウンド面はかなりブラッシュアップされています。
様々な技術を結集して作り込まれたアンプモデルは完全に通常のギターアンプと差が無いほどの音質を提供してくれますが、ハイゲインモデルについてはデジタル機器特有のクセが若干ながら残っている印象を受けます。ただこれもEQやアンプミックス(後述)などの組み合わせで、通常のアンプとほぼ変わらない聴感レベルに仕上げることは出来るでしょう。
他社製アンプのモデリングはフェンダー/マーシャル/VOX/メサブギーのみと控えめな印象で、変わって目につくのがX-CRUNCH/X-HI GAIN/X-MODDEDといったBOSSのオリジナルアンプです。この「X-」の接頭語が付く3つのアンプモデルは、それぞれクランチ/ハイゲイン/ウルトラゲインが得られる”GT-1000の歪みサウンドの肝”となっています。WAZA AmpやKATANA Ampの歪みに近い、王道ロックサウンドのイメージです。
デジタル最高峰のビットレートと処理能力で、あらゆるエフェクトをハイファイサウンドで提供してくれます。
歪み系のエフェクトはBOSSコンパクトゆずりのものから、他社のモデリングまで幅広い種類を2系統使用可能。特に3種あるファズはいずれも名前から類推できるモデリングで、非常に個性が強く面白いサウンドです。歪み系は非常に豊富ではありますが、アンプモデルが秀逸なため、基本はブースターやゲインアップなど、アンプサウンドをプッシュするための補助的な使用が主になるでしょう。EQも4系統が使用でき、アンプサウンドの微調整や積極的な音作りに活躍します。ノイズゲートは掛かりが自然で、減衰も不自然さがなく、ハイゲインアンプとの併用で力を発揮します。
ギタリストのこだわりが強いディレイは最大5系統を同時使用可能(DELAY1~4の4箇所、マスターディレイが1箇所)です。マスターディレイはBOSSのハイグレード・ディレイペダル「DD-500」のサウンドや機能を継承した高品質なディレイで、基本的なディレイサウンドはもちろんアナログ、テープエコーやリバースなど個性的なものまで網羅されています。同様にリバーブエフェクトもBOSSのハイグレード・リバーブペダル「RV-500」のサウンドを継承しています。
FXは3系統を同時使用可能で、BOSSのハイグレード・モジュレーションペダル「MD-500」のサウンドと機能を継承しています。コーラス/フランジャー/フェイザー/トレモロ/といった定番のものから、DEFRETTER/RING MOD/OVERTONE/SOUND HOLDなど通常ではあり得ないサウンドを得るものや、PAN/OCTAVE/HARMONISTなどの演奏上の効果として実用的に使えるもの、またSITAR SIM/ROTARYなどのようにビートルズやサイケロックの演奏などに効果を発揮するものなど、通常のエフェクトに含まれないものは全てここにカテゴライズされています。
アコギ音をバンドで得たいギタリストにとってはこのFXの中にアコースティックシミュレーターがあることも見逃せないでしょう。また、埋もれがちですが、エレアコ用のエフェクトAC RESONANCEは同社のアコースティックプリアンプ「AD-10 Acoustic Preamp」から移植されたもので、ピエゾPUの音をマイク録りのように変えてしまうという優れもの。アコースティックライブや、セットリストにアコギの曲が入っている時にも対応でき、その運用性の広さには驚くばかりです。
さて、ここからは実際に使ってみてわかった「GT-1000のすごいポイント」について紹介していきます。
上で紹介した動画と同様、SUB OUTからステレオ出力したサウンドを直接録音している
アンプモデルは2台まで同時使用が可能です。信号を二つに分け、並列でアンプを並べ、1つのパッチ内でCTLフットスイッチの切替によって2台のアンプモデルを使い分けることができる他、2台のアンプモデルをミックスして出力することもできます。例えば「ハイゲインのアンプに少し芯を通したい場合に、薄くクランチサウンドを混ぜて使う」「アコースティックをシミュレートした音とディストーション音を同時に鳴らす」など、非常に幅広く実用的な運用ができます。
また、信号ルートごとに音量バランスやパンニングを設定できるため、片方のアンプモデルを大きめに鳴らしたり、LRで左右に振って完全にステレオで鳴らすこともできます。「ウルトラハイゲイン系のアンプモデル2台をステレオ出力し、壁のような立体的なサウンド」にすることも簡単です。
通常のエフェクターボードのように直列接続はもちろんのこと、信号を二つに分けて並列でエフェクトを掛けることもできます。これによって信号Aにコンプレッサー、信号Bにオーバードライブを掛けて、その後それらをミックスしてアンプに送り込むなどといった使い方が可能です。
並列のルートは最大で3系統までの分岐が可能なので、信号Aをコンプレッサー、信号Bをアコースティックシミュレーターとし、それらをアンプに通し、別の信号Cではアンプ→コーラス、などといった複雑な使い方も考えられます。また、FXエフェクトをフルに活用すれば、パッドやストリングスのような音をギターで鳴らすこともでき、これとギター本来の音を混ぜて出力することで、キーボードのレイヤーのような効果を得ることも出来ます。
カラーLEDはエフェクトによって色が変わる。
フットスイッチはただエフェクトをON/OFFするだけでなく、パラメータの変更や、複数の役割を一括で担わせることができます。
CONTROL ASSIGN > CONTROL FUNCTION画面
この画面で各スイッチの役割を設定することができる
基本操作の項目で、3つのCTLスイッチに好みのエフェクトを割り当てられるという話がありましたが、実際には10個のフットスイッチ全てに好みの機能を割り当てることができます。画像を見て頂ければ、上下のBANK、そして下段に並ぶ1~5のパッチスイッチ全てにFUNCTIONという項目があり、そこで様々な機能の割り当てが出来ることが分かるでしょう。
ちなみに画像の状態では、下段のBANKスイッチはそのままバンクの割り当てに使用している状態。空欄になっているMODEという項目ではTOGGLE(オン⇔オフ)、MOMENTARY(押している間だけオン)の二種が選べます。また、スイッチの機能そのものをオフにすることもでき、これをしておくことで踏み間違えのトラブルの防止に繋がります。
10個のフットスイッチ全てにチューナーを割り当ててみた様子
スイッチやペダルにはエフェクトのON/OFFのみならず、パラメータ変更も割り当てられます。スイッチを踏むことでゲインが上がったり、ボリュームが上がるというものは最も考えられる使い方です。またフットペダルはワウやボリューム以外にもパラメータを割り当てて使用できるので、例えばフットペダルにディレイタイムを割り当てて連続的にタイムを変化させるといったこともできます。
基本操作のCTLスイッチの項目で記述していますが、踏んでいる間だけアナログディレイの発振を起こすというものは、スイッチをMOMENTARYモードにして、フィードバック値を割り当てて制御することで可能になります。
CONTROL ASSIGN > CONTROL MATRIX画面
この画面でフットスイッチの役割をさらに細かく設定できる。
一つのフットスイッチに複数の役割を一度に設定することが出来ます。たとえば、一つのフットスイッチを踏むだけで「アンプの切替、ディレイのON、ブースターのON」という作業を一度に実行することもできます。他にも、一つのフットスイッチに「コーラスのON、長めのディレイタイム、アンプのゲインを下げる」という3種の作業を登録しておくことで、ハードなリフの音から煌びやかなアルペジオのトーンに一発で切り替えることもできます。
アンプモデルとエフェクトのパラメータはほぼ全てを割り当てることができるので、工夫次第によって実用度は無限と言えるでしょう。
全ての出力先を表示した画像
GT-1000には出力先によって最適なサウンドに自動でセッティングしてくれる機能がついており、人によって、あるいは場所によって様々な使い方が考えられる機器にとって非常に有用です。ローランドの機器については名前入りで具体的な入力先を選べるようになっていますが、スタジオの定番である「Roland JC-120」があるのはローランドならではであり、心強いでしょう。この手の機器ではあまり推奨されない、アンプのインプット端子に繋ぐ方法についても最適なサウンドになるように、スタックやコンボに応じてそれぞれプリセットされています。無論、家でレコーディングあるいはヘッドホンを繋いで練習する際にもそれぞれ適した出力先を選ぶことが出来ます。
ギター博士「ちなみに、レコーディングの際には通常のフォンケーブル対応であるMAIN OUTよりも、XLR端子を装備したSUB OUTから良質なケーブルを使用する方が太いサウンドで録音できると感じたゾ🎵」
XLR端子を使って出力する
接続端子の充実ぶりは目を瞠ります。中でもポイントとなりそうなのが、エフェクトループを2系統装備しているところ。歪みやEQのみ個別のエフェクターを使いたいという場合に、2系統が利用できることで、より柔軟な接続を可能にしています。
CTL端子やMIDIを装備することで、外部エクスプレッションペダルやMIDIペダルなどを増設でき、申し分ない拡張性も担保。AMP CTL端子を使えば外部アンプのチャンネル切替もGT-1000から行えます。
チューナーの精度は非常に高く、GT-100にも存在したポリフォニックチューナー(全弦のチューニングを一度に表示する機能)に対応。2種の表示方法を持ち、反応も速く、使いやすいものが搭載されました。Bluetoothに対応し、iOSやAndroidから専用アプリを使ってのワイヤレスセッティングが可能。PCからもUSB接続でのセッティングが可能で、さらにオーディオインターフェース機能を内蔵し、そのままレコーディングに使用できます。
パッチ切替は従来のGTシリーズを遙かに上回る超高速で、音切れは皆無に等しく、曲中の忙しい場面であっても自然な切替ができます。
およその価格は10万円程度。やはりハイエンドの機材だけあって、通常のエフェクターと比べると非常に高価に感じるかもしれませんが、実態は通常のマルチエフェクターと異なり内部で全てを完結できる完成された機材です。また、ギタープロセッサー市場を見渡してみると、価格帯はおよそ10万円強~30万円程度が主流となっているようです。GT-1000が同レベル以上の機材であることを考えても、このカテゴリの中では最安といって過言ではありません。
GT-1000を…
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GT-100、GT-1の流れを汲んでいるGT-1000ですが、スペックにどれほどの違いがあるのか見てみましょう。
GT-1000 |
GT-100 |
GT-1 |
|
プリセット数 (ユーザー/プリセット) |
250/250 | 200/200 | 99/99 |
AD/DA | 32bit | 24bit | 24bit |
サンプリング周波数 | 96kHz | 44.1kHz | 44.1kHz |
アンプモデル数/エフェクト数 | 16/116 | 27/108 | 27/108 |
寸法(W x D x H) | 462 x 248 x 70 mm | 542 x 271 x 102 mm | 305 x 152 x 56 mm |
重量 | 3.6kg | 4.8kg | 1.3kg |
実売価格(税抜) | ¥ 100,000 | ¥ 48,000 | ¥ 18,500 |
表:直近のGTシリーズ3種類の比較(価格は2018年7月時点)
ここで目を引くのはやはりサンプリング周波数とAD/DAのビットレート数。デジタル機器の要ともなるこの二点については、やはりGT-1000での3倍の進化というのが納得できる数値です。
アンプモデル数は既存のアンプのモデリングが充実していたGT-100などに比べ、やや種類的に落ちており、数を少なくしてモデリングを削ったぶん、個々のクオリティを上げるという方法でのブラッシュアップが図られているようです。オリジナルモデルの増加はBOSSの技術者の矜持を見る思いです。
驚きはその寸法と重量ですが、なんとGT-100よりも1kg以上も軽量で、筐体のサイズも幅が8cmほどスリムになっています。今までのGTシリーズが「でかくて重い」という評判を度々受けていたのを承知してのことか、可能な限りの省サイズ化を図ってきており、持ち運びの多いライブ派のギタリストにとっては嬉しい仕様です。
GT-1000が他社製ギタープロセッサーと異なる大きなポイントとなるのはアンプモデルでしょう。GT-1000では他社製アンプのモデリングが控えめであり、特に歪みに関してはBOSSのオリジナルアンプのサウンドがカギを握ります。このサウンドが好みだという人は、GT-1000は大いに満足できるでしょう。
他社製品との比較について詳しくはこちらをご覧ください。
操作性については、非常に洗練されて使いやすさが追求されていることは間違いないものの、その膨大な機能の多さがゆえに、全てカバーするにはやはりPCやBluetoothでのスマートフォンでの操作を併用出来ることが望ましいです。多機能は音作りの自由度に直結する要素であり、それらを全てゼロからカバーしようとすると、やはりそれなりの知識と経験が必要となります。こだわりのプレイヤーにはそのこだわりをじっくり形にしてくれる機材となりますし、膨大な選択肢が音作りの楽しみを何倍にもしてくれます。
BOSSが作り上げた圧倒的高音質と抜群のコストパフォーマンスは他の追随を許さず、今後ミドルクラスのギタープロセッサー市場において定番の地位を確立することでしょう。これまでのGTシリーズを使い続けてきたヘビーユーザー、あるいは、今までのギタープロセッサーを値段やサイズの点から見送ってきたギタリスト。様々なニーズを抱えた多数のギタリストを満足させる製品となっています。
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